暗号化ソリューションの研究開発・提供など。自社開発した秘密分散技術「ZENMU-AONT（All-or-Nothing Transform)」を活用した秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズを展開しているほか、秘密計算ソリューション「QueryAhead」の開発を進めている。
　ZENMU-AONTは情報を暗号化技術により複数の分散片に分け、データの復元には全ての分散片がそろわないと復元が不可能とするAONT方式を用いた独自の秘密分散アルゴリズム（手順・計算方法）である。暗号鍵やパスワードによる管理とは異なる。分散後のデータサイズが大きくならないため、ネットワークに負荷をかけることなく分割や復元処理が高速で可能となり、情報を無意味化することができる。
　社名でもある「ZENMU」は最大の特徴であるAONT（全か無か）より名付けられた。また、「Z」や「MU（無）」は、「他にはない」、セキュリティーにおける「最終」手段であることや「無限（∞）」の可能性を秘めることを表す。

１.秘密分散ソリューション「ZENMU」シリーズ
　秘密分散技術を使用したPC向けの情報漏洩対策ソリューション「ZENMU Virtual Drive」と、ZENMU-AONTの秘密分散技術を顧客のソリューションに組み込むことができるようにした秘密分散ソフトウエア開発キット「ZENMU Engine」を提供している。

２.秘密計算ソリューション
　複数の企業と連携して、秘密計算技術の開発・改良などの研究開発を進めている。また、産業技術総合研究所との共同研究を基に秘密計算ソリューション「QueryAhead」を開発しており、これを利用したサービスの事業化を目指すパートナーの開拓や委託研究の受託役務などを進めている。

３.その他
　シンクライアント用「Windows Embedded OSのカスタマイズ」と、「シンクライアント基盤最適化コンサルティング」を「Embedded」ソリューションとして提供している。

　2024年12月期の売上高構成比は、秘密分散78.9％、秘密計算18.5％、その他2.6％。主な販売先は日立製作所27.4％、デロイトトーマツコーポレートソリューション17.8％、産業技術総合研究所17.5％、日立システムズエンジニアリングサービス11.8％。