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日本郵政
ゆうちょ銀行
かんぽ生命
アナリスト田中の深堀り郵政IPO! 特集記事バックナンバー
【第9回】
郵政3社はどれを買うべきか
青い鳥の止まるカネのなる木はどこに?
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 郵政3社のブックビルディングの前半戦が終了する。金融2社についてはブックビルディングが今週いっぱい。親会社よりも先に締め切られる。

 ところで3社もあると、「選ぶならどれか?」という質問をよく受ける。「郵政、買うべきか?」ではなく、取りあえず、どれか買うことは前提になっている。ただ、実際には3社まとめて需要申告する投資家が多く、株数の少ないかんぽ生命の倍率が高くなっているようだ。

 3社とも基本的には買っていいと考えているが、私が注目するのは「日本郵政」だ。理由は簡単。親会社だし、土地持っているから。経営の自由度も唯一保持している。
 ただし、これは公開価格と初値のサヤ取りの観点からではなく、もっと長期の視点からの結論だ。

 日本郵政の利益は8割超が金融2社から構成されており、特に半分強を占めるのはゆうちょ銀行だ。このためか、前評判は金融2社、なかでも配当利回りが一番高くて稼ぎ頭のゆうちょに行きやすい。反対に日本郵政は斜陽事業の郵便から撤退が許されないほか、数年前に政治介入で売り損なった宿泊事業や病院事業といった赤字事業も抱える。まさしくお荷物事業のない金融業は、いいとこ取りのように見える。確かにその通りだ。

 ただ金融業以外の事業がマイナス資産なのかといえば、そこまでではないし、どのみち金融2社の業績は親会社に反映される。青写真なきIPOであるがゆえ、親子関係を解消する見通しは立っていない。また、日本郵政の配当利回りは、3社のなかではゆうちょ銀行に次ぐ高さだ。

 そもそも民営化の目的は「官業の失敗」を正すことにある。その効果は数々の前例が証明している。不採算事業を抱えているくらいの方が、将来の改善余地が大きいというものだ。

 さらに日本郵政には金融2社にない特徴として、日本郵便が持つ膨大な土地資産といった切り札を持っている。日本郵政単体と合わせた土地保有額は1.4兆円に上る。上場企業で1兆円を超すのは7社しかない。土地持ち元公社では、JRグループやNTTの前例がある。NTTでは傘下の不動産開発会社がそれなりの規模を持つ。JRグループでの不動産事業は、どこも今や新たな収益柱に育っている。
 日本郵便の不動産開発事業は収益回収が始まったばかり。今後続々と新築ビルの完工が予定されている。テナント誘致では一部苦戦も伝えられるが、これはノウハウ取得段階の産みの苦しみだろう。カネのなる木を庭に植え始めた最後の巨人に期待したい。

(2015/10/16)


特集記事バックナンバー
・ 第1回、NTTドコモ越えなるか!? 超ド級のIPO迫る
・ 第2回、特例づくしの、世界でも類を見ない親子同時上場
・ 第3回、知っておきたいもう一つの子会社“ 現場業務を担う日本郵便 ”
・ 第4回、踊る超ド級IPO
・ 第5回、国民資産が簿価の6割引で買える!? ゆうちょ銀行の投資妙味や如何に
・ 第6回、親方日の丸保証がメリットのかんぽ生命、焦点の配当利回りを保険大手と比べてみると…
・ 第7回、郵政上場に株価は救われたのか?
・ 第8回、日本郵政の価値を考える! 日本郵便はお荷物なのか?〜一等地に抱える膨大な不動産〜
・ 第9回、郵政3社はどれを買うべきか 青い鳥の止まるカネのなる木はどこに?
・ 第10回、世界の郵便事業IPO、株価が上がった国、下がった国 成長のカギを握るのは…
・ 第11回、過去の大型IPOの指数採用イベントは?
・ 第12回、ゆうちょ銀のキャッチアップはあるのか? かんぽ生命の今後は?上場一ヶ月、各社の…
・ 第13回、問題山積だが、走り始めた民営化はもはや誰にも止められない。
郵政IPO トピックス( 郵政グループに関連する情報をピックアップして随時配信しています )
2015/11/4 米MSCI、日本郵政とゆうちょ銀を早期組み入れ
 米MSCIは4日、日本郵政とゆうちょ銀行の2社をMSCIグローバルスタンダード指数に11月18日から反映させる(17日の大引けで計算)と発表した。ともにラージキャップとスタンダードが対象になる。
2015/11/4 英FTSE、郵政3社の投資可能分は11%
 英FTSEは郵政3社のグローバル株価指数シリーズへの早期組み入れ(ファストエントリー)について、3社とも発行済み株式数の11%を投資可能分とみなすと発表した。10日火曜日大引け時点の株価で組み入れ、翌11日から各指数に反映させる。
2015/10/27 日本郵政、グレーで5%高の1470円 (BBG 報道)
 日本郵政株について、東京時間午前10時46分に1470円でグレーマーケットの取引があったとブルームバーグが報じた。シンガポール在住のチャーチル・キャピタルのセールス・トレーダーが明らかにしたという。公開価格の1400円を5%上回る。また、ゆうちょ銀行は公開価格の1450円に対し1540円で取引され、かんぽ生命保険は公開価格2200円に対し2360円の買い気配、2500円の売り気配が入っているとしている。
2015/10/20  かんぽ生命とゆうちょ銀、グレー市場で公開価格上回る買い注文 (BBG 報道)
 上場前の株式が取引される「グレーマーケット」でかんぽ生命は公開価格2200円に対し、2350円のビッド(買い気配値)、ゆうちょ銀行については公開価格の1450円に対し1550円のビッドが入ったとリオリエント・グループによる話としてブルームバーグが報じた。また、チャーチル・キャピタルのセールス・トレーダーの話として、ゆうちょ銀には1510円、かんぽ生命には2290円のビッドが入っていると伝えた。
2015/10/14  郵政3社、ブックビル開始2日で需要超過 (BBG 報道)
 日本郵政グループ3社のIPOで、ブックビルディング開始から2日間で国内外の投資家需要が総売り出し株式数を上回ったと、ブルームバーグが関係者の話として報じた。日本郵政とゆうちょ銀では申し込みが売り出し予定数を上回り、かんぽ生命では数倍になったという。
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