IPO銘柄詳細

住信SBIネット銀行

コード 市場 業種 売買単位 注目度
7163 東証スタンダード 銀行業 100株 S
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2023/03/13
ブックビルディング期間 2023/03/14 - 03/17
公開価格決定 2023/03/20
申込期間 2023/03/22 - 03/27
払込期日 -
上場日 2023/03/29
価格情報
想定価格 1,260円
仮条件 1,200 - 1,260円
公開価格 1,200円
初値予想 1,140円
初値 1,222円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 円山 法昭(上場時57歳10カ月)/1965年生
本店所在地 東京都港区六本木
設立年 1986年
従業員数 531人 (2023/01/31現在)(平均38.1歳、年収794.7万円)、連結683人
事業内容 インターネット専業銀行
URL https://www.netbk.co.jp/
株主数 2人 (目論見書より)
資本金 31,000,243,000円 (2023/02/28現在)
上場時発行済株数 150,793,800株
公開株数 47,688,600株(売り出し41,468,400株、オーバーアロットメント6,220,200株)
調達資金使途 -
連結会社 4社
シンジケート
公開株数29,546,400株(別に6,220,200株)/国内分
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 野村 9,767,800 33.06%
主幹事証券 SBI 9,483,300 32.10%
主幹事証券 ゴールドマン・サックス 45,900 0.16%
主幹事証券 大和 9,483,300 32.10%
主幹事証券 UBS 45,900 0.16%
幹事証券 SMBC日興 145,600 0.49%
幹事証券 シティグループ 11,500 0.04%
幹事証券 BofA 11,500 0.04%
引受証券 アイザワ 78,800 0.27%
引受証券 岩井コスモ 78,800 0.27%
引受証券 岡三 78,800 0.27%
引受証券 極東 78,800 0.27%
引受証券 東洋 78,800 0.27%
引受証券 松井 78,800 0.27%
引受証券 みずほ 78,800 0.27%
大株主(潜在株式なし)
大株主名 摘要 株数 比率
三井住友信託銀行(株) その他の関係会社 75,396,900 50.00%
SBIホールディングス(株) その他の関係会社 75,396,900 50.00%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2025/03 連結会社目標 - - 40,000 -
2024/03 連結会社予想 - - 34,000 23,400
2023/03 連結会社予想 - - 29,000 19,400
2022/03 連結実績 83,527 - 23,265 17,113
2021/03 連結実績 78,754 - 20,726 13,928
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2023/03 連結会社予想 128.65 838.21 -
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事業詳細
 インターネット専業銀行大手。主にインターネットをチャネルとした銀行業務、クレジットカード業務、銀行機能を提供するBaaS(Banking as a Service)事業などの金融サービスを提供している。2022年3月末現在の預金残高は7兆1158億円、貸出金残高は5兆4099億円に上る。
 1986年6月に住友信託銀行(現三井住友信託銀行)の事務子会社として設立され、06年4月にSBIグループに第三者割当増資を行い商号と業容を転換した。翌07年9月に銀行免許を取得し、営業を開始した。株主の両社は上場に伴い同株数ずつの売り出しを予定しており、上場後の持ち分は34.19~36.25%ずつに下がる予定だ。

1.デジタルバンク事業
 主にインターネットをチャネルとした預金業務・貸し出し業務などの銀行業務と、クレジットカード業務などの金融サービスを提供している。

2.BaaS事業
 提携先に銀行機能を提供している。提携先はデジタルバンク事業と同様の商品・サービスを利用できるようになる。

 2022年3月期の連結経常収益の構成比は、貸し出し業務64.4%、有価証券投資業務10.7%、その他24.9%。セグメント別の業務粗利益構成比は、デジタルバンク事業98.6%、BaaS事業3.1%、調整額△1.7%。
コメント
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・海外販売予定株数:売り出し1192万2000株(配分比率25%)。
・既存株主には180日のロックアップが掛かる。

〈前回からの主な相違点〉
・想定価格:1920円→1260円

・業績予想と実績の差異
 22.3期   予想  実績
 経常利益:22,228→23,265(+4.67%)

・公開株式数:69,178,500株→47,688,600株
  公募  : 5,453,500株→     -株
  売り出し:54,702,000株→41,468,400株
  OA  : 9,023,000株→ 6,220,200株
・海外配分比率:40%→25%

・吸収金額:1155.0億~1328.2億円→522.5億~600.9億円
・時価総額:2999.9億円→1900.0億円

・市場:東証一部→東証スタンダード

・主幹事:ゴールドマン・サックス、UBSが新たに加入、日興が幹事に後退
・引受団:シティグループ、BofAが新たに幹事として加入


〈ファーストインプレッション〉
 国内初のネット銀行の上場に話題性は高いが、前回より想定価格が下がっており公募を取りやめ売り出しも減らした。そのためプライム上場に必要な流通株式比率35%に届かず、スタンダード市場を選択している。海外販売比率も40%から大きく後退しており、ネット証券に遅れること20年たってからのデビューはすっかり旬が過ぎている様相だ。銀行株の地合いが好転しているなか、10倍を切るPERには割安感があるが、スタンダードへの上場となると公開規模600億円は消化できるのかの懸念もあり。頼みの海外勢も消極的だとすると需給は重そうだ。同行の結果が楽天銀行の指標にもなるため、この条件掲示を受けて一番戦々恐々としているのは三木谷氏なのではないか。
仮条件分析 (BB参加妙味 :C)
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想定価格: 1,260円
 吸収資金レンジ: 522.5億円 - 600.9億円(今期予想連結PER: 9.8倍)
 時価総額レンジ: 1900.0億円

仮条件: 1,200円 - 1,260円
 吸収資金レンジ: 497.6億円 - 600.9億円(今期予想連結PER: 9.3倍 - 9.8倍)
 時価総額レンジ: 1809.5億円 - 1900.0億円

 仮条件は想定価格を上限に60円幅で設定された。下限価格は想定を4.76%下回る。

〈強材料〉
業績堅調、大幅値下げ、話題性抜群、来期予想あり、再来期目標も公表

〈弱材料〉
スタンダード市場、大型、海外比率引き下げ、ネット証券主幹事、公募なし、銀行株急落

〈結論〉
 Cとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1200~1300円(今期PER:9.3~10.1倍)を想定する。
 想定価格の大幅引き下げに仮条件下振れレンジと進ちょくするごとに買い手のやる気のなさを確認することになっており、国内初のネット銀行上場は歓迎されているわけではなさそう。25.3期に経常利益400億円以上の中期目標を掲げるが、銀行株急落の影響もあり前途多難な船出になりそうだ。

 住信とSBIの合弁によるネットバンク大手。業績規模や預金量は楽天銀行に劣るが、住宅ローンに力を入れているためか貸出金は12月末で6.5兆円に上り楽天銀の3.5兆円を上回る。代わりに現金預け金が少ない。ただそれで利益率が高いというわけではなく、経費の高さにより相殺されている。

 預金残高の着実な増加などを背景に業績は堅調に推移している。今期も資金運用による資金利益、手数料などの役務取引等利益ともに伸び、経常利益は前期比25%増の290億円の会社予想だ。市場金利上昇に伴い資金調達費用が増加しているが、住宅ローンなどを中心とした個人向けローンが堅調に推移。銀行代理店の店舗網拡大に伴い住宅ローン実行額が堅調に伸びており、融資取扱手数料も増加する。預金口座数増加とキャッシュレス化進展に伴い、決済関連手数料も伸長する。
 来期は住宅ローン実行額増加を堅持することなどを前提に、経常利益は340億円、純利益は234億円を同行では見込んでいる。長期金利の上昇が継続する一方、短期金利は現行水準から大きく上昇しないなか、住宅市場は引き続き都市部を中心に堅調に推移するシナリオだ。また、25年3月期を到達目標年とする「中期事業目標」を公表しており、経常利益400億円以上、ROE17.0%以上の達成を目標としている。ROE向上のため1月に総額約300億円の初配当を実施し、既存株主に利益を吐き出した。直近で資金流出させたことが、前回と違って今回公募がない理由にもなっているものとみられる。

 業績は堅調に推移しており、今後の見通しも良好だが、仮条件は想定価格を下振れするレンジで設定された。増益基調にもかかわらず前回より大幅に切り下げられた想定価格によるPERは10倍を切りメガバンクなどより低かったが、強気に見る向きはいないもようだ。上場日は権利落ち後で実質来期入りだが、来期PERともなると仮条件は8倍前後に落ちる。
 また、前回より公開株数が減った結果、流通株比率の関係から市場はスタンダードになり、海外配分比率も前回承認時の40%から25%に大幅に低下した。公開規模は最大600億円もありながらここまで機関投資家の積極姿勢が全く見えない。盛り上がりに欠けることから個人も頼りにならないだろう。需給面だけを見れば売り気配スタートの可能性が濃厚だといわざるを得ない。さらにはここに来ての銀行株急落だ。頼みの割安感も失われる可能性が出てきたことで、再び上場延期になる可能性も考えられる。
公開価格分析
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公開価格: 1,200円
 吸収資金: 572.3億円(今期予想連結PER: 9.3倍)
 時価総額: 1,809.5億円

 公開価格は下限、追加売り出し株数は上限で決まった。引受価額は1140円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が売り出し株式数を上回り、需要件数が十分にあったことが特徴だった。海外販売株数は予定通り1192万2000株で変更なし。

 価格が下限決定したことを受けて、想定初値は1000~1200円に引き下げる。まず下限決定とはいえ銀行株安のなか、上場に必要な札が集まったことにサプライズだ。昨年はウクライナ侵攻による株安を延期の理由にしたが、今回は銀行株が震源地となっており影響はより大きいはずだ。さすが野村と大和の営業力というべきなのか。それとも再延期なら楽天銀行にも影響が及ぶため強行せざるを得なかったのか。ちなみに楽天銀の主幹事はゴールドマン・サックスと大和だと報じられている。
 ただし、ブックビル状況の需要株式数が上回った表現には「十分」の修飾語がなく、件数についても「多数」ではない。銀行株指数が2割安となったなか、想定価格から5%弱割り引いただけの公開価格では値下げ不十分と見なされるのがオチだろう。当初は割安な値付けだったが、バッファーはほぼ失われており、売り越しスタートの可能性は高まった。焦点は引受価額で止まるのかどうかであり、失敗すれば相場通り想定価格から2割安となる1000円が目安となろう。銀行株安はひとまず止まったが、下落分に比べると反発はまだ不十分だ。
初値予想
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初値予想: 1,140円(今期予想連結PER: 8.9倍)
初値買い妙味: C

 初値苦戦を予想する。既存行にない成長性を持ち合わせるものの、ブックビルディングに入ってからは世界的な銀行株安に見舞われた。相場が落ち着いた後も邦銀株の戻りは鈍いため買いは手控えられるだろう。

 預金残高の着実な増加などを背景に業績は堅調に推移している。今期も経常利益は前期比25%増の290億円の会社予想だ。住宅ローンなどを中心とした個人向けローンが堅調に推移。銀行代理店の店舗網拡大に伴い融資取扱手数料も増加する。預金口座数増加とキャッシュレス化進展に伴い、決済関連手数料も伸長する。
 来期は住宅ローン実行額増加を堅持することなどを前提に、経常利益は340億円、純利益は234億円を同行では見込んでいる。長期金利の上昇が継続する一方、短期金利は現行水準から大きく上昇しないなか、住宅市場は引き続き都市部を中心に堅調に推移するシナリオだ。さらに25年3月期を到達目標年とする中期事業目標では「経常利益400億円以上、ROE17%以上」の達成を掲げる。また、まだ寄与度は小さいが、提携先に銀行機能を提供する新事業は日本経済新聞によると「2年後には20%弱の利益貢献をする事業になる見通し」(円山法昭社長)だという。

 業績は堅調に推移しており今後の見通しも良好だが、仮条件は想定価格を下振れするレンジで設定され、さらに公開価格は下限での決定となった。ブックビルディング期間中に世界同時銀行株安が起こり、入札は手控えられ需要旺盛とはならなかった。
 銀行株指数が2割近く下落したなか、公開価格は想定価格から5%弱引き下げられた程度だ。今も銀行株の戻りが鈍いなか値下げ十分とは見なしにくく、少なくとも初動の買いは手控えられるだろう。一方、短期筋は事前にブックビル自体を回避しているとも推測されるため、初値はシンジケートカバーによる成立で5%の下落にとどまると予想する。
初値分析
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初値: 1,222円(今期予想連結PER: 9.5倍) / 上昇率: 1.8% / 高値: 1,227円 / 安値: 1,172円 / 終値: 1,205円
出来高: 18,311,200株 / 対公開株数: 38.4% / 初値出来高: 5,079,200株 / 初値売買代金: 6,206,782,400円

 小じっかりした初値が付いた。銀行株安もまだ覚めやらないタイミングでの上場になったが、フタを開けてみれば60億円を超える買いが入った。昨年承認時からの値下げもあり、SVBショックの起きる前までは一定の評価を受けていた案件ゆえ、大手証券による営業力が発揮された形か。また、今回の結果は倍以上のディールである楽天銀行の値付けにも影響してくることは必至だが、幹事8社のうち半分は楽天銀の幹事も兼ねる。さらに売却率は1割程度に抑えられており、事前の回避ムードが強かったことも逆に幸いした形となった。

 ただ上値を買おうといった動きはさすがになく、寄り付き後は公開価格を意識した展開となった。寄り付き後いったんは公開価格を割り込むもすぐに回復したが、公開価格を少しだけ上回る狭い値幅でのもみ合いに終始した。

 しばらくは上値の重い展開か。楽天銀行のために相場を支えるということであれば、来月半ばまで頑張る必要があるわけだが、銀行株の戻りは相変わらず鈍い。値決めまで支え続けるというのも無理な話だ。上値期待が後退しているなか、当面はじり安展開に入っていくのではないかと考える。
IPO更新情報
IPOニュース
マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.97 -0.46
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