IPO銘柄詳細

コード 市場 業種 売買単位 注目度
5253 東証グロース 情報・通信業 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2023/03/07
ブックビルディング期間 2023/03/08 - 03/14
公開価格決定 2023/03/15
申込期間 2023/03/16 - 03/22
払込期日 2023/03/24
上場日 2023/03/27
価格情報
想定価格 710円
仮条件 710 - 750円
公開価格 750円
初値予想 1,350円
初値 1,750円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 谷郷 元昭(上場時49歳3カ月)/1973年生
本店所在地 東京都港区芝
設立年 2016年
従業員数 401人 (2023/01/31現在)(平均31.6歳、年収511.8万円)
事業内容 VTuberのキャラクターIP開発およびVTuberプロダクション「hololive production」の運営事業
URL https://cover-corp.com/
株主数 23人 (目論見書より)
資本金 452,808,000円 (2023/02/17現在)
上場時発行済株数 61,124,200株(別に潜在株式5,968,900株)
公開株数 14,291,500株(公募1,500,000株、売り出し10,927,400株、オーバーアロットメント1,864,100株)
調達資金使途 配信用機材の設備資金、運転資金
連結会社 0社
シンジケート
公開株数12,427,400株(別に1,864,100株)/海外分含む
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 みずほ 6,338,100 51.00%
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 5,716,700 46.00%
引受証券 SBI 124,200 1.00%
引受証券 大和 62,100 0.50%
引受証券 野村 62,100 0.50%
引受証券 マネックス 62,100 0.50%
引受証券 楽天 62,100 0.50%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
谷郷元昭 代表取締役社長 22,800,000 34.76%
AT-II投組 投資業(ファンド) 10,338,500 15.76%
若山理子 新株予約権信託の受託者 5,968,900 9.10%
バレー(株) 役員らが議決権の過半数所有 3,300,000 5.03%
福田一行 取締役CTO 3,000,000 4.57%
みずほ成長支援第2号投組 投資業(ファンド) 2,129,900 3.25%
i-nest1号投組 投資業(ファンド) 2,032,000 3.10%
HAKUHODO DY FUTURE D.F.投組 投資業(ファンド) 2,032,000 3.10%
千葉道場2号投組 投資業(ファンド) 1,625,000 2.48%
OLM1号投組 投資業(ファンド) 1,535,900 2.34%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2023/03 単独3Q累計実績 12,802 1,734 1,727 1,281
2023/03 単独会社予想 18,056 2,169 2,136 1,427
2022/03 単独実績 13,663 1,855 1,853 1,244
2021/03 単独実績 5,724 1,698 1,705 1,220
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2023/03 単独会社予想 23.93 96.38 0.00
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23.5倍 (連結予想)
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事業詳細
 Vチューバー事務所大手。VチューバーのキャラクターIP(知的財産権)を開発し、そのプロダクション「ホロライブプロダクション」を運営している。
 キャラクターIPの開発は国内の主要クリエイターと協働して行っているが、キャラクターIP権利は同社に帰属する。2022年12月末時点の保有数は71名(日本48名、インドネシア9名、英語圏14名)であり、そのうち31名はユーチューブのチャンネル登録数が100万登録を超える。23年1月11日現在登録数世界トップのGawr Gura(がうる・ぐら)や3位の宝鐘マリン(日本)、4位のMori Calliope(森カリオペ)などがあり、トップ10のうち活動停止中の2位以外を独占する。

1.配信/コンテンツ
 ユーチューブを中心とした動画配信プラットフォームや各種SNS(交流サイト)などを通じ、Vチューバーによるライブ配信を主とした動画コンテンツを提供しているほか、音楽ストリーミングサービスで楽曲コンテンツを販売している。視聴者からのメンバーシップ(月額有料会員)加入やスーパーチャット(投げ銭)のほか、広告収益、楽曲コンテンツの販売が主な収益項目である。

2.ライブ/イベント
 Vチューバーのライブコンサートやファンミーティング、自社IPの国内外出展などのイベントをオフラインまたはオンラインで提供している。チケット販売やイベントに際した物販、イベントを収録した映像ソフトウエアの販売などが主な収益項目である。

3.マーチャンダイジング
 VチューバーIPをベースにしたキャラクターグッズやデジタルコンテンツを販売している。EC(電子商取引)での商品販売を主な収益項目としている。

4.ライセンス/タイアップ
 外部商品またはコンテンツのメーカーなどに対し、IPの使用権利を提供(ライセンスアウト)したり、タイアップ広告を通じた所属VTuberによる他社企業のプロモーションやメディア出演を提供したりしている。ロイヤルティー収益やプロモーション料・出演料を主な収益項目である。

 2022年3月期の売上高構成比は、配信/コンテンツ38.4%、ライブ/イベント16.1%、マーチャンダイジング35.4%、ライセンス/タイアップ10.1%。地域別では日本62.1%、アメリカ35.0%、その他2.9%。2022年12月時点でのユーチューブ配信における月間の海外再生数比率は41%。
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・直近(2020年4月)の第三者割当増資の発行単価は、転換や分割を遡及(そきゅう)修正すると49.21円。
・売り出し株の一部(公募・売り出し株数の半数未満)は欧州やアジアを中心とする海外市場(米加除く)で販売される。
・既存の株主と新株予約権者には180日もしくは90日のロックアップが掛かる。ただし90日対象のファンドや個人などの外部株主(計19名1925万6000株)は初値形成後、公開価格の1.5倍以上では解除される。

〈ファーストインプレッション〉
 昨年相場をにぎわしたエニーカラーの競合として注目されるが、ベンチマークが既にあるうえ投資家マインドが回復したため前回のように激安な値付けはされていない。二匹目のドジョウとはいかないだろう。それどころかエニーカラーが急落したこともあり、値下げが追いつかなかったとみられPERはエニーカラーを上回る。エニーカラーと比べてVチューバーは少数精鋭型にもかかわらず、売り上げ規模のわりに従業員数が多く、販管費がかさんでいる。これを「先行投資」とみなすこともできようが、エニーカラーの株価がピークの3分の1以下に沈み、上場来安値を更新するようになった今となっては旬を逃した印象さえある。公開規模も大きいため冷静な判断が必要であり、見送りも選択肢になるのではないか。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 710円
 吸収資金レンジ: 88.2億円 - 101.5億円(今期予想単独PER: 29.7倍)
 時価総額レンジ: 434.0億円

仮条件: 710円 - 750円
 吸収資金レンジ: 88.2億円 - 107.2億円(今期予想単独PER: 29.7倍 - 31.3倍)
 時価総額レンジ: 434.0億円 - 458.4億円

 仮条件は想定価格を下限に40円幅で設定された。上限価格は想定を5.63%上回る。

〈強材料〉
仮条件上振れ、個人人気高い、低位株、グッズ販売好調

〈弱材料〉
競合株低迷、吸収額大、上振れわずか、高コスト体質、巣ごもり終了

〈結論〉
 弱めBとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は800円(希薄化後PER:37.6倍)前後を想定する。
 さえないエニーカラーの値動きから仮条件は下振れかと思いきや上振れした。限定的ながら強気には見られているようであるが、エニーカラーに比べての割高感は否めない。巣ごもり消費終了への警戒感もあることから上値は重いとみる。

 Vチューバー事務所大手。高いプロデュース力が特徴であり、在籍Vチューバー71名のうち31名はユーチューブのチャンネル登録数が100万を超え、トップ10を事実上独占する。エニーカラーが数撃てば当たる戦略なのに対し、こちらはじっくり育て上げる戦略だ。
 ただし収益性はエニーカラーに大きく劣る。今期売上高はエニーカラーの8割程度なのに対し、営業利益は3割弱しかない。この要因について同社はグッズ販売の違いだと説明している。
 カバーのグッズ販売はこれまでクリエーター主導であり、受注生産が主だった。エニーカラーでは会社側が主導し、採算性の高いものを主に販売する。ただし、現状の受注は旺盛であり拡大余地が豊富とみられることから、今後は会社主導を増やしていく考えだという。
 だが、会社側の説明より大きいのは、中の人への報酬が多くを占める外注費だ。売上高に占める割合は40%程度に上っており、エニーカラーが前期は24%だったのに比べて大きな負担となっている。UUUMの70%に比べればライセンスを握る強みは生きているが、売れっ子に育て上げる分、報酬コストも高く付いているようだ。また、それほど大きくはないが、メタバース分野への先行投資を行っていることも販管費を押し上げる要因となっている。

 エニーカラーのPERが直近で25倍程度なのに対し、仮条件は実質33.4~35.3倍の水準で設定された。想定価格からは上振れしたが、エニーカラーが急速に評価を落とすなか、上振れは小幅にとどまっている。本来なら下振れしてもおかしくない状況だが、エニーカラーに比べて高いコスト体質は改善余地が大きいともいえる。ランディング上位を独占するプロデュース力は群を抜いており、今後競争が激化していくなかで優位性を発揮できる可能性なども強気に見られる理由か。

 とはいえ、現状の実績はエニーカラーに見劣りしており、特に今期増収率が劣るにもかかわらずPERが上回るのは説明が付きにくい。共同主幹事の大型案件は競争原理により時に高い値付けをされることがあり、みずほと三菱モルガンの組み合わせではクラシコムがそうだった。特に三菱モルガンはベースフードの超割高値付けを成功させた実績を持っており、買い手としては注意が必要だ。

 エニーカラーも熱狂が冷めてみれば既存のプロダクションを若干上回る程度の評価にしかなっておらず、カバーの上場承認をきかっけに入った見直し買いもすぐに一巡してしまった。エニーカラーの業績の勢いはいまだ衰えていないが、モイやjig.jp、UUUMの株価も低迷しており、巣ごもり消費の終了を前に市場の期待は後退していることがうかがえる。コロナ祭りは終わったのだ。

 個人投資家はエニーカラーの残像が強いのかいまだ強気なもようだが、公開規模100億円超はかなり重く、雰囲気よりもバリュエーション重視の冷静な判断が必要だ。PER25倍なら妥当株価は500円台半ばであり、優位性を認めるとしても公開価格をさらに上回る評価を付ける理由は見当たらない。売り気配スタートになってもおかしくない状況だが、個人人気の高さと仮条件が上振れ設定になったこと、低位株であることなどを鑑み、初動は買い優勢を想定する。ただし上値は重いとみて、上がっても1割程度が限界とみる。プラスの予想になるが、リスクの高さからブックビルディングは見送りを推奨する。
公開価格分析
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公開価格: 750円
 吸収資金: 107.2億円(今期予想単独PER: 31.3倍)
 時価総額: 458.4億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は693.75円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。一方、海外販売株数は公開株数の34.3%に当たる490万8900株になった。

 競合のエニーカラーが上方修正とプライム移行申請を発表し、急騰している。16日はストップ高に張り付き、取引所外ではさらに5109円を付けた。これによる新PERは24.5倍に上がる。
 ただエニーカラーは発表当日まで軟調な展開が続き、信用買い残は高水準だ。同社は12月にも上方修正したが、この時はコンセンサスを下回り逆に売られた。プライムへの移行も事前に予告されていたことでニュースではない。今回の修正後の業績予想はコンセンサスに近く全くのサプライズだったわけではない。買い戻しは早い段階で終わる可能性が否定できない。
 また、UUUMやライブ配信関連株は売りが続いており、大きなくくりでの波及は見られない。さすがにVチューバー同士なら波及はあると期待したいが、その前に世界同時株安の影響も心配される。今後の動向を見守ることとするが、今のところ効果は相殺されるとみて初値は引き続き小幅高を想定する。
初値予想
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初値予想: 1,350円(今期予想単独PER: 56.4倍)
初値買い妙味: B

 初値好調を予想する。競合に比べて割高な値付けだったが、その競合が上方修正を機に急騰し割高感はほぼ解消された。値付け時点で機関投資家はプレミアムを認めていたことになるため、直前の追い風を受け競合上昇分をキャッチアップするものと考える。

 Vチューバー事務所大手「ホロライブプロダクション」を運営。2022年12月末時点のキャラクター保有数は71あり、そのうち31はユーチューブのチャンネル登録数が100万を超える。23年1月11日現在登録数世界トップのGawr Gura(がうる・ぐら)や3位の宝鐘マリン(日本)などトップ10のうち活動停止中の2位以外を独占する。
 業績は好調に推移しており、23.3期の営業利益は前期比17%増の21億円と同社では予想している。増収率は32%に上る予想だが、事業規模拡大を反映した人件費がかさむほか、昨年1月より増加した自社提携倉庫によるグッズ出荷開始に伴い、物流関連費用が急増し重しになる。

 売れっ子を何人も輩出するプロダクションとして注目は高く、ブックビルディングは盛況だったもよう。値付け当時はエニーカラー株はPER20倍台前半と安値を更新していたのに対し、公開価格は実質35倍と高い水準で値付けされた。声優への報酬が主な外注費などがかさみ、足元の収益性や成長率などの数値面はエニーカラーに劣るが、グッズ販売などでまだ取り組み余地が大きく、巣ごもり消費終了後の競争激化なども見据え、育成手腕なども高く評価されたようだ。
 ただそのエニーカラーも値付け後に発表された上方修正で市場の評価が一変した。修正後の業績予想は事前のコンセンサスをやや上回る程度だったが、実際の株価にはほとんど織り込まれていなかった。発表前は4000円を割り込み、PERは既存のプロダクション並みだったが、24日には年初来高値となる7000円を上回るまでに急騰。上方修正した日に付けた上場来安値からは8割上昇した。

 エニーカラーのPERはまだ32倍でカバーを下回るが、値付け時点で機関投資家らはカバーに対してプレミアムを認めていたことになる。何より直近のエニーカラーの急騰はカバーへの強烈な追い風となろう。公開規模は100億円を超える重さだが、世界同時株安も落ち着いたことから、初値はエニーカラーの安値からの上昇率を参考に1350円と予想する。
初値分析
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初値: 1,750円(今期予想単独PER: 73.1倍) / 上昇率: 133.3% / 高値: 2,000円 / 安値: 1,390円 / 終値: 1,400円
出来高: 20,063,000株 / 対公開株数: 140.4% / 初値出来高: 5,119,300株 / 初値売買代金: 8,958,775,000円

 初値は2.3倍の気配上限を上回る値で付いた。直近のエニーカラーの急騰が追い風になり、カネに糸目を付けない買いが殺到した。

 寄り付き後は3分後に2000円の節目を付けた後に売り気配に転じた。既存株主にはベンチャーキャピタルが多く、初値形成後の公開価格1.5倍以上ではロックアップが解除されることになっていたため、それらが一斉に放出されたとみられる。解除対象株1925万株に対し、保有者は19名と分散していたため制御は全く利かなかった。心理的節目の1500円前後ではいったん下げ止まったが、大引け近くになると手じまい売りに押され安値を更新して引けた。

 目先は調整が続くだろう。まだロックアップは解除された状態にあり、ひとまず1.5倍の1125円までは押し戻される展開が続くとみられる。また、もともと割高な値付けだったにもかかわらず、上方修正をへずに急騰したことでさらに割高感は増している。当面は二匹目のドジョウによる上方修正期待が株価を支えるとみるが、会社側に動きがなければ公開価格付近まで押し戻されるとみる。

(追加)
 みずほ証券から紹介リポートが出ている。営業利益率はマーチャンダイジング事業のプロダクトミックス改善などを背景に、23/3期の12.2%をボトムに25/3期には19.0%まで回復すると考察。23.3期の営業利益は会社予想をやや上回る前期比21.9%増の22.61億円(EPS 27.3円)、24.3期は74.7%増の39.49億円(44.8円)、25.3期は59.3%増の62.92億円(71.3円)と予想した。
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マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.97 -0.46
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