IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
3914 | マザーズ | 情報・通信業 | 100株 | A |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2015/04/10 |
ブックビルディング期間 | 2015/04/13 - 04/17 |
公開価格決定 | 2015/04/20 |
申込期間 | 2015/04/21 - 04/24 |
払込期日 | 2015/04/27 |
上場日 | 2015/04/28 |
価格情報 | |
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想定価格 | 2,090円 |
仮条件 | 2,090 - 2,390円 |
公開価格 | 2,390円 |
初値予想 | 8,000円 |
初値 | 8,040円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 山川 真考/1967年生 |
---|---|
本店所在地 | 北海道札幌市北区北八条西 |
設立年 | 2001年 |
従業員数 | 48人 (2015/02/28現在) |
事業内容 | IoT(モノのインターネット)ビッグデータをベースとした、インターネットシステムの自動マネジメントサービス事業 |
URL | https://www.jig-saw.com/ |
株主数 | 86人 (目論見書より、潜在株式のみの株主も含む) |
資本金 | 53,000,000円 (2015/03/24現在) |
上場時発行済株数 | 3,190,000株(別に潜在株式220,500株) |
公開株数 | 287,500株(公募200,000株、売り出し50,000株、オーバーアロットメント37,500株) |
調達資金使途 | 研究開発、採用活動費、人件費 |
連結会社 | なし |
シンジケート
公開株数250,000株(別に37,500株)
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
主幹事証券 | SMBC日興 | 215,000 | 86.00% |
引受証券 | 大和 | 17,500 | 7.00% |
引受証券 | マネックス | 5,000 | 2.00% |
引受証券 | SBI | 5,000 | 2.00% |
引受証券 | 東海東京 | 2,500 | 1.00% |
引受証券 | 岡三 | 2,500 | 1.00% |
引受証券 | いちよし | 2,500 | 1.00% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
山川 真考 | 代表取締役社長 | 601,000 | 18.72% |
江見 淳 | 元取締役 | 549,000 | 17.10% |
トランス・コスモス | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 300,000 | 9.34% |
関崎 美智子 | 特別利害関係者など | 245,000 | 7.63% |
AITHER | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 225,500 | 7.02% |
Net Capital Partners | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 212,000 | 6.60% |
斉藤 誠 | 元取締役 | 170,000 | 5.30% |
Webcast Enterprises | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 155,000 | 4.83% |
Richard Lo | 特別利害関係者など | 127,000 | 3.96% |
サンエイト1号 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 67,000 | 2.09% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2015/12 | 単独予想 | 688 | 153 | 144 | 100 |
2014/12 | 単独実績 | 505 | 62 | 61 | 79 |
2013/12 | 単独実績 | 379 | 31 | 32 | 23 |
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
---|---|---|---|---|
2015/12 | 単独予想 | 32.10 | 172.55 | 0.00 |
参考類似企業
事業詳細
IoT(モノのインターネット)によるシステムの自動運用サービス。同社ではLinuxOSの開発を祖業としており、その後システム監視や障害対応、フルマネジメントの運用サービスを提供していた。2014年6月にロボット型自動制御プラットホーム「Puzzle(パズル)」をリリースし、システム運用の自動化を開始。順次移行させている。
パズルはIoTデータの運用を通じて取得・蓄積されたビッグデータを基に、主にクラウドインフラと物理サーバーを対象にマネジメント(監視・運用など)を展開する。要望に応じて顧客サーバー構築なども行っており、初期設定導入費用と月額利用料を収益源としている。国内外の主要クラウドやセキュリティーソフトのベンダーなどとパートナー契約を締結しており、OEM(相手先ブランドによる生産)形式でも提供している。
マネジメントサービスは監視運用項目の代表的なものを組み合わせて提供しており、具体的には、自動制御に加え有人監視を実施し、事前対応策を自動的に指示・制御する「センサリング(遠隔自動監視)」、アラートなどを起点とした自動優先順位付けと自動作業指示、手順に基づいた作業を実施する「自動制御(一次対応)」、二次対応として作業実施が可能な対応は全て実施する「フルマネジメント(二次対応)」などからなる。
2014年12月期の売上高構成比はマネジメントサービス事業100%。
パズルはIoTデータの運用を通じて取得・蓄積されたビッグデータを基に、主にクラウドインフラと物理サーバーを対象にマネジメント(監視・運用など)を展開する。要望に応じて顧客サーバー構築なども行っており、初期設定導入費用と月額利用料を収益源としている。国内外の主要クラウドやセキュリティーソフトのベンダーなどとパートナー契約を締結しており、OEM(相手先ブランドによる生産)形式でも提供している。
マネジメントサービスは監視運用項目の代表的なものを組み合わせて提供しており、具体的には、自動制御に加え有人監視を実施し、事前対応策を自動的に指示・制御する「センサリング(遠隔自動監視)」、アラートなどを起点とした自動優先順位付けと自動作業指示、手順に基づいた作業を実施する「自動制御(一次対応)」、二次対応として作業実施が可能な対応は全て実施する「フルマネジメント(二次対応)」などからなる。
2014年12月期の売上高構成比はマネジメントサービス事業100%。
コメント
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・実際の本店業務は東京都港区三田。
・直近(2014年3月)の特別利害関係者らによる株式売買単価は、分割を遡及(そきゅう)修正すると500円。
・大株主上位13名とベンチャーキャピタル、セオドア・ロー氏の持ち株にはロックアップが掛かる。だだし、社長と個人2名を除き、初値形成後は公開価格の1.5倍以上ならば解除される。
・ストックオプションの行使は最短でも2016年4月25日から。
<ファーストインプレッション>
システム運用の自動化に成功したベンチャーで、新奇性は抜群の技術系IPO。グーグルがスポンサーの民間月面探査プロジェクトにも参画するなど話題性にも事欠かない。かつ収益は月額利用料が中心と、投資家が大好きな安定収入のストック型だ。吸収金額が少なく、ロックアップ解除条項は初値制限が付くため、かなりの高騰が想定される。ただ、パズルを開発するまでの社歴が長く、低迷期を支えた既存株主がファンド、エンゼル、事業会社問わず多い。業績拡大は始まったばかりとあって、長期的に握り続ける投資家もいそうだが、いずれにしろ初値後はかなり乱高下しそうだ。この解除条項は上場までに緩和される可能性もあり注意したい。
・直近(2014年3月)の特別利害関係者らによる株式売買単価は、分割を遡及(そきゅう)修正すると500円。
・大株主上位13名とベンチャーキャピタル、セオドア・ロー氏の持ち株にはロックアップが掛かる。だだし、社長と個人2名を除き、初値形成後は公開価格の1.5倍以上ならば解除される。
・ストックオプションの行使は最短でも2016年4月25日から。
<ファーストインプレッション>
システム運用の自動化に成功したベンチャーで、新奇性は抜群の技術系IPO。グーグルがスポンサーの民間月面探査プロジェクトにも参画するなど話題性にも事欠かない。かつ収益は月額利用料が中心と、投資家が大好きな安定収入のストック型だ。吸収金額が少なく、ロックアップ解除条項は初値制限が付くため、かなりの高騰が想定される。ただ、パズルを開発するまでの社歴が長く、低迷期を支えた既存株主がファンド、エンゼル、事業会社問わず多い。業績拡大は始まったばかりとあって、長期的に握り続ける投資家もいそうだが、いずれにしろ初値後はかなり乱高下しそうだ。この解除条項は上場までに緩和される可能性もあり注意したい。
仮条件分析
(BB参加妙味
:S)
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想定価格: 2,090円
吸収資金レンジ: 5.2億円 - 6.0億円(今期予想単独PER: 65.1倍)
時価総額レンジ: 66.7億円
仮条件: 2,090円 - 2,390円
吸収資金レンジ: 5.2億円 - 6.9億円(今期予想単独PER: 65.1倍 - 74.5倍)
時価総額レンジ: 66.7億円 - 76.2億円
仮条件は想定価格を下限にして決められた。上限価格は想定を14.35%上回る。
<強材料>
IoT関連テーマ化、吸収金額少ない、上位株主ロックアップ、新奇性高い、仮条件大幅上振れ、ラッシュ最終日、技術系、ストック型収益
<弱材料>
業績水準低い、未知数、他社キャッチアップの可能性、同日3社上場、PO受渡日も集中日、エンゼル多い、PER高い
<結論>
Sとする。公開価格が仮条件上限ならば初値は7000円(PER:218.1倍)以上を想定する。
足元でテーマ化しつつあるIoT(モノのインターネット)を前面に出す初の銘柄かつ吸収金額が少なく、需給逼迫(ひっぱく)は必至。システム運用の自動化はこれぞイノベーションと呼ぶべきもの。PERは高いがポテンシャルの高さで打ち消しており、バブル化は避けられないと考える。
同社は長らくシステムの受託開発や運用・監視・保守を手掛け、過去の業績は案件の大小に左右されてきた。しかしながら、昨年6月にシステム自動運用ソフトの開発に成功。順次移行させている。ソフトはかつてリナックスOSなどを祖業としてきた検知をベースにしており、具体的にはシステムの遠隔自動監視や自動制御、フルマネジメントと人の作業を自動化している。
現在の事業はこの自動運用のみ。他社が月数十万円する料金を月額5万円と格安を実現した。例えば、東進ハイスクールのビデオ授業のバックはすべて同社が運用している。解約は相手方がサービスを停止したことによる1件のみにとどまるという。「ニフティクラウド」など大手向けには相手先ブランドによる生産(OEM)でも供給しており、今後は営業人員の増加とともにOEMも強化する方針だ。
格安料金を実現したことで、今は入れ食いのもよう。競合も存在しておらず、ボトルネックになりそうなのは人員確保が需要に追い付くかどうかだろう。営業人員はもちろんだが、自動制御といっても完全に無人なわけではない。札幌のコントロールセンターでは年中無休体制による有人監視・障害対応にエンジニアが当たっている。足元の業績は急拡大しており、今期の営業利益は前期比2.5倍の1億5300万円の予想だ。月額料金制によるストック収入であり、損益分岐点を超えたことで収益性が高まっている。売上高営業利益率は前期の12%から22%に高まる。格安料金だが実質的な価格競争がないため、利益率が高い。
あらゆる機器同士をインターネットでつなぐIoT(モノのインターネット)国内市場は、2014年の約9.4兆円から19年には約16.4兆円になると予想されており、うち同社がかかわる分析専門サービス系は約1兆円になるとされる。インターネットデータ量の飛躍的な増大が進むなか、大半は人ではなく機器同士によるものとなる。
IoTは正月の日経新聞で今年の注目テーマとして特集された。最近になってプレスリリースにも登場するようになり、株式市場のテーマになっている。障害騒ぎで明らかになった三菱電機製テレビのソフトの自動アップデートといったように、既に身近な技術だが、言葉が登場すると株式市場ではテーマ化しやすい。足元ではACCESSやITホールディングス、ブロードバンドタワーなどがIoT関連として物色されている。
高い成長性を反映し、PERは70倍前後と高い仮条件だ。ただ、想定価格からの上振れが2桁に達している。プレヒアリングでもかなり好評だったと見える。あまりの成長性にPERはしばらく指標として働かず、マネーゲーム化が避けられないだろう。
かなりの人気化が想定されるにもかかわらず吸収金額は7億円弱にとどまる。利益水準が低い段階で上場するため、高PERでも少ない。なお、上位株主にはロックアップが掛かるが、下位株主は対象外。同社は雌伏の期間が長かったことで、細かな既存株主が多い。メディアシークやザッパラスなどの法人株主は取引関係がないとのことで、売却してくる可能性が高い。どちらも業績が低迷しており、渡りに舟。従業員を除いたロックアップ対象外の既存株主は20名超、20万株前後存在する。
ただし、既存20万株を合わせても吸収金額は12億円ほど。倍増近いが分母が小さく焼け石に水だ。なお、ロックアップ対象の上位株主は社長を含む3名以外は公開価格の1.5倍以上での解除条項が付く。しかし、初値では売却できない条項はそのままで変更なし。彼らはエンゼルかベンチャーキャピタルで早期売却が想定されるが、初値が付くまで合計198万0500株は動くに動けない。
買いは今年最大級になると予想すると、初値売買代金はシリコンスタジオに並ぶ40億円か。既存株主含め7割が売却するとしても初値は1万円を超えてくる可能性がある。エンゼルは動きが読めず、どこまで売却してくれるのか分からないため、3日目突入の可能性も否定できない。
ただし、今年のIPOは高値警戒感も出やすくなっている。初値後はロックア対象の200万株近い株も流動化するため、買い手にとってかなりの驚異である。それでも需給的に初日は付かずだろう。ショーケースやエムケイシステムを参考にするとけん制し合いながらも3倍まではアレルギーがないと考え、7000円以上での初値を想定する。
吸収資金レンジ: 5.2億円 - 6.0億円(今期予想単独PER: 65.1倍)
時価総額レンジ: 66.7億円
仮条件: 2,090円 - 2,390円
吸収資金レンジ: 5.2億円 - 6.9億円(今期予想単独PER: 65.1倍 - 74.5倍)
時価総額レンジ: 66.7億円 - 76.2億円
仮条件は想定価格を下限にして決められた。上限価格は想定を14.35%上回る。
<強材料>
IoT関連テーマ化、吸収金額少ない、上位株主ロックアップ、新奇性高い、仮条件大幅上振れ、ラッシュ最終日、技術系、ストック型収益
<弱材料>
業績水準低い、未知数、他社キャッチアップの可能性、同日3社上場、PO受渡日も集中日、エンゼル多い、PER高い
<結論>
Sとする。公開価格が仮条件上限ならば初値は7000円(PER:218.1倍)以上を想定する。
足元でテーマ化しつつあるIoT(モノのインターネット)を前面に出す初の銘柄かつ吸収金額が少なく、需給逼迫(ひっぱく)は必至。システム運用の自動化はこれぞイノベーションと呼ぶべきもの。PERは高いがポテンシャルの高さで打ち消しており、バブル化は避けられないと考える。
同社は長らくシステムの受託開発や運用・監視・保守を手掛け、過去の業績は案件の大小に左右されてきた。しかしながら、昨年6月にシステム自動運用ソフトの開発に成功。順次移行させている。ソフトはかつてリナックスOSなどを祖業としてきた検知をベースにしており、具体的にはシステムの遠隔自動監視や自動制御、フルマネジメントと人の作業を自動化している。
現在の事業はこの自動運用のみ。他社が月数十万円する料金を月額5万円と格安を実現した。例えば、東進ハイスクールのビデオ授業のバックはすべて同社が運用している。解約は相手方がサービスを停止したことによる1件のみにとどまるという。「ニフティクラウド」など大手向けには相手先ブランドによる生産(OEM)でも供給しており、今後は営業人員の増加とともにOEMも強化する方針だ。
格安料金を実現したことで、今は入れ食いのもよう。競合も存在しておらず、ボトルネックになりそうなのは人員確保が需要に追い付くかどうかだろう。営業人員はもちろんだが、自動制御といっても完全に無人なわけではない。札幌のコントロールセンターでは年中無休体制による有人監視・障害対応にエンジニアが当たっている。足元の業績は急拡大しており、今期の営業利益は前期比2.5倍の1億5300万円の予想だ。月額料金制によるストック収入であり、損益分岐点を超えたことで収益性が高まっている。売上高営業利益率は前期の12%から22%に高まる。格安料金だが実質的な価格競争がないため、利益率が高い。
あらゆる機器同士をインターネットでつなぐIoT(モノのインターネット)国内市場は、2014年の約9.4兆円から19年には約16.4兆円になると予想されており、うち同社がかかわる分析専門サービス系は約1兆円になるとされる。インターネットデータ量の飛躍的な増大が進むなか、大半は人ではなく機器同士によるものとなる。
IoTは正月の日経新聞で今年の注目テーマとして特集された。最近になってプレスリリースにも登場するようになり、株式市場のテーマになっている。障害騒ぎで明らかになった三菱電機製テレビのソフトの自動アップデートといったように、既に身近な技術だが、言葉が登場すると株式市場ではテーマ化しやすい。足元ではACCESSやITホールディングス、ブロードバンドタワーなどがIoT関連として物色されている。
高い成長性を反映し、PERは70倍前後と高い仮条件だ。ただ、想定価格からの上振れが2桁に達している。プレヒアリングでもかなり好評だったと見える。あまりの成長性にPERはしばらく指標として働かず、マネーゲーム化が避けられないだろう。
かなりの人気化が想定されるにもかかわらず吸収金額は7億円弱にとどまる。利益水準が低い段階で上場するため、高PERでも少ない。なお、上位株主にはロックアップが掛かるが、下位株主は対象外。同社は雌伏の期間が長かったことで、細かな既存株主が多い。メディアシークやザッパラスなどの法人株主は取引関係がないとのことで、売却してくる可能性が高い。どちらも業績が低迷しており、渡りに舟。従業員を除いたロックアップ対象外の既存株主は20名超、20万株前後存在する。
ただし、既存20万株を合わせても吸収金額は12億円ほど。倍増近いが分母が小さく焼け石に水だ。なお、ロックアップ対象の上位株主は社長を含む3名以外は公開価格の1.5倍以上での解除条項が付く。しかし、初値では売却できない条項はそのままで変更なし。彼らはエンゼルかベンチャーキャピタルで早期売却が想定されるが、初値が付くまで合計198万0500株は動くに動けない。
買いは今年最大級になると予想すると、初値売買代金はシリコンスタジオに並ぶ40億円か。既存株主含め7割が売却するとしても初値は1万円を超えてくる可能性がある。エンゼルは動きが読めず、どこまで売却してくれるのか分からないため、3日目突入の可能性も否定できない。
ただし、今年のIPOは高値警戒感も出やすくなっている。初値後はロックア対象の200万株近い株も流動化するため、買い手にとってかなりの驚異である。それでも需給的に初日は付かずだろう。ショーケースやエムケイシステムを参考にするとけん制し合いながらも3倍まではアレルギーがないと考え、7000円以上での初値を想定する。
公開価格分析
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公開価格: 2,390円
吸収資金: 6.9億円(今期予想単独PER: 74.5倍)
時価総額: 76.2億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は2,198.80円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。
業界にイノベーションを起こした企業として期待は高く、高PERも難なく上限決定。市場でテーマ化するIoT(モノのインターネット)関連ということもあって、引き続き高騰を見込む。4月の銘柄は明暗が分かれるとみられ、同社株は「明」に分類されるだろう。
吸収資金: 6.9億円(今期予想単独PER: 74.5倍)
時価総額: 76.2億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は2,198.80円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。
業界にイノベーションを起こした企業として期待は高く、高PERも難なく上限決定。市場でテーマ化するIoT(モノのインターネット)関連ということもあって、引き続き高騰を見込む。4月の銘柄は明暗が分かれるとみられ、同社株は「明」に分類されるだろう。
初値予想
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初値予想: 8,000円(今期予想単独PER: 249.2倍)
初値買い妙味: B
初値高騰を予想する。同日3社上場となるが、テーマ物色のさなかにあるIoT(モノのインターネット)関連で事業内容にも新奇性が高い。成長性も今のところ抜群とみられる。吸収金額が少なく、需給逼迫(ひっぱく)は必至な情勢で、初値形成は2日目以降となりそうだ。
インターネットシステムの自動運用を手掛ける。同社ではLinuxOSの開発を祖業としており、その後システム監視や障害対応、フルマネジメントの運用サービスを提供していた。2014年6月にロボット型自動制御プラットホーム「Puzzle(パズル)」をリリースし、システム運用の自動化を開始した。パズルはLinuxOSで培った技術がベースとなっている。
自動運用による省力化により、システム運用について他社が月数十万円する料金を月額5万円と格安を実現した。昨年6月以降の解約は相手方がサービスを停止したことによる1件のみにとどまり、今は引き合いが強すぎて追い付かない状況だという。「ニフティクラウド」など大手向けに相手先ブランドによる生産(OEM)でも供給しており、今後は営業増員とともにOEM強化で対応を急ぐ方針だ。
今期の営業利益は前期比2.5倍の1億5300万円の予想だ。月額料金制によるストック収入であり、損益分岐点を超えたことで収益性が高まっている。売上高営業利益率は前期の12%から22%に高まる。有力な競合もまだ存在しておらず、実質的な価格競争がないため成長率、利益率ともに高い。PERは成長性を織り込んでいるが、事業環境を踏まえるとあまりに成長性が高く値段が付けられない状況だ。
IoT関連は株式市場でテーマの一つとなっており、このタイミングでの上場は短期筋を大量につり上げるだろう。正月の日経新聞で今年の注目テーマとして特集され、今年に入って関連のリリースが出され、注目を集めるようになった。
一方、吸収金額は7億円弱と少なく、需給は逼迫(ひっぱく)するだろ。パズル開発まで雌伏の期間が長かったため、既存株主が多いが上位はロックアップ対象で、初値では株価にかかわらず解除されない。売却可能性ある下位株主分は20万株超で足しても12億円弱。初日の売り買い一致は難しい。初値は4倍超の1万円程度まで買い進まれる可能性がある。
ただし、上位の株主は社長や創業者遺族の2名を除き、初値形成後で公開価格の1.5倍以上ならば売却できる。この分が200万株弱と公開株数の7倍近い量が流動化することになり、かなりの驚異だ。初値を買いに行っても、高値では売り抜けられないのではないかという警戒感が強まりそう。初値売買代金はマイナンバー物色相場に乗って人気化したエムケイシステムを上回るものの、30億円程度と仮定し、8000円での売り買い一致を予想する。
<追加分析>
大幅買い越しのまま初値が付かなかった。最終気配値は公開価格2390円の約2.3倍となる5500円で、差し引き32万8800株の買い越しだった。売り買いが一致する対当価格はなかった。
売り 買い
105,200株 成り行き 152,200株
144,100株 9560円 185,800株
------------------------------------------
134,000株 5500円 462,800株
成長性、テーマ性ともに高く買いが殺到。上場初日は大幅買い越しにより寄らなかった。初日の値付かずはショーケース・ティービーに続き今年4社目になる。大引け時の買い板は売りの3.45倍、公開株数の1.61倍に達した。金額では約25億円だった。
過去の例を参考にすると逼迫(ひっぱく)度合いはMKシステムより緩いが、SHIFTやオプティムより強い状態。初日の買いが金額ベースでMKシステムの30億円を下回ったのは物足りないが、3倍越えを目指すに当たり最低限の買いは入ったことになる。きょうの板状況からは4倍越えの可能性も十分ある。
ただ、高値ではやはり初値後に流動化する既存株主の持ち分が警戒されやすい。マザーズ指数が高値圏の割には初値買い機運がさほど高まっておらず、引き続き8000円での売り買い一致を見込む。
初値買い妙味: B
初値高騰を予想する。同日3社上場となるが、テーマ物色のさなかにあるIoT(モノのインターネット)関連で事業内容にも新奇性が高い。成長性も今のところ抜群とみられる。吸収金額が少なく、需給逼迫(ひっぱく)は必至な情勢で、初値形成は2日目以降となりそうだ。
インターネットシステムの自動運用を手掛ける。同社ではLinuxOSの開発を祖業としており、その後システム監視や障害対応、フルマネジメントの運用サービスを提供していた。2014年6月にロボット型自動制御プラットホーム「Puzzle(パズル)」をリリースし、システム運用の自動化を開始した。パズルはLinuxOSで培った技術がベースとなっている。
自動運用による省力化により、システム運用について他社が月数十万円する料金を月額5万円と格安を実現した。昨年6月以降の解約は相手方がサービスを停止したことによる1件のみにとどまり、今は引き合いが強すぎて追い付かない状況だという。「ニフティクラウド」など大手向けに相手先ブランドによる生産(OEM)でも供給しており、今後は営業増員とともにOEM強化で対応を急ぐ方針だ。
今期の営業利益は前期比2.5倍の1億5300万円の予想だ。月額料金制によるストック収入であり、損益分岐点を超えたことで収益性が高まっている。売上高営業利益率は前期の12%から22%に高まる。有力な競合もまだ存在しておらず、実質的な価格競争がないため成長率、利益率ともに高い。PERは成長性を織り込んでいるが、事業環境を踏まえるとあまりに成長性が高く値段が付けられない状況だ。
IoT関連は株式市場でテーマの一つとなっており、このタイミングでの上場は短期筋を大量につり上げるだろう。正月の日経新聞で今年の注目テーマとして特集され、今年に入って関連のリリースが出され、注目を集めるようになった。
一方、吸収金額は7億円弱と少なく、需給は逼迫(ひっぱく)するだろ。パズル開発まで雌伏の期間が長かったため、既存株主が多いが上位はロックアップ対象で、初値では株価にかかわらず解除されない。売却可能性ある下位株主分は20万株超で足しても12億円弱。初日の売り買い一致は難しい。初値は4倍超の1万円程度まで買い進まれる可能性がある。
ただし、上位の株主は社長や創業者遺族の2名を除き、初値形成後で公開価格の1.5倍以上ならば売却できる。この分が200万株弱と公開株数の7倍近い量が流動化することになり、かなりの驚異だ。初値を買いに行っても、高値では売り抜けられないのではないかという警戒感が強まりそう。初値売買代金はマイナンバー物色相場に乗って人気化したエムケイシステムを上回るものの、30億円程度と仮定し、8000円での売り買い一致を予想する。
<追加分析>
大幅買い越しのまま初値が付かなかった。最終気配値は公開価格2390円の約2.3倍となる5500円で、差し引き32万8800株の買い越しだった。売り買いが一致する対当価格はなかった。
売り 買い
105,200株 成り行き 152,200株
144,100株 9560円 185,800株
------------------------------------------
134,000株 5500円 462,800株
成長性、テーマ性ともに高く買いが殺到。上場初日は大幅買い越しにより寄らなかった。初日の値付かずはショーケース・ティービーに続き今年4社目になる。大引け時の買い板は売りの3.45倍、公開株数の1.61倍に達した。金額では約25億円だった。
過去の例を参考にすると逼迫(ひっぱく)度合いはMKシステムより緩いが、SHIFTやオプティムより強い状態。初日の買いが金額ベースでMKシステムの30億円を下回ったのは物足りないが、3倍越えを目指すに当たり最低限の買いは入ったことになる。きょうの板状況からは4倍越えの可能性も十分ある。
ただ、高値ではやはり初値後に流動化する既存株主の持ち分が警戒されやすい。マザーズ指数が高値圏の割には初値買い機運がさほど高まっておらず、引き続き8000円での売り買い一致を見込む。
初値分析
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初値: 8,040円(今期予想単独PER: 250.5倍)
/ 上昇率: 236.4%
/ 高値: 8,300円
/ 安値: 6,540円
/ 終値: 6,540円
出来高: 688,100株 / 対公開株数: 239.3% / 初値出来高: 220,100株 / 初値売買代金: 1,769,604,000円
初値は高騰した。テーマ性や成長性の高さを背景に、上場初日は大幅買い越しの付かず。買い規制の敷かれた2日目にようやく売り買いが一致した。
初値売買代金は約18億円。過去の高人気銘柄と比べると今一つだった。弊社では30億円規模を想定していたが、地合いが今一つで個別の材料だけでは初値買い機運はそこまで高まらなかった。ただロックアップ対象外の下位既存株主が、心配されていたほど動かなかったようで、予想初値との帳尻は合った。
寄り付き後は間もなくして急落した。初値後に上位既存株主はロックアップが解除され、ベンチャーキャピタル(VC)やエンゼルが大量に保有していたため、彼らが売りを出したか。公開株数の10倍近い株式の売りが控え、PERが200倍を超えるなか、短期筋も上値を買い進みにくかった。相場全体が全面安となったことも重なり、日経平均株価の一段安に歩調を合わせてストップ安に張り付きそのまま引けた。
大引け時の売り残は成り行き合わせ6万0300株だった。3日目の5月1日は残った売りに対し、自律反発狙いと規制解除要因による買いが向かう構図になる。だが、既存株主の売りは引き続き驚異。出来高は公開株数を優に超えたが、VCらの売りを吸収するほどではなかった。乱高下を交えながらも、目先は軟調な展開が続くと考えられる。日経平均株価の大幅安で、当面は決算発表も相次ぐ大型株に資金が流れやすい状況だ。
ただテーマ性の高さから、忘れられたままにはなりにくい。IPO空白期間には直近上場株には見直し買いも入りやすい。動くとすれば十分に調整し、ゴールデンウイーク後の決算発表が一巡してからではないかと考える。
いちよし経済研究所からリポートが出ている。数多くの運用・マネジメント業務を通じて得たノウハウが強みだと指摘。今後の営業利益予想について、15.12期は会社予想の1.5億円を上回る前期比3.2倍の2.0億円(修正EPS 47.0円)、16.12期は2.0倍の4.0億円(78.4円)、17.12期は50.0%増の6.0億円と予想した。
<追加分析>
大株主の大量保有報告書が出そろった。これまでのところ売却が判明しているのはトランス・コスモスのみで、保有株の17万8200株を全て初日に売却していた。初日ストップ安の主犯は社長の出身会社だった。
出来高: 688,100株 / 対公開株数: 239.3% / 初値出来高: 220,100株 / 初値売買代金: 1,769,604,000円
初値は高騰した。テーマ性や成長性の高さを背景に、上場初日は大幅買い越しの付かず。買い規制の敷かれた2日目にようやく売り買いが一致した。
初値売買代金は約18億円。過去の高人気銘柄と比べると今一つだった。弊社では30億円規模を想定していたが、地合いが今一つで個別の材料だけでは初値買い機運はそこまで高まらなかった。ただロックアップ対象外の下位既存株主が、心配されていたほど動かなかったようで、予想初値との帳尻は合った。
寄り付き後は間もなくして急落した。初値後に上位既存株主はロックアップが解除され、ベンチャーキャピタル(VC)やエンゼルが大量に保有していたため、彼らが売りを出したか。公開株数の10倍近い株式の売りが控え、PERが200倍を超えるなか、短期筋も上値を買い進みにくかった。相場全体が全面安となったことも重なり、日経平均株価の一段安に歩調を合わせてストップ安に張り付きそのまま引けた。
大引け時の売り残は成り行き合わせ6万0300株だった。3日目の5月1日は残った売りに対し、自律反発狙いと規制解除要因による買いが向かう構図になる。だが、既存株主の売りは引き続き驚異。出来高は公開株数を優に超えたが、VCらの売りを吸収するほどではなかった。乱高下を交えながらも、目先は軟調な展開が続くと考えられる。日経平均株価の大幅安で、当面は決算発表も相次ぐ大型株に資金が流れやすい状況だ。
ただテーマ性の高さから、忘れられたままにはなりにくい。IPO空白期間には直近上場株には見直し買いも入りやすい。動くとすれば十分に調整し、ゴールデンウイーク後の決算発表が一巡してからではないかと考える。
いちよし経済研究所からリポートが出ている。数多くの運用・マネジメント業務を通じて得たノウハウが強みだと指摘。今後の営業利益予想について、15.12期は会社予想の1.5億円を上回る前期比3.2倍の2.0億円(修正EPS 47.0円)、16.12期は2.0倍の4.0億円(78.4円)、17.12期は50.0%増の6.0億円と予想した。
<追加分析>
大株主の大量保有報告書が出そろった。これまでのところ売却が判明しているのはトランス・コスモスのみで、保有株の17万8200株を全て初日に売却していた。初日ストップ安の主犯は社長の出身会社だった。
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東洋経済新報社による今後の業績予想は、2015年12月期の売上高が前期比19%増の6億円、営業利益が45%増の9億円、EPS 25.1円、配当なしと増益ながら会社予想を大幅に下回る。16年12月期は売上高17%増の7億円、営業利益が44%増の1.3億円、EPS 34.5円、無配継続の見通しで今期の予想は来期になってようやく達成するとみている。IoT(モノのインターネット化)データから取得するビックデータを対象にしたサービス展開などで成長を目指す。