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材料株とのつきあい方
当該コラムは、2020年05月に「トレーダーズ・プレミアム」向けに掲載したものを加筆・修正しております。 「トレーダーズ・プレミアム」では定期的に新作コラムを掲載しております。 ぜひご加入をご検討ください。

材料株とのつきあい方

 株式市場では、物色の蚊帳の外にあった銘柄が、突如あるテーマに沿っていると見なされて大きく動き出すことがあります。 直近では新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクや防護服に関連する銘柄の多くが急騰しました。 また、地政学リスクが高まる局面では、小型の防衛関連銘柄が急伸することも多いです。

 こういった銘柄は一般的に材料株と呼ばれます。 材料株に関してははっきりとした定義のようなものはありませんが、ここでは「ある理由をもとに派手に上がる(下がる)」銘柄とし、これらについて掘り下げてみたいと思います。

川本産業はマスク関連との見方が強まり10日連続ストップ高

 今年に入って一躍注目を集めたのがマスク関連との見方が強まった川本産業(3604)で、なんと2020年1月20日から31日まで10日連続ストップ高という急騰劇を演じました。 医療関係者向け製品を取り扱っており、ガーゼなどに強みを持っているため、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴うマスク需要の高まりによる恩恵は見込まれますが、それにしても凄まじい上げ方です。 一方、上昇一服後の下げ方も凄まじく、ストップ高記録が途絶えた2月3日から5日まで3日連続でストップ安となりました。

川本産業 10日連続S高の後、3日連続S安

ピーク時の高値を超えるハードルは高い

 川本産業の乱高下の後の値動きを見てみると、急落した後に売買が増加しています。 材料株にはこういった動きをするものが多くあります。 派手に上昇している時はなかなか手を出しづらいものです。勢いのついた株は場中に値がつかないことも多く、それが余計に買いに勢いをつけます。 下がり出せば「やっぱり下がるよな~」となりますが、直近の上げ度合いが大きいものは下げ止まり感が出てくればリバウンド期待の買いが入り、商いが活況となります。 ただ、売り手が極端に少なかった上昇局面に対して、乱高下の後は強弱感が交錯しますので、前回の高値を超えるハードルは高くなります。 ちなみに防衛関連として派手に動くことが多い石川製作所は、2020年初頭に2500円台まで上昇しましたが、この銘柄のここ数年でのピークは2017年10月の4435円となっています。

材料株が動きやすくなる背景

 材料株が動きやすくなる背景には大きく

(1)材料自体のインパクトが強い
(2)材料に新味がある
(3)関連銘柄の裾野が広がる
(4)他に買える銘柄が少ない

といった点が挙げられます。 (1)(2)の点に関してはイメージしやすいかと思いますが、そういう銘柄が少ないと上昇は長続きしません。 その点では(3)も重要な要素です。川本産業の急騰時には、中京医薬品(4558)などこれと歩調を合わせて急伸する銘柄がいくつか出てきました。 「●●関連」としてテーマ性が出てくることで、先陣を切る銘柄がより上がりやすくなるといった状況も発生しやすくなります。

 見落としがちな視点は(4)です。 全体の地合いが良ければ、急騰していても危なっかしい銘柄に敢えて手を出す必要はありませんので、人気は離散します。 他に買える銘柄が少ないという状況が、一握りの銘柄に資金が集中するという状況を生み出します。 「リスクオフで買えない」という状況のほか、FOMCや決算発表など重要イベントが少し先に控えているため、大型株を積極的に買いづらいといった局面も、材料株が動きやすくなるタイミングといえます。

売買はしなやかに、相場の熱量を測るバロメーターとしても活用

 材料株は基本的には値動きは荒く、ハイリスク・ハイリターンです。 こういった銘柄は触らないというのも賢い選択肢ではあります。 ただ、材料株は他の多くの銘柄のパフォーマンスが悪化する時に逆行高となることも多いので

●投資金額を抑える
●PERやPBRなどの尺度で評価できると考えない
●逆回転したら売り場がなくなるので腹八分目(損の場合でも早めの撤退)を心がける
●以前に爆上げした銘柄は前の高値を超えるハードルは高い

といった点を意識して参入するのは悪くないと考えます。 きちんと分析をして買うというのが正当な方法ではありますが、材料株はむしろ短期勝負と割り切って早めに動いた方が成果を得られやすいといえます。

 また、実際の売り買いはしなくても、材料株の値動きをウォッチしておけば、全体相場の熱量を測るバロメーターとしても活用できます。

材料株が派手に動く→相場の手詰まり感が強い
材料株が失速する→主力大型株に資金が回帰するかも?

といったシナリオが想定されます。

 余裕資金でしなやかにトレードするも良し、俯瞰的に眺めて相場の転機を探る材料としても良し。 材料株の扱いに長けてくると、投資家としての幅が広がるものと考えます。

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マーケットデータ
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NYダウ 37,986.40 +211.02
ナスダック総合 15,282.01 -319.49
ドル/円 154.42 -0.22
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