IPO銘柄詳細

コード 市場 業種 売買単位 注目度
4263 マザーズ 情報・通信業 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2021/12/08
ブックビルディング期間 2021/12/09 - 12/15
公開価格決定 2021/12/16
申込期間 2021/12/17 - 12/22
払込期日 2021/12/23
上場日 2021/12/24
価格情報
想定価格 1,310円
仮条件 1,310 - 1,410円
公開価格 1,410円
初値予想 1,297円
初値 1,500円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 上野 太郎(上場時41歳0カ月)/1980年生
本店所在地 東京都中央区日本橋本町
設立年 2015年
従業員数 21人 (2021/10/31現在)(平均36.9歳、年収696.5万円)
事業内容 医療機器開発およびその協力各種医療情報の収集・提供
URL https://www.susmed.co.jp/
株主数 16人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2021/11/19現在)
上場時発行済株数 15,547,600株(別に潜在株式1,257,200株)
公開株数 2,981,900株(公募2,291,000株、売り出し302,000株、オーバーアロットメント388,900株)
調達資金使途 研究開発資金、人材投資、オフィススペース拡張
連結会社 0社
シンジケート
公開株数2,593,000株(別に388,900株)/(海外分含む)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 SMBC日興 2,022,200 77.99%
主幹事証券 SBI 493,100 19.02%
引受証券 東海東京 25,900 1.00%
引受証券 あかつき 25,900 1.00%
引受証券 いちよし 25,900 1.00%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
上野太郎 代表取締役社長 7,000,000 48.20%
Beyond Next Ventures1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,275,000 15.70%
SBI AI&Blockchain投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,166,900 8.00%
(株)スズケン 資本業務提携先 700,000 4.80%
第一生命保険(株) 特別利害関係者など 583,100 4.00%
市川太祐 取締役 409,500 2.80%
本橋智光 取締役CTO 301,700 2.10%
住友商事(株) 資本業務提携先 245,000 1.70%
サワイグループホールディングス(株) 資本業務提携先 245,000 1.70%
ソニーグループ(株) 特別利害関係者など 166,600 1.20%
東京センチュリー(株) 特別利害関係者など 166,600 1.20%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 事業収益 営業利益 経常利益 純利益
2022/06 単独1Q実績 30 -128 -128 -129
2022/06 単独予想 95 -780 -724 -748
2021/06 単独実績 115 -333 -271 -277
2020/06 単独実績 34 -160 -88 -96
事業収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2022/06 単独予想 -51.77 242.45 0.00
参考類似企業
銘柄 今期予想PER(12/3)
カラダノート
46.3倍 (単独予想)
Welby
- (連結予想)
ベビーカレン
24.9倍 (単独予想)
事業詳細
 デジタル治療(DTx)ベンチャー。治療用スマートフォンアプリや臨床試験用システムなどの開発を手掛けるが、前者は製品の販売にはまだ至っていない。独自に構築した臨床試験システムを汎用化し、医療業界に提供することで創薬プロセスを効率化していることに加え、医療データの利活用を目的として開発した機械学習による自動分析システムを提供することで効果的・効率的な医療サービスの実現を目指している。社名は「SUStainable MEDicine(持続可能な医療)」の略に由来する。

1.DTxプロダクト事業
 治療用アプリを開発している。パイプラインのなかで最も進んでいるのは、久留米大学と共同開発する不眠症治療用「yukumi(仮)」であり、22年2月には医療機器の承認を申請する予定だ。
 このほか乳がん患者向けの運動療法アプリや、「人生会議」ともいわれる終末医療の考えをあらかじめ周りの人らと共有するアドバンス・ケア・プランニング(ACP)アプリ、慢性腎臓病患者向けの運動療法アプリなどを外部機関と共同開発している。

2.DTxプラットフォーム事業
 効率的な臨床試験を実施するためのシステムや機械学習自動分析システムを開発販売しているほか、治療用アプリの開発を目指す企業を支援している。

 2021年6月期の売上高構成比は、DTxプラットフォーム事業100.0%(汎用臨床試験システム2.6%、機械学自動分析システム69.3%、DTx開発支援26.8%。主な販売先は科研製薬26.9%、スズケン17.5%、日本ケミファ12.1%。
コメント
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・直近(2020年12月)の第三者割当増資の発行単価は、転換を遡及(そきゅう)修正すると857円。
・公開株の一部は欧州やアジアを中心とする海外市場(北米除く)で販売される。
・引受比率は仮条件まで未定。
・エムスリー以外の既存株主と、行使期間入りする新株予約権者にはロックアップ(役員180日、他90日)が掛かる。ただし、2020年に新規に出資していないベンチャーキャピタルと第一生命保険、東京センチュリーは制度ロックアップ分を除き、公開価格の1.5倍以上なら解除される。解除対象株は計387万7500株。
・ロックアップ対象外の既存株式(エムスリ-)は6万6500株。


〈ファーストインプレッション〉
 売り上げわずか9500万円かつ大赤字で何だこりゃと思いきや、開発中の不眠治療用アプリの承認申請がたった見通しでの上場ということで、医療機器ベンチャーのようなものらしい。我が国は不眠症大国ともいわれ、睡眠薬の処方量が先進国の中でも多いといわれるだけに期待できそうな分野だ。保険点数がどうなるかはこれからだが、アプリはソフトウエアなので開発してしまえばコストは安く、患者はもろん保険当局にとってもメリットは大きい。
 医療アプリでは黒字化したタイミングで出てきたWelbyは翌期から再び赤字に転落しており、株価は低迷している。Welbyの場合、医療機器としての承認はなく、製薬会社からの依頼で作るあくまで補助的な役割を担わせるに過ぎず、ビジネスモデルは異なるが、黒字のタイミングで上場したにもかかわらず、翌期から再び赤字に転落し、株価は低迷している。不眠治療のマーケットは大きいだけに時価総額200億円は安いとも感じるが、同時にWelbyの低迷ぶりを見てしまうとためらう気持ちも。そもそも不眠改善用のアプリは医療用ではなくても健康管理アプリとして各社が出しており、薬剤をもらえないならそれらを使った自己治療との競合にもなろう。医者に行く理由そのものが低下しかねない。もう一つの事業であるDTxプラットフォーム事業にしても実績がなさ過ぎだ。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 1,310円
 吸収資金レンジ: 34.0億円 - 39.1億円(今期予想単独PER: -)
 時価総額レンジ: 203.7億円

仮条件: 1,310円 - 1,410円
 吸収資金レンジ: 34.0億円 - 42.0億円(今期予想単独PER: -)
 時価総額レンジ: 203.7億円 - 219.2億円

 仮条件は想定価格を下限に100円幅で設定された。上限価格は想定を7.63%上回る。

〈強材料〉
不眠症アプリ治験成功、不眠症市場大きい、製造コスト少ない、睡眠薬抑制の動き、臨床システム優位性、大手の出資相次ぐ、

〈弱材料〉
売り上げ実績なし、実績皆無の早期上場、同日7社、普及に課題、ネット証券主幹事

〈要点〉
・治療アプリ国内元祖の評価額318億円(出所:INITIAL)。
・不眠症治療の市場規模は1000億円(潜在市場は2500億円)。
・既存市場からの切り替えで192億円、潜在から216億円獲得で粗利44億円のもくろみ。
・薬剤と違い製造流通コストはほぼゼロ。開発コストも安い。
・臨床システムは臨床コストを大幅削減する画期的なもので、昨年末に経産相と厚労相のお墨付き。来期から本格販売。
・認知行動療法は患者側にやる気がないと成立しない。
・システム販売で実績なしの上場は例がない。

〈結論〉
 弱めBとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1400~1500円を想定する。

 これも難解な案件。不眠大国日本とも言われるだけにこの市場は極めて大きく、通院していない人も含めれば3500億円もあるとのこと。とある寝具メーカーの調査では成人の約半数に不眠症の疑いがあり、疑いが少しあるも含めると3分の2にも上るという。
 アプリによる薬剤を使わない「認知行動療法」は薬剤と違って依存症の副作用もなく、根本治療ができ、治療効果は高いことが報告されている。米国では薬剤の前に、認知行動療法を第一選択に義務づけている。
 代わりに認知行動療法は1回の治療に30分は掛かるうえ、薬剤を出さないので保険点数が稼げない。対応できる医師も少ないため、国内では普及していないのが実情だ。睡眠薬は心療内科や精神科だけではなく、内科でも処方しており、流れ作業で処方箋を書く医師も少なくない。

 だが、アプリを使うことでいわゆる3分診療にも対応でき指導できる医師も増やせるうえ、保険点数も付けることができる。このためすんなり承認されれば、かなり将来有望な案件といえる。また、承認後も薬剤とは違ってアプリなら、製造や流通に掛かるコストはゼロ。継続的な研究開発費はもちろん掛かるし、販売費も同様だが、原価はサーバー代くらいで限りなくゼロに近い。加えて開発中も動物実験は免除されているうえ、医療機器の扱いなので治験は一段階のみで済み研究開発コストも抑えられる。

 医師側には処方点数のほか、薬剤売り上げのうち半分を医療機関に帰属させる。医療機関側の経済メリットについて、睡眠薬を処方した時よりも大きくすることで普及を促す考えだ。
 同社ではアンケートを基に当面の置き換え可能比率を17%の192億円と割り出している。このときの同社の取り分は25%であり、売り上げは48億円、サーバー代を除いた44億円強が粗利益になるという。

 一方、もう一つの事業である臨床試験用のシステムは臨床試験のコストをブロックチェーン(分散型台帳)技術を使って劇的に下げるもので、CRA(臨床開発モニター)の業務量を75%削減する。治験ではデータの正確性について証明することが義務づけられているが、現在は労働集約的にその作業は行われており、この人件費がコストを押し上げる。同社のシステムは改ざんできないといった特性を持つブロックチェーンにより、これを代替するものだ。データ転記も自動化するため、CRC(治験コーディネーター)の業務も一部削減するうえ、転記ミスも防げる。
 今のところ試験導入の段階のため販売実績は皆無だが、昨年末に経済産業省と厚生労働省が承認した。当局のお墨付きを得たこで、来期からは本格販売に乗り出す計画だ。今年4月には日本医療研究開発機構(AMED)の「研究開発推進ネットワーク事業」に採択され、6月には臨床試験大手のEPSホールディングスと治験業務効率化のための業務提携を結んだ。

 両事業とも将来有望であり、特に治療アプリに対する期待は大きい。この分野で先行するのはキュアアップ(東京都中央区)というベンチャーで、既に禁煙補助アプリが医療承認され上市された。今春の資金調達により評価額は318億円になったとのことだ。国内の禁煙補助剤の現在の市場規模は不明だが、数年前の資料から推測しても10数億円程度とみられ、睡眠薬と比べると桁違いに小さい。禁煙アプリの場合は薬剤との併用であって代替するものではないが、市場規模の違いからすれば評価も桁違いになってもおかしくはない。政府としても睡眠薬の処方は抑えさせたい意向であり、キュアアップを下回る200億円の時価総額は格安ともいえよう。
 また、粗利44億円の目算なら、販管費が現在の4.3億円から倍以上の10億円に増えたとしても税金を差し引いても20億円以上は残ることになる。数年後のPERが10倍だと考えると安いものだろう。TVCMなどをこちら持ちで始めるなどすると、負担は大きくなるが、それは潜在市場を掘り起こす次の段階だ。

 とはいえ、キュアアップ社の評価はあくまで仮のもの。医療系ベンチャーのIPOは上場時にダウンランドになるケースも多い。それに不眠治療アプリにしろ、臨床システムにしろ、まだ実績は皆無の段階だ。創薬系は承認のタイミングで上場することは多いが、システム系が実績なしというのは例がない。
 また、同社の不眠アプリ普及率17%の皮算用は医師側のアンケートに基づくものだ。患者側は「眠れないから積極的に心理療法を受けたい」とは必ずしも思っていないし、一錠で手っ取り早く寝付けるなら、その方が楽でいいと考える人の方が多いのではないか。認知行動療法は患者の行動や生活習慣などを見直していくことで治療するものなので、患者側の努力が必要だ。テストケースでは最初からやる気のある患者が集まるので、薬より効果が出るのは当然との指摘もあり、バイアスが掛かっている可能性を踏まえる必要がある。
 キュアアップも今年中のIPOを目指していたはずだが、まだ医療承認を得ていない伏兵に出し抜かれたところを見ると、上市後の販売が計画ほどにはうまくいっていない可能性も考えられる。だからこそ上市前の期待だけが高くなる時にIPOしてしまえ、というのはある意味正しい選択ともいえるわけだが、実際のところはフタを開けてみないと分からないのが実情だろう。

 市場規模の大きさと、初モノ人気に足元の情報通信株人気を考慮し、買い越しでのスタートを想定するが、同社は情報通信業の分類でも創薬に近く市場の反応は読みにくい。しかも同日7社で選択肢はやたらと多い日だ。将来有望でも、実績がなさすぎて機関投資家もどう動くものなのか。リスクを恐れない海外勢に、どれだけ人気があるかが鍵だが、彼らもクリスマスイブにどの程度積極的に動くのやら。この日の上場リストのなかでは話題性の高い案件だが、需給妙味は乏しくスタート当初は値が重そう。もくろみ通りの実績が出てきたセカンダリーの段階で、化けるといった展開なのではと解釈する。
公開価格分析
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公開価格: 1,410円
 吸収資金: 42.0億円(今期予想単独PER: -)
 時価総額: 219.2億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1297.20円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。
 一方、海外販売株数は公募84万3300株、売り出し11万1200株の計95万4500株に決まった。公開株数全体の32%を占める。

 アプリどころかシステム販売も実績なしの段階のため、どうなるか心配な案件ではあったが、対象となる市場は大きく、治療アプリとしては初モノでもある話題性もあってか無事に上限決定となった。
 海外配分を差し引くと国内吸収金額は約28.6億円となり、同日ではタカヨシをやや上回る程度。単独なら買い越しを見込みやすい規模感だ。ただ日本からの撤退を急ぐなかで、海外勢の買い増しは望みにくい。市況がいいときにはもてはやされやすい初モノ要素も、悲観的な見方が支配的になったときにはかえって手控え要因になりやすい。ネット証券が共同主幹事として2割弱も引き受けているため逃げ足の速い投資家も多いと考えられるため、引き続き値の重い展開を想定しておく必要がある。
初値予想
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初値予想: 1,297円(今期予想単独PER: -)
初値買い妙味: B

 初値苦戦を予想する。不眠治療のマーケットは大きく成長期待は大きいが、グロース株、特に赤字ベンチャーには厳しい値動きが続く。同日7社上場となることからも売り気配スタートは余儀なくされよう。

 デジタル治療(DTx)ベンチャー。治療用スマートフォンアプリや臨床試験用システムなどの開発を手掛けるが、どちらもまだ販売実績はない。不眠症治療用アプリの開発を終えたところで、22年2月には医療機器の承認を申請する予定だ。
 また、臨床試験用システムは今まで人為的にやっていた事務作業をブロックチェーン(分散型台帳)技術を使って代替するもので、人件費を置き換えることでCRA(臨床開発モニター)の業務量を75%、CRC(治験コーディネーター)の業務も一部削減するうえ、転記ミスなども防げる。昨年末に経済産業省と厚生労働省が承認。今期の準備段階を経て来期から本格販売に乗り出す計画。今年4月には日本医療研究開発機構(AMED)の「研究開発推進ネットワーク事業」に採択され、6月には臨床試験大手のEPSホールディングスと治験業務効率化のための業務提携を結んだ。

 日本は不眠大国ともいわれるほど、不眠に悩む人は多く、市場は大きい。同社では医師アンケートから既存の睡眠薬市場の17%を、アプリを使った「認知行動療法」に置き換えられるとみており、その際の粗利益は44億円強を見込んでいる。認知行動療法は薬剤と違って依存性はなく、効果も高いことが証明されている。従来だと治療時間が30分はかかることがネックだったが、いわゆる3分治療にも対応しており、医療機関側には薬剤点数のほか、薬剤売り上げのうち半分を帰属させるなど経済的なメリットも薬剤よりあるようにしている。
 また、アプリなら製造や流通に掛かるコストはゼロ。継続的な研究開発費はもちろん掛かるし、販売費も同様だが、原価はサーバー代くらいだ。

 両事業とも将来有望であり、特に治療アプリに対する期待は大きい。この分野で先行するのはキュアアップ(東京都中央区)というベンチャーで、既に禁煙補助アプリが医療承認され上市された。今春の資金調達により評価額は318億円になった。国内の禁煙補助剤の現在の市場規模は不明だが、数年前の資料から推測しても10数億円程度とみられ、睡眠薬と比べると格段に小さい。政府としても睡眠薬の処方は抑えさせたい意向であり、キュアアップを下回る200億円の時価総額は格安ともいえよう。また、粗利44億円の目算なら、販管費が現在の4.3億円から倍以上の10億円に増えたとしても税金を差し引いても20億円以上は残る。数年後のPERが10倍だと考えると安いものだろう。これに画期的な臨床試験向けのシステム販売が上乗せされることになる。

 とはいえ、これらは販売実績がない段階の皮算用に過ぎない。行動認知療法は患者側の努力が必要であり、彼らは「眠れないから積極的に心理療法を受けたい」とは必ずしも思っていないし、一錠で手っ取り早く寝付けるなら、その方が楽でいいと考える人の方が多いだろう。テストケースでは最初からやる気のある患者が集まるので、薬より効果が出るのは当然との指摘もある。また、システム販売に至ってはは実績ゼロの段階で上場してくる例がない。これらの説明はベンチャーキャピタル向けにするものだろう。

 IPOのセカンダリーマーケットはグロース株の下落を受けて厳しい値動きが続いている。特に赤字のグロース株については買いが入らなくなっており、公開価格はおろか引受価額割れも続出している。そうした意味では同社株もかなり危うい。ただ治療アプリのベンチャーとしては国内初の上場になるといった話題性のほか、マーケットの大きさはかなり魅力的だ。同日7社上場ということもあり初値は苦戦するが、引受価額でのスタートは可能と予想する。
初値分析
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初値: 1,500円(今期予想単独PER: -) / 上昇率: 6.4% / 高値: 1,900円 / 安値: 1,426円 / 終値: 1,820円
出来高: 3,933,900株 / 対公開株数: 131.9% / 初値出来高: 747,700株 / 初値売買代金: 1,121,550,000円

 小じっかりした初値が付いた。寄り前気配は危うかったが、最終的に10億円程度の買いに対し、売りは一定程度絞られたことで公開価格割れを回避。9時直後の売り買い差は1.5倍と開いていたが、心理的節目の1500円での売りが多かったことからすぐに値が付いた。

 初値後は順調に買い上げられ、一時ストップ高した。張り付くことはなかったが、終盤も値崩れせず高値圏で引けた。ストップ高かストップ安のどちらか極端に振れることが多くなっている直近上場株だが、週末で利益確定売りは出やすく、初値はちょうど値幅が広がる基準株価だったことも影響したとみられる。1400円台で付いていれば、終値の水準でもストップ高以上だ。

 不眠治療の市場は有望で臨床システムも導入先は画期的なコスト削減が見込まれる。朝方は意外と買いが入った印象だが、まだ実績がないことに目をつぶれば成長期待は大きいだけに、機関投資家が買った可能性も考えられる。懸案だった初動もクリアしたことで、当面は堅調に推移するものと期待される。
IPO更新情報
IPOニュース
11/21
GVA TECHの東証グロース上場が承認
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MICの東証スタンダード上場が承認
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アルピコHDの東証スタンダード上場が承認
11/21
delyの東証グロース上場が承認
マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.44 -0.99
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