IPO銘柄詳細

ライフネット生命保険

コード 市場 業種 売買単位 注目度
7157 マザーズ 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2012/02/24
ブックビルディング期間 2012/02/28 - 03/05
公開価格決定 2012/03/06
申込期間 2012/03/07 - 03/12
払込期日 2012/03/14
上場日 2012/03/15
価格情報
想定価格 1,200円
仮条件 1,000 - 1,200円
公開価格 1,000円
初値予想 930円
初値 930円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 出口 治明/S23年生
本店所在地 東京都千代田区
設立年 H18年
従業員数 72人 (2012/01/31現在)
事業内容 生命保険業
URL http://www.lifenet-seimei.co.jp/
株主数 96人 (目論見書より、潜在株式のみの株主も含む)
資本金 6,600,000,000円 (2012/01/24現在)
上場時発行済株数 42,057,000株(別に潜在株式2,384,000株)
公開株数 12,373,000株(公募8,340,000株、売り出し2,433,000株、オーバーアロットメント1,600,000株)
調達資金使途 ブランド認知度向上や新商品開発などの成長施策、システム投資、海外投資
連結会社 なし
シンジケート
公開株数10,773,000株(別に1,600,000株)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 野村 8,080,200 75.00%
副幹事証券 マネックス 969,500 9.00%
副幹事証券 ゴールドマン・サックス 484,700 4.50%
引受証券 大和キャピタル・マーケッツ 430,900 4.00%
引受証券 SMBC日興 323,100 3.00%
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 215,400 2.00%
引受証券 SBI 107,700 1.00%
引受証券 みずほ 107,700 1.00%
引受証券 東海東京 53,800 0.50%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
マネックスグループ ベンチャーキャピタル(ファンド)、取引先 6,250,000 17.31%
あすかDBJ ベンチャーキャピタル(ファンド) 6,250,000 17.31%
三井物産 特別利害関係者等 4,800,000 13.30%
新生銀行 特別利害関係者等 3,250,000 9.00%
セブン・フィナンシャルサービス 特別利害関係者等 3,250,000 9.00%
NF Japan Investors ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,667,000 4.62%
資産管理サービス信託銀行 (金銭信託課税口) 特別利害関係者等 1,666,000 4.61%
朝日ネット 取引先 1,666,000 4.61%
Globis Fund III ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,301,000 3.60%
リクルート 特別利害関係者等 1,250,000 3.46%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 経常収益 営業利益 経常利益 純利益
2012/03 単独予想 3,779 - -927 -1,152
2011/12 単独3Q累計実績 2,630 - -390 -586
2011/03 単独実績 1,827 - -820 -834
2010/03 単独実績 658 - -1,032 -1,036
経常収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2012/03 単独予想 -33.76 408.61 -
参考類似企業
銘柄 今期予想PER(3/1)
NKSJ
- (連結予想)
AFLAC
43.6倍 (連結予想)
アニコム
40.1倍 (連結予想)
MS&AD
- (連結予想)
ソニーFH
21.7倍 (連結予想)
第一生命
52.3倍 (連結予想)
東京海上
176.7倍 (連結予想)
T&D
53.0倍 (連結予想)
事業詳細
 インターネットを主な販売チャネンルとする直販型の生命保険会社。日本生命出身の出口治明代表取締役社長と、リップルウッド出身の岩瀬大輔代表取締役副社長が2006年10月に準備会社を設立。2008年5月から営業を開始した。

 現在販売する商品は、定期死亡保険「かぞくへの保険」、終身医療保険「じぶんへの保険」、就業不能保険「働く人への保険」――の3種類。いずれも無配当・無解約返戻金型の個人保険(個人向け保障性商品)で、個人年金保険・団体保険・団体年金保険などは取り扱っていない。2011年12月末現在の契約別では定期死亡保険5万9474件、終身医療保険3万2570件、就業不能保険1万1831件、合計10万3875件。保有契約高9930億円、保有契約の年換算保険料42億9600万円。

 2011年3月期の経常収益の構成比は、保険料等収入96.6%、資産運用収益3.3%。同年12月末現在の契約別では定期死亡保険5万9474件、終身医療保険3万2570件、就業不能保険1万1831件、合計10万3875件。保有契約高9930億円、保有契約の年換算保険料42億9600万円。
コメント
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・EPS(1株当たり利益)は予定期中平均株数による算出。上場時では-27.39円となる。
・直近(2008年3月)の第三者割当増資の発行価格は、分割修正して600円。
・既存株主の全ての現物株には90日間のロックアップが掛かる。ただし、初値形成後、公開価格の1.5倍以上では解除される。


<ファーストインプレッション>
 ネット生保の草分け的存在として、正副2人の社長とともに知名度を急速に高めている。割安な保険料を武器に今期の経常収益予想は前期比2倍と、既存の大手生保が保険料等収入の減少に悩まされているのとは対照的な勢いだ。今期は経常赤字が拡大する見通しだが、これは費用が先行する生保特有の現象でもある。事業が好調の表れでもあり成長性は高い。
 ただ、想定価格での株価エンベディッドバリュー倍率(株価/EV)は既存生保が0.5倍程度なのに対し、5倍と10倍以上の開きがある。この差は成長性によるものだろうが、今期末の予想EVについては開示がないため、市場がどう判断するかは読みにくい。また、形式上の赤字とはいえ、運用規定などにより機関投資家のなかには、投資を控えるところが出てきそう。このため、賛否が大きく割れることが考えられるが、その場合は結果的に様子見姿勢が取られやすいため、厳しい展開を強いられる可能性が考えられる。
仮条件分析 (BB参加妙味 :C)
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想定価格: 1,200円
 吸収資金レンジ: 129.3億円 - 148.5億円(今期予想PER: -)
 時価総額レンジ: 504.7億円

仮条件: 1,000円 - 1,200円
 吸収資金レンジ: 107.7億円 - 148.5億円(今期予想PER: -)
 時価総額レンジ: 420.6億円 - 504.7億円

<強気材料>
成長性高い、知名度あり、新奇性あり、粗利高い死亡保険の割合が高い、順ざや、外資系証券が引受団に、時価総額大きい、現物にはロックアップ掛かる、相場全体の買い意欲旺盛

<弱気材料>
株価EV倍率が高い、赤字拡大の予想、経営陣の現物出資なし、一部除く経営陣のSOは行使可能、VC多い、上場急ぎすぎか、費用の113条繰り延べは来期まで(再来期から費用拡大)

<機関投資家の指摘事項(機関投資家の指摘事項)>
1.生命保険市場におけるインターネット販売の潜在需要は大きいと考えられ、市場シェアの拡大が期待できること。
2.商品戦略、マーケティング戦略など特長のあるビジネスモデルにより、高い成長性を有していること。
3.競争環境の変化などにより、同社の成長性に悪影響が生じる可能性があること。


<結論>
 Cとする。公募価格が1200円とすれば1000~1300円(株価EV倍率:2.27~2.95倍)を想定初値とする。
 賛否が分かれそうな非常に難しい案件。ただ、今のところ慎重派が多く、成長性への評価が定まっているとは言い難い。こうした場合は、強気派も市場での様子を見てから出動することが多くなってしまうため、船出としては厳しい展開となりそうだ。

 同社は生命保険をインターネットで展開することにより、既存の大手生保が営業拠点や人員を抱えることでコストを大幅にカットすることに成功。保険を安く提供することが受け入れられ、設立以来保険料収入は急拡大している。保険料収入はストック型のビジネスであり、安定した成長が見込みやすい。対面ではないため、保険金詐欺などの影響が心配されることがこれまで、金融の中でもネットへの移行が進まなかった要因の一つだが、同社では申込時の本人確認や、告知を対面型よりも複雑化させることでこれを防止しており、今のところは既存生保に比べて危険差益率が劣ることはないようだ。

 一方、業績はまだ赤字が続いており、今期は最終赤字が前期の8.3億円から11.5億円へと拡大する計画。四半期ベースで見ると経常赤字は2億円前後のペースが続いていたが、4Qは5.4億円と急拡大する。上場費用やシステム費用など期末に発生する費用があるほか、保険金等支払金の予想を実績よりも保守的に見積もっていることが要因とのこと。このため実際の保険金支払いが実績に近い数値となれば、上振れ着地することになる。

 生命保険会社のバリュエーションの指標となるエンベディッドバリュー(潜在価値、EV)は9月末で100億4400万円。これにIPOによる資金調達額を足し、新株予約権を差し引いた1株当たりのEVは440円14銭となり、仮条件の株価EV倍率は2.27~2.73倍となる(ファーストインプレッション時は実績値のみの計算)。EVの推移は前々期から前期にかけては赤字のため減少したが、今上期は固定費の採算が取れつつあり、保有契約の将来価値が大幅に増加したため半期で5%ほど上昇した。ただ、今期末は赤字拡大の予想のため、上期の貯金は削られる可能性がある。まだ安定的に増加する段階に入ったとは言い難い。

 生命保険各社の株価EV倍率はリーマンショック以降は低迷が続いており、0.4~0.6倍と本来の価値の約半分の評価となっている。ソニーFHが比較的高い評価となっており、バブル崩壊の負の遺産を背負わない後発の成長力が評価されてはいるが、1倍は大きく下回る。なお、ネットライフの仮条件の株価EV倍率は2.27~2.73倍だ。
 損害保険会社は純資産に異常危険準備金などを足した修正純資産を使うが、やはりほぼ同様に0.5倍前後の評価にとどまる。なお、成長ステージの近さからはアニコムホールディングスが最も比較にふさわしいと考えるが、株価修正純資産倍率は1.38倍とネットライフの株価EV倍率には届かない。
 また、アニコムの経常収益予想は134億円なのに対し、ライフネットは37億円。これに対し時価総額はアニコム104億円、ライフネット421~505億円と逆転する。ライフネットは粗利の大きい定期死亡保険が主力のため、入ってきた保険料から支払われた分を差し引くと、それぞれ約60億円と約30億円になりそ格差は縮む。今期の経常収益の伸び率がアニコム24%に対し、ライフネットが2.06倍と大きく離れるものの、それでも時価総額が逆転する根拠に乏しい。

 成長性は高く評価したいが、ネット生保は最近ではオリックスやネクスティアといった参入も出始めている。保険金詐欺を抑えることができると分かれば、今後は大手系列の子会社参入も増えそうだ。証券や銀行に見るように、ネットの場合は価格競争になりやすい。契約年齢が関係する生保の場合は既存顧客が逃げにくい仕組みができているが、10年ごとの更新時など既存分も競争と無縁ではない。

 さらに、足元の収益が赤字なことで、機関投資家の反応が鈍くなる恐れもある。大手では赤字企業への投資を禁じられていることがある。保険会社の財務諸表は特殊とはいえ、こうした例は少ないだけにわざわざ規制が緩和されるとも思いにくく、身動きが取れない可能性がある。また、アニコムでさえ現在はカバレッジが全くない銘柄になってしまっており今や市場の注目は低い。さらに収益規模に劣る同社株を当初から組み込む意義は低いだろう。

 いずれにしても将来性をどう評価するかで、割安かどうかはどうにでも評価できてしまうことにはなるが、ただこの場合は強気派に関しても、株価の需給が一致するまでは様子見姿勢となりやすく、結果的に買いが引っ込むことになりがちだ。また、吸収資金は100億円を超え、需給的にも上値は重い。アニコムのIPO時の人気化を参考にすると買い注文は20億円程度入ることになるが、長期目的の投資家が最大限増えると仮定し、ようやく買い越しスタートが望める計算になる。相場全体が強気ムードにはなっているが、売買代金はようやく震災前の水準に戻った段階。賛否が分かれる案件に対し、公開規模が100億円以上となれば需給的にも苦しく、初値は公募価格を意識した水準か売り越しでのスタートになると予想する。


<追加分析>
 C継続。引き続き1000~1300円(株価EV倍率:2.27~2.95倍)を想定初値とする。公開価格が上限で決まらなくても、基本的には公開価格割れを視野に入れておきたい。

 「ネット生保」は切り口として新しいものの、通販型の保険は既に外資系を中心に存在する。同社の保険は大抵の場合割安だが、条件によってはそうした従来の通販保険よりも高くなることもある。また、既存の通販業者も当然ながらネットでの申し込みができ、実のところ区別はあいまい。保険は設計やプラン、必要保証額によって実質的な料金が大きく変わるため、保険知識が豊富な人でないと難しいという問題もある。バブル後にコンサルを前面に押し出したカタカナ系生保が伸びたゆえんだ。同社が割安な根拠とする付加保険料については、以前から自由化されており通販型生保業者などがこれまでも割安な保険を投入してきていた。
 また、同社の保険料収入の伸び率は高いものの、業界全体と比べるとまだ小さく、企業がまだアーリーステージにいるからという面も大きい。インターネットも単なる通販の窓口の一つとして捉えれば、同社はむしろ最後発に位置する。

 一方、主幹事証券や投資家では、目下規模が大きく株価に値頃感が出始めたマツダの公募増資に目が向いているもよう。話題の案件だが、成長性をどこまで株価に取り入れるかで、どうにでも評価できる成長段階の企業だけに、最後まで様子見の姿勢を取っているいるもよう。詳しい動きが見えてこないため憶測混じりだが、あまり積極的な姿勢を取る投資家はいないような印象を受ける。

 EVは一般事業会社でいえば「純資産」に当たるが、EVの増加分(公募分除く)を利益とみなしし、実績と業績予想から今期増加EV分を算出し、一般事業会社のPERに置き換えてみると、100倍前後の値になる。前回の分析同様に割高感が大きい。再来期(2014年3月期)からは保険業法第113条による費用の繰り延べが利かなくなるため、赤字体質は当面続く見込み。修正純資産が減少しなくなりEVが飛躍的に増加するのは当面先になると考えると、仮条件はあまりに先の成長を織り込んでおり、100億円を超える吸収資金を市場が受け入れるのは、難しいのではないかと考える。
公開価格分析
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公開価格: 1,000円
 吸収資金: 123.7億円(今期予想PER: -)
 時価総額: 420.6億円

 公開価格は仮条件下限、追加売り出し分は上限で決まった。引受価額は930円となった。ブックビルディングでは、申告された総需要株式数は公開株式数を十分に上回り、需要件数が多かった半面、機関投資家以外の投資家からの需要が機関投資家からの需要よりも多かったという。価格決定を受け、想定初値は800~1000円(PEVR:1.90~2.37倍)に引き下げる。

 機関投資家の見送りが確認された。マツダの大規模増資と重なったこともあるが、最大の要因はやはり株価のより所が不明確なことが嫌気されたようだ。保険会社の損益は事業会社とは別に考える必要はあるが、それを差し引いても売り上げ規模(経常収益)が40億円弱に過ぎない企業に対し、時価総額400億円となる評価には疑問の声が多い。

 個人投資家の需要で埋めた形になったが、公開株数の引き下げなしでの決行は、やや意外感がある印象。弊社のホームページのぺージビューは高い数値が出てはいるものの、他のネット企業に比べ目立つほどではなかった。公開規模や知名度からすれば、断トツにならなければならないが、今ひとつ伸びが足りない。
 公開価格が下限で決定したことで、これまで強気だった投資家らも手控え姿勢に転じる可能性が高く、売り越しスタートが濃厚。シンジケートカバー取引による初値形成をメーンシナリオとして想定するが、短期志向の投資家が多いネット証券の比率が高いため、引受価額を割り込む可能性も考えられる。
初値予想
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初値予想: 930円(今期予想PER: -)
初値買い妙味: C

 初値は苦戦する展開となりそうだ。初値コンセンサスは「1000円以下」。多くは900円台での形成をにらんでいる。成長性は認めながらも割高感が強く、株価の算定根拠も分かりにくいことから買い手不在の状況となりそうだ。

 インターネットを主な販売チャンネルとする直販型の生命保険会社。申し込み手続きをインターネット主体とし、営業拠点を設けないことや、商品をシンプルなものに絞り込むことによって経費を抑制。割安な保険料を実現したことで、保険料等収入は急拡大している。保有契約の将来価値を加味した修正純資産であるEV(エンベディッドバリュー、潜在価値)は、今上期に増加基調に転じた。
 半面、契約時の費用が多い保険会社の収益は長期間赤字になることが多く、今期は11.5億円の最終赤字の予想。前期の8.3億円の赤字からさらに拡大する。来期も赤字の公算が大きく、再来期からは保険業法第113条による費用の繰り延べが利かなくなるため、赤字体質は当面続く見通しだ。

 EVが増加基調に転換したとはいえ、売り上げ規模(経常収益)40億円弱の赤字企業に対し、時価総額400億円を超える評価には疑問の声が多い。損害保険の扱いにはなるが、同様に成長ステージにあるアニコムホールディングスの時価総額は、経常収益138億円に対し100億円弱に過ぎない。
 ライフネットの保険商品は掛け捨てが多く粗利が大きいが、契約者に支払った保険金を差し引いて比較しても、アニコムの収益優位は変わらない。ライフネットの保険契約者は30代が中心で、まだ保険金支払いが本格化していない面もあり、粗利の大きさを単純には受け取れない面もある。

 また、公表されている資料から今期増加EV額(調達資金除く)を推計し、事業会社のPERに置き換えみても100倍前後と高い水準になる。成長ステージにあるため一概には言えないものの、公開価格での時価総額はあまりに割高な印象だ。
 幹事証券側は成長性を考慮して値付けしているようだが、ブックビルディングでは株価への疑問から機関投資家の申し込みが少なく、公開価格は仮条件下限に決まった。当面は適正株価を見極めようと、実需買いは皆無になると考えられる。このため、買い注文はシンジケートカバー取引にほぼ限られよう。一方、期待値の低さから短期売却を狙う公開株の取得者も少ないと推測できるため、同取引によって売り買いは一致すると考え、グリーンシューオプションの行使価格である930円(株価EV倍率2.21倍)を予想初値とする。

 ただし、同社株はインターネット証券の引受比率が大きく、知名度の高いネットということでは、短期売却を狙う投資家が多いことも想定される。仮に行使価格で吸収できないほどの売りが出た場合、売り買い一致のメドとなるのは600円程度か。過去の例では買い手不在のIPO株でも、4割前後の下落で下げ止まるケースが多かった。同価格は上場前に実施した第三者割当増資の発行価格(分割修正後)にも当たる上、株価EV倍率が1.42倍とアニコムの株価修正資産倍率である1.30倍にも近い。初値形成後に探る適正価格としても念頭に置いておきたい。
初値分析
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初値: 930円(今期予想PER: -) / 上昇率: -7.0% / 高値: 1,000円 / 安値: 910円 / 終値: 995円
出来高: 5,124,600株 / 対公開株数: 41.4% / 初値出来高: 1,358,500株 / 初値売買代金: 1,263,405,000円

 売り越しでのスタートとなり、シンジケートカバー取引の入るグリーンシューオプションの行使価格930円で初値が付いた。直前の状況から実需買いは60万株程度とみられる。知名度があり成長も著しい話題の企業だったが、公開価格に対する疑問から、公開規模が100億円を超える大きさにもかかわらず買い手は限られた。

 ただ、寄り付き後の投げ売りも限定的となり、いったん突っ込んだ後は初値近辺から公開価格を上限にもみ合い。今日は景気回復期待や米株で金融株が買われたことを背景に、保険業が買われており、特に第一生命保険が5%超上昇。さらに直近上場株が軒並み高になったことなどが寄与したとみられる。
 930円以下の出来高は161万4200株で、オーバーアロットメントの株数をやや越える。アップティックなどは認められていないため、まだ取引枠は残っているとみられ、当面下値は固そうだ。
 一方、合計出来高は公開株数の4割に過ぎず、公開価格以上では売りが控える。それでも事前の評判の割に商いは活発で、引けにかけて買い直されたことから短期狙いだけでなく、長期的な資金による買いも入ったという印象だった。ただ、アーリーステージにいる生保会社に対する市場の評価は定まっていない。上下どちらに抜けても、当面は適正株価を探りつつ乱高下する展開になると考える。

 大引け後、2月の販売速報を発表した。単月の申込件数は前年同月比38%増の8237件、新契約件数は37%増の5518件となった。その結果、2月末時点の保有契約件数は11万3095件と11万件を突破、保有契約の年換算保険料は46億7200万円になる。死亡保険の保有契約高は1兆0660億3800万円となった。

 野村証券からリポートが出ている。(1)インターネットを通じた販売の成長性、(2)ウェブサイトで顧客が同社と他社の保険商品を比較することが可能なこと、(3)圧倒的に高い価格競争力、(4)成長性の高いオペレーション、(5)卓越したマーケティング能力、(6)模倣し難い経営戦略、(7)20~30代の若年層の契約者が多いこと、(8)多用な経験を積み幅広い世代で構成された経営陣・従業員――が強みと特徴だと指摘。今後の業績予想は、経常収益では、12.3期38.2億円、13.3期70.4億円、14.3期117.4億円と高い伸びを見込むものの、経常損益はいずれも10.1億円の赤字、8.1億円の赤字、21.0億円の赤字になると予想した。12.3期の会社予想は経常収益37.8億円、経常損益9.3億円の赤字。
追加情報
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東洋経済オンラインによれば、東洋経済新報社では今後の業績について、2012年3月期は経常収益が前期比2.1倍の38億円、経常損失9.3億円、純損失11.5億円、EPS -27.3円、配当なしと予想。会社予想を踏襲している。2013年3月期は経常収益が71%増の65億円、経常損失5.0億円、純損失6.5億円、EPS -15.5円、配当なしと予想。赤字縮小を見込むものの、黒字転換には至らない見通し。
IPO更新情報
IPOニュース
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GVA TECHの東証グロース上場が承認
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MICの東証スタンダード上場が承認
11/21
アルピコHDの東証スタンダード上場が承認
11/21
delyの東証グロース上場が承認
マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.97 -0.46
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