ウィークリーレポート
スモールIPOの復活と矛盾
3連休明けから11月のIPOが始まる。ファイントゥデイの再延期により10月から半減の5社しかないが、例年同月は端境期に当たり、これでも多いくらいだ。相場環境が好調のなかで、何だかんだで上場意欲は強いということだろう。大型案件では有名デザイナーが創業したアパレルメーカーやベイカレントの出身者が創業した総合コンサル企業がノミネートされている。どちらも創業から10年前後で、営業利益40億円規模に成長した注目株だ。
一方、今後の流れとして注視しておきたいのは、大手主幹事による東証スモールIPOの復活だ。クラシコが営業利益規模1億円台で上場する予定となっており、5年後の上場廃止リスクが極めて高い案件が登場することになる。
既に12月には3億円台とこれまた微妙な業績の会社も承認されており、一部の大手証券は上場維持基準厳格化による自粛期間は終わったとばかりに動き出している。厳格化といっても上場審査の厳格化ではない。門戸は開かれたままであり、「われこそはー!」といった企業があればひとまず入場はできる。
一方、今後の流れとして注視しておきたいのは、大手主幹事による東証スモールIPOの復活だ。クラシコが営業利益規模1億円台で上場する予定となっており、5年後の上場廃止リスクが極めて高い案件が登場することになる。
既に12月には3億円台とこれまた微妙な業績の会社も承認されており、一部の大手証券は上場維持基準厳格化による自粛期間は終わったとばかりに動き出している。厳格化といっても上場審査の厳格化ではない。門戸は開かれたままであり、「われこそはー!」といった企業があればひとまず入場はできる。
とはいえ時価総額100億円を維持するには、一般的な企業であれば営業利益10億円が必要とされる。スモールIPOした企業が上場を維持するにはかなりの成長速度が必要というわけだが、主幹事の付けた価格にはそこまでの成長性は織り込まれていないことが多い。そもそも織り込まれていればその時点でスモールでなくるわけだが、主幹事自身が上場廃止リスクの高さを認識しているということでもある。
そうした事例で既に上場したフラーについては、市場の方で上場維持を前提とした高成長を織り込んだ株価を付けて始まったが、その後は急反落した。さらに決算発表では成長加速どころか減速の業績予想が出され、公開価格の正しさを知るとともに失望売りへとつながった。
高騰しやすいスモールIPOの復活は短期目線の個人投資家には歓迎されるだろうが、最後は自己責任が原則の世界。こうした矛盾と建て前を見極めたうえでの投資行動を要求される時代にもなったということなのだろう。
そうした事例で既に上場したフラーについては、市場の方で上場維持を前提とした高成長を織り込んだ株価を付けて始まったが、その後は急反落した。さらに決算発表では成長加速どころか減速の業績予想が出され、公開価格の正しさを知るとともに失望売りへとつながった。
高騰しやすいスモールIPOの復活は短期目線の個人投資家には歓迎されるだろうが、最後は自己責任が原則の世界。こうした矛盾と建て前を見極めたうえでの投資行動を要求される時代にもなったということなのだろう。