IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
3903 | 東証1部 | 情報・通信業 | 100株 | S |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2014/12/01 |
ブックビルディング期間 | 2014/12/02 - 12/08 |
公開価格決定 | 2014/12/09 |
申込期間 | 2014/12/10 - 12/15 |
払込期日 | 2014/12/17 |
上場日 | 2014/12/18 |
価格情報 | |
---|---|
想定価格 | 3,300円 |
仮条件 | 3,000 - 3,300円 |
公開価格 | 3,300円 |
初値予想 | 3,700円 |
初値 | 3,300円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 国光 宏尚/1974年生 |
---|---|
本店所在地 | 東京都新宿区西新宿 |
設立年 | 2007年 |
従業員数 | 840人 (2014/10/31現在)(連結) |
事業内容 | モバイルオンラインゲームの開発、運営および配信 |
URL | http://gu3.co.jp/ |
株主数 | 71人 (目論見書より、潜在株式のみの株主も含む) |
資本金 | 6,481,734,000円 (2014/11/14現在) |
上場時発行済株数 | 28,664,500株(別に潜在株式2,723,500株) |
公開株数 | 13,647,200株(公募1,500,000株、売り出し10,367,200株、オーバーアロットメント1,780,000株) |
調達資金使途 | 海外拠点の開設・運営の費用、人件費 |
連結会社 | 子会社13社、持ち分法適用関連会社1社 |
シンジケート
公開株数11,867,200株(別に1,780,000株)
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
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主幹事証券 | 野村 | 11,570,700 | 97.50% |
引受証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 118,600 | 1.00% |
引受証券 | SMBC日興 | 118,600 | 1.00% |
引受証券 | マネックス | 59,300 | 0.50% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
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ジャフコ・スーパーV3共有 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 4,161,000 | 13.92% |
グリー | 取引先 | 3,635,000 | 12.16% |
国光 宏尚 | 代表取締役社長、子会社役員 | 3,044,500 | 10.19% |
LINE | 資本業務提携先 | 2,445,000 | 8.18% |
WiL Fund I | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 2,079,000 | 6.96% |
フジ・メディア・ホールディングス | 資本業務提携先 | 1,401,000 | 4.69% |
NEXT BIG THING | 役員らが議決権の過半数を所有する会社 | 1,400,000 | 4.68% |
DBJキャピタル | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 978,500 | 3.27% |
セガネットワークス | 資本業務提携先 | 823,000 | 2.75% |
新生銀行 | 特別利害関係者など | 800,000 | 2.68% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2015/04 | 連結予想 | 30,972 | 1,329 | 1,277 | 808 |
2014/10 | 連結中間実績 | 13,996 | 1,162 | 1,066 | 458 |
2014/07 | 連結1Q実績 | 7,109 | 826 | 776 | 299 |
2014/04 | 連結実績 | 11,192 | -102 | -168 | -184 |
2013/04 | 連結実績 | 5,515 | -1,138 | -1,188 | -1,343 |
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
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2015/04 | 連結予想 | 31.30 | 589.34 | - |
参考類似企業
事業詳細
モバイルオンラインゲームの開発、運営。主力タイトルはネーティブアプリの本格RPG(ロール・プレイング・ゲーム)「ブレイブ フロンティア」で、他のゲームも自社開発は全てRPG系。ブレイブフロンティアのヒットを足掛かりに、世界各国に開発拠点を有し、海外へも配信している。従来型携帯電話中心のブラウザーゲームや、他社製ゲームのローカライズも手掛けている。
1.ネーティブアプリサービス
オンライン上のアプリストアからモバイル端末にダウンロードできるゲームコンテンツを開発・提供している。
14年10月末時点でリリースしているタイトル数は17本、累計ダウンロード数は2215万件。「ブレイブ フロンティア」は1378万件(日本語版408万件)。
2.ブラウザゲームサービス
モバイル端末のブラウザーで楽しめるゲームを開発・提供している。「GREE」を中心に、ディー・エヌ・エーの「Mobage」、モブキャストの「mobcast」、NTTドコモの「dゲーム」といった複数のプラットホームに提供している。
14年10月末時点でリリースしているタイトル数は6本、累計登録者数は323万件で、主力のカードバトルRPG「ドラゴンジェネシス」は88万件。
3.パブリッシングサービス
他社が開発したゲームコンテンツのローカライズを行い、多地域へと展開させている。香港のエピックフォース・エンターテインメント社のシューティングゲーム「進撃1942」を韓国市場に配信しており、累計ダウンロード数は366万件。14年6月に資本業務提携したセガネットワークスのタイトルも順次配信していく予定となっている。
2014年4月期の売上高構成比は、ネーティブアプリ62.7%、ブラウザーゲーム32.4%、パブリッシュ4.9%。言語別では日本語69.3%、海外30.7%。主な販売先は米グーグル37.4%、米アップル26.6%、グリー28.0%。
1.ネーティブアプリサービス
オンライン上のアプリストアからモバイル端末にダウンロードできるゲームコンテンツを開発・提供している。
14年10月末時点でリリースしているタイトル数は17本、累計ダウンロード数は2215万件。「ブレイブ フロンティア」は1378万件(日本語版408万件)。
2.ブラウザゲームサービス
モバイル端末のブラウザーで楽しめるゲームを開発・提供している。「GREE」を中心に、ディー・エヌ・エーの「Mobage」、モブキャストの「mobcast」、NTTドコモの「dゲーム」といった複数のプラットホームに提供している。
14年10月末時点でリリースしているタイトル数は6本、累計登録者数は323万件で、主力のカードバトルRPG「ドラゴンジェネシス」は88万件。
3.パブリッシングサービス
他社が開発したゲームコンテンツのローカライズを行い、多地域へと展開させている。香港のエピックフォース・エンターテインメント社のシューティングゲーム「進撃1942」を韓国市場に配信しており、累計ダウンロード数は366万件。14年6月に資本業務提携したセガネットワークスのタイトルも順次配信していく予定となっている。
2014年4月期の売上高構成比は、ネーティブアプリ62.7%、ブラウザーゲーム32.4%、パブリッシュ4.9%。言語別では日本語69.3%、海外30.7%。主な販売先は米グーグル37.4%、米アップル26.6%、グリー28.0%。
コメント
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・直近(2014年9月)の第三者割当増資の発行価格は1362円。
・ロックアップなしのベンチャーキャピタル(VC)保有株は、1社・17万5000株。アドウェイズを含めると2社37万5000株。
・アドウェイズを除く大株主上位30位までと、コーエーテクモホールディングス、イーストベンチャーズ、従業員の田村祐樹氏、子会社役員の高橋英士氏の持ち株にはロックアップが掛かる。ただし、役員、従業員、法定ロックアップ分を除いて公開価格の1.5倍以上では解除される。そのうちベンチャーキャピタル(グリー含まず)保有株は4社95万1300株。
<ファーストインプレッション>
東証1部直接上場見込みでありながら、前期赤字初のケース。上場するする詐欺ともやゆされ、公告でグループ各社の赤字が明らかになった時には今年も無理ではとささやかれたが、1Qの黒字転換で押し通した形。海外開発拠点の整備で先行費用がかさんだが、多くの大手企業と提携し、収穫期入りでのタイミングで上場することになる。
ただし、PERは100倍を超えており、東証1部でこれが通用するのかは疑問なところ。肝心のブレイブフロンティアは既にランキングを落としており、「既にピークアウトした」との声も。PSRでは3.05倍で、今後の大手との提携効果も踏まえれば買えなくはないが、吸収金額を考えると上値は重そう。9月にLINEが応じたばかりの増資価格とのかい離が2.4倍に上るのも気掛かりだ。ただ、公開株のほとんどは主幹事の野村がほぼ独り占めする構図だけに、単に「野村が売らなければいい」との思惑も。国内吸収金額400億円の水準は、今年の東証1部不人気IPOでも同値前後でクリアしてきた規模でもあり、注目度を踏まえれば下値も固いと考えられる。
・ロックアップなしのベンチャーキャピタル(VC)保有株は、1社・17万5000株。アドウェイズを含めると2社37万5000株。
・アドウェイズを除く大株主上位30位までと、コーエーテクモホールディングス、イーストベンチャーズ、従業員の田村祐樹氏、子会社役員の高橋英士氏の持ち株にはロックアップが掛かる。ただし、役員、従業員、法定ロックアップ分を除いて公開価格の1.5倍以上では解除される。そのうちベンチャーキャピタル(グリー含まず)保有株は4社95万1300株。
<ファーストインプレッション>
東証1部直接上場見込みでありながら、前期赤字初のケース。上場するする詐欺ともやゆされ、公告でグループ各社の赤字が明らかになった時には今年も無理ではとささやかれたが、1Qの黒字転換で押し通した形。海外開発拠点の整備で先行費用がかさんだが、多くの大手企業と提携し、収穫期入りでのタイミングで上場することになる。
ただし、PERは100倍を超えており、東証1部でこれが通用するのかは疑問なところ。肝心のブレイブフロンティアは既にランキングを落としており、「既にピークアウトした」との声も。PSRでは3.05倍で、今後の大手との提携効果も踏まえれば買えなくはないが、吸収金額を考えると上値は重そう。9月にLINEが応じたばかりの増資価格とのかい離が2.4倍に上るのも気掛かりだ。ただ、公開株のほとんどは主幹事の野村がほぼ独り占めする構図だけに、単に「野村が売らなければいい」との思惑も。国内吸収金額400億円の水準は、今年の東証1部不人気IPOでも同値前後でクリアしてきた規模でもあり、注目度を踏まえれば下値も固いと考えられる。
仮条件分析
(BB参加妙味
:B)
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想定価格: 3,300円
吸収資金レンジ: 391.6億円 - 450.4億円(今期予想連結PER: 105.4倍)
時価総額レンジ: 945.9億円
仮条件: 3,000円 - 3,300円
吸収資金レンジ: 356.0億円 - 450.4億円(今期予想連結PER: 95.8倍 - 105.4倍)
時価総額レンジ: 859.9億円 - 945.9億円
仮条件は想定価格を上限に決まった。下限は想定を9.09%下回る。
<強気材料>
人気業態、野村比率高い、野村強気?、話題性高い、大手と提携多数、世界進出の体制整う、東証1部見込み
<弱気材料>
仮条件下振れ、1部なのにPER100倍、9月の増資価格の2.4倍の仮条件、前期赤字、QoQ減収減益、ソシャゲ株軟調、売り出し多い、出口案件
<機関投資家の指摘事項>
1.海外展開の実績があり、今後もパブリッシングサービスの展開により、業績の拡大が見込めること。
2.グローバルでの開発体制が構築できていること。
3.ゲーム業界の業績見通しは不確実性が高いこと。
<結論>
Bとする。仮条件が上限ならば想定初値は3600~4300円(PER:115.0~137.4倍)と設定する。
一応強気に見るが、かなり悩ましい案件。掲示される条件からは、一見こんな株価が成立するとは思えない。仮条件は想定価格から下振れでの設定で、プレヒアリングは強気ではなかったとみられる。実績もないのに期待値だけで一部直接上場というのも疑問だ。ただ、引受比率は野村が97.5%と高くほぼ独り占め。勝算あってのことではないかと受け取れる。先行投資は今期も続いているようで、それを除けば割安感も見いだせる。半信半疑ながらもだまされたつもりで乗ってみるのもありか。
主力の「ブレイブフロンティア」(ブレフロ)が前期にヒットし、売上高が前の期比2.0倍と急拡大。赤字も大幅に減った。今期1Q(5~7月)もブレフロのダウンロード数が伸び売上高は堅調に推移し、営業黒字に転換した。仮条件と同時に発表された2Q累計(5~10月)も同様にブレフロが業績をけん引した。なお、1Q売上高にブレフロが占める比率は79.5%と高い。
ただし、2Q(8~10月)で見ると、売上高は前四半期比で3.1%減と減速、営業利益に至っては59.3%減だ。利益面については今通期予想の利益率が1Qより低いため、費用増は計画のうちだろうが減収は痛い。8~10月は夏休みや連休を含むため、季節要因とは見なしにくい。ブレフロはアプリストアのトップセールスランキングで2、3位を獲得したとあるが、現在はややランキングを落としておりピークアウト気味。ゲーム株で勢いを失えばPERは市場平均並みに落ち着かなくはならず、100倍近くの仮条件は大幅に割高だ。
ただし、同社は先行投資をさかんに行っており、今期もそれは続けるつもりのよう。1Qの営業利益率は11.6%に上るのに対し、通期ではわずか1.0%に縮まる。8~10月期は4.9%だった。減収で固定費率が上昇した影響もあるとみられるが、開示された5~10月期の販管費内訳では広告宣伝費の比率が高まっており、上期で既に前期の1.4倍を投入している。
通期見通しについては詳しい説明がないため不明だが、セガネットワークスやLIENとの資本業務提携を結んでおり、提携で合意したゲームコンテンツの開発費なども計上されるとみられる。なお、提携締結時のセガネットの開示によれば、チェーンシナリオRPG(ロール・プレイング・ゲーム)「チェインクロニクル」は年内にも北米で配信する。バンダイナムコとも年内にに、原作シリーズが全世界で1400万部突破した「ソードアート・オンライン」をスマホ向けにゲームを共同開発するとしており、これらは3Q後半からの寄与が想定される。
また、フジメディアとの提携では10月に「戦略性×ドラマ」をコンセプトにしたシミュレーションRPG「ファントム オブ キル」をアンドロイド版でリリース。フジメディアとは、メディアミックス型のゲーム開発で組んでおり、オープニング動画は映画監督の押井守氏が監修している力の入れようだ。26日にはiOS版も配信し、同月28日にはダウンロード数が早くも30万を突破したと発表した。アンドロイドでの売り上げランキングは50位を超えようとしており、早くも第2の柱に育ちつつある。下期はブレフロ失速の穴を埋めてくれそうだ。
先行投資がかさむため利益面での評価はしづらい。上期の利益率を通期にも適用すると、PERは16.3~17.9倍の水準だ。なお、ゲーム会社は相対的に利益率が高く、2桁を超えていることがザラ。1Qの利益率を巡航速度とみなすとPERは11.4~12.5倍に下がる。ソシャゲ御三家(ミクシィ、ガンホー、コロプラ)の営業利益率は4~5割に上るだけに、1Qの利益率が無理して高くなったわけではない。先行投資に目をつぶれば仮条件は割安感が見いだせる。1Q利益率基準では、PER16倍とすれば4220円が適正株価だ。
ここからは憶測混じりになるが、主幹事である野村証券の強気も気になるところだ。引受比率は97.5%で小型新興IPOでも見られない高い比率だ。吸収金額は400億円以上にも上るにもかかわらず、形だけ他証券を引受団に入れただけで、ほとんど独り占めである。野村証券はジャパンディスプレイのプライシングに失敗し、リクルートではなますを吹くかのような割安価格を設定していた。
gumiもファンド案件としてイグジット色の強い上場で油断ならないが、リードVCは野村系。外資系のように何が何でも高い価格を要求するところではない。野村としてもよほどの勝算がなければここまで独占しようとはしないのではないか。同時期の外資系ファンドの出口案件であるテクノプロでの野村の引受比率は、単独主幹事にもかかわらず75%だ。
過去には「野村が強気ならクリアできる」との法則もあった。今回の場合は単に野村が売らなければいいため、まさにこれが当てはまりそう。
この辺りは2005年12月のパシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス(PGGIH、現PGMホールディングス)の展開が思い起こされる。吸収金額は459億円と今回のgumiに近く、PER43.2倍の公開価格で東証1部にIPOしたが、初値は27%上昇した。当日発行の野村リポートでは上場翌期のEPS予想が前の期比2.9倍だった。
今回のgumiもグローバルオファリングではないため、野村のリポートは当日に発行できる。レーティングは付けられないが、先行投資一巡で来期予想がよほど高いのではないか。
東証1部直接上場にもかかわらず、実績がなく期待値だけで時価総額基準をクリアさせるのもどうかとは思うが、異常なまでの主幹事の強気にだまされたと思って乗ってみるのも一計だろう。初値の想定レンジは上限を適正株価とPGGIHの上昇率適用で4300円に、下限は1割上昇を目安に3600円と設定した。
ただし、ゲーム株の業績は不確実性が高く、ほとんど予測不可能。市場心理にも大きく左右されるだけに、弊社予想もこの先二転三転する可能性はある。
<追加分析>
B継続。引き続き想定初値は3600~4300円(PER:115.0~137.4倍)とする。
人気業態とはいえ一筋縄ではいかず、これほど強弱入り交じるIPOも珍しい。野村の勝算あり説は、野村の中の人が読めば鼻で笑われることを覚悟で書いたが、来期の業績については期待できる要素が多いことは確かだ。また、市場が異なるが似たような状況は2008年12月のグリーでもあった。マザーズ133億円の案件とはいえ、リーマンショック後の市場には不安が大きかったが、野村が強気で取り組み結果は52%上昇した。不安のうちながらもブックビルをクリアできれば、今回も徐々に強気が支配する形になると考える。
それでもゲーム株は一つのヒットでミクシィのような展開になるため、逆もまたしかり。同社も倒産寸前を経験したうえでの起死回生だ。そのきっかけとなった依存度の大きいブレフロの動向には常に注意を払いたい。
吸収資金レンジ: 391.6億円 - 450.4億円(今期予想連結PER: 105.4倍)
時価総額レンジ: 945.9億円
仮条件: 3,000円 - 3,300円
吸収資金レンジ: 356.0億円 - 450.4億円(今期予想連結PER: 95.8倍 - 105.4倍)
時価総額レンジ: 859.9億円 - 945.9億円
仮条件は想定価格を上限に決まった。下限は想定を9.09%下回る。
<強気材料>
人気業態、野村比率高い、野村強気?、話題性高い、大手と提携多数、世界進出の体制整う、東証1部見込み
<弱気材料>
仮条件下振れ、1部なのにPER100倍、9月の増資価格の2.4倍の仮条件、前期赤字、QoQ減収減益、ソシャゲ株軟調、売り出し多い、出口案件
<機関投資家の指摘事項>
1.海外展開の実績があり、今後もパブリッシングサービスの展開により、業績の拡大が見込めること。
2.グローバルでの開発体制が構築できていること。
3.ゲーム業界の業績見通しは不確実性が高いこと。
<結論>
Bとする。仮条件が上限ならば想定初値は3600~4300円(PER:115.0~137.4倍)と設定する。
一応強気に見るが、かなり悩ましい案件。掲示される条件からは、一見こんな株価が成立するとは思えない。仮条件は想定価格から下振れでの設定で、プレヒアリングは強気ではなかったとみられる。実績もないのに期待値だけで一部直接上場というのも疑問だ。ただ、引受比率は野村が97.5%と高くほぼ独り占め。勝算あってのことではないかと受け取れる。先行投資は今期も続いているようで、それを除けば割安感も見いだせる。半信半疑ながらもだまされたつもりで乗ってみるのもありか。
主力の「ブレイブフロンティア」(ブレフロ)が前期にヒットし、売上高が前の期比2.0倍と急拡大。赤字も大幅に減った。今期1Q(5~7月)もブレフロのダウンロード数が伸び売上高は堅調に推移し、営業黒字に転換した。仮条件と同時に発表された2Q累計(5~10月)も同様にブレフロが業績をけん引した。なお、1Q売上高にブレフロが占める比率は79.5%と高い。
ただし、2Q(8~10月)で見ると、売上高は前四半期比で3.1%減と減速、営業利益に至っては59.3%減だ。利益面については今通期予想の利益率が1Qより低いため、費用増は計画のうちだろうが減収は痛い。8~10月は夏休みや連休を含むため、季節要因とは見なしにくい。ブレフロはアプリストアのトップセールスランキングで2、3位を獲得したとあるが、現在はややランキングを落としておりピークアウト気味。ゲーム株で勢いを失えばPERは市場平均並みに落ち着かなくはならず、100倍近くの仮条件は大幅に割高だ。
ただし、同社は先行投資をさかんに行っており、今期もそれは続けるつもりのよう。1Qの営業利益率は11.6%に上るのに対し、通期ではわずか1.0%に縮まる。8~10月期は4.9%だった。減収で固定費率が上昇した影響もあるとみられるが、開示された5~10月期の販管費内訳では広告宣伝費の比率が高まっており、上期で既に前期の1.4倍を投入している。
通期見通しについては詳しい説明がないため不明だが、セガネットワークスやLIENとの資本業務提携を結んでおり、提携で合意したゲームコンテンツの開発費なども計上されるとみられる。なお、提携締結時のセガネットの開示によれば、チェーンシナリオRPG(ロール・プレイング・ゲーム)「チェインクロニクル」は年内にも北米で配信する。バンダイナムコとも年内にに、原作シリーズが全世界で1400万部突破した「ソードアート・オンライン」をスマホ向けにゲームを共同開発するとしており、これらは3Q後半からの寄与が想定される。
また、フジメディアとの提携では10月に「戦略性×ドラマ」をコンセプトにしたシミュレーションRPG「ファントム オブ キル」をアンドロイド版でリリース。フジメディアとは、メディアミックス型のゲーム開発で組んでおり、オープニング動画は映画監督の押井守氏が監修している力の入れようだ。26日にはiOS版も配信し、同月28日にはダウンロード数が早くも30万を突破したと発表した。アンドロイドでの売り上げランキングは50位を超えようとしており、早くも第2の柱に育ちつつある。下期はブレフロ失速の穴を埋めてくれそうだ。
先行投資がかさむため利益面での評価はしづらい。上期の利益率を通期にも適用すると、PERは16.3~17.9倍の水準だ。なお、ゲーム会社は相対的に利益率が高く、2桁を超えていることがザラ。1Qの利益率を巡航速度とみなすとPERは11.4~12.5倍に下がる。ソシャゲ御三家(ミクシィ、ガンホー、コロプラ)の営業利益率は4~5割に上るだけに、1Qの利益率が無理して高くなったわけではない。先行投資に目をつぶれば仮条件は割安感が見いだせる。1Q利益率基準では、PER16倍とすれば4220円が適正株価だ。
ここからは憶測混じりになるが、主幹事である野村証券の強気も気になるところだ。引受比率は97.5%で小型新興IPOでも見られない高い比率だ。吸収金額は400億円以上にも上るにもかかわらず、形だけ他証券を引受団に入れただけで、ほとんど独り占めである。野村証券はジャパンディスプレイのプライシングに失敗し、リクルートではなますを吹くかのような割安価格を設定していた。
gumiもファンド案件としてイグジット色の強い上場で油断ならないが、リードVCは野村系。外資系のように何が何でも高い価格を要求するところではない。野村としてもよほどの勝算がなければここまで独占しようとはしないのではないか。同時期の外資系ファンドの出口案件であるテクノプロでの野村の引受比率は、単独主幹事にもかかわらず75%だ。
過去には「野村が強気ならクリアできる」との法則もあった。今回の場合は単に野村が売らなければいいため、まさにこれが当てはまりそう。
この辺りは2005年12月のパシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス(PGGIH、現PGMホールディングス)の展開が思い起こされる。吸収金額は459億円と今回のgumiに近く、PER43.2倍の公開価格で東証1部にIPOしたが、初値は27%上昇した。当日発行の野村リポートでは上場翌期のEPS予想が前の期比2.9倍だった。
今回のgumiもグローバルオファリングではないため、野村のリポートは当日に発行できる。レーティングは付けられないが、先行投資一巡で来期予想がよほど高いのではないか。
東証1部直接上場にもかかわらず、実績がなく期待値だけで時価総額基準をクリアさせるのもどうかとは思うが、異常なまでの主幹事の強気にだまされたと思って乗ってみるのも一計だろう。初値の想定レンジは上限を適正株価とPGGIHの上昇率適用で4300円に、下限は1割上昇を目安に3600円と設定した。
ただし、ゲーム株の業績は不確実性が高く、ほとんど予測不可能。市場心理にも大きく左右されるだけに、弊社予想もこの先二転三転する可能性はある。
<追加分析>
B継続。引き続き想定初値は3600~4300円(PER:115.0~137.4倍)とする。
人気業態とはいえ一筋縄ではいかず、これほど強弱入り交じるIPOも珍しい。野村の勝算あり説は、野村の中の人が読めば鼻で笑われることを覚悟で書いたが、来期の業績については期待できる要素が多いことは確かだ。また、市場が異なるが似たような状況は2008年12月のグリーでもあった。マザーズ133億円の案件とはいえ、リーマンショック後の市場には不安が大きかったが、野村が強気で取り組み結果は52%上昇した。不安のうちながらもブックビルをクリアできれば、今回も徐々に強気が支配する形になると考える。
それでもゲーム株は一つのヒットでミクシィのような展開になるため、逆もまたしかり。同社も倒産寸前を経験したうえでの起死回生だ。そのきっかけとなった依存度の大きいブレフロの動向には常に注意を払いたい。
公開価格分析
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公開価格: 3,300円
吸収資金: 450.4億円(今期予想連結PER: 105.4倍)
時価総額: 945.9億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は3135円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数は公開株式数を十分に上回り、総需要件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。また、所属部は正式に1部に決まった。
国内だけのブックビルのため価格算定に高い信頼性があるわけではないが、ひとまず活況のうちに終了。今のところはシナリオ通りとなっている。
来期の大幅増益は仮条件分析で述べた通り比較的予想が付くが、結局のところ最後は「野村親分に付いていくかどうか」。荒唐無稽に聞こえるが、過去のIPOでは意外と通用してきたパターンでもある。上限決定で市場の不安も和らいだと考えられ、引き続き堅調な見方を維持したい。
ただ、ゲーム株はモメンタム勝負なところがあり、足元の実績が出せていないだけになおさら。足元の相場全体の大幅安でリスクが高まっている面があり、当日まで油断はできなそうだ。
吸収資金: 450.4億円(今期予想連結PER: 105.4倍)
時価総額: 945.9億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は3135円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数は公開株式数を十分に上回り、総需要件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。また、所属部は正式に1部に決まった。
国内だけのブックビルのため価格算定に高い信頼性があるわけではないが、ひとまず活況のうちに終了。今のところはシナリオ通りとなっている。
来期の大幅増益は仮条件分析で述べた通り比較的予想が付くが、結局のところ最後は「野村親分に付いていくかどうか」。荒唐無稽に聞こえるが、過去のIPOでは意外と通用してきたパターンでもある。上限決定で市場の不安も和らいだと考えられ、引き続き堅調な見方を維持したい。
ただ、ゲーム株はモメンタム勝負なところがあり、足元の実績が出せていないだけになおさら。足元の相場全体の大幅安でリスクが高まっている面があり、当日まで油断はできなそうだ。
初値予想
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初値予想: 3,700円(今期予想連結PER: 118.2倍)
初値買い妙味: A
堅調な初値を予想する。東証1部直接上場にもかかわらず、PER3桁のゲーム株。ただブックビルディングは通過しており、機関投資家、個人双方とも一定の人気を確認した。足元の世界同時株安がかなりのリスクとなりそうだが、主幹事の強気姿勢に支えられると予想する。
スマートフォン向けのネーティブアプリゲームの運営。主力タイトルはRPG(ロール・プレイング・ゲーム)「ブレイブ フロンティア(ブレフロ)」で、2014年10月現在の累計ダウンロード数は世界で1378万件(日本語408万件)。ブレフロのヒットを足掛かりに、世界各国に開発拠点を有し、他社ゲームのローカライズも手掛けている。
ブレフロはアプリストアのトップセールスランキングで2、3位を獲得したことがあるが、足元では10位前後とランキングを落としておりピークアウト気味だ。今8~10月期(2Q)の売上高は前四半期比で3.1%減だった。
ただし、同社は今年になって矢継ぎ早に大手との提携を発表しており、他社でヒットしたゲームを海外で配信する体制を整えている。また、バンダイナムコとは原作シリーズの小説が全世界で1400万部突破した「ソードアート・オンライン」、フジメディアとは「戦略性×ドラマ」をコンセプトにしたシミュレーションRPG「ファントム オブ キル」をリリース。ともにアンドロイドの売り上げランキングで50位以内に入っており、下期から穴埋めすると期待される。フジメディアとはメディアミックス型のゲーム開発で提携しており、ファントムのオープニング動画は映画監督の押井守氏が監修している。
2014年3月期は大幅増収も赤字で、15年3期もまだ先行投資がかさむもよう。今1Qの営業利益率は11.6%に上るのに対し、通期ではわずか1.0%に縮まる。2Qは4.9%だった。減収で固定費率が上昇した影響もあるとみられるが、5~10月期は広告宣伝費率が高まっており、金額では上期で既に前期の1.4倍を投入している。
1Qの利益率を巡航速度とみなし、修正計算するとPERは11.4~12.5倍にまで下がる。ゲーム会社は固定費が高いためヒットすれば相対的に利益率が高くなり、2桁を超えていることがザラだ。1Qの利益率が無理して高くなったわけではない。先行投資に目をつぶれば仮条件は割安感が見いだせる。1Q基準で適正水準をPER16倍とすれば4220円が浮上し、公開価格には割安感が見いだせる。
ヒットしているゲームの種類で言えばマーベラスが順位的にも近い存在で、同社の利益率も1割程度だ。マーベラスの時価総額は1000億円前後だが、売上高見通しがマーベラスの250億円に対し、gumiが310億円と上回る分、時価総額も上回ることが正当化できそう。公開価格で946億円の時価総額には見直し余地がある。
バブル状態の新興市場ならまだしも、東証1部でPER3桁が許されるのかは個人の間でもかなり議論があった。さらに9月のLINEに割り当てた増資の発行価格が1362円と安く、わずか3カ月で2.4倍になっていることも不信を招く原因になっている。上場も売り出し株数が多く、資金調達よりもベンチャーキャピタルの出口が主体だ。上場前のため先行投資の詳細についても細かな開示はなく、上記のわれわれの分析もかなり楽天的な面は否めない。
ただし、既に価格についてはブックビルディングもクリアしており、機関投資家にも一定の人気を博したと観測される。公開価格は仮条件の上限で決まっており、一定のお墨付きを得た形だ。
一方、先週から続く世界同時株安はリスクといえそうだ。ゲーム株への業績の影響は限られようが、市場はリスク回避の様相になっている。先行投資中の企業の株を買い付けようとする動きはおのずと限られよう。セカンダリーでは4000円を超える展開を想定しながらも、初値は抑えられそうだ。最初の節目の3500円から4000円の間で付くと想定し、中心よりやや下の3700円での初値を予想する。なお、堅調な初値が付けば、その後も買い安心感の広まりでにぎわうと考える。
初値買い妙味: A
堅調な初値を予想する。東証1部直接上場にもかかわらず、PER3桁のゲーム株。ただブックビルディングは通過しており、機関投資家、個人双方とも一定の人気を確認した。足元の世界同時株安がかなりのリスクとなりそうだが、主幹事の強気姿勢に支えられると予想する。
スマートフォン向けのネーティブアプリゲームの運営。主力タイトルはRPG(ロール・プレイング・ゲーム)「ブレイブ フロンティア(ブレフロ)」で、2014年10月現在の累計ダウンロード数は世界で1378万件(日本語408万件)。ブレフロのヒットを足掛かりに、世界各国に開発拠点を有し、他社ゲームのローカライズも手掛けている。
ブレフロはアプリストアのトップセールスランキングで2、3位を獲得したことがあるが、足元では10位前後とランキングを落としておりピークアウト気味だ。今8~10月期(2Q)の売上高は前四半期比で3.1%減だった。
ただし、同社は今年になって矢継ぎ早に大手との提携を発表しており、他社でヒットしたゲームを海外で配信する体制を整えている。また、バンダイナムコとは原作シリーズの小説が全世界で1400万部突破した「ソードアート・オンライン」、フジメディアとは「戦略性×ドラマ」をコンセプトにしたシミュレーションRPG「ファントム オブ キル」をリリース。ともにアンドロイドの売り上げランキングで50位以内に入っており、下期から穴埋めすると期待される。フジメディアとはメディアミックス型のゲーム開発で提携しており、ファントムのオープニング動画は映画監督の押井守氏が監修している。
2014年3月期は大幅増収も赤字で、15年3期もまだ先行投資がかさむもよう。今1Qの営業利益率は11.6%に上るのに対し、通期ではわずか1.0%に縮まる。2Qは4.9%だった。減収で固定費率が上昇した影響もあるとみられるが、5~10月期は広告宣伝費率が高まっており、金額では上期で既に前期の1.4倍を投入している。
1Qの利益率を巡航速度とみなし、修正計算するとPERは11.4~12.5倍にまで下がる。ゲーム会社は固定費が高いためヒットすれば相対的に利益率が高くなり、2桁を超えていることがザラだ。1Qの利益率が無理して高くなったわけではない。先行投資に目をつぶれば仮条件は割安感が見いだせる。1Q基準で適正水準をPER16倍とすれば4220円が浮上し、公開価格には割安感が見いだせる。
ヒットしているゲームの種類で言えばマーベラスが順位的にも近い存在で、同社の利益率も1割程度だ。マーベラスの時価総額は1000億円前後だが、売上高見通しがマーベラスの250億円に対し、gumiが310億円と上回る分、時価総額も上回ることが正当化できそう。公開価格で946億円の時価総額には見直し余地がある。
バブル状態の新興市場ならまだしも、東証1部でPER3桁が許されるのかは個人の間でもかなり議論があった。さらに9月のLINEに割り当てた増資の発行価格が1362円と安く、わずか3カ月で2.4倍になっていることも不信を招く原因になっている。上場も売り出し株数が多く、資金調達よりもベンチャーキャピタルの出口が主体だ。上場前のため先行投資の詳細についても細かな開示はなく、上記のわれわれの分析もかなり楽天的な面は否めない。
ただし、既に価格についてはブックビルディングもクリアしており、機関投資家にも一定の人気を博したと観測される。公開価格は仮条件の上限で決まっており、一定のお墨付きを得た形だ。
一方、先週から続く世界同時株安はリスクといえそうだ。ゲーム株への業績の影響は限られようが、市場はリスク回避の様相になっている。先行投資中の企業の株を買い付けようとする動きはおのずと限られよう。セカンダリーでは4000円を超える展開を想定しながらも、初値は抑えられそうだ。最初の節目の3500円から4000円の間で付くと想定し、中心よりやや下の3700円での初値を予想する。なお、堅調な初値が付けば、その後も買い安心感の広まりでにぎわうと考える。
初値分析
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初値: 3,300円(今期予想連結PER: 105.4倍)
/ 上昇率: 0.0%
/ 高値: 3,340円
/ 安値: 3,070円
/ 終値: 3,165円
出来高: 7,049,500株 / 対公開株数: 51.7% / 初値出来高: 897,700株 / 初値売買代金: 2,962,410,000円
寄り前気配は直前まで公開価格を下回る推移だったが、急速に持ち上がり同値での初値が付いた。公開株式数とロックアップなしのベンチャーキャピタルの保有株の合計に対し、6.40%の売却率で売りは少なかったが、3桁PERでバリュエーションへの不透明感から東証1部の銘柄としては積極的な買い手が限られた。
寄り付き後はおおむね公開価格を下回る取引が続いた。直後に割り込むも3000円手前で底打ち。引受価額が3135円のためシンジケートカバー取引が支えになったとみられる。公開価格まで戻すと戻り売りに上値を抑えられる繰り返しとなった。後場はあきらめムードとなり、手じまい売りによりだれる展開となった。野村証券からは強気な業績予想が出されたが不発に終わった。
規模が大きいだけに公開価格を下回ると上値は抑えられやすい。足元の収益が出ておらず、来期以降の成長を先食いしての値決めだっただけに、主幹事の強気が不発に終わった今は、相場の動揺も警戒される。しばらくはシンジケートカバーが支え、横ばいでの推移を予想するが、再び世界同時株安となれば下を堀に行く展開となってしまいそうだ。反転は各社のカバレッジ付きのリポートが出てからとなりそうだ。
なお、シンジケートカバー取引の期間は1月8日まで。初日の引受価額以下の出来高は76万6700株だった。少なくとも100万株以上の取引枠を残している。
野村証券からのリポートでは、ポートフォリオ戦略に基づく海外展開やパブリッシング、有力他社との協業が強みだと指摘。今後の営業利益については、15.4期が会社予想の13.3億円を上回る黒字転換の19.6億円(EPS 49.9円)、16.4期が前期比3.9倍の75.8億円(156.7円)、17.4期が13.6%増の103.0億円(213.5円)と予想した。新規タイトルが既存の伸び悩みを埋め、来期からは広告費の効率化や増収による外注費の吸収で営業利益率も改善すると言及した。
出来高: 7,049,500株 / 対公開株数: 51.7% / 初値出来高: 897,700株 / 初値売買代金: 2,962,410,000円
寄り前気配は直前まで公開価格を下回る推移だったが、急速に持ち上がり同値での初値が付いた。公開株式数とロックアップなしのベンチャーキャピタルの保有株の合計に対し、6.40%の売却率で売りは少なかったが、3桁PERでバリュエーションへの不透明感から東証1部の銘柄としては積極的な買い手が限られた。
寄り付き後はおおむね公開価格を下回る取引が続いた。直後に割り込むも3000円手前で底打ち。引受価額が3135円のためシンジケートカバー取引が支えになったとみられる。公開価格まで戻すと戻り売りに上値を抑えられる繰り返しとなった。後場はあきらめムードとなり、手じまい売りによりだれる展開となった。野村証券からは強気な業績予想が出されたが不発に終わった。
規模が大きいだけに公開価格を下回ると上値は抑えられやすい。足元の収益が出ておらず、来期以降の成長を先食いしての値決めだっただけに、主幹事の強気が不発に終わった今は、相場の動揺も警戒される。しばらくはシンジケートカバーが支え、横ばいでの推移を予想するが、再び世界同時株安となれば下を堀に行く展開となってしまいそうだ。反転は各社のカバレッジ付きのリポートが出てからとなりそうだ。
なお、シンジケートカバー取引の期間は1月8日まで。初日の引受価額以下の出来高は76万6700株だった。少なくとも100万株以上の取引枠を残している。
野村証券からのリポートでは、ポートフォリオ戦略に基づく海外展開やパブリッシング、有力他社との協業が強みだと指摘。今後の営業利益については、15.4期が会社予想の13.3億円を上回る黒字転換の19.6億円(EPS 49.9円)、16.4期が前期比3.9倍の75.8億円(156.7円)、17.4期が13.6%増の103.0億円(213.5円)と予想した。新規タイトルが既存の伸び悩みを埋め、来期からは広告費の効率化や増収による外注費の吸収で営業利益率も改善すると言及した。
追加情報
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東洋経済新報社による今後の業績予想は、2015年4月期は売上高が前期比2.8倍の310億円、営業利益が13.3億円、EPS 28.3円、配当なしと会社予想を踏襲。「ブレイブ フロンティア」のダウンロード数が海外を軸に拡大。「ファントムオブキル」など新作タイトルや他社製タイトルの育成も進め、収益の安定化を図っていると指摘する。16年4月期は売上高が29%増の400億円、営業利益が20%増の16億円、EPS 34.2円、配当なしとしている。