IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
6532 | マザーズ | サービス業 | 100株 | A |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2016/08/12 |
ブックビルディング期間 | 2016/08/16 - 08/22 |
公開価格決定 | 2016/08/23 |
申込期間 | 2016/08/25 - 08/30 |
払込期日 | 2016/09/01 |
上場日 | 2016/09/02 |
価格情報 | |
---|---|
想定価格 | 2,360円 |
仮条件 | 2,100 - 2,360円 |
公開価格 | 2,100円 |
初値予想 | 1,963円 |
初値 | 1,963円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 萩平 和巳 (上場時45歳0カ月)/1971年生 |
---|---|
本店所在地 | 東京都港区虎ノ門 |
設立年 | 2014年 |
従業員数 | 1189人 (2016/06/30現在)(平均32.2歳、年収810.2万円) |
事業内容 | (1)戦略・ビジネスコンサルティング、(2)情報技術(IT)コンサルティング、(3)システムインテグレーション――を主たるサービスとした総合コンサルティングファーム |
URL | http://www.baycurrent.co.jp/ |
株主数 | 7人 (目論見書より) |
資本金 | 100,000,000円 (2016/07/28現在) |
上場時発行済株数 | 15,470,000株(別に潜在株式580,660株) |
公開株数 | 13,489,900株(公募50,000株、売り出し11,680,400株、オーバーアロットメント1,759,500株) |
調達資金使途 | 人材採用投資、研修などの人材育成投資 |
連結会社 | 0社 |
シンジケート
公開株数11,730,400株(別に1,759,500株)
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
主幹事証券 | 野村 | 9,384,500 | 80.00% |
引受証券 | SMBC日興 | 1,876,800 | 16.00% |
引受証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 410,500 | 3.50% |
引受証券 | SBI | 58,600 | 0.50% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
江口 新 | 旧会社の創業者 | 5,140,000 | 32.12% |
Sunrise Capital II,LP | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 3,332,720 | 20.83% |
Sunrise Capital II(Non-US),LP | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 2,967,600 | 18.55% |
EHRS LP | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 1,720,000 | 10.75% |
(株)R-ファンド | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 1,400,000 | 8.75% |
Sunrise Capital II(JPY),LP | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 599,680 | 3.75% |
萩平 和巳 | 代表取締役社長 | 383,520 | 2.40% |
池平 謙太郎 | 取締役 | 61,740 | 0.39% |
阿部 義之 | 取締役 | 49,400 | 0.31% |
小塚 裕史 | 取締役 | 49,400 | 0.31% |
中村 公亮 | 取締役 | 49,400 | 0.31% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 売上収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2017/02 | 単独1Q実績 | 4,328 | 916 | 876 | 584 |
2017/02 | 単独予想 | 18,282 | 4,045 | 3,915 | 2,507 |
2016/02 | 単独実績 | 15,833 | 3,215 | 2,581 | 1,550 |
2015/02 | 単独実績 | 5,564 | 1,155 | 627 | 372 |
売上収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
---|---|---|---|---|
2017/02 | 単独予想 | 162.32 | 815.20 | - |
参考類似企業
事業詳細
総合コンサルティングファーム。企業の経営・業務・情報技術(IT)に関する知見を有するコンサルタントを擁し、幅広い業界に渡って企業の戦略立案から課題解決・実行までをワンストップで提供する。
実質的な創業は1998年3月。創業者から経営陣の株式を譲渡することを目的に、CLSAキャピタルパートナーズ系の投資ファンドが2014年6月に旧会社を買収した。
1.戦略・ビジネスプロセスコンサルティング
経営・事業・マーケティングの戦略立案、新規事業立ち上げ、M&A(合併・買収)に係るPMI(経営統合)、中期経営計画策定、組織改革、ビジネスプロセス変革、事業継続計画(BCP)策定、コスト削減などのサービスを提供している。
2.ITコンサルティング
IT戦略立案、システム化推進の構想策定、ITデューデリジェンス、ITガバナンス策定、RFP(提案依頼書)作成、要件定義などのサービスを提供している。
3.システムインテグレーション
システム基本設計・詳細設計、ソフトウエア開発、ソフトウエア導入、インフラ構築、保守運用などのサービスを提供している。
また、上記のほか、国内企業の海外進出や外資系企業の日本進出、その後のグローバルマネジメントを支援する「海外関連コンサルティングサービス」も提供している。
2016年2月期の売上高(売上収益)構成比は、戦略・ビジネスプロセスコンサルティング22.0%、ITコンサルティング50.7%、システムインテグレーション27.3%。
実質的な創業は1998年3月。創業者から経営陣の株式を譲渡することを目的に、CLSAキャピタルパートナーズ系の投資ファンドが2014年6月に旧会社を買収した。
1.戦略・ビジネスプロセスコンサルティング
経営・事業・マーケティングの戦略立案、新規事業立ち上げ、M&A(合併・買収)に係るPMI(経営統合)、中期経営計画策定、組織改革、ビジネスプロセス変革、事業継続計画(BCP)策定、コスト削減などのサービスを提供している。
2.ITコンサルティング
IT戦略立案、システム化推進の構想策定、ITデューデリジェンス、ITガバナンス策定、RFP(提案依頼書)作成、要件定義などのサービスを提供している。
3.システムインテグレーション
システム基本設計・詳細設計、ソフトウエア開発、ソフトウエア導入、インフラ構築、保守運用などのサービスを提供している。
また、上記のほか、国内企業の海外進出や外資系企業の日本進出、その後のグローバルマネジメントを支援する「海外関連コンサルティングサービス」も提供している。
2016年2月期の売上高(売上収益)構成比は、戦略・ビジネスプロセスコンサルティング22.0%、ITコンサルティング50.7%、システムインテグレーション27.3%。
コメント
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・業績は過去分も国際会計基準(IFRS)による。
・直近(2015年9月15日)の特別利害関係者らによる株式売買単価は、分割や転換を遡及(そきゅう)修正すると1000円。
・既存株主全員にはロックアップが掛かる。EHRSを除く上位5名は公開価格の1.5倍以上ならば解除されるが、解除対象者の上場時保有株は100株(2名の単位未満株?)を除いてオーバーアロットのために貸し出されると同時に、グリーンシューオプションが設定されている。
・2015年2月期はMBO実施により10カ月半の変則決算。旧会社との合算では、売上収益13,115百万円、営業利益2,058百万円、税引き前利益1,531百万円、純利益899百万円となる。
<ファーストインプレッション>
どういうわけか今年はやたらに多いコンサル系のIPOだが、今回はファンドと創業者の出口案件。営業利益は今期40億円の予想と業績水準は高いが、新興市場で300億円超の公開規模は消化不良が懸念される。CLSA系では国内では初のIPOといった点が関係しているのか。売り切ってしまうため、上場後の追加売却の懸念はないが、マザーズ上場ならば1部への市場変更時にも売却の機会はある。買収後の業績は急拡大しており、わずか2年超でのIPOには驚かされるが、それだけに安定性には疑問も。割安感もあるが、多額ののれんと有利子負債を計上する財務体質を踏まえると、いきなり機関投資家が積極参戦してくるとは考えにくい。短期的には消化難のリスクが高いのではないか。
・直近(2015年9月15日)の特別利害関係者らによる株式売買単価は、分割や転換を遡及(そきゅう)修正すると1000円。
・既存株主全員にはロックアップが掛かる。EHRSを除く上位5名は公開価格の1.5倍以上ならば解除されるが、解除対象者の上場時保有株は100株(2名の単位未満株?)を除いてオーバーアロットのために貸し出されると同時に、グリーンシューオプションが設定されている。
・2015年2月期はMBO実施により10カ月半の変則決算。旧会社との合算では、売上収益13,115百万円、営業利益2,058百万円、税引き前利益1,531百万円、純利益899百万円となる。
<ファーストインプレッション>
どういうわけか今年はやたらに多いコンサル系のIPOだが、今回はファンドと創業者の出口案件。営業利益は今期40億円の予想と業績水準は高いが、新興市場で300億円超の公開規模は消化不良が懸念される。CLSA系では国内では初のIPOといった点が関係しているのか。売り切ってしまうため、上場後の追加売却の懸念はないが、マザーズ上場ならば1部への市場変更時にも売却の機会はある。買収後の業績は急拡大しており、わずか2年超でのIPOには驚かされるが、それだけに安定性には疑問も。割安感もあるが、多額ののれんと有利子負債を計上する財務体質を踏まえると、いきなり機関投資家が積極参戦してくるとは考えにくい。短期的には消化難のリスクが高いのではないか。
仮条件分析
(BB参加妙味
:C)
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想定価格: 2,360円
吸収資金レンジ: 276.8億円 - 318.4億円(今期予想単独PER: 14.5倍)
時価総額レンジ: 365.1億円
仮条件: 2,100円 - 2,360円
吸収資金レンジ: 246.3億円 - 318.4億円(今期予想単独PER: 12.9倍 - 14.5倍)
時価総額レンジ: 324.9億円 - 365.1億円
仮条件は想定価格を上限に決まった。下限価格は想定を11.02%下回る。
<強材料>
業績水準高い、人気業態、業績拡大、PER割安
<弱材料>
外資系ファンドの出口案件、公開規模大きい、上場後もファンドが筆頭株主、のれん比率高い、借金漬け、スキームに不可解な点あり
<機関投資家の評価>
1.コンサルティング業界の需要環境は良好であり、業界で独自の地位を築いていること。
2.人材採用と高付加価値案件の増加により、高い収益性の維持・成長が今後も見込まれること。
3.競合他社との競争が激化する可能性があること。
<結論>
Cとする。初値は公開価格を下回り、基本的には引受価額(-6.5%)で付くと予想する。
同業他社に対し割安感はあるが、マザーズ案件としては規模が大きすぎ。コンサル株としてもIT株としても業態人気はあるが、ファンドの出口案件ということでは市場に警戒感が漂い兼ねず、初値は抑えられたものとなりそうだ。
筆頭株主である江口新氏が設立した総合コンサルティングファーム。IT分野が主力。江口氏は既に同社を離れており、2014年6月に現経営陣がMBO(経営陣による買収)した。今回の上場ではその時のスポンサーになったCLSAキャピタルパートナーズなどの投資会社と、江口氏(MBO後に新たに増資引き受け。スキームの一貫?)が保有株式を売り切る設定だ。上場時に彼らが保有する単位株は、全てオーバーアロットメントに伴うグリーンオプション(追加取得)の対象となっている。
直近の増資を引き受けた米投資ファンド系のEHRSからの売り出しはなく、持ち株は法定ロックアップの対象だ。上場後は同ファンドが筆頭株主に浮上する。なお、同ファンドが金融機関から借り入れている資金は、同社が連帯保証人になっている。金額は増資の際の金額とほぼ同額で、実質的にほとんどを借入金で同社株の増資を引き受けているものとみられる。種銭部分はどこから出ているのかは不明だが、発行体のリスクで株式を保有しているという構図だ。種銭が現経営陣からならばMBOのスキームとして分かるが、経営陣とファンドの関係は記されておらず、関係はないものとみられる(お盆休み中で確認できず)。なお、現経営陣が持つのは基本的に新株予約権であり、現物を保有するのは社長の荻平和己氏だけである。
CLSAキャピとしてはIPOでの出口は初の案件だが、筆頭株主に前の経営者を残すなどMBOのスキームとしてはかなり特殊なものになっている。これではとにかく上場しなければ、MBOが完成しない。しかしながら、同社の業績規模は既に大きく、マザーズ上場時に全ての保有株を売り出すのは需給を崩すリスクが高い。これだけの規模ならば1年後には第1部には問題なく行けるはずで、そのときにも再び売り出しの機会があるはず。新興市場で300億円もの規模で売り出しするよりは、段階的な売却を目指すのが普通だ。投資期間は2年とまだ短いが、上記の保証人の件に関しても今年末までの上場を前提にしており、もともとファンドの満期が短く設定されていたのか。それにしても創業者までもが一緒になって、売り急ごうとする理由は分からない。現経営陣は自分の懐をなるべく痛めず、市場のカネでMBOしようとしているだけのようにも見える。
一方、業績自体は好調だ。MBO前から業績は拡大傾向にあり、今期の営業利益は前期比26%増の40億円に乗る見込み。コンサルタントの積極採用が功を奏するうえ、単価も向上する。ITと関連する新規事業戦略立案や市場調査、業界再編や規制緩和など関するM&A(合併・買収)、事業再編関連などで戦略・ビジネスプロセスコンサルティングの売り上げが大きく伸びる。
なお、MBO案件としては例外にもれず、のれんが多額なことが最大の障害となりそう。ほとんど設備投資のいらいない業態ということもあり、総資産の76%を占める。もちろんMBOローンはまだ多くが残っており、有利子負債は4割強を占める。マザーズで300億円前後の案件は個人投資家の買いだけでは消化不良に陥る可能性があるが、これまでのMBO案件では東証1部直接上場でも機関投資家の買いは限定的で、公開価格割れからのスタートがほとんどだった。財務面に不安のある銘柄は、まだカバレッジのない段階では機関の買いは入りにくい。上場のスキームそのものに無理があるうえ、スタート当初は需給に押される不安の方が強いと考えられる。
半面、公開規模とファンドの出口案件ということでは短期筋に警戒されやすい。売りは限られるだろう。公開株数の13%を占めるオーバーアロットメントの買い戻しにより、基本的には引受価額で売り買いはいったん一致するものと考える。業績そのものは好調でコンサル株としては割安感もある。仮条件のPERはコンサル株がおおよそ15~20倍となっているのに対し、12.9~14.5倍と下回る設定のため、弱いながらも一定の買いは入ると期待される。
吸収資金レンジ: 276.8億円 - 318.4億円(今期予想単独PER: 14.5倍)
時価総額レンジ: 365.1億円
仮条件: 2,100円 - 2,360円
吸収資金レンジ: 246.3億円 - 318.4億円(今期予想単独PER: 12.9倍 - 14.5倍)
時価総額レンジ: 324.9億円 - 365.1億円
仮条件は想定価格を上限に決まった。下限価格は想定を11.02%下回る。
<強材料>
業績水準高い、人気業態、業績拡大、PER割安
<弱材料>
外資系ファンドの出口案件、公開規模大きい、上場後もファンドが筆頭株主、のれん比率高い、借金漬け、スキームに不可解な点あり
<機関投資家の評価>
1.コンサルティング業界の需要環境は良好であり、業界で独自の地位を築いていること。
2.人材採用と高付加価値案件の増加により、高い収益性の維持・成長が今後も見込まれること。
3.競合他社との競争が激化する可能性があること。
<結論>
Cとする。初値は公開価格を下回り、基本的には引受価額(-6.5%)で付くと予想する。
同業他社に対し割安感はあるが、マザーズ案件としては規模が大きすぎ。コンサル株としてもIT株としても業態人気はあるが、ファンドの出口案件ということでは市場に警戒感が漂い兼ねず、初値は抑えられたものとなりそうだ。
筆頭株主である江口新氏が設立した総合コンサルティングファーム。IT分野が主力。江口氏は既に同社を離れており、2014年6月に現経営陣がMBO(経営陣による買収)した。今回の上場ではその時のスポンサーになったCLSAキャピタルパートナーズなどの投資会社と、江口氏(MBO後に新たに増資引き受け。スキームの一貫?)が保有株式を売り切る設定だ。上場時に彼らが保有する単位株は、全てオーバーアロットメントに伴うグリーンオプション(追加取得)の対象となっている。
直近の増資を引き受けた米投資ファンド系のEHRSからの売り出しはなく、持ち株は法定ロックアップの対象だ。上場後は同ファンドが筆頭株主に浮上する。なお、同ファンドが金融機関から借り入れている資金は、同社が連帯保証人になっている。金額は増資の際の金額とほぼ同額で、実質的にほとんどを借入金で同社株の増資を引き受けているものとみられる。種銭部分はどこから出ているのかは不明だが、発行体のリスクで株式を保有しているという構図だ。種銭が現経営陣からならばMBOのスキームとして分かるが、経営陣とファンドの関係は記されておらず、関係はないものとみられる(お盆休み中で確認できず)。なお、現経営陣が持つのは基本的に新株予約権であり、現物を保有するのは社長の荻平和己氏だけである。
CLSAキャピとしてはIPOでの出口は初の案件だが、筆頭株主に前の経営者を残すなどMBOのスキームとしてはかなり特殊なものになっている。これではとにかく上場しなければ、MBOが完成しない。しかしながら、同社の業績規模は既に大きく、マザーズ上場時に全ての保有株を売り出すのは需給を崩すリスクが高い。これだけの規模ならば1年後には第1部には問題なく行けるはずで、そのときにも再び売り出しの機会があるはず。新興市場で300億円もの規模で売り出しするよりは、段階的な売却を目指すのが普通だ。投資期間は2年とまだ短いが、上記の保証人の件に関しても今年末までの上場を前提にしており、もともとファンドの満期が短く設定されていたのか。それにしても創業者までもが一緒になって、売り急ごうとする理由は分からない。現経営陣は自分の懐をなるべく痛めず、市場のカネでMBOしようとしているだけのようにも見える。
一方、業績自体は好調だ。MBO前から業績は拡大傾向にあり、今期の営業利益は前期比26%増の40億円に乗る見込み。コンサルタントの積極採用が功を奏するうえ、単価も向上する。ITと関連する新規事業戦略立案や市場調査、業界再編や規制緩和など関するM&A(合併・買収)、事業再編関連などで戦略・ビジネスプロセスコンサルティングの売り上げが大きく伸びる。
なお、MBO案件としては例外にもれず、のれんが多額なことが最大の障害となりそう。ほとんど設備投資のいらいない業態ということもあり、総資産の76%を占める。もちろんMBOローンはまだ多くが残っており、有利子負債は4割強を占める。マザーズで300億円前後の案件は個人投資家の買いだけでは消化不良に陥る可能性があるが、これまでのMBO案件では東証1部直接上場でも機関投資家の買いは限定的で、公開価格割れからのスタートがほとんどだった。財務面に不安のある銘柄は、まだカバレッジのない段階では機関の買いは入りにくい。上場のスキームそのものに無理があるうえ、スタート当初は需給に押される不安の方が強いと考えられる。
半面、公開規模とファンドの出口案件ということでは短期筋に警戒されやすい。売りは限られるだろう。公開株数の13%を占めるオーバーアロットメントの買い戻しにより、基本的には引受価額で売り買いはいったん一致するものと考える。業績そのものは好調でコンサル株としては割安感もある。仮条件のPERはコンサル株がおおよそ15~20倍となっているのに対し、12.9~14.5倍と下回る設定のため、弱いながらも一定の買いは入ると期待される。
公開価格分析
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公開価格: 2,100円
吸収資金: 283.3億円(今期予想単独PER: 12.9倍)
時価総額: 324.9億円
追加売り出し株数は上限だったものの、公開価格は仮条件下限で決まった。引受価額は1963.50円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数は公開株式数を上回り、件数が多かったものの、申告需要のうち機関投資家以外の投資家からの需要が機関投資家からの需要よりも多かったことが特徴だった。価格決定を受け、初値は1963円と予想する。
ブックビルディングの不調は個人向けも観測されており、主幹事はかなり苦戦したもよう。先週は機関投資家の多くがお盆休みを取っていたこともあるのだろうが、無理やり感が目立つ今回の案件に市場の警戒感は強い。時価総額的にには直接1部上場も狙えるのにもかかわらず、新興市場を選択したのは準備期間が短いことが関係しているようだが、なぜそこまで急ごうとしているのかも分かりにくい。
PER面では無理な価格設定でもなく業績も伸びているが、上場を前提とした今回のMBOは相場の現状を無視して設計されているともいえ厳しい船出になりそう。ただそれだけに短期売却目的の投資家はほとんどが取得を避けていると考えられる。同じく外資系ファンド案件だったコメダやソラストと同様、シンジケートカバーによる初値形成になると考える。
吸収資金: 283.3億円(今期予想単独PER: 12.9倍)
時価総額: 324.9億円
追加売り出し株数は上限だったものの、公開価格は仮条件下限で決まった。引受価額は1963.50円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数は公開株式数を上回り、件数が多かったものの、申告需要のうち機関投資家以外の投資家からの需要が機関投資家からの需要よりも多かったことが特徴だった。価格決定を受け、初値は1963円と予想する。
ブックビルディングの不調は個人向けも観測されており、主幹事はかなり苦戦したもよう。先週は機関投資家の多くがお盆休みを取っていたこともあるのだろうが、無理やり感が目立つ今回の案件に市場の警戒感は強い。時価総額的にには直接1部上場も狙えるのにもかかわらず、新興市場を選択したのは準備期間が短いことが関係しているようだが、なぜそこまで急ごうとしているのかも分かりにくい。
PER面では無理な価格設定でもなく業績も伸びているが、上場を前提とした今回のMBOは相場の現状を無視して設計されているともいえ厳しい船出になりそう。ただそれだけに短期売却目的の投資家はほとんどが取得を避けていると考えられる。同じく外資系ファンド案件だったコメダやソラストと同様、シンジケートカバーによる初値形成になると考える。
初値予想
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初値予想: 1,963円(今期予想単独PER: 12.1倍)
初値買い妙味: C
初値は苦戦しそうだ。マザーズにしては吸収金額の大きい案件であるうえ、のれん割合の大きい外資系ファンドの出口案件。条件的には東証1部直接上場でもおかしくないが、売買の低迷した新興市場には荷の重い案件だ。
IT分野が主力の総合コンサルティング。今回の上場は売り出しが中心で、前経営者からのMBOの一貫。前経営者の江口新氏とスポンサーとなったCLSAキャピタルパートナーズのファンドが売り出し人となっている。今回の売り出しでオーバーアロットメント分を除いて全て売り切る。ただし、上場後の筆頭株主も別の投資ファンドとなっている。
CLSAキャピタルとしては初のIPO案件だが、スキームとしては市場のことは無視されている印象だ。経営コンサルはIPOでは人気がある方だが、新興市場に上場するにしては300億円近い吸収金額は過大だ。
個人だけでは吸収は不可能であり、機関投資家の買いが必要になるが、投資ファンドによるMBO案件とあって例によってのれんが多額で彼らは手を出しづらい。総資産の76%を占める。もちろんMBOローンはまだ多くが残っており、有利子負債は4割強を占める。低金利時代に借金はむしろ活用した方がいいのだが、財務面に不安のある銘柄をカバレッジがまだ付かない段階で買う機関は少ない。
普通ならこうした案件は一回での売り抜けは狙わない。業績水準は今期営業利益40億円の予想と高い水準であり、順調に行けば1年後は一部指定だろうからその時にも売る機会がある。そもそも時価総額は直接1部上場の基準である250億円を上回っている。新興市場を選んだのはMBO時に法人格を変えており、実績期間が規定に足りないことが関係しているようだが、どちらにしてもなぜそこまでして売り急ごうとしているのかが不可解だ。
また、上場後に筆頭株主となるEHRSは米系の投資ファンドだが、同社株の取得資金は同社が連帯保証人になった借入金で賄われている。しかも今年末まで上場できなかった時には投資がなかったことにできる条項付きだ。投資先のリスクで自分はノーリスクで株式を手に入れている格好で関係が不可解だ。これについて弊社では質問を投げかけているが、回答はない。そもそも同社は広報部門がないとのことで、質問は全て社長マターになるとのこと。規模はそれなりに大きいが上場企業としての準備が整っているとは言えず、野村証券が主幹事にしては仕事が粗い。ここまで悪条件がそろうと頭のいい連中が自分の財布を傷めず(市場のことは無視)、会社を引き継ごうとしているとしか見えない。
なお、業績自体は好調だ。MBO前から業績は拡大傾向にあり、今期の営業利益は前期比26%増の40億円に乗る見込み。好景気で企業からの受注が堅調ななか、コンサルタントの積極採用が功を奏する。公開価格のPERは13倍弱で同業が約15~20倍で推移しているのに対し、一応割安感もある。
とはいえ、財務に加えて出口スキームの無理やり感が市場では嫌気されそうだ。お盆期間中に実施されたブックビルディングは大江戸温泉リートとともにかなり不調だったようで、公開価格は仮条件の下限で決まった。買い手不在に悩まされる一方、今さら短期売却目的の人は少ないだろうことからシンジケートカバーによる売り買い一致を前提に、引受価額1963.50円に呼び値を勘案して1963円での初値を予想する。
初値買い妙味: C
初値は苦戦しそうだ。マザーズにしては吸収金額の大きい案件であるうえ、のれん割合の大きい外資系ファンドの出口案件。条件的には東証1部直接上場でもおかしくないが、売買の低迷した新興市場には荷の重い案件だ。
IT分野が主力の総合コンサルティング。今回の上場は売り出しが中心で、前経営者からのMBOの一貫。前経営者の江口新氏とスポンサーとなったCLSAキャピタルパートナーズのファンドが売り出し人となっている。今回の売り出しでオーバーアロットメント分を除いて全て売り切る。ただし、上場後の筆頭株主も別の投資ファンドとなっている。
CLSAキャピタルとしては初のIPO案件だが、スキームとしては市場のことは無視されている印象だ。経営コンサルはIPOでは人気がある方だが、新興市場に上場するにしては300億円近い吸収金額は過大だ。
個人だけでは吸収は不可能であり、機関投資家の買いが必要になるが、投資ファンドによるMBO案件とあって例によってのれんが多額で彼らは手を出しづらい。総資産の76%を占める。もちろんMBOローンはまだ多くが残っており、有利子負債は4割強を占める。低金利時代に借金はむしろ活用した方がいいのだが、財務面に不安のある銘柄をカバレッジがまだ付かない段階で買う機関は少ない。
普通ならこうした案件は一回での売り抜けは狙わない。業績水準は今期営業利益40億円の予想と高い水準であり、順調に行けば1年後は一部指定だろうからその時にも売る機会がある。そもそも時価総額は直接1部上場の基準である250億円を上回っている。新興市場を選んだのはMBO時に法人格を変えており、実績期間が規定に足りないことが関係しているようだが、どちらにしてもなぜそこまでして売り急ごうとしているのかが不可解だ。
また、上場後に筆頭株主となるEHRSは米系の投資ファンドだが、同社株の取得資金は同社が連帯保証人になった借入金で賄われている。しかも今年末まで上場できなかった時には投資がなかったことにできる条項付きだ。投資先のリスクで自分はノーリスクで株式を手に入れている格好で関係が不可解だ。これについて弊社では質問を投げかけているが、回答はない。そもそも同社は広報部門がないとのことで、質問は全て社長マターになるとのこと。規模はそれなりに大きいが上場企業としての準備が整っているとは言えず、野村証券が主幹事にしては仕事が粗い。ここまで悪条件がそろうと頭のいい連中が自分の財布を傷めず(市場のことは無視)、会社を引き継ごうとしているとしか見えない。
なお、業績自体は好調だ。MBO前から業績は拡大傾向にあり、今期の営業利益は前期比26%増の40億円に乗る見込み。好景気で企業からの受注が堅調ななか、コンサルタントの積極採用が功を奏する。公開価格のPERは13倍弱で同業が約15~20倍で推移しているのに対し、一応割安感もある。
とはいえ、財務に加えて出口スキームの無理やり感が市場では嫌気されそうだ。お盆期間中に実施されたブックビルディングは大江戸温泉リートとともにかなり不調だったようで、公開価格は仮条件の下限で決まった。買い手不在に悩まされる一方、今さら短期売却目的の人は少ないだろうことからシンジケートカバーによる売り買い一致を前提に、引受価額1963.50円に呼び値を勘案して1963円での初値を予想する。
初値分析
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初値: 1,963円(今期予想単独PER: 12.1倍)
/ 上昇率: -6.5%
/ 高値: 1,999円
/ 安値: 1,910円
/ 終値: 1,927円
出来高: 3,342,500株 / 対公開株数: 24.8% / 初値出来高: 1,038,300株 / 初値売買代金: 2,038,182,900円
苦しい初値となった。9時の段階で公開価格で入った買いはわずか4000万円ほどで、地方市場並み。東証1部直接上場も狙えた規模の銘柄とはとても思えない閑散ぶりだった。外資系ファンドよるMBOローン漬けの大型出口案件とあって警戒感が強いうえ、需要は公開株配分の段階で満たされていた。節目で2000円は買いも1億円台半ばに増えたが、吸収金額280億円超の案件を前に焼け石に水。結局、シンジケートカバーが出動することで初値が付いた。
寄り付き後も積極的な買いは入らなかった。直後に上下があったものの1900円台からは外れず小幅な値動き。動きが落ち着くと引受価額を軸にほとんど値動きがなくなった。寄り付きの出来高はオーバーアロットメントによる売り出し株数を下回っており、ザラ場でも余力が残ったシンジケートカバーが下値を支えたとみられる。事前の警戒感が強い案件だったため、短期売却目的の投資家は少なく投げ売りが限られた。反対に下がらなければ短期筋の買いで動意付きそうなものだが、吸収金額自体が大きいとあって影響しなかった。
14時半からストックボイスに萩平和巳代表取締役社長が出演したが、コーナーが始まるとそれまで維持していた1960円を下に突き抜けた。発言に目新しい材料が出ず、大引けが近くなったことで見切り売りが出たようだ。引受価額以下の出来高は253万9000株とオーバーアロットメントの株数を超えており、シンジケートカバーの玉がここで切れた可能性もある。
同社の出口スキームには不可解な点が多く、借金漬けでは割安感はあっても手を出しづらい。週明けは大引け間際に売られた反動から始まると考えられるものの、引き続き上値は重いだろう。
なお、弊社では新しく筆頭株主になった投資ファンドに先週、同社が同社株買い付け資金の保証人になっている理由について問い合わせを行っていたが、質問から1週間以上たった本日、回答を拒否する旨連絡をもらった。既に上場したため答えられることは多くなるはずだが、拒否する理由も含めて答えられないとのことだった。萩原社長はストックボイスの最後に「IRを強化する」とコメントしていたので、一連の対応については今後の改善に期待したい。
野村証券からはリポートが出ている。強みは(1)戦略コンサルからSIまで対応できる幅広い事業領域と、(2)業界横断的なプロジェクトアサイン体制が強みだと指摘。シェア上昇などで年率2桁の営業増益が続くとみて、2017.2月期の連結営業利益は会社予想(40.45億円)をやや上回る前期比28%増の41.3億円(EPS 165.7円)、18.2期は17%増の48.4億円(200.4円)、19.2期は14%増の55.4億円(232.1円)と予想した。
出来高: 3,342,500株 / 対公開株数: 24.8% / 初値出来高: 1,038,300株 / 初値売買代金: 2,038,182,900円
苦しい初値となった。9時の段階で公開価格で入った買いはわずか4000万円ほどで、地方市場並み。東証1部直接上場も狙えた規模の銘柄とはとても思えない閑散ぶりだった。外資系ファンドよるMBOローン漬けの大型出口案件とあって警戒感が強いうえ、需要は公開株配分の段階で満たされていた。節目で2000円は買いも1億円台半ばに増えたが、吸収金額280億円超の案件を前に焼け石に水。結局、シンジケートカバーが出動することで初値が付いた。
寄り付き後も積極的な買いは入らなかった。直後に上下があったものの1900円台からは外れず小幅な値動き。動きが落ち着くと引受価額を軸にほとんど値動きがなくなった。寄り付きの出来高はオーバーアロットメントによる売り出し株数を下回っており、ザラ場でも余力が残ったシンジケートカバーが下値を支えたとみられる。事前の警戒感が強い案件だったため、短期売却目的の投資家は少なく投げ売りが限られた。反対に下がらなければ短期筋の買いで動意付きそうなものだが、吸収金額自体が大きいとあって影響しなかった。
14時半からストックボイスに萩平和巳代表取締役社長が出演したが、コーナーが始まるとそれまで維持していた1960円を下に突き抜けた。発言に目新しい材料が出ず、大引けが近くなったことで見切り売りが出たようだ。引受価額以下の出来高は253万9000株とオーバーアロットメントの株数を超えており、シンジケートカバーの玉がここで切れた可能性もある。
同社の出口スキームには不可解な点が多く、借金漬けでは割安感はあっても手を出しづらい。週明けは大引け間際に売られた反動から始まると考えられるものの、引き続き上値は重いだろう。
なお、弊社では新しく筆頭株主になった投資ファンドに先週、同社が同社株買い付け資金の保証人になっている理由について問い合わせを行っていたが、質問から1週間以上たった本日、回答を拒否する旨連絡をもらった。既に上場したため答えられることは多くなるはずだが、拒否する理由も含めて答えられないとのことだった。萩原社長はストックボイスの最後に「IRを強化する」とコメントしていたので、一連の対応については今後の改善に期待したい。
野村証券からはリポートが出ている。強みは(1)戦略コンサルからSIまで対応できる幅広い事業領域と、(2)業界横断的なプロジェクトアサイン体制が強みだと指摘。シェア上昇などで年率2桁の営業増益が続くとみて、2017.2月期の連結営業利益は会社予想(40.45億円)をやや上回る前期比28%増の41.3億円(EPS 165.7円)、18.2期は17%増の48.4億円(200.4円)、19.2期は14%増の55.4億円(232.1円)と予想した。