「パターン分析」でトレンド継続・転換を見極める~ダブルボトム編~
上昇相場でも下落相場でもトレンドが一服したあとに形成するもみ合いには、それまでのトレンドの一段高につながる「継続パターン」とトレンド転換につながる「反転パターン」の2通りに分類されます。
今回はそのうちの反転パターンで底値圏を判断する「ダブルボトム」について詳しく解説します。
そもそも反転パターンとは、図表1に示したようにトレンドの天井や大底に現れるもので、形成初期と末期では騰落の方向が反対になります。
◇「ダブルボトム」は底値圏によく出る反転パターン(二番底)
ダブルボトムというのは、数カ月程度かけて大底局面で谷が2つ形成される動きを指します(図表2)。2つの谷は間にある山を中心に概ね左右対称、あるいは2つ目の谷が1つ目の谷よりも浅いことが望ましいとされています。一方、実務的には左右対称でない場合の方が多く、谷の深さも明確な基準はありません。
山から右へ水平に延長した線を「ネックライン」 といいます。2つ目の谷を形成した後の上昇でネックラインを上回れば、ダブルボトムが完成して上昇トレンド入りしたと判断します。
その直後に、ネックライン近くまで下落する揺り戻しが大小にかかわらず起こる場合が多く、この揺り戻しを「リターンムーブ」といいます。
◇「ダブルボトム」形成後の目先の上値メド
ダブルボトムが完成した後は目先の上値メドが予測できます。ネックラインから最も深い谷までの値幅をネックラインに加えて算出します。図表3では、最初の安値から直後の高値までの上昇幅をネックラインから同じ値幅分だけ上げた水準となります。
◇リターンムーブ後に上値メドを達成、その後は下値を切り上げ上昇トレンドへ
図表4では、上値と下値を切り下げる下降相場(下降トレンド)が続きましたが、ダブルボトムを形成後に上値と下値を切り上げる上昇相場(上昇トレンド)に変わりました。ネックラインを上回った直後にリターンムーブが小さく生じましたが、上値メドまで上昇が続きました。その後の調整局面でも直前の安値を下回らずに、高値更新につながったことが確認できます。
ダブルボトムを形成した直後の上値メドは大相場では単なる通過点になることが多く、基本的には高値を更新するたびにトレンドフォロー(買い継続、買い乗せ)の姿勢を続けます。ダブルボトムは実務的には左右対称ではないことが多く見極めづらいです。 しかし、トレンドが上向きに転換する場合は、大方のケースで直近安値を下回らない状態で直近高値を上回る現象がみられます。それを見逃さないためにも、移動平均線を用いたゴールデンクロスなどを同時に確認することが重要でしょう。また、期間を長くした週足などでもウォッチし、ある程度の下げ相場が続いたあとに出現したものかを確認することが重要なポイントになるでしょう。