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明日の戦略
3日続伸で週間では大幅上昇、来週は方向感が出づらいか
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり503/値下がり1086と、日経平均は上昇したが値下がり銘柄は多かった。米9月消費者物価指数が市場予想を上回り、米国の長期金利が高止まりしたことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。主力どころではアドバンテスト、フジクラ、川崎重工に強い動きが見られた。決算と併せて自己株取得を発表したSHIFTが、商いを伴って7%近い上昇。本決算を材料にコシダカHDがストップ高まで買い進まれた。
一方、通期の利益見通しを引き下げたセブン&アイが下落。レーザーテック、信越化学、メルカリなどグロース系の銘柄の一角が軟調となった。米長期金利の高止まりが嫌気されて、三井不動産や三菱地所など不動産株が軒並み安。上期が計画未達となったトレジャーファクトリーや下方修正を発表した松竹が急落した。
本日、グロース市場に新規上場したオルツは、公開価格を上回る初値をつけ、終値も初値を上回った。
日経平均は3日続伸。ファストリさまさまの上昇ではあったが、三連休前に警戒ムードが高まらなかったことはポジティブ。値下がり銘柄は多くTOPIXは下げているだけに、ファストリが逆の動きをしていた場合、節目の39000円を割り込んでいた可能性もあった。終値は39605円で、40000円の大台も射程圏内に入ってきた。自民党総裁選の結果を消化した9月30日に日経平均は1910円下げたが、その前営業日9月27日の終値は39829円で、これを超えてくれば、株式市場は石破新政権に期待しているとの見方が強まる。三連休明けの15日は、衆議院議員選挙の公示日。「選挙は買い」のアノマリーが見られるかどうか、来週以降の動向が大きく注目される。
【来週の見通し】 一進一退か。月曜が祝日で立ち合いは4日。火曜15日までで2月決算企業の業績発表が概ね一巡し、3月決算企業の業績発表を前に多くの銘柄が手がけづらくなる。16日にASML(オランダ)、17日にディスコ<6146.T>、TSMC(台湾)が決算発表を予定しており、この近辺ではグローバルで半導体株の振れ幅が大きくなる可能性がある。また、欧米の長期金利動向を見る上では、17日のECB理事会および米9月小売売上高が注目される。米国では一足先に決算発表が出始めるだけに、各種材料に一喜一憂することになるだろう。ただ、決算待ちの状況下では、商いの盛り上がりが期待しづらい。日経平均もここからもう一段上昇して40000円に接近するようなら、いったんはやれやれ売りが上値を抑えると思われる。上への期待も下への警戒もそれほど高まらず、指数は方向感に欠ける動きが続くと予想する。
【今週を振り返る】 大幅高となった。米9月雇用統計を受けて4日の米国株が上昇し、円安も進行したことから、週明け7日の日経平均は大幅上昇。8日は米国株安を嫌気して大きく下げたが、9日は主力大型株が強く、前日の下げ分の大半を取り戻した。10日は大幅高で始まった後は伸び悩んだものの、3桁の上昇。注目の米9月消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回ったものの、米国マーケットは冷静に消化した。これを受けた11日は指数寄与度の大きいファーストリテイリングの貢献もあり、3営業日連続の3桁上昇。日経平均は週間では約970円の上昇となり、週足では陽線を形成した。
一方、通期の利益見通しを引き下げたセブン&アイが下落。レーザーテック、信越化学、メルカリなどグロース系の銘柄の一角が軟調となった。米長期金利の高止まりが嫌気されて、三井不動産や三菱地所など不動産株が軒並み安。上期が計画未達となったトレジャーファクトリーや下方修正を発表した松竹が急落した。
本日、グロース市場に新規上場したオルツは、公開価格を上回る初値をつけ、終値も初値を上回った。
日経平均は3日続伸。ファストリさまさまの上昇ではあったが、三連休前に警戒ムードが高まらなかったことはポジティブ。値下がり銘柄は多くTOPIXは下げているだけに、ファストリが逆の動きをしていた場合、節目の39000円を割り込んでいた可能性もあった。終値は39605円で、40000円の大台も射程圏内に入ってきた。自民党総裁選の結果を消化した9月30日に日経平均は1910円下げたが、その前営業日9月27日の終値は39829円で、これを超えてくれば、株式市場は石破新政権に期待しているとの見方が強まる。三連休明けの15日は、衆議院議員選挙の公示日。「選挙は買い」のアノマリーが見られるかどうか、来週以降の動向が大きく注目される。
【来週の見通し】 一進一退か。月曜が祝日で立ち合いは4日。火曜15日までで2月決算企業の業績発表が概ね一巡し、3月決算企業の業績発表を前に多くの銘柄が手がけづらくなる。16日にASML(オランダ)、17日にディスコ<6146.T>、TSMC(台湾)が決算発表を予定しており、この近辺ではグローバルで半導体株の振れ幅が大きくなる可能性がある。また、欧米の長期金利動向を見る上では、17日のECB理事会および米9月小売売上高が注目される。米国では一足先に決算発表が出始めるだけに、各種材料に一喜一憂することになるだろう。ただ、決算待ちの状況下では、商いの盛り上がりが期待しづらい。日経平均もここからもう一段上昇して40000円に接近するようなら、いったんはやれやれ売りが上値を抑えると思われる。上への期待も下への警戒もそれほど高まらず、指数は方向感に欠ける動きが続くと予想する。
【今週を振り返る】 大幅高となった。米9月雇用統計を受けて4日の米国株が上昇し、円安も進行したことから、週明け7日の日経平均は大幅上昇。8日は米国株安を嫌気して大きく下げたが、9日は主力大型株が強く、前日の下げ分の大半を取り戻した。10日は大幅高で始まった後は伸び悩んだものの、3桁の上昇。注目の米9月消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回ったものの、米国マーケットは冷静に消化した。これを受けた11日は指数寄与度の大きいファーストリテイリングの貢献もあり、3営業日連続の3桁上昇。日経平均は週間では約970円の上昇となり、週足では陽線を形成した。
指標 | 現値 | 前日比 | 騰落率 | 始値 | 高値 | 安値 |
---|---|---|---|---|---|---|
為替(ドル/円) | 148.80 | +0.27 | +0.18% | 148.53 | 148.84 | 148.39 |
日経平均(日足)
後場概況
日経平均は3日続伸 ファーストリテイリングが6%高
11日の日経平均は3日続伸。終値は224円高の39605円。米国株安はネガティブ視されず、寄り付きは200円を超える上昇。いったん急速に値を消したが、前日終値に接近したところでマイナス圏入りを回避して切り返すと、再び上げ幅を3桁に広げた。決算が好感されたファーストリテイリング<9983.T>が大きく上昇し、全体をけん引。指数は39600円台で買いが一巡し、後場に入ると三連休を前に動意が乏しくなったが、200円を超える上昇で取引を終えた。ファーストリテイリングの日経平均に対する貢献度が大きく、TOPIXやグロース250指数は下落した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7700億円。業種別では銀行、小売、保険などが上昇した一方、不動産、陸運、金属製品などが下落した。本日の相場の主役となったファーストリテイリングが6.1%高。1銘柄で日経平均を約277円押し上げており、売買代金は全市場でトップとなった。半面、通期の利益見通しを引き下げたオーエスジー<6136.T>が急落した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7700億円。業種別では銀行、小売、保険などが上昇した一方、不動産、陸運、金属製品などが下落した。本日の相場の主役となったファーストリテイリングが6.1%高。1銘柄で日経平均を約277円押し上げており、売買代金は全市場でトップとなった。半面、通期の利益見通しを引き下げたオーエスジー<6136.T>が急落した。
前場概況
日経平均は3日続伸 竹内製作所が急騰
11日の日経平均は3日続伸。前引けは231円高の39612円。米国株安を受けても寄り付きは200円を超える上昇。いったん急速に値を消したが、前日終値に接近したところで盛り返すと、その後はじり高基調が続いた。寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が、序盤の売り買いをこなした後に上げ幅を広げて全体の上昇をけん引。指数は39600円台に乗せて高値圏で前場を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で1兆9600億円。業種別では保険、銀行、非鉄金属などが上昇している一方、食料品、ゴム製品、建設などが下落している。通期の利益見通し引き上げや自己株取得を発表した竹内製作所<6432.T>が急騰。反面、上期の利益が計画に若干届かなかったトレジャー・ファクトリー<3093.T>が急落している。
東証プライムの売買代金は概算で1兆9600億円。業種別では保険、銀行、非鉄金属などが上昇している一方、食料品、ゴム製品、建設などが下落している。通期の利益見通し引き上げや自己株取得を発表した竹内製作所<6432.T>が急騰。反面、上期の利益が計画に若干届かなかったトレジャー・ファクトリー<3093.T>が急落している。
今日の株式見通し
小動きか 予想比上振れのCPIを受けて米国株は小幅安
東京市場は小動きか。米国株は下落。ダウ平均は57ドル安の42454ドルで取引を終えた。9月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことや、アトランタ連銀のボスティック総裁が11月FOMCでの政策金利据え置きの可能性を示唆したことなどが嫌気された。ただ、一時200ドル超下げたところからは値を戻した。ドル円は足元148円60銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて60円高の39370円、ドル建てが185円高の39495円で取引を終えた。
米国株は下落したが、3指数とも小幅な下げにとどまった。利下げ期待が後退した割には落ち着いた動きと言える。ドル円もきのうの取引時間中と比べると円高に振れてはいるが、円高が加速したというほどの動きではない。米国株安に対するネガティブな反応は限定的になると思われる。国内ではきのう引け後に決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>がADRで大きく上昇しており、指数を下支えすると期待できる。米国株が下げており上値は追いづらいが、売りを急ぐ理由も乏しく、前日終値近辺で方向感に欠ける動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは39300円-39600円。
米国株は下落したが、3指数とも小幅な下げにとどまった。利下げ期待が後退した割には落ち着いた動きと言える。ドル円もきのうの取引時間中と比べると円高に振れてはいるが、円高が加速したというほどの動きではない。米国株安に対するネガティブな反応は限定的になると思われる。国内ではきのう引け後に決算を発表したファーストリテイリング<9983.T>がADRで大きく上昇しており、指数を下支えすると期待できる。米国株が下げており上値は追いづらいが、売りを急ぐ理由も乏しく、前日終値近辺で方向感に欠ける動きが続くと予想する。日経平均の予想レンジは39300円-39600円。