IPO銘柄詳細

日本エマージェンシーアシスタンス

コード 市場 業種 売買単位 注目度
6063 JASDAQスタンダード 100株 B
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2012/05/30
ブックビルディング期間 2012/06/01 - 06/07
公開価格決定 2012/06/08
申込期間 2012/06/12 - 06/15
払込期日 2012/06/19
上場日 2012/06/20
価格情報
想定価格 1,200円
仮条件 1,100 - 1,200円
公開価格 1,100円
初値予想 1,500円
初値 1,400円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 吉田 一正/1955年生
本店所在地 東京都文京区
設立年 2003年
従業員数 227人 (2012/04/30現在)(連結)
事業内容 医療機関紹介、医療通訳、緊急搬送などの医療アシスタンスサービスの提供事業およびカード会社向けコンシェルジュなどのライフアシスタンスサービスの提供事業
URL http://www.emergency.co.jp/
株主数 117人 (目論見書より、潜在株式のみの株主も含む)
資本金 213,375,000円 (2011/12/31現在)
上場時発行済株数 1,138,000株(別に潜在株式81,200株)
公開株数 394,600株(公募100,000株、売り出し243,200株、オーバーアロットメント51,400株)
調達資金使途 システム改修の設備資金、増床に伴う器具備品購入など
連結会社 子会社4社
シンジケート
公開株数343,200株(別に51,400株)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 野村 281,900 82.14%
引受証券 いちよし 20,500 5.97%
引受証券 大和 10,200 2.97%
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 6,800 1.98%
引受証券 SBI 6,800 1.98%
引受証券 マネックス 6,800 1.98%
引受証券 エイチ・エス 3,400 0.99%
引受証券 丸三 3,400 0.99%
引受証券 SMBCフレンド 3,400 0.99%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
吉田 一正 代表取締役社長、子会社の取締役 500,000 44.67%
ヴァンタークルーズヘルスサービスインク 役員等が議決権の過半数を所有する会社 147,200 13.15%
ニッセイ・キャピタル3号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 70,000 6.25%
DBJキャピタル1号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 64,000 5.72%
ジャフコV1-B号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 34,800 3.11%
横浜キャピタル ベンチャーキャピタル(ファンド) 32,000 2.86%
ジャフコV1-A号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 21,200 1.89%
ジェフコ・グレートエンジェルファンド1号 ベンチャーキャピタル(ファンド) 17,600 1.57%
ジャフコV1-スター ベンチャーキャピタル(ファンド) 14,000 1.25%
スティーブ・アール(ステファンジェイアール) 取締役、子会社の取締役 11,600 1.04%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2012/12 連結予想 1,943 256 229 140
2012/03 連結1Q実績 553 53 53 31
2011/12 連結実績 1,610 171 163 166
2010/12 連結実績 1,356 105 90 78
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2012/12 連結予想 128.98 390.48 -
参考類似企業
銘柄 今期予想PER(5/31)
プレステージ
7.5倍 (連結予想)
ユーラシア
13.6倍 (連結予想)
HIS
9.7倍 (連結予想)
KNT
5.5倍 (連結予想)
事業詳細
 海外での医療回りサービスを提供している。特に国境をまたいだ環境にいるサービス受益者に対し、医療アシスタンスサービスとコンシェルジュサービス(ライフアシスタンス事業)を提供している。 2003年の設立当初は仏Europ Assistance社の日本法人として設立(出資比率60%)。2005年6月に吉田一正代表取締役らがMBO(経営陣が参加する企業買収)実施し独立した。

1.医療アシスタンス事業
 海外旅行や海外駐在、海外渡航中に病気やケガをしたサービス受益者が、自国にいるときと比べて不自由なく必要な医療を受けられるように「コーディネート」する。
 海外旅行保険の付帯としてのサービス提供のほか、自社展開のサービスとして、(1)事業法人向けや、(2)留学生危機管理サービス、(3)内閣府による中国遺棄化学兵器処理事業に関する医療支援サービス、(4)国際医療交流支援サービス――を手掛けている。

2.ライフアシスタンス事業
 クレジットカード会社からカード会員に対するコンシェルジュサービスを受託している。具体的には、主に海外出張中、海外旅行中の富裕層向けカード会員に対し、著名・高級レストランの予約や買い物支援から、突然のスケジュール変更、災害などで運休されたフライトの代替交通手段の確保まであらゆるコンシェルジュサービスを提供している。

 2011年12月期の売上高構成比は、医療アシスタンス事業82.3%、ライフアシスタンス事業17.7%。主な販売先は、損害保険ジャパン43.2%、アメリカン・エクスプレス・インターナショナル17.2%、内閣府10.4%。
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・直近(2009年)の第三者割当増資の発行価格は、分割修正して625円。
・大株主上位9名とニッセイ・キャピタル4号、DBJキャピタル2号の持ち株には90日間のロックアップが掛かる。ただし、初値形成後、公開価格の1.5倍以上では解除される。
・ベンチャーキャピタルの持ち株にはロックアップが掛かる。
・EPS(1株当たり利益)は期中平均株式数による算出。上場時株式数では123.02円。


<ファーストインプレッション>
 海外での医療サポートという事業は珍しい業態で、上場企業に類似は見当たらない。海外進出の必要性が声高に叫ばれるようになるなか、緊急時のサポート需要が高まっていく可能性は高そうだ。吸収資金も4億円にとどまることから、需給ギャップをテコにしっかりした展開が期待できる。ただ、業績規模が小さく取引先の構成などから、実体的には下請けに近い印象。数値的な存在感が現段階では薄いため、落ち着けば流動性リスクにさらされる恐れがある。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 1,200円
 吸収資金レンジ: 4.1億円 - 4.7億円(今期予想連結PER: 9.3倍)
 時価総額レンジ: 13.7億円

仮条件: 1,100円 - 1,200円
 吸収資金レンジ: 3.8億円 - 4.7億円(今期予想連結PER: 8.5倍 - 9.3倍)
 時価総額レンジ: 12.5億円 - 13.7億円

<強気材料>
吸収金額が少ない、新奇性のある業態、業績堅調、円高

<弱気材料>
下請け的位置付け、自力成長が見えにくい、業績規模が小さい、VC多い、売買代金低迷、全体の株価下落

<機関投資家の指摘事項>
1.アシスタンス事業という、参入障壁が高くユニークなビジネスモデルが評価できること。
2.海外旅行保険の付帯サービス等の既存事業において、今後も安定的な成長が期待できること。
3.全体的な景気動向等に不透明感があり、その影響を受ける可能性があること。


<結論>
 Bとする。公開価格が1200円とすれば1400~1800円(PER:10.9~14.0倍)を想定初値とする。
 珍しい業態だが難解な部分はなく、成長ストーリーもある程度分かりすい。吸収資金の少なさもあり、需給に問題はなく、堅調な展開が想定される。

 同社は仏ヨーロッパアシスタンスの日本法人として設立後、MBO(経営陣が参加する企業買収)で独立した会社。損保会社やクレジットカード会社から業務を請け負い、海外での医療アシスタンスを受託先のユーザーに対し提供している。今後、日本人が海外に出る機会が増えるとみられるなか、同社の業務も増加していくと考えられる。

 国内では珍しい業態で参入障壁は高いようだが、売上高営業利益率は1割前後にとどまる。2桁に乗せており決して低いわけではないが、従業員給料の平均が38歳で432万円とサービス業としてそれほど際立っているわけではなく、特別に技能が必要とされることを行っているわけではないようだ。事業の実態は、現状では損保とカード会社の下請け的な存在にとどまっている。前期から始まった中国遺棄化学兵器処理事業に関する医療支援サービスや、国際医療サービスなど自社展開型のサービスがどれだけ伸びていくかが、今後の利益率の伸びと自立的な成長の鍵になりそう。事業規模が拡大していけば、販管費率の低下も加わり、利益率は高まると考えられる。

 一方、観光庁の資料によれば、日本人の海外渡航者数は2006年に1753万人でピークを打った後、2009年に1544万人まで落ち込んだ。2010年からは再び増加に転じ2011年は1699万人(暫定値)に達したが、06年には及ばない。足元の回復ペースは速いものの長期的には伸び悩み感が残る。イメージほど同社の事業環境がいいというわけではない。

 また、時価総額がまだ10億円強と低いことから、株価が落ち着いた後での市場での存在感は薄くなると考えられ、PERも長期的には高い評価は難しい。類似企業がないため比較が難しいが、旅行会社や損保向けBPOのプレステージとの比較では7~10倍程度が適正と考えられる。無配のため割安で放置される危険があることを踏まえれば、上場は2~3年早すぎるのではないかとも感じられ、仮条件に割安感は感じられない。

 しかし、吸収資金は最大でも5億円弱にとどまり、ベンチャーキャピタルにはロックアップも掛かる。需給面での不安はほとんどない。昨年は震災直後に上場した銘柄でも7億円台の銘柄は公開価格割れしておらず、このことからギリシャなどで不測の事態が起こっても、公開価格割れの可能性は低いだろう。長期的な株価推移には不安が残るが、足元の業績の伸び率が今期営業利益で49%と高いことや、新奇性などから当初は心理的な節に当たる1500円を軸に、しっかりとした展開が望めるものと予想する。


<追加分析>
 B継続。引き続き1400~1800円(PER:10.9~14.0倍)を想定初値とする。

 大型REITのIPOが重なったことで出足は鈍いようだが、見慣れない業態だからといって特に懸念される様子はないもよう。事業内容自体は理解しやすい。吸収金額的にも出遅れは全く問題ないだろう。相場全体はなお不安定なものの、需給的に地合い悪化の影響は受けにくいため、引き続き堅調な展開を予想する。
公開価格分析
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公開価格: 1,100円
 吸収資金: 4.3億円(今期予想連結PER: 8.5倍)
 時価総額: 12.5億円

 公開価格は仮条件下限、追加売り出し株数は上限でそれぞれ決まった。引受価額は1012円。訂正目論見書によれば、申告された総需要株式数は公開株式数を十分に上回り、件数が多かった。しかし、機関投資家以外の投資家からの需要が、機関投資家からの需要よりも多かった。想定初値は1050~1200円(PER:8.1~9.3倍)に改める。

 機関投資家の投資意欲が乏しかったようだ。ブックビルディング期間中の株式相場全体が、激しく乱高下したことが背景にあると考えられる。また、時価総額が10億円台では、もともと機関投資家が保有しにくく、こうした場面では無視されやすい面がある。ブックビル前のプレヒアリング時での評判はそれほど悪くなかったと考えられ、仮条件も下に広く取られてはいなかった。主幹事としても意外な結果だったのではないだろうか。
 吸収金額が4億円強と極小のため、本来ならば下限決定でもそれほど需給は気にしなくてもすむ水準だが、近頃の傾向としてはそうした銘柄に対し、極端に買いが細る現象が見受けられる。昨年12月のサンセイランディック、新田ゼラチン、今年の大阪工機は朝方の買い注文の金額が1億円にさえ満たなかった。共通点としては銘柄そのものか、後ろに需給不安のあるIPOが控えていたことが挙げられる。
 13日に大型REITが新規上場する予定になっており、状況としては油断ならない並び。しかし、EAJの上場よりも前にあるうえ、ギリシャの再選挙も通過するため、一方であく抜けが期待されよう。不人気の要因が銘柄そのものというより、外部要因による要素が大きいため、よほどの混乱が続かない限り買い越しでスタートできると考察する。再選挙の結果で混乱しても、ギリシャはしょせん大阪府や神奈川県程度のGDPに過ぎない小国であることも忘れてはならない。
 昨年、下限決定でも買い気配でスタートしたベルグアースは吸収金額が3.6億円に過ぎないにもかかわらず、上昇率は5%程度にとどまったことから、低人気は避けられそうにないが、売り越しの場合でもシンジケートカバーを要するほどではなさそう。売り買いが自然に一致できれば、公開価格を奪還するのも容易である。
初値予想
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初値予想: 1,500円(今期予想連結PER: 11.6倍)
初値買い妙味: B

 しっかりした初値を予想する。初値のコンセンサスは「1000円~1500円」。公開価格が仮条件下限に決まったことであくまで警戒する向きがある半面、外部環境の好転で買い安心感が広まると期待する向きとで分かれる。

 日本人が海外滞在時に現地の医療サービスを利用する際、サポートする事業を手掛けている。事業の大半は損害保険会社からの受注だが、政府の中国遺棄化学兵器処理事業や事業法人向けなど自社展開のサービスも始めている。その他、クレジットカード会社からは会員向けに、海外滞在時のレストラン予約や航空チケット手配などコンシェルジュサービスを受託している。

 既存の上場企業にない業態で新奇性があるうえ、日本企業の海外進出が叫ばれるなかで成長イメージもある。ただ、業績規模が小さいため時価総額は10億円台と小規模。地方新興市場並みの案件ともいえ、しばらくすれば存在感は薄くなりそう。事業も現在は損保やカード会社からの下請けがメーンであり、自力成長という面ではまだ弱い。今後は特に自社展開の事業を広げていけるかが成長の鍵になる。

 公開価格が仮条件の下限で決まったことによる警戒感はあるが、ブックビルディング期間中に乱高下した株式市場は落ち着きを取り戻した。ギリシャ再選挙の結果が当面の混乱を回避するものになったことで投資家心理は随分と改善している。
 需給面では、吸収資金は4億円でベンチャーキャピタルにはロックアップ(初値形成後の解除規定あり)がかかるため問題はない。買い越しで始まれば外部環境の好転もあって一気に買い安心感が広まると考え、節目の1500円を目指す動きになると予想する。
初値分析
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初値: 1,400円(今期予想連結PER: 10.9倍) / 上昇率: 27.3% / 高値: 1,575円 / 安値: 1,275円 / 終値: 1,310円
出来高: 853,300株 / 対公開株数: 216.2% / 初値出来高: 168,200株 / 初値売買代金: 235,480,000円

 堅調な初値が付いた。公開価格が仮条件の下限だったことで悲観する向きもあったものの、ブックビルディング時と比べ随分と相場が落ち着き、成長性や新奇性を材料に素直に買いが入った。また、慎重な短期筋は公開株取得を見送ったとみられ、朝方の売り注文が少なかったことも押し上げ要因になった。

 寄り付き後は節目の1500円台でもみ合いになったが、上値が重く次第に上げ幅を縮小した。公開価格から1.5倍となる1650円ではロックアップが解除される。その対象には多くのベンチャーキャピタル保有株が含まれるため警戒感が強く、上値を追う動きにはならなかった。
 一方、出来高は公開株数の2.2倍にも達した。吸収資金が少ない銘柄ならではの現象だが、同じ公開規模の銘柄と比べてもよく回転したと言える。業績がまだ伴っていないため商いが落ち着けば放置されかねないが、目先は公開価格を維持できれば短期筋の思惑で反発、乱高下といった展開が考えられる。

 野村証券からリポートが出ている。世界各地の医療機関とのネットワークなど強力なインフラを持つ点や、日本人向けのきめ細かいサービスなどが強みだと指摘。中期的には世界的に大きな成長が見込まれるメディカルツーリズム関連事業の成長ポテンシャルにも注目できるとの見方を示した。今12年12月期の営業利益は会社予想(2.56億円)に近い前期比51%増の2.60億円(EPS 132.9円)と予想。来13年12月期3.50億円(EPS 184.5円)、14年12月期4.50億円(EPS 241.7円)と競合の撤退などで増収増益が続く見込みだとした。
追加情報
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 東洋経済新報社による今後の業績予想は、2012年12月期の売上高が前期比21%増の19.5億円、経常利益が41%増の2.3億円、EPS 123円と会社予想をほぼ踏襲。2013年12月期は売上高が23%増の24億円、経常利益が39%増の3.2億円、EPS 167円と2割増収4割の経常増益のペースが継続するとみている。
IPOスケジュール
マーケットデータ
日経平均 38,079.70 +117.90
TOPIX 2,677.45 +14.30
グロース250 659.87 +9.75
NYダウ 37,753.31 -45.66
ナスダック総合 15,683.37 -181.88
ドル/円 154.36 -0.02
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