トレンドフォローをβ値で
「おススメスクリーニング」は足元の相場状況などを勘案したスクリーニング条件をご紹介します。
今回は、β(ベータ)値を使用してマーケット(TOPIX)よりも大きな動きをする銘柄を抽出するスクリーニングアイデアをご紹介します。使用するβ値はTOPIX(90日)で算出されたものです。β値が1であればTOPIXと同じ動き(上昇・下落率が同じ)、β値が2であれば2倍の動き(上昇・下落率が2倍)となります。
β値をみる場合はその信頼性を表す決定係数も併せてみるべきなのですが、今回のスクリーニングでは省略しています。その分、スクリーニング条件に「東証1部」と「時価総額」を入れ、決定係数が高い銘柄が抽出されやすいようにしています。
今回のスクリーニングは、トレンドフォローの投資スタイルとなりますので、全体相場(TOPIX)が上昇トレンド中は買い、下落トレンド中は売りでトレードを行います。対象をβ値が高い銘柄とするため市場平均よりも高い利益が狙えることがこのスクリーニングの特徴です。
2020年10月半ばから株価が大きく上昇したコニカミノルタ<4902.T>、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>、マツダ<7261.T>などの銘柄が入りました。
今回のスクリーニングは90日の市場の動きと個別銘柄の動きの関係性をβ値でみていますので、トレンドフォローの投資スタイルとの相性は良いと思われます。ただ結果を見る場合、直近90日間で業績修正を行っている銘柄には注意してください。業績修正を受けて株価の水準訂正が行われた場合、急激な上昇(下落)後は値動きが緩やかになることが多くあります。その場合、β値で期待した動きがでない可能性があります。