IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
3563 | 東証1部 | 小売業 | 100株 | A |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2017/03/13 |
ブックビルディング期間 | 2017/03/14 - 03/17 |
公開価格決定 | 2017/03/21 |
申込期間 | 2017/03/22 - 03/27 |
払込期日 | - |
上場日 | 2017/03/30 |
価格情報 | |
---|---|
想定価格 | 3,900円 |
仮条件 | 3,600 - 3,900円 |
公開価格 | 3,600円 |
初値予想 | 3,430円 |
初値 | 3,430円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 水留 浩一 (上場時49歳2カ月)/1968年生 |
---|---|
本店所在地 | 大阪府吹田市江坂町 |
設立年 | 2015年 |
従業員数 | 42人 (2017/01/31現在)(平均42歳、年収827.5万円)、連結1430人 |
事業内容 | 「スシロー」ブランドでの回転すし全国チェーン展開 |
URL | http://www.sushiroglobalholdings.com/ |
株主数 | 8人 (目論見書より) |
資本金 | 100,000,000円 (2017/02/22現在) |
上場時発行済株数 | 27,458,920株(別に潜在株式2,154,591株) |
公開株数 | 21,134,700株(売り出し19,123,100株、オーバーアロットメント2,011,600株) |
調達資金使途 | - |
連結会社 | 9社 |
シンジケート
公開株数15,530,200株(別に2,011,600株)/(国内分)
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
主幹事証券 | 野村 | 6,038,300 | 38.88% |
主幹事証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 3,382,900 | 21.78% |
主幹事証券 | UBS | 1,705,700 | 10.98% |
主幹事証券 | SMBC日興 | 1,397,700 | 9.00% |
主幹事証券 | 大和 | 1,257,900 | 8.10% |
引受証券 | みずほ | 733,900 | 4.73% |
引受証券 | メリルリンチ日本 | 664,000 | 4.28% |
引受証券 | 岩井コスモ | 69,800 | 0.45% |
引受証券 | マネックス | 69,800 | 0.45% |
引受証券 | SBI | 69,800 | 0.45% |
引受証券 | 丸三 | 35,100 | 0.23% |
引受証券 | 松井 | 35,100 | 0.23% |
引受証券 | SMBCフレンド | 35,100 | 0.23% |
引受証券 | 東海東京 | 35,100 | 0.23% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
Consumer Equity Investments | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 28,053,714 | 94.73% |
水留 浩一 | 代表取締役社長、子会社代表取締役、子会社取締役 | 346,301 | 1.17% |
豊崎 賢一 | 取締役 | 282,617 | 0.95% |
加藤 智治 | 子会社元取締役 | 171,290 | 0.58% |
スティーブ・デイカス | 代表取締役会長 | 133,220 | 0.45% |
ジョン・ダーキン | 取締役、子会社代表取締役、子会社取締役 | 89,774 | 0.30% |
古瀬 洋一郎 | 元取締役 | 78,209 | 0.26% |
宇田 武文 | 子会社元執行役員 | 66,880 | 0.23% |
ポール・クオ | 取締役 | 66,610 | 0.22% |
木下 嘉人 | 子会社の取締役、執行役員 | 46,377 | 0.16% |
福田 哲也 | 子会社の取締役 | 17,189 | 0.06% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 売上収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2017/09 | 連結1Q実績 | 38,408 | 2,140 | 2,113 | 1,467 |
2017/09 | 連結予想 | 159,692 | 8,921 | 8,474 | 5,886 |
2016/09 | 連結実績 | 147,702 | 7,509 | 4,692 | 3,184 |
2015/09 | 連結実績 | 136,174 | 6,888 | 5,226 | 3,826 |
売上収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
---|---|---|---|---|
2017/09 | 連結予想 | 214.35 | 1,123.75 | - |
参考類似企業
事業詳細
回転ずしチェーン最大手。旧あきんどスシロー。国内と韓国で直営方式による回転すし店「スシロー(SUSHIRO)」を中心に展開している。2016年末の店舗数は国内451店、韓国7店。
創業は1975年7月の個人経営店で、1984年10月に法人化。かつて東証第2部に上場していたが、2009年4月にユニゾン・キャピタル・グループ傘下の投資ファンドによるMBO(経営陣が参加する企業買収)で上場廃止になった。その後、2012年9月に英ペルミラ・アドバイザーズ・グループのファンドに売却された。現在の法人格はペルミラによる買収時に設立された。
2016年9月期の連結売上収益の構成比はすし事業100%。
創業は1975年7月の個人経営店で、1984年10月に法人化。かつて東証第2部に上場していたが、2009年4月にユニゾン・キャピタル・グループ傘下の投資ファンドによるMBO(経営陣が参加する企業買収)で上場廃止になった。その後、2012年9月に英ペルミラ・アドバイザーズ・グループのファンドに売却された。現在の法人格はペルミラによる買収時に設立された。
2016年9月期の連結売上収益の構成比はすし事業100%。
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・既存の株主と新株予約権者全員に180日間のロックアップが掛かる。
・上限合計81.7億円分を上限に取引先や従業員持ち株会を対象に親引け。
・3、9月末の株主には半期1500円分の優待食事券が贈呈される。初回は2017年9月末。
・配当は未定だが、配当性向は40%が目標。上場から基準日までの期間が考慮される。
・直近(2015年12月)の特別利害関係者らによる株式売買単価は、株式統合を遡及(そきゅう)修正すると2625.5円。
<ファーストインプレッション>
鬼門の再上場外資系ファンドの出口案件。株主資本以上ののれんが計上されている要警戒のパターンだ。のれん比率はマクロミルほどののれんではないが、昨年から頻繁に上場観測が報じられていた案件の1つで、なるべく高値で売却できそうなタイミングを計っていたことがうかがい知れる。公開株は全て売り出しで、基本的には「危険、近寄るな」の案件だ。一方、優待、配当と合わせて年率3%弱の利回りにはなり、くらコーポに比べると有利だが、残念ながら3月は権利落ちでの上場。野村の決算対策以外に3月に滑り込ませた理由はなさそうな日程で、PERは妥当水準ながら当初は需給に押されるリスクが高いのではないか。
・上限合計81.7億円分を上限に取引先や従業員持ち株会を対象に親引け。
・3、9月末の株主には半期1500円分の優待食事券が贈呈される。初回は2017年9月末。
・配当は未定だが、配当性向は40%が目標。上場から基準日までの期間が考慮される。
・直近(2015年12月)の特別利害関係者らによる株式売買単価は、株式統合を遡及(そきゅう)修正すると2625.5円。
<ファーストインプレッション>
鬼門の再上場外資系ファンドの出口案件。株主資本以上ののれんが計上されている要警戒のパターンだ。のれん比率はマクロミルほどののれんではないが、昨年から頻繁に上場観測が報じられていた案件の1つで、なるべく高値で売却できそうなタイミングを計っていたことがうかがい知れる。公開株は全て売り出しで、基本的には「危険、近寄るな」の案件だ。一方、優待、配当と合わせて年率3%弱の利回りにはなり、くらコーポに比べると有利だが、残念ながら3月は権利落ちでの上場。野村の決算対策以外に3月に滑り込ませた理由はなさそうな日程で、PERは妥当水準ながら当初は需給に押されるリスクが高いのではないか。
仮条件分析
(BB参加妙味
:C)
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想定価格: 3,900円
吸収資金レンジ: 745.8億円 - 824.3億円(今期予想連結PER: 18.2倍)
時価総額レンジ: 1070.9億円
仮条件: 3,600円 - 3,900円
吸収資金レンジ: 688.4億円 - 824.3億円(今期予想連結PER: 16.8倍 - 18.2倍)
時価総額レンジ: 988.5億円 - 1070.9億円
仮条件分析
仮条件は想定価格を上限に決められた。下限価格は想定を7.69%下回る。
<強材料>
優待あり、成長業態、業績拡大、業界最大手、取引先に親引け、既存店プラス成長、
<弱材料>
競争し烈、利益率低い、買収流れた?、外資ファンドの出口案件、再上場、公開規模巨大、仮条件下振れ、公募なし、財務制限条項あり
<機関投資家の評価>
1.国内の回転ずし業界は継続成長しており、かつ、品質をベースとした高い競争力によりさらなる市場シェア拡大が見込めること。
2.回転ずし事業に長期従事した人材と、さまざまな分野で豊富な経営経験を有する人材がミックスした、経営力の高いマネジメント構成であること。
3.借入利率は低く実質負担は少ないものの、有利子負債が多額であること。
<結論>
Cとする。初値は公開価格比-5~0%を想定する。
回転すし業態は外食のなかでは数少ない成長分野。くらコーポレーションに比べると割安感もあり、優待配当利回りも魅力的だ。だが、市場が警戒しやすい外資系ファンドの出口案件となっていることなどから、売り優勢でのスタートを想定する。なお、マクロミル同様、公開価格は仮条件上限では決められないパターンと考える。
回転ずし最大手として2009年4月以来、およそ8年ぶりの上場になる。前回は東証2部だったが、上場廃止の間に売上高(売上収益)は2.3倍、営業利益は2.6倍(会計基準の違いは無視)に成長しており、今回は1部になる見込みだ。回転ずし業界は外食では数少ない成長市場であって、業界最大手として市場拡大をけん引している。かつてのスシローに兄弟げんかに乗じて敵対的買収を仕掛け、上場廃止のきっかけを作ったゼンショーも今では「はま寿司」を手掛けており、同社の業績をけん引する部門に成長させた。
海外事業に関しては米国は撤退に追い込まれ韓国で6店舗を展開するのみだが、国内の成長が持続している。外食のなかでは職人による老舗店が支配する分野で、比較的チェーン化が遅れていたことが要因と言われる。そうしたなか、同社はリーマンショック後は一時、低価格路線に走ることもあったが、品質重視に回帰することで成長路線を持続させている。既存店の売上高は外資傘下に入ってから公表を辞めているが、今回公表された業績予想によれば、過去5年間にわたりプラス成長を続けているという。
仮条件のPERはストックオプション希薄化後の調整後利益を基準にすると18.2~19.7倍で、業界2位のくらコーポレーションの20倍強を若干ながら下回る。成長しているといっても原価率の高い分野で競争は激しいため、コスト高にやられて下方修正で低迷する企業も多いが、それぞれ下方修正前では銚子丸21倍前後、カッパクリエ19倍前後、元気寿司18倍台後半での推移だった。外食全体としてみれば成長分野であるためか比較的高めのPERが付いており、仮条件は市場が意識する水準に沿った範囲内とだといえる。
また、株主還元は比較的手厚く、年3000円分の優待を合わせると優待配当利回りは3.19~2.95%と回転すし各社のなかでは比較的高い。カッパクリエは14日時点で4.56%あるが、業績が迷走している。そのほか、くら0.97%、元気1.58%、銚子丸1.85%。今期配当についてはまだ具体額が発表されていないが、連結配当性向40%を目標にするとしており、今期予想EPSから85円と算出した。ただし、3月は権利落ちでの上場になり、権利取りは9月から。上場から基準日までの期間を勘案するともしており、実際に払われるのは半期分の43円程度と考えられる。
一方、国内吸収金額は親引け分を差し引いても500億円前後ある。英ペルミラ系のファンドは売り切るわけではないが、このクラスはよほどの案件でないと吸収できないことが多い。昨夏は600億円超のコメダHDが優待配当利回り3.76%で公開価格割れした。初値はシンジケートカバーに頼らず、自力で付けたため、今の強い地合いならば切り抜けられたかもしれないが、スシローについては再上場ということもあってかコメダほどには話題にはなっていない。
バリュエーションから見れば仮条件は妥当水準、もしくはやや安いといったところでプライシングは問題ない。株主還元もまずまずだ。だが、公開株は売り出し100%で今回の上場がファンドの出口戦略であることは確かだ。マクロミルほどではないが、買収時に発生した多額ののれんが計上されており、総資産の25%を占める。純資産比率は21.5%なので株主資本を上回る状態だ。買収で有利子負債も膨らんでいる。
財務リスクの高い銘柄には、バリュエーションがいいからといってすぐに買いが入ることは少ない。大抵はカバレッジが付いてからだ。また、昨秋にはMBKパートナーズによる買収観測もあったが、報道が真実ならば上場に至ったということは、彼らは今回の掲示価格を上回る価格を掲示できなかったということでもあり、上場自体がネガティブな印象だ。
優待配当利回りにしても外食株全体としてみれば、必ずしもお得な水準というわけでもない。下支え効果は限定的だろう。そもそも3月は権利落ちでの上場で、権利確定は半年も先だ。珍しい日程だが、どうしても今期決算に間に合わせたかったシ団側と、なるべく資金流出を防ぎたかった会社側との妥協の産物か。
上場1カ月後には野村証券を始め、シ団各社から悪くないレーティングが付くのだろうが、スタート直後は需給に押されるものと考える。よくて同値スタートだろう。なお、売り出しのみのIPOのため、目論見書からは引受手数料が算出できないため、同規模のIPOを参考に想定レンジは余裕を持たせて設定した。下限はシンジケートカバーによる初値形成を想定している。
初値の需給対策としては、「公開株からの短期筋の排除」が課題になるが、この観点からはいっそのこと公開価格は仮条件の下限で決まった方がポジティブとも考える。同じ野村主幹事の外資系ファンド案件としては、すかいらーくが下限決定で同値発進できた。反対に1カ月後のテクロプロは上限決定で5%安からのスタートだった。もともと短期売却狙いの投資家が同社株を取得することは少ないだろうが、下限で決まればさらに少なくなり売り圧力は弱まる。
吸収資金レンジ: 745.8億円 - 824.3億円(今期予想連結PER: 18.2倍)
時価総額レンジ: 1070.9億円
仮条件: 3,600円 - 3,900円
吸収資金レンジ: 688.4億円 - 824.3億円(今期予想連結PER: 16.8倍 - 18.2倍)
時価総額レンジ: 988.5億円 - 1070.9億円
仮条件分析
仮条件は想定価格を上限に決められた。下限価格は想定を7.69%下回る。
<強材料>
優待あり、成長業態、業績拡大、業界最大手、取引先に親引け、既存店プラス成長、
<弱材料>
競争し烈、利益率低い、買収流れた?、外資ファンドの出口案件、再上場、公開規模巨大、仮条件下振れ、公募なし、財務制限条項あり
<機関投資家の評価>
1.国内の回転ずし業界は継続成長しており、かつ、品質をベースとした高い競争力によりさらなる市場シェア拡大が見込めること。
2.回転ずし事業に長期従事した人材と、さまざまな分野で豊富な経営経験を有する人材がミックスした、経営力の高いマネジメント構成であること。
3.借入利率は低く実質負担は少ないものの、有利子負債が多額であること。
<結論>
Cとする。初値は公開価格比-5~0%を想定する。
回転すし業態は外食のなかでは数少ない成長分野。くらコーポレーションに比べると割安感もあり、優待配当利回りも魅力的だ。だが、市場が警戒しやすい外資系ファンドの出口案件となっていることなどから、売り優勢でのスタートを想定する。なお、マクロミル同様、公開価格は仮条件上限では決められないパターンと考える。
回転ずし最大手として2009年4月以来、およそ8年ぶりの上場になる。前回は東証2部だったが、上場廃止の間に売上高(売上収益)は2.3倍、営業利益は2.6倍(会計基準の違いは無視)に成長しており、今回は1部になる見込みだ。回転ずし業界は外食では数少ない成長市場であって、業界最大手として市場拡大をけん引している。かつてのスシローに兄弟げんかに乗じて敵対的買収を仕掛け、上場廃止のきっかけを作ったゼンショーも今では「はま寿司」を手掛けており、同社の業績をけん引する部門に成長させた。
海外事業に関しては米国は撤退に追い込まれ韓国で6店舗を展開するのみだが、国内の成長が持続している。外食のなかでは職人による老舗店が支配する分野で、比較的チェーン化が遅れていたことが要因と言われる。そうしたなか、同社はリーマンショック後は一時、低価格路線に走ることもあったが、品質重視に回帰することで成長路線を持続させている。既存店の売上高は外資傘下に入ってから公表を辞めているが、今回公表された業績予想によれば、過去5年間にわたりプラス成長を続けているという。
仮条件のPERはストックオプション希薄化後の調整後利益を基準にすると18.2~19.7倍で、業界2位のくらコーポレーションの20倍強を若干ながら下回る。成長しているといっても原価率の高い分野で競争は激しいため、コスト高にやられて下方修正で低迷する企業も多いが、それぞれ下方修正前では銚子丸21倍前後、カッパクリエ19倍前後、元気寿司18倍台後半での推移だった。外食全体としてみれば成長分野であるためか比較的高めのPERが付いており、仮条件は市場が意識する水準に沿った範囲内とだといえる。
また、株主還元は比較的手厚く、年3000円分の優待を合わせると優待配当利回りは3.19~2.95%と回転すし各社のなかでは比較的高い。カッパクリエは14日時点で4.56%あるが、業績が迷走している。そのほか、くら0.97%、元気1.58%、銚子丸1.85%。今期配当についてはまだ具体額が発表されていないが、連結配当性向40%を目標にするとしており、今期予想EPSから85円と算出した。ただし、3月は権利落ちでの上場になり、権利取りは9月から。上場から基準日までの期間を勘案するともしており、実際に払われるのは半期分の43円程度と考えられる。
一方、国内吸収金額は親引け分を差し引いても500億円前後ある。英ペルミラ系のファンドは売り切るわけではないが、このクラスはよほどの案件でないと吸収できないことが多い。昨夏は600億円超のコメダHDが優待配当利回り3.76%で公開価格割れした。初値はシンジケートカバーに頼らず、自力で付けたため、今の強い地合いならば切り抜けられたかもしれないが、スシローについては再上場ということもあってかコメダほどには話題にはなっていない。
バリュエーションから見れば仮条件は妥当水準、もしくはやや安いといったところでプライシングは問題ない。株主還元もまずまずだ。だが、公開株は売り出し100%で今回の上場がファンドの出口戦略であることは確かだ。マクロミルほどではないが、買収時に発生した多額ののれんが計上されており、総資産の25%を占める。純資産比率は21.5%なので株主資本を上回る状態だ。買収で有利子負債も膨らんでいる。
財務リスクの高い銘柄には、バリュエーションがいいからといってすぐに買いが入ることは少ない。大抵はカバレッジが付いてからだ。また、昨秋にはMBKパートナーズによる買収観測もあったが、報道が真実ならば上場に至ったということは、彼らは今回の掲示価格を上回る価格を掲示できなかったということでもあり、上場自体がネガティブな印象だ。
優待配当利回りにしても外食株全体としてみれば、必ずしもお得な水準というわけでもない。下支え効果は限定的だろう。そもそも3月は権利落ちでの上場で、権利確定は半年も先だ。珍しい日程だが、どうしても今期決算に間に合わせたかったシ団側と、なるべく資金流出を防ぎたかった会社側との妥協の産物か。
上場1カ月後には野村証券を始め、シ団各社から悪くないレーティングが付くのだろうが、スタート直後は需給に押されるものと考える。よくて同値スタートだろう。なお、売り出しのみのIPOのため、目論見書からは引受手数料が算出できないため、同規模のIPOを参考に想定レンジは余裕を持たせて設定した。下限はシンジケートカバーによる初値形成を想定している。
初値の需給対策としては、「公開株からの短期筋の排除」が課題になるが、この観点からはいっそのこと公開価格は仮条件の下限で決まった方がポジティブとも考える。同じ野村主幹事の外資系ファンド案件としては、すかいらーくが下限決定で同値発進できた。反対に1カ月後のテクロプロは上限決定で5%安からのスタートだった。もともと短期売却狙いの投資家が同社株を取得することは少ないだろうが、下限で決まればさらに少なくなり売り圧力は弱まる。
公開価格分析
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公開価格: 3,600円
吸収資金: 760.8億円(今期予想連結PER: 16.8倍)
時価総額: 988.5億円
公開価格は下限で決まった半面、追加売り出し株数は上限だった。市場区分は正式に第1部に決まった。引受価額は3433.95円。一方、国内外の配分が変更されており、海外予定配分株数のうち211万9100株が国内配分に回されることになった。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が売り出し株式数を上回ったうえ、需要件数が十分にあったことが特徴だった。価格決定を受けて想定初値レンジは3433~3600円とする。
親引けについては、下限決定を受けて取引先全てが上限となった一方、従業員持ち株会は上限の93%となる4万4000株にとどまった。連結従業員数が多いことで消化率は高いが、1人当たりでは31株にとどまった。
仮条件分析にも書いたとおり、下限決定自体はポジティブだが、誤算は海外分の減少だ。基本的に海外は機関投資家が100%配分なので、短期売却は少ない。国内に回されたことで増加分の売り圧力が増す計算だ。親引け分を引いた国内吸収金額は550億円となる。約76億円の増額に過ぎないが、すかいらーくの517億円を上回るほか、海外需要の弱さを確認したことがネガティブだ。下限決定で想定初値レンジは、公開価格の同値一本にする前提だったが、内外変更の影響が見極めにくいため、想定初値のレンジは引受価額から同値にする。
ただし、PERは競合に比べて割安感あり。のれんが重しではあるがマクロミルほどの深刻さはない。株主資本との差は40億円で、配当分を差し引いても利益の積み上げだけで、早ければ来期の逆転が可能だ。各社のカバレッジ開始やTOPIX参入で見直され、次の権利取りまでには競合並みのPER20倍程度となる4000円程度に上昇しているのではないかと考える。
<追加分析>
想定初値に変更はないが、減損リスクについての見方を見直したい。同社の場合、のれんとは別に無形資産に「ブランド」が計上されている。これはのれん同様、償却の対象にならない資産で減損テストが行われるとあるが、のれんとほぼ同様、実態のない資産とみられる。両者を合わせると840億円と株主資本の3.18倍に上り、株主資本との差額は576億円と今期純利益10年分の利益に匹敵する。マクロミルが2.3倍だったのに比べさらに高い。外食ファンド案件としてはすかいらーくが1.75倍、コメダが1.85倍だった。断トツに高い。
ブックビルディングは海外苦戦の跡が見られたわけだが、海外投資家としては日本国内でしか通用しないブランドなど、精査できず避けたということか。市場拡大が続く業界とあって突然死リスクがなくなるのに10年もかからないだろうが、直近上場株も総崩れになるなかやはり厳しいスタートが想定される。また、セカンダリーについても慎重に見なければならず、高い利回りを市場が要求する可能性がある。
吸収資金: 760.8億円(今期予想連結PER: 16.8倍)
時価総額: 988.5億円
公開価格は下限で決まった半面、追加売り出し株数は上限だった。市場区分は正式に第1部に決まった。引受価額は3433.95円。一方、国内外の配分が変更されており、海外予定配分株数のうち211万9100株が国内配分に回されることになった。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が売り出し株式数を上回ったうえ、需要件数が十分にあったことが特徴だった。価格決定を受けて想定初値レンジは3433~3600円とする。
親引けについては、下限決定を受けて取引先全てが上限となった一方、従業員持ち株会は上限の93%となる4万4000株にとどまった。連結従業員数が多いことで消化率は高いが、1人当たりでは31株にとどまった。
仮条件分析にも書いたとおり、下限決定自体はポジティブだが、誤算は海外分の減少だ。基本的に海外は機関投資家が100%配分なので、短期売却は少ない。国内に回されたことで増加分の売り圧力が増す計算だ。親引け分を引いた国内吸収金額は550億円となる。約76億円の増額に過ぎないが、すかいらーくの517億円を上回るほか、海外需要の弱さを確認したことがネガティブだ。下限決定で想定初値レンジは、公開価格の同値一本にする前提だったが、内外変更の影響が見極めにくいため、想定初値のレンジは引受価額から同値にする。
ただし、PERは競合に比べて割安感あり。のれんが重しではあるがマクロミルほどの深刻さはない。株主資本との差は40億円で、配当分を差し引いても利益の積み上げだけで、早ければ来期の逆転が可能だ。各社のカバレッジ開始やTOPIX参入で見直され、次の権利取りまでには競合並みのPER20倍程度となる4000円程度に上昇しているのではないかと考える。
<追加分析>
想定初値に変更はないが、減損リスクについての見方を見直したい。同社の場合、のれんとは別に無形資産に「ブランド」が計上されている。これはのれん同様、償却の対象にならない資産で減損テストが行われるとあるが、のれんとほぼ同様、実態のない資産とみられる。両者を合わせると840億円と株主資本の3.18倍に上り、株主資本との差額は576億円と今期純利益10年分の利益に匹敵する。マクロミルが2.3倍だったのに比べさらに高い。外食ファンド案件としてはすかいらーくが1.75倍、コメダが1.85倍だった。断トツに高い。
ブックビルディングは海外苦戦の跡が見られたわけだが、海外投資家としては日本国内でしか通用しないブランドなど、精査できず避けたということか。市場拡大が続く業界とあって突然死リスクがなくなるのに10年もかからないだろうが、直近上場株も総崩れになるなかやはり厳しいスタートが想定される。また、セカンダリーについても慎重に見なければならず、高い利回りを市場が要求する可能性がある。
初値予想
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初値予想: 3,430円(今期予想連結PER: 16.0倍)
初値買い妙味: B
初値苦戦を予想する。回転すしは外食のなかでは珍しく市場が拡大する業態で、類似企業のPERは20倍前後と高めの評価。だが、実態のない資産であるのれんとブランドが株主資本の3.18倍に上る同社は財務面に不安を残す。突然死リスクによるディスカウントがどの程度になるのか見極めにくい状況だ。公開株数は売り出し100%でファンドによる出口色も強い。高い配当優待利回りが下支えだが、権利落ち上場ということでまずは売り優勢の展開を想定する。
回転すし最大手。旧経営陣の内紛を機にユニゾンキャピタルをスポンサーにMBOが実施され、2009年4月1日に上場廃止になって以来、およそ8年ぶりの上場となる。前回の市場区分は第2部だったが、上場廃止後に大きく成長しており、2010年度に回転すし売上高国内トップの座を獲得。好調を維持し、直接第1部への上場となる。なお、株主は2012年9月にユニゾンから英ペルミラ・アドバイザーズ・グループのファンドに交代しており、今回の売り出し株は全てファンドからのものとなる。
PERは潜在株希薄化後で18.2倍。外食株としては標準的だが、職人店からの置き換えが進行中の回転すしはまだ市場が拡大する業界だ。スシローも既存店売上高は前年比プラスが続いているとのことで、出店意欲は高い。競合のくらコーポレーションは20倍だ。今期はコスト高で下方修正する企業が多いが、修正前では銚子丸21倍前後、カッパクリエ19倍前後、元気寿司18倍台後半での推移といずれも高めの評価だった。
類似企業に対してはおよそ1割程度のディスカウント。配当は未定だが、配当性向4割を約束しており、優待も100株に付き年3000円分の食事券が贈呈される。配当優待利回りは3.22%と高い。競合はくら0.97%、銚子丸1.85%、元気寿司1.59%、ゼンショー2.56%、カッパクリエ4.83%、アトム5.81%となっている。
外資系ファンドの案件に共通することだが、同社株の問題は財務面にある。のれんはさほどでもないが、ほぼ同様の扱いとなる「ブランド」が無形資産として計上されており、両者を合わせると840億円と株主資本の3.18倍に上る。差額は576億円で今期純利益の10年分に匹敵する。成長途上のため実際には10年も掛からないだろうが、長期にわたって減損リスクを抱えることになる。減損はあくまで会計上の手続きに過ぎないが、上場企業にとっては債務超過になってはならないという上場維持基準に抵触しかねない問題だ。外資系ファンドの出口案件は突然死リスクを抱えたまま上場するケースが多いが、のれん株主資本倍率は2倍前後というケースが多く、3倍を超えるのは珍しい。この点を嫌気してか、グローバルオファリングを実施するも海外需要は想定よりも弱かったとみえ、海外配分比率は当初予定の37%から17%に引き下げられた。
また、優待や配当は3月と9月の半期ずつ出されるため、3月については権利落ち。株主還元を目当てにした個人の買いは当面入りづらい状況だ。対面営業では優待を案内しての販売に力を入れたとみられ、公開株取得者が急いで売る理由はないが、日程的に買いを急ぐ理由も乏しい。
既存株主含め外国人が要らないと判断した株は、彼らが恩恵を享受できない優待目当ての個人によって支えられるしかないが、権利落ちではあてにしづらい日程だ。外資系ファンドの案件仮条件下限で決まったIPOとしてはとしてはすかいらーくが同値スタートした例があるが、12月決算で10月上旬の上場。上場時に優待制度はなかったが、前回上場時を引き合いに一部に期待があった。
先週に上場したばかりのマクロミルは初値を下回る取引が続いており、短期筋がIPOラッシュのなかであえて選ばれる銘柄でもないだろう。買い手不在の状況からシンジケートカバー取引による売り買い一致を予想する。
初値買い妙味: B
初値苦戦を予想する。回転すしは外食のなかでは珍しく市場が拡大する業態で、類似企業のPERは20倍前後と高めの評価。だが、実態のない資産であるのれんとブランドが株主資本の3.18倍に上る同社は財務面に不安を残す。突然死リスクによるディスカウントがどの程度になるのか見極めにくい状況だ。公開株数は売り出し100%でファンドによる出口色も強い。高い配当優待利回りが下支えだが、権利落ち上場ということでまずは売り優勢の展開を想定する。
回転すし最大手。旧経営陣の内紛を機にユニゾンキャピタルをスポンサーにMBOが実施され、2009年4月1日に上場廃止になって以来、およそ8年ぶりの上場となる。前回の市場区分は第2部だったが、上場廃止後に大きく成長しており、2010年度に回転すし売上高国内トップの座を獲得。好調を維持し、直接第1部への上場となる。なお、株主は2012年9月にユニゾンから英ペルミラ・アドバイザーズ・グループのファンドに交代しており、今回の売り出し株は全てファンドからのものとなる。
PERは潜在株希薄化後で18.2倍。外食株としては標準的だが、職人店からの置き換えが進行中の回転すしはまだ市場が拡大する業界だ。スシローも既存店売上高は前年比プラスが続いているとのことで、出店意欲は高い。競合のくらコーポレーションは20倍だ。今期はコスト高で下方修正する企業が多いが、修正前では銚子丸21倍前後、カッパクリエ19倍前後、元気寿司18倍台後半での推移といずれも高めの評価だった。
類似企業に対してはおよそ1割程度のディスカウント。配当は未定だが、配当性向4割を約束しており、優待も100株に付き年3000円分の食事券が贈呈される。配当優待利回りは3.22%と高い。競合はくら0.97%、銚子丸1.85%、元気寿司1.59%、ゼンショー2.56%、カッパクリエ4.83%、アトム5.81%となっている。
外資系ファンドの案件に共通することだが、同社株の問題は財務面にある。のれんはさほどでもないが、ほぼ同様の扱いとなる「ブランド」が無形資産として計上されており、両者を合わせると840億円と株主資本の3.18倍に上る。差額は576億円で今期純利益の10年分に匹敵する。成長途上のため実際には10年も掛からないだろうが、長期にわたって減損リスクを抱えることになる。減損はあくまで会計上の手続きに過ぎないが、上場企業にとっては債務超過になってはならないという上場維持基準に抵触しかねない問題だ。外資系ファンドの出口案件は突然死リスクを抱えたまま上場するケースが多いが、のれん株主資本倍率は2倍前後というケースが多く、3倍を超えるのは珍しい。この点を嫌気してか、グローバルオファリングを実施するも海外需要は想定よりも弱かったとみえ、海外配分比率は当初予定の37%から17%に引き下げられた。
また、優待や配当は3月と9月の半期ずつ出されるため、3月については権利落ち。株主還元を目当てにした個人の買いは当面入りづらい状況だ。対面営業では優待を案内しての販売に力を入れたとみられ、公開株取得者が急いで売る理由はないが、日程的に買いを急ぐ理由も乏しい。
既存株主含め外国人が要らないと判断した株は、彼らが恩恵を享受できない優待目当ての個人によって支えられるしかないが、権利落ちではあてにしづらい日程だ。外資系ファンドの案件仮条件下限で決まったIPOとしてはとしてはすかいらーくが同値スタートした例があるが、12月決算で10月上旬の上場。上場時に優待制度はなかったが、前回上場時を引き合いに一部に期待があった。
先週に上場したばかりのマクロミルは初値を下回る取引が続いており、短期筋がIPOラッシュのなかであえて選ばれる銘柄でもないだろう。買い手不在の状況からシンジケートカバー取引による売り買い一致を予想する。
初値分析
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初値: 3,430円(今期予想連結PER: 16.0倍)
/ 上昇率: -4.7%
/ 高値: 3,575円
/ 安値: 3,380円
/ 終値: 3,410円
出来高: 4,538,300株 / 対公開株数: 21.5% / 初値出来高: 2,247,700株 / 初値売買代金: 7,709,611,000円
厳しい初値となった。9時の時点では7億円強の買いが入るも公開規模760億円の同社にとっては1%未満と微々たるもの。公開規模の11%強に当たる売りが出たことで、まったく吸収できなかった。結局、売り買い一致はシンジケートカバー取引の発動を待たなければならなかった。
初値出来高はオーバーアロットメントの株数を超えている。純粋な買いは40万株程度と推測されるが、シンジケートカバーは寄り付きでほぼ出尽くしている。当初から悲観視されていたIPOにして投げ売りが多かった。IPO人気が高まるなかの有名企業ということで、初心者の取得が多かったのか。
寄り付き後は乱高下の展開となった。寄り付き後の下支え注文がなくなったことでいったん下押しするも、その後は強烈なバンジージャンプ。大半の公開株取得者は保有を継続しているとみられるなか、シンジケートカバーで売り物が吸い上げられたことで、一時的に軽くなった。ただ公開価格以上では売りが控えることが明らかななか、同価格前では足踏み。リバウンド相場終了で、その後は手じまい売りに押された。
しばらくは軟調か。初日の値動きはマクロミルの2日目を前倒しでやったような展開。前例があったため、そうなったのだろう。反発局面が再びあったとしても、上値は公開価格まで。シンジケートカバーも既にあてにできないなか、下値模索の展開になると考える。
ただPERだけ見れば競合に比べて割安で、財務無視なら強気なリポートは書きやすい。1カ月後はカバレッジ解禁とTOPIX組み入れが同時期にやってくる日程で、ゴールデンウイークを挟んだリバウンド相場が期待できる。特に主幹事の野村証券は二番手のくらコーポレーションを「Buy」でカバレッジしており、回転ずし株を強気にカバーするアナリストが在籍していることは心強い。4月中旬過ぎになっても低迷しているようであれば、こうしたイベント期待で拾ってみるのも面白そうだ。配当優待利回りに着目すれば、年4%を超える2900円割れが目安になってくるのではないかと考える。
出来高: 4,538,300株 / 対公開株数: 21.5% / 初値出来高: 2,247,700株 / 初値売買代金: 7,709,611,000円
厳しい初値となった。9時の時点では7億円強の買いが入るも公開規模760億円の同社にとっては1%未満と微々たるもの。公開規模の11%強に当たる売りが出たことで、まったく吸収できなかった。結局、売り買い一致はシンジケートカバー取引の発動を待たなければならなかった。
初値出来高はオーバーアロットメントの株数を超えている。純粋な買いは40万株程度と推測されるが、シンジケートカバーは寄り付きでほぼ出尽くしている。当初から悲観視されていたIPOにして投げ売りが多かった。IPO人気が高まるなかの有名企業ということで、初心者の取得が多かったのか。
寄り付き後は乱高下の展開となった。寄り付き後の下支え注文がなくなったことでいったん下押しするも、その後は強烈なバンジージャンプ。大半の公開株取得者は保有を継続しているとみられるなか、シンジケートカバーで売り物が吸い上げられたことで、一時的に軽くなった。ただ公開価格以上では売りが控えることが明らかななか、同価格前では足踏み。リバウンド相場終了で、その後は手じまい売りに押された。
しばらくは軟調か。初日の値動きはマクロミルの2日目を前倒しでやったような展開。前例があったため、そうなったのだろう。反発局面が再びあったとしても、上値は公開価格まで。シンジケートカバーも既にあてにできないなか、下値模索の展開になると考える。
ただPERだけ見れば競合に比べて割安で、財務無視なら強気なリポートは書きやすい。1カ月後はカバレッジ解禁とTOPIX組み入れが同時期にやってくる日程で、ゴールデンウイークを挟んだリバウンド相場が期待できる。特に主幹事の野村証券は二番手のくらコーポレーションを「Buy」でカバレッジしており、回転ずし株を強気にカバーするアナリストが在籍していることは心強い。4月中旬過ぎになっても低迷しているようであれば、こうしたイベント期待で拾ってみるのも面白そうだ。配当優待利回りに着目すれば、年4%を超える2900円割れが目安になってくるのではないかと考える。