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IPOの専門家が新規公開銘柄を鋭く分析

大手メディアにも金融情報を提供しているDZHフィナンシャルリサーチの分析力と、IPO情報メディア考のパイオニアでもある「トレーダーズ・ウェブ」で培ってきたノウハウで、IPO投資を成功させたい皆様に上場銘柄を詳細にレポートしています。

お勧め情報1

企業の全体像を把握事業詳細&コメント

上場承認から初値決定までをフェーズごとに詳しく分析。まずは「事業詳細&コメント」で銘柄を知り尽くそう!

上場承認後、まず最初に掲載するのがこちら。上場までのスケジュールのほか、詳しい事業内容、株主構成、新規株主にとって注意すべきロックアップ解除条件など、その銘柄を見る上で押さえておきたい情報をまとめています。

事業詳細では、会社のビジネスモデルのほか、どういった商品・サービスを提供しているのか、既上場で比較対象になりそうな銘柄はあるか、といった点が把握できます。また、コメントでは、担当アナリストによるファーストインプレッションを掲載しています。

「コメント」のサンプル(2022年10月上場「ソシオネクスト<6526>」より)
コメント
・直近(2015年3月)の第三者割当増資の発行単価は、併合や転換(種類株式のみ)を遡及(そきゅう)修正すると2000円(普通株式およびB種株式)と1485.14円(A種株式)。
・売り出し株のうち354万4800株、オーバーアロットメントによる売り出し株のうち53万1700株、合計407万6500株(配分比率30%)は海外で販売される。
・既存株主には180日のロックアップが掛かる。 ・新株予約権は上場後6カ月間は行使できない。

〈ファーストインプレッション〉
 売り出しのみの出口色が強いうえ、半導体市況が後退しているタイミングとあって個人には不評そう。大手電機からの寄せ集めの事業体はこれまでうまくいった試しがほとんどなく、株式市場にとってはトラウマだ。また、目論見書には市場シェアの説明が図解されているが、自社製品にしか供給しない最大手アップルを除いた市場で8%しかないのに、世界2位とドヤ顔されても「何だそりゃ」である。
 だが色眼鏡を外して見れば、ファブレス形態で身軽なうえ、19.3期から取り組む先端分野の上流設計工程にシフトする改革の成果が出始めている。今期増収率は45%と高く、営業利益率もついに2桁乗せの会社予想だ。これまで獲得した商談の設計開発や顧客の評価が徐々に完了し、本格的に量産段階に入ってきているという。シェアの低さも成長段階に入れば伸び代の多さとも解釈できる。これで希薄化後のPERが約10倍、配当利回り4.6%なら悪くはないのではないか。前提為替レートは年平均1ドル125円で設定されており、上振れも期待できそう。船頭多くして船山に上るの前例が多く、同社も当初は迷走していたようなので注意は必要だが、初値よりセカンダリーで健闘するタイプか。
POINT!

出口色が強いことから、個人には不評そうという点を指摘。しかし、業績面やバリュエーション面から評価できることをコメントしており、セカンダリー向きといった見解を述べています。実際、ソシオネクストの初値(3835円)は公開価格(3650円)比で5%程度の上昇にとどまりましたが、早期に3倍増を達成しました。

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お勧め情報2

銘柄への期待度を探るのに有効仮条件分析

ブックビルディングの参加妙味を判定

引受証券会社が提示した価格帯の妥当性や予想される初値水準についてレポートしています。

評価ポイント<強材料>と減点ポイント<弱材料>の双方を踏まえた上で、仮条件の水準を総合的に分析し、ブックビルディング(BB)の参加妙味を判定します。

ブックビルディング参加妙味
S ブックビルディング参加妙味が強烈に強い。初値暴騰(公募値比100%以上)が期待される。
A ブックビルディング参加妙味がかなりに強い。初値急騰(公募値比50%~99%)が期待される。
B ブックビルディング参加妙味が強い。初値堅調(公募値比10%~49%)が期待される。
弱めB ブックビルディング参加妙味がそこそこある。初値しっかり(公募値比1%~9%)が期待される。
C ブックビルディング参加妙味が乏しい。初値は同値以下(公募値比0%以下)が見込まれる。
「仮条件分析」のサンプル(2022年10月上場「ソシオネクスト<6526>」より)
仮条件分析(BB参加妙味:B)
想定価格:3,480円
 吸収資金レンジ:411.2億円 - 472.9億円(今期予想連結PER:9.0倍 - 9.0倍)
 時価総額レンジ:1171.6億円 - 1171.6億円
仮条件:3,480円 - 3,650円
 吸収資金レンジ:636.7億円 - 768.0億円(今期予想連結PER:9.0倍 - 9.5倍)
 時価総額レンジ:1171.6億円 - 1228.8億円

 仮条件は想定価格を下限に170円幅に設定された。上限価格は想定を4.89%上回る。
 また、売り出し株数が以下のように上乗せされ、最大吸収金額は62%増加、海外配分比率は35%に上昇した。流動性向上を受けて、目論見書のリスク項目から流動性についての記載を削除した。
〈主な変更点〉
公開株式数:1358万8600株→2104万1800株(+54.8%)
 売り出し:1181万6200株→1829万7300株
  国内 : 827万1400株→1189万3300株
  海外 : 354万4800株→ 640万4000株

中略
 そもそも今回のような規模の大きい案件での株価は機関投資家が主導することになり、個人の関与する余地は少ない。個人の評価は中身よりも外見や経験によるところが大きく、株数上乗せによる強気メッセージを受け、個人の態度も手のひら返しになろう。
 ただ上乗せ措置により公開規模は最大768億円に膨れ上がる。これまで公開株数が上乗せされると、呼び水効果によりさらに買いが増え、結果的には規模拡大が重しにならないといった現象が見られたが、今回は文字通り桁が違う。さらに海外勢の日本株投資熱は冷めたままで、彼らへの配分比率は上がったといっても35%だ。そのうえ、今年の半導体株は下落基調が続いており、フィラデルフィア半導体株指数は26日も52週安値を更新した。やがてはマーベルに収れんするとしても、マーベル側から下りてくる恐怖がのし掛かる。
 加えて市場では今のところマイナーなマーベルよりも、圧倒的最大手のブロードコムの方が意識されているもようだ。このため初値の段階ではメジャーなブロードコムのバリュエーションを参考にすべきと考え、心理的な節目も考慮し4000円台前半で想定する。初値は売り場ではなく、買い増し機会と捉えたい。
POINT!

公開株数の大幅上乗せや仮条件の上振れなどが強材料として提示され、売り出しのみの出口案件であることや、市況の悪化などを<弱材料>として挙げています。また、これらの条件や規模感などを鑑み、「初値は売り場ではなく、買い増し機会と捉えたい。」とコメントしています。事業詳細から読み進めて行くと、この銘柄に関しては仮に抽選で外れたとしても、初値買いに妙味がありそうという準備ができます。

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お勧め情報3

需要動向を確認公開価格分析

上場初日を見据えた、切れ味鋭いコメントが冴える!

公開価格決定後に配信します。BBの申込状況、決定価格、相場や直近IPOの地合いなどを基に、総合的に銘柄の現状を評価します。

仮条件に対して実際の公開価格がいくらになったかを見ることで、投資家の関心度が強いか弱いかを推測することができます。上場初日に市場からどの程度の評価がされそうかについてイメージするのに役立ちます。

IPO銘柄は値動きが荒くなることが多いです。公開価格分析をチェックして初値がどうなりそうかを事前にイメージしておくことは、IPO投資のパフォーマンス向上に役立つことでしょう。

「公開価格」のサンプル(2022年10月上場「ソシオネクスト<6526>」より)
公開価格
公開価格:3,650円
 吸収資金:768.0億円(今期予想連結PER:9.5倍)
 時価総額:1,228.8億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は3476.62円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。
 また、国内外の売り出し株数の配分を国内1189万3300株→1084万1200株、海外640万4000株→745万6100株と再変更(OAは変更なし)。合計の海外配分比率を40%に引き上げた。

 海外は初日に需要の数倍を埋めたとの観測が流れ、最終的には10倍台半ばに上ったもよう。一方、国内リテールは手のひら返しとはいかず、最終的には強気な姿勢にうながされながらも最後まで半信半疑に何とか積み上げた様子。個人と機関の間の温度差は激しいままのようだ。
 ただ観測された海外倍率は昨年までのコロナバブル時では低い部類に入る。下落相場のなかでのこの規模の案件としては良好とみるが、一方、海外競合の株価はさらに下げている。当面のベンチマークとしたブロードコムの現在のPERに合わせると4000円に届くかどうかだ。国内個人はもともと早売り前提だが、9月終盤はリスク回避の動きも強まった。海外競合株は10月に入ってからは反発しているため想定初値は据え置くが、現状では想定初値下限が予想の軸になる。

 なお、相場低迷時のIPOで内外の温度差の激しかった案件といえば、日本航空の再上場が思い起こされる。野村が不祥事でトップレフトを務めず営業力をカバーする狙いもあって、ANAのPER15倍前後に対し、実質8倍程度と格安に値付けされ、それに海外勢が好反応を示したが、初値は0.53%の上昇にとどまった。初日から一部外資系証券では強気カバレッジが開始され、セカンダリーでも海外勢は実際に執ように買いを入れてきたが、明確に株価が公開価格を上回るようになったのは半年近くたって実質的な増配を発表してからだった。相場低迷といっても民主党政権の当時とは投資意欲に大きな差があるためあまり参考にはならないが、今回も円安効果による上方修正まで視野に入れれば長い目で見る必要がある。
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お勧め情報4

人気ナンバーワンIPO情報初値予想

当選株の売却計画だけでなく、大きく伸びる可能性を秘めた銘柄の発掘にもおすすめ!

初値予想は上場日の前営業日に、需給や地合いを考慮して予想を提示します。高い精度の予想は、当選株の売り時の判断やセカンダリー投資に役立ちます。

上場承認から上場日までの流れ、市場の地合いなどを総合的に判断し、初値の予想値と短期投資スタンスを前提とした初値買いの妙味、その背景を詳しくレポートしています。

初値買い妙味について/短期投資スタンスベース
S 初値買い妙味がかなり高い。弊社の予想初値の水準であれば、積極的に初値買いに臨みたい。(上昇率50%以上を見込む)
A 初値買い妙味が高い。弊社の予想初値の水準であれば、強気で初値買いに臨みたい。(上昇率20%~49%を見込む)
B 初値買い妙味がまずまず高い。弊社の予想初値の水準であれば、初値買いの妙味はある。(上昇率1%~19%を見込む)
C 初値買い妙味が乏しい。弊社の予想初値の水準であれば、初値買いは見送りたい。(上昇率0%以下を見込む) 
「初値予想」のサンプル(2022年10月上場「ソシオネクスト<6526>」より)
初値予想
予想初値:3,800円(今期予想連結PER:9.8倍)/初値買い妙味:A

 初値小じっかりを予想する。割安感を背景に海外勢の強い買い意欲が観測され、公開株数上乗せまで実施された案件だが、官製再編日の丸半導体の相次ぐ失敗例などを背景に国内勢は冷ややかと温度差は激しい。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が連休前と比べて1割近く急落したタイミングと重なったこともあり、上げ幅は小さいとみる。

 同社はSoC(System on Chip)のファブレス半導体ベンダーであり、富士通とパナソニック(現パナソニックホールディングス)の同事業を統合し、日本政策投資銀行の出資を受け2015年3月に事業を開始した。SoCはシステムLSI(高密度集積回路)とも呼ばれ、装置やシステムの動作に必要な機能を一つのチップ(半導体)に実装したものを指す。

 足元の業績は絶好調だ。大手電機からの事業切り出しによる弱者連合の成功例は少なく、当初は同社も迷走したもようだが、2018年4月に富士通出身で準備会社時代の代表取締役も務めた肥塚雅博氏がトップに就くと風向きが変わった。

 それまではどの分野に注力するかの軸足が定まらなかったが、19.3期からは先端分野の上流設計工程にシフトする改革を開始。同時に縦割り組織を抜本的に見直した。具体的には、市場アプリケーションごとのチームを設置し、市場展開を積極的に進める一方、技術開発部門は大くくりにし、会社全体で技術・ノウハウを共有できる体制に変更したという(産業電子デバイス新聞より)。

 足元ではこの改革の成果が実り始めており、今期の増収率は前期比45%に上り、営業利益に至っては倍増の170億円に拡大する会社予想だ。半導体不足を背景にした前倒し受注に加え、これまで獲得した商談の設計開発や顧客の評価が徐々に完了し、本格的に量産段階に入ってきている。なお、同社の海外販売比率は約半分だが、前提の為替レートは1ドル125円で、下期は120円である。

 半導体不足解消を背景に来期以降の減速は避けられないだろうが、中期事業目標では売上高の年平均成長率目標を「10%台後半」、営業利益率は「10%前半~半ば」としている。

 公開価格の希薄化後PERは10.2倍であり、競合の米ブロードコムの11倍台半ば、米マーベルの16倍弱に比べて割安だ。前者との比較ではそれほどでもないが、現在の成長ステージ的には後者への収れんが期待でき、2000円程度の値上がりが想定される。

 好調な業績や割安な値付けに加え、シリコンサイクルに左右されにくい自動車やデータセンターなどの分野に強いことなども評価され、ブックビルディングは海外勢の旺盛な投資意欲が観測された。ブックビルディングは開始時に公開株数を55%上乗せされ、価格も5%引き上げられた。海外勢への配分は当初の30%から最終的には40%に引き上げられた。

 ただ海外勢に比べて国内勢は冷ややかで、リテールについてはブックビルは終盤まで苦戦が観測された。機関投資家も静観の構えで、国内配分のほとんどは個人に回されたもようだ。海外勢への手厚い配分は国内勢の様子見姿勢の裏返しでもある。官主導による半導体事業の再編案件に失敗が相次ぐうえ、今年に入ってSOXは下落基調だ。半導体企業の失敗要因は大抵が設備投資の失敗によるもので、今回はその必要ないファブレス業態なわけだが、その違いは重視されていない。

 加えて10月に入って反発していたSOXが足元で再び下落しており、3連休中の急落により年初来安値を更新した。また、中期的にはマーベルへの収れんが期待される一方、短期では圧倒的な存在感のブロードコムと比較されやすい。国内では自動車分野に強いルネサスや代表的なファブレス半導体のメガチップスのPERも10~11倍前後となっており、これらとの割安感は弱い。強気な措置に促されながらも半信半疑のままの個人の逃げ足は速いとみられる。海外勢の強気な姿勢を背景に買い優勢スタートも、国内勢の早売りが値を抑えることになりそうだ。特にSOXの急落とタイミングが重なったことで従来目安としていた4000円乗せは難しくなったとみて、そこまでの中間に近い3800円での初値形成を予想する。
POINT!

半導体市況の再下落や国内勢の様子見姿勢が続いている点を考慮し、初値予想は仮条件分析時の想定(4000円台前半)よりも抑えめの3800円に。 半面、上場後の値上がりを狙う「初値買い妙味」については、新CEOによる改革の成果、米マーベル社との比較でみた割安感、半導体産業特有の景気サイクルに左右されにくい体質、海外勢の旺盛な投資意欲といった点を総合的に評価し強気の「A」としています。

初値は予想に近い控えめなスタートでしたが、上場後のセカンダリーマーケットでは上述した内容の良さが次第に評価され、下のチャートのように堅調に推移しています。 企業のビジネスモデルや事業環境を深く理解し、新しい業態や切り口の企業であってもしっかりと分析・評価するのがトレーダーズ・プレミアムの強みです。

2022年10月12日の上場から約三カ月の株価と出来高の推移
ソシオネクスト2022年10月12日の上場から約三カ月の株価と出来高

高精度な「初値予想」が、当社分析の質の高さを証明

上場銘柄の初値は銘柄個別の要因、地合い、投資家の思惑などがからむためその価格を正確に予測することは非常に難しい作業ですが、当社予想の精度の高さは過去データからご確認いただくことが可能です。

2021年度の予想銘柄は126銘柄でしたが、ホールインワン(完全一致)した銘柄は9銘柄もありました。また、±10%以内の誤差に収まったニアピンの52銘柄も含めると、全体の48%が予想値の±10%以内で初値が付いていました。2022年度は91銘柄中ホールインワンが3銘柄、ニアピンが38銘柄で、全体の45%が予想値の±10%以内で付いていました。

初値予想の精度が高いということは、裏を返せば上場企業の価値や相場の状況を把握しているということの証といえるでしょう。このように非常に精度の高い分析は、IPO期間だけでなくその後の成長を見越した投資にも役立てることが可能です。例えば、初値が当社予想よりも安く付いたときは割安、逆に高くついたときは割高と判断して目先の値動きを狙った投資に役立てることもできます。

初値予想とその結果(実際の初値)は、トレーダーズ・ウェブのIPOコンテンツ「初値予想の結果」でご確認いただくことができます。

担当アナリスト
日本株情報部IPO専属 田中 一実
助言責任者 日本株情報部 河賀 宏明

2021年、2022年の初値予想の誤差
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お勧め情報5

セカンダリーを狙った投資にも役立つ初値分析

市場が導き出した初値の要因分析はもちろん、目先の展開も予測!

IPOはその時々の経済状況や投資家心理に左右されます。予想通りの初値であれば問題ありませんが、想定外の場合は要因を分析することで考えをバージョンアップさせなければならない銘柄もあります。

「初値分析」では注目される上場初日の動きをトレースし、参加者の心理を読み解きながら目先の展望をコメントしています。値動きやマーケットの分析はもちろん、過去数千銘柄を分析してきた経験もフル活用しながらセカンダリーを狙った投資にも役立つ情報をお届けしています。

「初値分析」のサンプル(2022年10月上場「ソシオネクスト<6526>」より)
初値分析
初値:3,835円(今期予想連結PER:9.9倍)/上昇率:5.07%/高値:4,200円/安値:3,690円/終値:4,200円
出来高:12,725,800株/対公開株数:60.5%/初値出来高:3,028,100株/初値売買代金:11,612,763,500円

 小じっかりした初値が付いた。連日のフィラデルフィア半導体指数(SOX)の安値更新のなか、110億円を超える買いが入った。ただ売り手側の価格弾力性は大きく、公開価格の時点では買いの半分ほどしかなかった売りは少しの値上がりで倍増。今年最大の公開規模とあって初値は5%強の上昇にとどまった。公開株の多くが配分された個人は複数単元もらった人も多く、半導体株安の恐怖のなかで手数料抜けするやいなや利益を確定しに行ったとみられる。

 寄り付き後は一段高となった。1時間ほどは3800円を挟んだもみ合いだったが、売りが一巡した矢先に急伸。一気に4000円台に突入した。その後は4000円を挟んだもみ合いで推移したが、終盤に買い上げられ高値引けした。

 SOX安値更新を受け、国内でも半導体関連株の売りが広がるなかで初日から早くも4000円台を固める展開は弱気だった国内勢にとってはポジティブサプライズだろう。買い手は海外勢が主体だろうが、中期的なベンチマークとする米マーベルの株価に収れんさせるにはまだまだ上げ余地がある。ただ世界的に半導体株安が止まらないなか、米マーベルも例外ではなく11日も4%強下落した。ベンチマーク側の下げによって収れんする可能性は常にちらつくゆえ、当面は4000円台を固める展開とみる。
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ほしい情報がすべて手に入る、トレーダーズ・プレミアムのIPO銘柄詳細

IPO投資で重要なのは企業の事業内容、業績、財務状況、既存株主の動向などを把握すること、企業と主幹事証券が設定した価格の妥当性を知ること、初値に大きな影響を与える上場直前のIPO市場を的確に捉えることにありますが、トレーダーズ・プレミアムならそのすべてが揃っています。

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こんなことがわかります!
事業詳細&コメント ・どういった会社なの?
・投資対象としての魅力は?
仮条件分析 ・投資判断に役立つ材料はある?
・ブックビルディングの参加妙味はどう?
公開価格分析 ・需給状況はどんな感じ?
・人気化しそう?
初値予想 ・当選株はすぐ売った方がいい?
・初値買いしても大丈夫?
初値分析 ・市場は銘柄をどう評価した?
・(初日の動きを受けて)この後どうなりそう?

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役立つ情報が他にも

IPO市場環境を客観的に評価地合い格付け

新規上場銘柄の初値に大きく影響する「地合い」を5段階で評価した、DZHフィナンシャルリサーチのオリジナル指標です。ブックビルディングに参加すべきか、初値は買いか見送りかの参考指標としてお役立てください。

新規上場銘柄の初値は様々な材料が複合的に絡んで成立しますが、その材料の1つに”地合い”があります。初値が跳ねた銘柄が出てくれば「二匹目のドジョウ」を期待した資金が入りやすくなりますし、公開価格割れが相次いでしまうようだと、将来性の高い企業でも初値が抑えられることがあります。

株式市場全体の地合いや長期金利の動向などもIPOの初値に大きく影響を及ぼします。そういった市場の温度感を当社独自の視点で数値化したものが、「地合い格付け」です。

なお、格付けが更新されるタイミングは不定期となります。更新直後というのは相場の潮目が変わったタイミングと考えられます。「IPO市場に過熱感が出てきた」「冷え込んでいたIPO市場が回復してきた」などといったトレンドを判断するのに役立ちます。

「地合い格付け」のサンプル(2022年12月時点)
現在の地合い格付け
1 2 3 4 5
2022/12/23 IPO地合い格付けを2から3に引き下げ
現在のIPO地合い格付けを「2」から「3」に引き下げる。以下の理由から妥当な評価を受けて初値が付くような地合いになったと考える。
・日銀が実質利上げで日経平均やマザーズ指数急落
・アイズショック後に初値買いの勢いも減速
・公開規模10億円以上の情報通信業の初値売買代金が1桁億円
・公開価格割れが複数出現
「地合い格付け」の見方
現在の地合い格付け 評価 定義 予想される初値の具体例
当該銘柄の評判 初値の対公募値比
1 過大 過大評価を受けて初値が付く 高い 暴騰(+100%以上)
普通 暴騰(+100%以上)
低い 急騰(+50~90%以上)
2 やや過大 やや過大評価を受けて初値が付く 高い 暴騰(+100%以上)
普通 急騰(+50~90%以上)
低い 堅調(+20~49%以上)
3 妥当 妥当な評価を受けて初値が付く 高い 急騰(+50~90%以上)
普通 堅調(+20~49%以上)
低い 確り(+10~19%以上)
4 やや過小 やや過小評価を受けて初値が付く 高い 堅調(+20~49%以上)
普通 確り(+10~19%以上)
低い 小確り(+1~9%以上)
5 過小 過小評価を受けて初値が付く 高い 確り(+10~19%以上)
普通 小確り(+1~9%以上)
低い 苦戦(公開価格以下)
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