決算寸評:中国郵政儲蓄銀の17年12月本決算、個人向け好調で2桁の増収増益
中国郵政儲蓄銀(01658)がこのほど発表した2017年12月本決算は、経常収益が前年比18.6%増の2248億6400万元、純利益が同19.8%増の476億8300万元と2桁の増収増益を達成。経常収益と純利益はいずれも直前のファクトセットがまとめたコンセンサス予想(経常収益:2151億7900万元、純利益:452億7900万元)を上回った。期末配当は1株当たり0.04元増配の0.59元を予定している。
貸出残高や利ざやの拡大で資金利益が19%増加したことが2桁増益の主因。減損損失が58%増と大幅に増えたものの、銀行カード手数料収入などの貢献で役務取引等利益が11%増加。投資収益の拡大や営業コストの抑制も2桁増益に寄与した。部門別では主力の個人向け銀行業務が税引き前ベースで18%増益、トレジャリー業務が44%増益と好調。法人向け銀行業務も4%増益と堅調な伸びを示した。不良債権比率は前年末の0.87%から0.75%に改善。Tier1比率は前年末比で1.04ポイント、自己資本比率は1.38ポイントそれぞれ上昇した。
17年8月に発表した上海市場への重複上場計画については、同年10月に臨時株主総会を通過。上場に向けた手続きを進めている。経営陣は新たな10年間の始まりにあたり、一流の大型リテ―ル銀行を目指す長期目標を設定。リスク管理の徹底や農村部での事業強化、ビッグデータの活用などで持続的な成長を実現していく方針を示している。
■同期の主な経営指標は次の通り
・純金利マージン(%):2.4(2.24)
・コアTier1比率(%):8.6(8.63)
・Tier1比率(%):9.67(8.63)
・自己資本比率(%):12.51(11.13)
・不良債権比率(%):0.75(0.87)
・費用収入比率(%):64.64(66.44)
・貸付残高(百万元):3,541,571(+20.5%)
・預金残高(百万元):8,062,659(+10.7%)
※( )内は前年の数字、貸付残高と預金残高の( )内は対前年比を記載
※非開示の場合は―と記載
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