IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
7388 | 東証グロース | 保険業 | 100株 | A |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2022/09/02 |
ブックビルディング期間 | 2022/09/06 - 09/12 |
公開価格決定 | 2022/09/13 |
申込期間 | 2022/09/14 - 09/20 |
払込期日 | 2022/09/21 |
上場日 | 2022/09/22 |
価格情報 | |
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想定価格 | 2,340円 |
仮条件 | 2,340 - 2,600円 |
公開価格 | 2,600円 |
初値予想 | 3,000円 |
初値 | 2,750円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 黒木 勉(上場時54歳9カ月)/1967年生 |
---|---|
本店所在地 | 東京都文京区後楽 |
設立年 | 2009年 |
従業員数 | 2245人 (2022/06/30現在)(平均44.9歳、年収662.2万円) |
事業内容 | 個人および法人向けの保険代理業、金融商品仲介業、銀行代理業 |
URL | https://fpp.jp/ |
株主数 | 3人 (目論見書より) |
資本金 | 100,000,000円 (2022/08/18現在) |
上場時発行済株数 | 11,500,000株(別に潜在株式700,000株) |
公開株数 | 3,450,000株(公募1,500,000株、売り出し1,500,000株、オーバーアロットメント450,000株) |
調達資金使途 | 設備資金、借入金返済 |
連結会社 | 0社 |
シンジケート
公開株数3,000,000株(別に450,000株)
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
主幹事証券 | 大和 | 2,640,000 | 88.00% |
引受証券 | SBI | 240,000 | 8.00% |
引受証券 | SMBC日興 | 30,000 | 1.00% |
引受証券 | 岡三 | 30,000 | 1.00% |
引受証券 | 楽天 | 30,000 | 1.00% |
引受証券 | 岩井コスモ | 30,000 | 1.00% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
(同)FPコンサルティング | 役員らが議決権の過半数を所有する会社 | 5,000,000 | 46.73% |
黒木勉 | 代表取締役社長 | 4,500,000 | 42.06% |
小川実(信託口) | 新株予約権信託の受託者 | 700,000 | 6.54% |
黒木真澄 | 代表取締役社長の配偶者 | 500,000 | 4.67% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2022/11 | 単独中間実績 | 12,203 | 2,039 | 2,042 | 1,177 |
2022/11 | 単独会社予想 | 24,048 | 3,328 | 3,348 | 2,008 |
2021/11 | 単独実績 | 20,919 | 1,735 | 1,814 | 1,224 |
2020/11 | 単独実績 | 17,301 | 688 | 718 | 424 |
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
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2022/11 | 単独会社予想 | 195.19 | 719.33 | 0.00 |
事業詳細
訪問販売型の保険代理業大手。20~40代のファミリー層向けを主力に生命・損害保険合計32社の商品を販売しており、顧客との契約成立後、保険会社から販売手数料を受け取っている。
営業拠点として全国47都道府県全てに支社を有するほか、首都圏と福岡には来店型の「マネードクター店舗」も展開している。21年11月末現在、営業社員数は1858名、拠点数は111拠点(101支社10店舗)。入社1年未満除く営業社員の97.2%(2021年11月現在)がFP資格を取得している。
事業モデルは加入希望顧客(見込み顧客)の集客を会社が行い、商品販売を営業社員が行う分業制を採用する。集客ルートは保険代理店や募集関連行為従事者といった提携企業(提携社数:22年5月末時点100社)からの紹介を主としており、会社集客案件の92.6%(21年11月期)を占める。大手通信企業とは紹介数の拡大などを目的に、合弁会社「auフィナンシャルパートナー」を設立している。営業社員の既存顧客からの紹介など自己開拓も行っており、現在では自己開拓による新規顧客の契約獲得も全体の半数近くを占める。
2021年11月期の売上高構成比は、生命保険代理店業95.7%(初年度手数料55.8%、継続手数料21.0%、支援金22.5%、その他0.5%、戻し入れ額-4.0%)、損害保険代理店業4.2%、その他の事業0.1%。主な販売先はアクサ生命保険27.2%、東京海上日動あんしん生命保険15.3%、メットライフ生命保険14.0%。
営業拠点として全国47都道府県全てに支社を有するほか、首都圏と福岡には来店型の「マネードクター店舗」も展開している。21年11月末現在、営業社員数は1858名、拠点数は111拠点(101支社10店舗)。入社1年未満除く営業社員の97.2%(2021年11月現在)がFP資格を取得している。
事業モデルは加入希望顧客(見込み顧客)の集客を会社が行い、商品販売を営業社員が行う分業制を採用する。集客ルートは保険代理店や募集関連行為従事者といった提携企業(提携社数:22年5月末時点100社)からの紹介を主としており、会社集客案件の92.6%(21年11月期)を占める。大手通信企業とは紹介数の拡大などを目的に、合弁会社「auフィナンシャルパートナー」を設立している。営業社員の既存顧客からの紹介など自己開拓も行っており、現在では自己開拓による新規顧客の契約獲得も全体の半数近くを占める。
2021年11月期の売上高構成比は、生命保険代理店業95.7%(初年度手数料55.8%、継続手数料21.0%、支援金22.5%、その他0.5%、戻し入れ額-4.0%)、損害保険代理店業4.2%、その他の事業0.1%。主な販売先はアクサ生命保険27.2%、東京海上日動あんしん生命保険15.3%、メットライフ生命保険14.0%。
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・既存株主には180日のロックアップが掛かる。
・新株予約権の受託者は権利行使できない。上場後1年経過翌日に25万個、その後2年ごとに15万個ずつ役職員に分配され、分配を受けた者が行使できる。
・ベンチャーキャピタルの持ち株はなし。
〈ファーストインプレッション〉
昨年上場したブロードマインドの大手版。コロナ禍による一時的影響を除けば業績拡大ペースは速いが、保険市場自体が成熟するなかで競合の市場評価はそれほど高くない。ブロドマインは上場した途端の成長減速予想で市場を失望させた。オーナー系営業会社は上場するまでは、無理して実力以上の成長を遂げるパターンも多いので注意が必要だ。ただ公開規模は大きい一方で業績水準も高く、時価総額は250億円超え。足元の業績が好調であることには変わりないため、機関投資家の一定参戦により需給不安は乏しいだろう。
・新株予約権の受託者は権利行使できない。上場後1年経過翌日に25万個、その後2年ごとに15万個ずつ役職員に分配され、分配を受けた者が行使できる。
・ベンチャーキャピタルの持ち株はなし。
〈ファーストインプレッション〉
昨年上場したブロードマインドの大手版。コロナ禍による一時的影響を除けば業績拡大ペースは速いが、保険市場自体が成熟するなかで競合の市場評価はそれほど高くない。ブロドマインは上場した途端の成長減速予想で市場を失望させた。オーナー系営業会社は上場するまでは、無理して実力以上の成長を遂げるパターンも多いので注意が必要だ。ただ公開規模は大きい一方で業績水準も高く、時価総額は250億円超え。足元の業績が好調であることには変わりないため、機関投資家の一定参戦により需給不安は乏しいだろう。
仮条件分析
(BB参加妙味
:B)
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想定価格: 2,340円
吸収資金レンジ: 70.2億円 - 80.7億円(今期予想単独PER: 12.0倍)
時価総額レンジ: 269.1億円
仮条件: 2,340円 - 2,600円
吸収資金レンジ: 70.2億円 - 89.7億円(今期予想単独PER: 12.0倍 - 13.3倍)
時価総額レンジ: 269.1億円 - 299.0億円
仮条件は想定価格を下限に260円幅で設定された。上限価格は想定を11.11%上回る。
〈強材料〉
業績好調、業績水準高い、業界大手、残存者利益享受、VCなし、人員育成に実績
〈弱材料〉
規制強化、退場者続出、保険市場成熟、吸収額大、無配
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は3000円(希薄化後PER:18.2倍)前後を想定する。
成熟した保険市場の関連株とあって高い評価は期待しづらいものの、足元の業績は好調に推移する。保険代理店は規制強化により廃業も相次ぐが、一方で大手は受け皿としての役割も期待される。業績が伴うことから機関投資家の参戦もある程度は期待される。
同社は訪問販売を基本とする保険代理店大手である。全国111箇所に営業拠点を有し、都市部ではKAT-TUNらのTVCMで知名度を上げる来店型の「マネードクター店舗」も展開する。
集客を提携企業からの紹介を主とする販売との分業制を大きな特徴とするが、既存顧客が増えたことで近年は紹介による自己開拓も伸びており、新規顧客全体の半数近くを占めるという。なお、提携企業は大手が多いため代理店でもあることが多く、紹介手数料を払うのではなく、大半が売り上げを折半しているという。提携先数は近年頭打ちになっているが、集客成績の悪い企業を順次入れ替えている。
営業員の増加を背景に業績は順調に拡大しており、20.11期はコロナ禍で伸び悩むも売上高はここ4年間で倍増した。22.11期も15%の増収を同社では見込んでいる。人件費抑制による原価率改善により、営業利益は前期比92%増の33億円強になる予想だ。今後3年程度は15~20%の増収が見込めるという(黒木勉社長)。
保険市場は人口減少を背景に成熟するが、近年は販売経路が保険会社の外交員から複数の保険会社から選べる乗り合い代理店へと移行しており、代理店のシェアが高まる傾向にある。そうしたなか、同社は世界の生命保険のトップセールスで構成されるMDRT(Million Dollar Round Table)会員を量産できる体制を整えており、業績を順調に伸ばす。営業社員に占めるMDRT会員の割合は30.9%に上る。
だが、代理店のシェアが伸びる一方で、高い手数料やインセンティブのある保険商品を優先的に勧める保険代理店なども出始めた。このため2016年に保険業法が改正され、規制が強化された。また、貯蓄型保険がNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などと競合するようになり、中小代理店の休廃業が続出。コロナ禍でその流れは加速し、東京商工リサーチによれば21年は過去最多となった。
一方、この逆風に対応できる大手には、契約や営業員の受け入れ先としての役割も出始めた。通常、代理店が廃業すると契約は保険会社直属になるが、最近は他の代理店に引き継がせるようになってきているという。今のところ契約移管に際し、対価は発生しないことが多く、発生したとしても2年分の収入で済むとのことだ。PL上では初年度から黒字を計上できる、かなりおいしいハゲタカビジネスとなっている。
公開規模はグロース市場にとっては大きい最大約90億円にも上る。だが、今期も2桁成長と足元の業績が好調であり、業績水準も高い。仮条件も上振れ設定になったことから機関投資家の参戦が期待され、見た目ほどには重くはならないだろう。
ただ保険市場自体は人口減少を背景に成熟しており、先に上場した同業のブロードマインドや来店型のアドバンスクリエイトのPERは市場平均並みだ。アイリックは40倍近くあるが、システム会社としての面を兼ねており代理店専業とは一線を画す。また、保険に限らず販売会社のIPOは上場までは営業員へのハッパ掛けで好調でも、上場した途端に息切れするケースが多いので注意が必要だ。残存者利益を享受できる立場にあり、上場による信用向上でさらに強化されるものの、高い評価は付きにくいだろう。買い優勢のスタートを想定するが、仮条件の上振れで希薄化後のPERが既に競合並みとなっていることからも、初値は最初の節目をめどに早期に付くとみる。
吸収資金レンジ: 70.2億円 - 80.7億円(今期予想単独PER: 12.0倍)
時価総額レンジ: 269.1億円
仮条件: 2,340円 - 2,600円
吸収資金レンジ: 70.2億円 - 89.7億円(今期予想単独PER: 12.0倍 - 13.3倍)
時価総額レンジ: 269.1億円 - 299.0億円
仮条件は想定価格を下限に260円幅で設定された。上限価格は想定を11.11%上回る。
〈強材料〉
業績好調、業績水準高い、業界大手、残存者利益享受、VCなし、人員育成に実績
〈弱材料〉
規制強化、退場者続出、保険市場成熟、吸収額大、無配
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は3000円(希薄化後PER:18.2倍)前後を想定する。
成熟した保険市場の関連株とあって高い評価は期待しづらいものの、足元の業績は好調に推移する。保険代理店は規制強化により廃業も相次ぐが、一方で大手は受け皿としての役割も期待される。業績が伴うことから機関投資家の参戦もある程度は期待される。
同社は訪問販売を基本とする保険代理店大手である。全国111箇所に営業拠点を有し、都市部ではKAT-TUNらのTVCMで知名度を上げる来店型の「マネードクター店舗」も展開する。
集客を提携企業からの紹介を主とする販売との分業制を大きな特徴とするが、既存顧客が増えたことで近年は紹介による自己開拓も伸びており、新規顧客全体の半数近くを占めるという。なお、提携企業は大手が多いため代理店でもあることが多く、紹介手数料を払うのではなく、大半が売り上げを折半しているという。提携先数は近年頭打ちになっているが、集客成績の悪い企業を順次入れ替えている。
営業員の増加を背景に業績は順調に拡大しており、20.11期はコロナ禍で伸び悩むも売上高はここ4年間で倍増した。22.11期も15%の増収を同社では見込んでいる。人件費抑制による原価率改善により、営業利益は前期比92%増の33億円強になる予想だ。今後3年程度は15~20%の増収が見込めるという(黒木勉社長)。
保険市場は人口減少を背景に成熟するが、近年は販売経路が保険会社の外交員から複数の保険会社から選べる乗り合い代理店へと移行しており、代理店のシェアが高まる傾向にある。そうしたなか、同社は世界の生命保険のトップセールスで構成されるMDRT(Million Dollar Round Table)会員を量産できる体制を整えており、業績を順調に伸ばす。営業社員に占めるMDRT会員の割合は30.9%に上る。
だが、代理店のシェアが伸びる一方で、高い手数料やインセンティブのある保険商品を優先的に勧める保険代理店なども出始めた。このため2016年に保険業法が改正され、規制が強化された。また、貯蓄型保険がNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などと競合するようになり、中小代理店の休廃業が続出。コロナ禍でその流れは加速し、東京商工リサーチによれば21年は過去最多となった。
一方、この逆風に対応できる大手には、契約や営業員の受け入れ先としての役割も出始めた。通常、代理店が廃業すると契約は保険会社直属になるが、最近は他の代理店に引き継がせるようになってきているという。今のところ契約移管に際し、対価は発生しないことが多く、発生したとしても2年分の収入で済むとのことだ。PL上では初年度から黒字を計上できる、かなりおいしいハゲタカビジネスとなっている。
公開規模はグロース市場にとっては大きい最大約90億円にも上る。だが、今期も2桁成長と足元の業績が好調であり、業績水準も高い。仮条件も上振れ設定になったことから機関投資家の参戦が期待され、見た目ほどには重くはならないだろう。
ただ保険市場自体は人口減少を背景に成熟しており、先に上場した同業のブロードマインドや来店型のアドバンスクリエイトのPERは市場平均並みだ。アイリックは40倍近くあるが、システム会社としての面を兼ねており代理店専業とは一線を画す。また、保険に限らず販売会社のIPOは上場までは営業員へのハッパ掛けで好調でも、上場した途端に息切れするケースが多いので注意が必要だ。残存者利益を享受できる立場にあり、上場による信用向上でさらに強化されるものの、高い評価は付きにくいだろう。買い優勢のスタートを想定するが、仮条件の上振れで希薄化後のPERが既に競合並みとなっていることからも、初値は最初の節目をめどに早期に付くとみる。
公開価格分析
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公開価格: 2,600円
吸収資金: 89.7億円(今期予想単独PER: 13.3倍)
時価総額: 299.0億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は2392円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、需要の相当数が仮条件の上限だったことが特徴だった。
予想以上に強く再開したIPOだが、一夜明けると相場全体は急落と再び不透明感が強まった。どちらにしろ最初の案件はご祝儀買いが含まれるため、次からは徐々に落ち着くとみているが、公開規模が大きいだけに相場下落が続く際には注意したい。引き続き堅調なスタートを想定する。
吸収資金: 89.7億円(今期予想単独PER: 13.3倍)
時価総額: 299.0億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は2392円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、需要の相当数が仮条件の上限だったことが特徴だった。
予想以上に強く再開したIPOだが、一夜明けると相場全体は急落と再び不透明感が強まった。どちらにしろ最初の案件はご祝儀買いが含まれるため、次からは徐々に落ち着くとみているが、公開規模が大きいだけに相場下落が続く際には注意したい。引き続き堅調なスタートを想定する。
初値予想
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初値予想: 3,000円(今期予想単独PER: 15.4倍)
初値買い妙味: B
初値しっかりを予想する。規制強化などを機に淘汰の時代に入った保険代理店業界だが、大手は残存者利益をして成長が続く。公開規模は今月最大と荷もたれ感は否めないが、足元の成長ペースは速いことから買い越しでのスタートが想定され、一定の値上がりが期待できると考える。
訪問販売型の保険代理店大手。販売ブランドは「マネードクター」。営業拠点として全国101の支社に加え、首都圏と福岡には来店型の店舗も10店舗展開する。21年11月末現在、営業社員数1858名を擁する。
特徴は加入希望顧客(見込み顧客)の集客を会社が行い、商品販売を営業社員が行う分業制を採用していることで、保険代理店や募集関連行為従事者といった提携企業(提携社数:22年5月末時点100社)からの紹介を主とする。既存顧客からの紹介など自己開拓も行っており、現在では自己開拓による新規顧客の契約獲得も全体の半数近くを占める。
保険市場は人口減少を背景に成熟するが、近年は販売経路が保険会社の外交員から複数の保険会社から選べる乗り合い代理店へと移行しており、代理店のシェアが高まる傾向にある。2016年の保険業法改正による規制強化やNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)との競合を機に、中小代理店の廃業が増加し、コロナ禍でその流れは加速したが、一方で老後2000万円問題などで資産形成への関心は向上。逆風に対応できる体力のある大手が、残存者利益を一手に引き受ける形となっている。また、代理店が廃業すると通常は保険会社に契約が引き継がれるが、最近は代理店同士の譲渡も増えつつあるという。今のところ費用も少なく済むため、同社は今後これを積極的に狙う考えだ。
そうしたなか、同社は世界の生命保険のトップセールスで構成されるMDRT(Million Dollar Round Table)会員を育成してきた実績を持ち、営業社員に占めるMDRT会員の割合は30.9%に上る。コロナ禍で伸び悩む時期もあったが、売上高はここ4年間で倍増した。22.11期も15%の増収を同社では見込んでおり、原価率改善もあって営業利益は前期比92%増の33億円強になると同社では予想している。今後3年程度は15~20%の増収が見込めるという(黒木勉社長)。
ただ保険市場自体は人口減少を背景に成熟しており、代理店の休廃業が2021年に過去最多となるなか競合のPERは市場平均並みだ。これに対し、公開価格の希薄化後PERも競合に沿っており、今回ディスカウントはない。来期も今期以上の増収ペースが望めるなら個別に20倍以上の評価が付いてもおかしくはないが、販売会社のIPOは上場後に失速する例は多く、昨年上場したブロードマインドも同様だった。地合い改善と業績好調を受けて買い越しによるスタートにはなろうが、株式相場が再び下げ基調となるなか上値は限られよう。心理的節目でもある3000円での売り買い一致を予想する。
初値買い妙味: B
初値しっかりを予想する。規制強化などを機に淘汰の時代に入った保険代理店業界だが、大手は残存者利益をして成長が続く。公開規模は今月最大と荷もたれ感は否めないが、足元の成長ペースは速いことから買い越しでのスタートが想定され、一定の値上がりが期待できると考える。
訪問販売型の保険代理店大手。販売ブランドは「マネードクター」。営業拠点として全国101の支社に加え、首都圏と福岡には来店型の店舗も10店舗展開する。21年11月末現在、営業社員数1858名を擁する。
特徴は加入希望顧客(見込み顧客)の集客を会社が行い、商品販売を営業社員が行う分業制を採用していることで、保険代理店や募集関連行為従事者といった提携企業(提携社数:22年5月末時点100社)からの紹介を主とする。既存顧客からの紹介など自己開拓も行っており、現在では自己開拓による新規顧客の契約獲得も全体の半数近くを占める。
保険市場は人口減少を背景に成熟するが、近年は販売経路が保険会社の外交員から複数の保険会社から選べる乗り合い代理店へと移行しており、代理店のシェアが高まる傾向にある。2016年の保険業法改正による規制強化やNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)との競合を機に、中小代理店の廃業が増加し、コロナ禍でその流れは加速したが、一方で老後2000万円問題などで資産形成への関心は向上。逆風に対応できる体力のある大手が、残存者利益を一手に引き受ける形となっている。また、代理店が廃業すると通常は保険会社に契約が引き継がれるが、最近は代理店同士の譲渡も増えつつあるという。今のところ費用も少なく済むため、同社は今後これを積極的に狙う考えだ。
そうしたなか、同社は世界の生命保険のトップセールスで構成されるMDRT(Million Dollar Round Table)会員を育成してきた実績を持ち、営業社員に占めるMDRT会員の割合は30.9%に上る。コロナ禍で伸び悩む時期もあったが、売上高はここ4年間で倍増した。22.11期も15%の増収を同社では見込んでおり、原価率改善もあって営業利益は前期比92%増の33億円強になると同社では予想している。今後3年程度は15~20%の増収が見込めるという(黒木勉社長)。
ただ保険市場自体は人口減少を背景に成熟しており、代理店の休廃業が2021年に過去最多となるなか競合のPERは市場平均並みだ。これに対し、公開価格の希薄化後PERも競合に沿っており、今回ディスカウントはない。来期も今期以上の増収ペースが望めるなら個別に20倍以上の評価が付いてもおかしくはないが、販売会社のIPOは上場後に失速する例は多く、昨年上場したブロードマインドも同様だった。地合い改善と業績好調を受けて買い越しによるスタートにはなろうが、株式相場が再び下げ基調となるなか上値は限られよう。心理的節目でもある3000円での売り買い一致を予想する。
初値分析
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初値: 2,750円(今期予想単独PER: 14.1倍)
/ 上昇率: 5.8%
/ 高値: 3,250円
/ 安値: 2,716円
/ 終値: 3,250円
出来高: 6,826,000株 / 対公開株数: 197.9% / 初値出来高: 1,331,600株 / 初値売買代金: 3,661,900,000円
小じっかりした初値が付いた。売買代金37億円弱と買いはかなり多かったが、公開株の売却率が4割近くに上っており、早売りによって上値が抑えられた形だ。寄り前気配は9時1分前になってようやく公開価格に達したほど弱く、買い越しスタートは滑り込みだった。業態的にもともと値上がり期待は限定的だったが、ここ数日の株安で売り手の心理が相当悪化していたとみられる。加えてダブルスコープの連日ストップ安により信用状況の悪化も指摘されており、その影響も及んだか。公開株取得者に追い証対象者がいれば換金を急ぐ必要があった。
なお、買い注文は場が始まってから短い間に10億円以上増えており、弱々しく始まったのを見てすかさず買いを入れた大口があったようだ。割安感は乏しかったが、業績規模と足元の成長速度からすれば、来期を見据えた機関投資家の参戦可能性は十分である。
寄り付き後は一段高となった。しばらくはもみ合いとなっていたが、前場中盤辺りには売りが一巡し、前引け近くには3000円一歩手前まで上昇。後場に入ると3000円を前にいったん足踏みしたが、14時頃に3000円を突破すると再び強含み高値引けした。早売りによって抑えられた分を一日かけて取り戻した形だ。買い意欲自体は旺盛だったことが、初値に続いてザラ場でも確認できた。
しばらくは値固めの展開か。今の株価は来期成長分をある程度織り込んでいる。個別には高成長を続ける同社だが、退場者が相次ぐとあって業界としての評価は高くない。短期的には勢い付くことが期待されるが、規模的に長くは続かないだろう。
大和証券からリポートが出ている。「保険代理店業界では体制整備の要求水準が高まり、中小代理店の淘汰が進む中、同社は訪問型乗り合い代理店としての地位を確立しており、優秀な人材や保険契約の受け皿として成長も期待される」と考察。22.11期の営業利益は会社予想に近い前期比93%増の33.5億円(EPS 194.41円)、23.11期は16%増の39億円(204.35円)、24.11期は15%増の45億円(234.78円)と予想した。
出来高: 6,826,000株 / 対公開株数: 197.9% / 初値出来高: 1,331,600株 / 初値売買代金: 3,661,900,000円
小じっかりした初値が付いた。売買代金37億円弱と買いはかなり多かったが、公開株の売却率が4割近くに上っており、早売りによって上値が抑えられた形だ。寄り前気配は9時1分前になってようやく公開価格に達したほど弱く、買い越しスタートは滑り込みだった。業態的にもともと値上がり期待は限定的だったが、ここ数日の株安で売り手の心理が相当悪化していたとみられる。加えてダブルスコープの連日ストップ安により信用状況の悪化も指摘されており、その影響も及んだか。公開株取得者に追い証対象者がいれば換金を急ぐ必要があった。
なお、買い注文は場が始まってから短い間に10億円以上増えており、弱々しく始まったのを見てすかさず買いを入れた大口があったようだ。割安感は乏しかったが、業績規模と足元の成長速度からすれば、来期を見据えた機関投資家の参戦可能性は十分である。
寄り付き後は一段高となった。しばらくはもみ合いとなっていたが、前場中盤辺りには売りが一巡し、前引け近くには3000円一歩手前まで上昇。後場に入ると3000円を前にいったん足踏みしたが、14時頃に3000円を突破すると再び強含み高値引けした。早売りによって抑えられた分を一日かけて取り戻した形だ。買い意欲自体は旺盛だったことが、初値に続いてザラ場でも確認できた。
しばらくは値固めの展開か。今の株価は来期成長分をある程度織り込んでいる。個別には高成長を続ける同社だが、退場者が相次ぐとあって業界としての評価は高くない。短期的には勢い付くことが期待されるが、規模的に長くは続かないだろう。
大和証券からリポートが出ている。「保険代理店業界では体制整備の要求水準が高まり、中小代理店の淘汰が進む中、同社は訪問型乗り合い代理店としての地位を確立しており、優秀な人材や保険契約の受け皿として成長も期待される」と考察。22.11期の営業利益は会社予想に近い前期比93%増の33.5億円(EPS 194.41円)、23.11期は16%増の39億円(204.35円)、24.11期は15%増の45億円(234.78円)と予想した。