マーケットの話題
明日の戦略
利食い売りに押されるも週間では4桁高、来週は材料満載で波乱含み
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり745/値下がり818。ナスダックの最高値更新を手がかりにグロース株の一角には買いが入っており、ディスコやアドバンテストが上昇。ソフトバンクGが連日で上場来高値を更新した。株主優待拡充を発表したタマホームが大幅上昇。バリューアクトの大株主浮上が判明したマネーフォワードや、シティインデックスイレブンスによる買い増しが判明した三井松島HDが急騰した。
一方、1Qが大幅な減益となった三菱自動車が7.9%安。トヨタ、マツダ、SUBARUなど同業に警戒売りが広がった。信越化学が決算を材料に急落しており、シリコンウエハーを手がけるSUMCOが連れ安。下方修正を発表したキヤノンが4%を超える下落となった。厳しめの決算反応がいくつか見られた中、引け後の決算発表を前にファナックがリスク回避の売りに押された。
前日に初値持ち越しとなったフラーは初値が公開価格比で4.4倍となったが、終値は初値を大幅に下回った。
日経平均は3日ぶり反落。ただ、下に値幅は出たものの、前日の上げ分(655円高)を打ち消すほどの下落にはならなかった。プライムでは値上がり銘柄が結構多かったほか、グロース250指数やスタンダード指数はプラスで終えており、弱いなりに健闘したと言える。
来週はFOMC(7/29~30)と日銀金融政策決定会合(7/30~31)が注目イベントで、どちらも政策変更はないとの見方が濃厚。ただ、日本に関しては日米交渉の合意を受けて、日銀が利上げできる環境が整ってきたとの見方が浮上している。政局が不安定なこの時点での利上げはないと思われるが、会合後の植田総裁発言などから早期の利上げが意識された場合には、円高、金融株買いの動きが出てくると思われる。当面の物色がグロース優位となるかバリュー優位となるかを見定める点において、観測報道も含めて日銀からのメッセージに注意を払う必要がある。
【来週の見通し】 波乱含みか。FOMCと日銀金融政策決定会合があり、金曜8月1日には米国で7月雇用統計が発表される。長期金利や為替の振れ幅が大きくなる可能性がある中で、日米ともに注目度の高い企業の決算が多く出てくる。国内ではアドバンテストや東京エレクトロン、米国ではアップルなどが発表を予定しており、個別の値動きが指数を大きく刺激する展開も想定される。日米とも株価指数が高値圏にあり、週を通して楽観ムードの強い地合いが継続するとみるものの、大幅高もあれば大幅安もあるといったように、日々のボラティリティは大きくなるだろう。
【今週を振り返る】 大幅高となった。月曜が休場で立ち合いは4日。参院選では政権与党が大敗したが、事前の織り込みが進んでいたこともあり、三連休明け22日の日経平均は2桁の下落にとどまった。23日は1396円高と4桁の上昇。日米交渉が合意に至ったことが伝わり、これまで関税に対する警戒から物色の蚊帳の外に置かれていた自動車株が人気化した。この日に年初来高値を更新すると、24日も大幅高となり、一時4万2000円を上回った。急ピッチの上昇に対する反動で25日は大幅安となったものの、週間では大きく水準を切り上げた。TOPIXは史上最高値を更新した。日経平均は週間では約1637円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。
一方、1Qが大幅な減益となった三菱自動車が7.9%安。トヨタ、マツダ、SUBARUなど同業に警戒売りが広がった。信越化学が決算を材料に急落しており、シリコンウエハーを手がけるSUMCOが連れ安。下方修正を発表したキヤノンが4%を超える下落となった。厳しめの決算反応がいくつか見られた中、引け後の決算発表を前にファナックがリスク回避の売りに押された。
前日に初値持ち越しとなったフラーは初値が公開価格比で4.4倍となったが、終値は初値を大幅に下回った。
日経平均は3日ぶり反落。ただ、下に値幅は出たものの、前日の上げ分(655円高)を打ち消すほどの下落にはならなかった。プライムでは値上がり銘柄が結構多かったほか、グロース250指数やスタンダード指数はプラスで終えており、弱いなりに健闘したと言える。
来週はFOMC(7/29~30)と日銀金融政策決定会合(7/30~31)が注目イベントで、どちらも政策変更はないとの見方が濃厚。ただ、日本に関しては日米交渉の合意を受けて、日銀が利上げできる環境が整ってきたとの見方が浮上している。政局が不安定なこの時点での利上げはないと思われるが、会合後の植田総裁発言などから早期の利上げが意識された場合には、円高、金融株買いの動きが出てくると思われる。当面の物色がグロース優位となるかバリュー優位となるかを見定める点において、観測報道も含めて日銀からのメッセージに注意を払う必要がある。
【来週の見通し】 波乱含みか。FOMCと日銀金融政策決定会合があり、金曜8月1日には米国で7月雇用統計が発表される。長期金利や為替の振れ幅が大きくなる可能性がある中で、日米ともに注目度の高い企業の決算が多く出てくる。国内ではアドバンテストや東京エレクトロン、米国ではアップルなどが発表を予定しており、個別の値動きが指数を大きく刺激する展開も想定される。日米とも株価指数が高値圏にあり、週を通して楽観ムードの強い地合いが継続するとみるものの、大幅高もあれば大幅安もあるといったように、日々のボラティリティは大きくなるだろう。
【今週を振り返る】 大幅高となった。月曜が休場で立ち合いは4日。参院選では政権与党が大敗したが、事前の織り込みが進んでいたこともあり、三連休明け22日の日経平均は2桁の下落にとどまった。23日は1396円高と4桁の上昇。日米交渉が合意に至ったことが伝わり、これまで関税に対する警戒から物色の蚊帳の外に置かれていた自動車株が人気化した。この日に年初来高値を更新すると、24日も大幅高となり、一時4万2000円を上回った。急ピッチの上昇に対する反動で25日は大幅安となったものの、週間では大きく水準を切り上げた。TOPIXは史上最高値を更新した。日経平均は週間では約1637円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。
指標 | 現値 | 前日比 | 騰落率 | 始値 | 高値 | 安値 |
---|---|---|---|---|---|---|
為替(ドル/円) | 147.08 | +0.01 | +0.01% | 147.07 | 147.48 | 146.82 |
日経平均(日足)
後場概況
日経平均は3日ぶり大幅反落 九電工が後場急伸
25日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は370円安の41456円。米国株は3指数がまちまちとなったが、ダウ平均の大幅安を嫌気して下落スタート。直近2営業日で2000円を超える上昇となっていただけに、場中は利益確定売りが優勢となり、じわじわと下げ幅を広げた。200円を超える下落で前場を追えると、後場には節目の41500円を割り込んだ。終盤にかけては一時下げ幅を400円超に拡大。週末を前に押し目買いは手控えられ、安値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5500億円。業種別では倉庫・運輸、海運、鉱業などが上昇した一方、化学、鉄鋼、輸送用機器などが下落した。1Q決算が好感された九電工<1959.T>が後場急伸。半面、1Qが減益着地となったアマノ<6436.T>が後場に入って急落した。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5500億円。業種別では倉庫・運輸、海運、鉱業などが上昇した一方、化学、鉄鋼、輸送用機器などが下落した。1Q決算が好感された九電工<1959.T>が後場急伸。半面、1Qが減益着地となったアマノ<6436.T>が後場に入って急落した。
前場概況
日経平均は3日ぶり反落 マネーフォワードが急騰
25日の日経平均は3日ぶり反落。前引けは256円安の41570円。まちまちの米国株を受けて、寄り付きは2桁の下落。寄った後は直近の上昇に対する利益確定売りが優勢となり、じわじわと下げ幅を広げる流れが続いた。プライムでは値上がり銘柄が多く、ところどころでは下げ渋る動きも見られた。一方、幾分戻してくると売り直されており、200円を超える下落かつ、安値圏で前場を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆2800億円。業種別では海運、倉庫・運輸、パルプ・紙などが上昇している一方、化学、鉄鋼、輸送用機器などが下落している。バリューアクト・キャピタル・マネジメントの大量保有が判明したマネーフォワード<3994.T>が急騰。半面、1Qが大幅な最終減益となった三菱自動車<7211.T>が急落している。
東証プライムの売買代金は概算で2兆2800億円。業種別では海運、倉庫・運輸、パルプ・紙などが上昇している一方、化学、鉄鋼、輸送用機器などが下落している。バリューアクト・キャピタル・マネジメントの大量保有が判明したマネーフォワード<3994.T>が急騰。半面、1Qが大幅な最終減益となった三菱自動車<7211.T>が急落している。
今日の株式見通し
軟調か ダウ平均の大幅安を受けて利益確定売りが優勢に
東京市場は軟調か。米国株はまちまち。ダウ平均が下落し、S&P500とナスダックが上昇した。ダウ平均は316ドル安の44693ドルで取引を終えた。構成銘柄のIBMとハネウェル・インターナショナルが決算を受けて大きく下落したことが響いた。ドル円は足元147円10銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが265円安の41605円、ドル建てが215円安の41655円で取引を終えた。
日経平均は23日、24日の2営業日で2000円を超える上昇となった。米3指数がそろって強い上昇となれば週末一段高にも期待できるところであったが、ダウ平均が大きく下げており、きょうは利益確定売りに押されることになるだろう。ただ、下に値幅が出るようなら、直近の上昇に乗り遅れた投資家からの買いが入りやすい。来週は決算発表が本格化して、個別物色が一段と活況になると見込まれる。前日の上げ分(655円高)くらいの下げはあるかもしれないが、警戒感はさほど高まらず、売り一巡後は底堅く推移すると予想する。日経平均の予想レンジは41200-42050円。
日経平均は23日、24日の2営業日で2000円を超える上昇となった。米3指数がそろって強い上昇となれば週末一段高にも期待できるところであったが、ダウ平均が大きく下げており、きょうは利益確定売りに押されることになるだろう。ただ、下に値幅が出るようなら、直近の上昇に乗り遅れた投資家からの買いが入りやすい。来週は決算発表が本格化して、個別物色が一段と活況になると見込まれる。前日の上げ分(655円高)くらいの下げはあるかもしれないが、警戒感はさほど高まらず、売り一巡後は底堅く推移すると予想する。日経平均の予想レンジは41200-42050円。