騰落レシオで押し目買いのチャンスを狙え!
下値模索のときに相場が底を打ったかどうかを判断するのは難しいものです。そんな時、底入れのタイミングをピッタリと当ててくれるのが、騰落レシオという指標です。 新聞などの解説では、よく東証1部の騰落レシオ(25日)が使われます。これは、東証1部の上場銘柄の過去25日間の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の平均を比率で表したものです。
これが5日間平均になれば5日騰落レシオと呼びますが、一般的に使われるのはほぼ25日になります。レシオが100%以上では値上がりの方が多く、100%以下は値下がりの方が多いことを意味しています。 120%以上になると過熱ゾーン、80%以下は底値ゾーンとして、買われ過ぎや売られ過ぎを見るのが一般的です。
とはいっても、経験上、過熱ゾーンでは騰落レシオがピークを付けたあとも日経平均株価はしばらく上昇することがまま見られる一方、底値圏では騰落レシオと指数の底がピッタリ合うことが多いのです。
騰落レシオが70%~60%ともなると、世間は弱気ムード一色。そんな状況で株を買うのはメンタル面の強さと経験値が必要ですが、なぜか持ち直してくるといったパターンが多いのです。
いわゆる悪材料出尽くしの状況から、多くの場面で反発が期待できます。
下記グラフを見ると、それがよくわかります。こちらは2020年1月から、直近7月初旬までの日経平均株価と東証1部の騰落レシオ(25日)、売買代金の推移を表したものです。
コロナショック時の急落とその後の戻り時には、120%や80%といった目安を大きく超える水準になっていますが、目安のラインでいつも反発、反落するというわけではありません。特に相場が急変しているときはなおさらです。
ですから、ラインはあくまで目安と考え、ピークを迎えているかどうかに注目してください。騰落レシオが上方向にピークを付けたときは、必ずしも相場の天井を示すわけではありませんが、下方向で大底となったときは日経平均株価も反発に向かうことが確認できます。
ここで注目しておきたいポイントは騰落レシオが先行指標であるという点です。グラフをよく見ると騰落レシオが底を打ったとしても、相場はそこからもう少し先まで下落が続くことが多いです。相場のマインドというか、
モメンタムはすぐには転換しないということかもしれません。ただ、このポイントが一致しないのは、むしろメリットになります。
株価も同様ですが、ここが大底だとピンポイントで見抜くのは非常に困難です。しかし、騰落レシオでは、反発し底入れを確認してからエントリーしても十分に間に合います。それどころかぴったりのタイミングで底値を拾うこともできるでしょう。
もちろん、ダマシの反発もあるでしょうが、その場合は改めてエントリーしなおすことでリスクを低減することができます。また、売買代金と合わせて見ることでも信頼度を上げることができます。売買代金が減少傾向にあるときは相場のモメンタムが転換するサインです。
騰落レシオから相場の転換点と判断できれば、日経平均や買いたいと狙っている銘柄の値動きをみて、エントリーポイントを見極めることができます。あとはトレンドが続く限りホールドすることで効率的なトレードが可能になるでしょう。