IPO銘柄詳細

コード 市場 業種 売買単位 注目度
9201 東証1部 100株 S
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2012/08/30
ブックビルディング期間 2012/08/31 - 09/07
公開価格決定 2012/09/10
申込期間 2012/09/11 - 09/14
払込期日 -
上場日 2012/09/19
価格情報
想定価格 3,790円
仮条件 3,500 - 3,790円
公開価格 3,790円
初値予想 3,900円
初値 3,810円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 植木 義晴/1952年生
本店所在地 東京都品川区
設立年 1953年
従業員数 31190人 (2012/06/30現在)(連結)
事業内容 航空運送業など
URL http://www.jal.com/
株主数 10人 (目論見書より)
資本金 181,352,000,000円 (2012/06/30現在)
上場時発行済株数 181,352,000株
公開株数 175,000,000株(公募0株、売り出し175,000,000株)
調達資金使途 -
連結会社 連結子会社60社、持ち分法適用関連会社13社
シンジケート
公開株数131,250,000株/国内分
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 大和 46,025,000 35.07%
主幹事証券 みずほ 20,650,000 15.73%
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 20,650,000 15.73%
主幹事証券 野村 18,375,000 14.00%
主幹事証券 SMBC日興 13,300,000 10.13%
引受証券 岡三 2,761,800 2.10%
引受証券 東海東京 2,118,900 1.61%
引受証券 岩井コスモ 1,255,900 0.96%
引受証券 丸三 920,000 0.70%
引受証券 いちよし 735,800 0.56%
引受証券 東洋 623,600 0.48%
引受証券 水戸 623,600 0.48%
引受証券 藍沢 623,600 0.48%
引受証券 日本アジア 291,500 0.22%
引受証券 高木 291,500 0.22%
引受証券 むさし 291,500 0.22%
引受証券 エース 291,500 0.22%
引受証券 極東 291,500 0.22%
引受証券 ちばぎん 291,500 0.22%
引受証券 エイチ・エス 152,300 0.12%
引受証券 かざか 152,300 0.12%
引受証券 リテラ・クレア 152,300 0.12%
引受証券 光世 152,300 0.12%
引受証券 SBI 76,200 0.06%
引受証券 マネックス 76,200 0.06%
引受証券 松井 76,200 0.06%
大株主(潜在株式なし)
大株主名 摘要 株数 比率
企業再生支援機構 特別利害関係者等 175,000,000 96.50%
京セラ 特別利害関係者等 2,500,000 1.38%
大和証券グループ本社 金融商品取引業者の人的および資本的関係会社 2,500,000 1.38%
東京海上日動火災保険 特別利害関係者等 750,000 0.41%
損害保険ジャパン 特別利害関係者等 250,000 0.14%
ジェイティービー 特別利害関係者等 150,000 0.08%
阪急交通社 特別利害関係者等 100,000 0.06%
あいおいニッセイ同和損害保険 特別利害関係者等 50,000 0.03%
三井住友海上火災保険 特別利害関係者等 50,000 0.03%
三菱UFJ信託銀行JAL持ち株信託口 特別利害関係者等 2,000 0.00%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 営業収益 営業利益 経常利益 純利益
2013/03 連結予想 1,220,000 150,000 140,000 130,000
2012/06 連結1Q実績 286,740 31,434 30,738 26,939
2012/03 連結実績 1,204,813 204,922 197,688 186,616
2011/03 連結実績 383,021 41,215 42,041 621,073
営業収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2013/03 連結予想 716.84 2,218.35 -
参考類似企業
銘柄 今期予想PER(8/14)
ANA
15.4倍 (連結予想)
スカイマーク
4.2倍 (単独予想)
SFJ
8.9倍 (単独予想)
事業詳細
 航空大手。国内線・国際線の航空ネットワークを中心に、安全性、定時到着率世界第1位に認定された定時性を基盤とする高品質の航空輸送サービスを提供している。国内線旅客数シェアは40.2%で2位。国際線は首位で1日に国内線・国際線合わせて約900便の定期便を運航している。乗り入れ国や地域は40カ国・地域、231空港(国内含む)に及ぶ。

 戦後の連合国軍総司令部(GHQ)による国内航空機運航停止の解除にあたり、半官半民体制でスタートしており、1951年8月に前身会社が設立された。2年後に日本航空株式会社法の交付に基づいた特殊会社として誕生した。
 その後61年10月に東京、大阪、名古屋の各市場第2部に上場し、70年2月に第1部に指定された。87年11月には日本航空株式会社法が廃止され完全民営化された。2002年10月に日本エアシステム(JAS)を持ち株会社方式で統合したが、規制緩和による競争激化を乗り切れず業績は悪化。10年1月に会社更生法を申請、翌月に上場廃止になった。経営破綻後は政府主導により企業再生支援機構をスポンサーにして事業再生を実施し、11年3月に会社更生手続きを終結させた。
 なお今回上場する会社はJASとの統合後に設立された持ち株会社ではなく、最初に上場した事業会社になるため株式コードは統合前の番号が適用される。

 12年3月期の年売上高構成比は、国際線41.2%(旅客収入35.6%、貨物収入5.0%、郵便収入0.6%、手荷物収入0.0%)、国内線47.1%(旅客収入44.5%、貨物収入2.3%、郵便収入0.3%、手荷物収入0.0%)、その他の航空運送収益4.9%、付帯事業収入6.7%。
 有償旅客数3581万人、有償旅客キロ525億7818万人キロ、有効座席キロ785億6019万席キロ、有償座席利用率66.9%。
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・所属部は東証1部になる見込み。
・配当額は未定だが、配当性向は15%程度にする方針。
・2013年3月期期末より優待制度を始める。100株単位ごとに1000株まで年間合計で優待割引券1枚(50%割引)。また、3年以上の株主には、300株以上1000株未満で年間2枚上乗せされる。
・2011年3月期は会社更生手続きのため4カ月決算。
・直近(2011年3月)の第三者割当増資の発行価格は2000円。
・海外売り出し(4375万株)はDaiwa Capital Markets Europe、Merrill Lynch International、Morgan Stanley & Co. Internationalが共同主幹事兼ジョイント・ブックランナーを務める。
・全ての既存株主には180日間のロックアップが掛かる(企業再生支援機構は売り出しで全て放出)。
・ベンチャーキャピタルの持ち株なし。


<ファーストインプレッション>
 2010年の破綻からわずか約2年半での再上場に注目が集まる。PERはANAに比べ、法人税の支払いがない分を考慮しても割安感はあるが、ANAは優待制度が株価を下支えしている面があり、比較が難しいところ。優待面ではANAの方が1単位の金額が少ないため有利になる。規模が大きいため機関投資家は強制参加だろうが、環境の厳しい航空株は積極的な投資は好まれないうえ、新興系と違って成長シナリオが見えにくい。政治問題化したことから今後、不採算路線の再就航や、羽田路線割り当てでの冷遇なども懸念される。昨年末に上場したスターフライヤーと違い、吸収金額の大きさからして上値を追うことは考えにくく、値上がり期待としての投資は難しいか。

※(訂正)ANAのシンジケートカバー取引期間は10日までの間違いでした。その下りを削除しましておわびします。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 3,790円
 吸収資金レンジ: 6632.5億円 - 6632.5億円(今期予想連結PER: 5.3倍)
 時価総額レンジ: 6873.2億円

仮条件: 3,500円 - 3,790円
 吸収資金レンジ: 6125.0億円 - 6632.5億円(今期予想連結PER: 4.9倍 - 5.3倍)
 時価総額レンジ: 6347.3億円 - 6873.2億円

<強気材料>
注目度高い、PER割安、上場後の追加売り出し懸念なし、税負担軽い、円高、震災影響一巡、震災影響のあった前期4-6月期も営業黒字確保、いずれは日経平均採用?、組み入れ需要あり、グローバルオファリング、8月予約状況前年上回る、前期は上方修正のうえ上振れ着地、ESG投資の需要

<弱気材料>
優待利回り劣る、海外景気の減速、再上場、燃料価格上昇、航空機投資の増加、LCCの台頭、競争激化、政治問題化、今期減益、シンジケートカバー取引なし、吸収金額巨大、事実上取り放題、優待券相場は下落傾向、今年9月の優待はなし、ANAの公募増資は海外苦戦、航空法による外資規制あり


<結論>
 弱めBとする。公開価格が3790円ならば3750~4000円(PER:5.2~5.6倍)を想定初値とする。実質PERが7~8倍台と低いうえ、業績予想が保守的なことから割安感が強いと考える。

 日本初の定期航空会社。2010年の破綻時は2度目の破綻さえ叫ばれたが、驚異的なスピードで再生を果たしたうえでの再上場となる。コード番号は破綻時の「9205」ではなく、日本エアシステムとの統合時に上場廃止になった法人格の「9201」。上場廃止後に再建の過程で、統合会社だった「株式会社日本航空」(9205)を、「日本航空株式会社」(9201)に集約した。テクニカル的には10年ぶりの再上場ということになる。

 航空会社は足元では燃油価格の上昇が懸念材料となっており、燃油サーチャージ制度がない国内線中心の新興系が苦戦する一方、国際線比率が高い大手は震災影響の一巡により好調という構図。新興系は事業規模の小ささから、新規就航の費用負担の割合も大きくなる。
 優待券制度の有無や東証1部とそれ以外の市場の違いなどもあり、PERは新興系に厳しい評価。同社はANAよりも国際線比率が高く、優待制度も上場前から発表している。東証1部銘柄ということを考慮しても大手としての評価が期待できる。
 破綻時の赤字により税負担が軽いため、評価はこの点を差し引く必要があるが、今年度の実効税率で差し引くとEPSは444.37円となり、仮条件の修正PERは7.9~8.5倍。ANAの15.5倍や東証1部平均の12倍に比べ割安感がある。スカイマークは3.7倍と極端に低いが、1Q決算が大幅減益だったため恐らく下振れを織り込んでいるとみられる。

 優待制度の比較ではANAの株価下落もあり、同金額による投資ではANAの方が倍受け取れる計算。配当金を公表されている方針通り純利益の15%と仮定すると配当金利回りはJAL2.84%、ANA2.2%と逆転する。優待券は1枚5000~6000円程度で流通しているが、仮にJALの優待券が市場に出回った時には4000円程度に下がるとすると、優待券+配当金の利回りはJAL3.89%、ANA4.42%となる。ただ、JALは長期保有者に追加発行があるため、これをプラスとすると3年目以降は4.60%と逆転する。なお、優待券が5000円ならばJAL4.16%(3年目以降5.04%)、ANA4.97%。ただし、優待券は3月と9月末に権利取りとなるが、初回は2013年3月末で、今年の9月末だけは付かない。

 4-6月期は震災影響が一巡し、新規に開業した成田-ボストン線が好調だったこともあり、営業利益は前年同期比83%増えた。滑り出しは好調で夏休み需要を前に、通期進ちょく率は20%に上る。通常なら通期では増益が想定されるが、JALの会社予想は2割の営業減益だ。なお、ANAは13%の営業増益予想になっている。機材の耐用年数変更による償却額増加や、のれん代償却などで年間150億円ほどの償却費用増加が見込まれるものの、中期計画では今期の航空機投資は前期より減少することになっており、主に燃油価格の上昇を織り込んだものと想定される。

 原油価格は足元で上昇基調だが、円高もあり4-6月期中は下落した。前期は2Q決算時に出した通期予想を3Q決算発表時に上昇修正し、それでも通期決算時に上振れ着地した。1Qの好調な決算を踏まえると、かなり保守的に算出した予想のように受け取れる。東洋経済新報社では微増益と予想している。国際線は景気に左右されやすいため、世界景気の減速による顧客減少懸念があるものの、足元の好調な滑り出しは上振れを期待させる。結果的に配当の上乗せにより、配当+優待の利回りがANAと変わらなくなる可能性がある。

 2月に発表した中期経営計画では、首都圏発着枠数の大幅増加を機に中長距離路線(欧米・東南アジア)に、燃費効率の高い新型中型機「B787」を中心に投入することを成長戦略の柱に据えている。羽田・成田両空港では2014年度をメドとした増枠がこれから予定されている。
 今期は既に解説した成田-ボストン線のほか、成田-サンディエゴ線を12月、成田-ヘルシンキ線を3月に開設する。また、成田-デリー線、成田-シンガポール線を増便する。航空機投資は今期は前期実績より340億円少ない630億円だが、14年度からは拡大させ、16年度までに計4780億円を計画している。中型機B787、小型機B737-800を導入し、経年化する777、767を退役。中小型機以下の比率を78%→84%に高める。

 このため仮条件のPERは、さらに割安感が強いと判断する。上振れ期待については減益要因が詳しく説明されていないため、初値の段階で織り込まれる可能性は低いと考えるが、中期要因として徐々に織り込むだろう。
 第一生命以来の巨大上場となることで、事実上取り放題のIPO株に需給妙味はないが、ファンダメンタルズ面からは公開価格を売り込む材料は見当たらない。個人投資家の間では値上がり期待に乏しく、公開株の取得には消極的な様子がうかがえるが、そのことにより短期売却狙いの割合は減る。上場後の指数イベントは外資規制などが障害になることで、積極的な買いが期待できないため残念ながら押し上げ要因も少ないが、このことから上にも下にも波乱はなく、やや割安感を修正する発進になると考える。グローバルオファリングとなる巨大上場は、特に主幹事のIPO価格設定に問題がなければ、しっかりとした展開になることがほとんど。吸収金額1000億円級以上は、需給よりもファンダメンタルズが重視されやすい。

 競争環境の厳しい航空株は、機関投資家が積極的な組み入れを避ける傾向があるが、8月14日付の日経新聞によれば安全運航を重視した企業経営はESG(環境・社会・企業統治)を重視する機関投資家の間で関心が高まっているという。また、20日付(日本語翻訳記事21日付)のWSJ(ウォールストリート・ジャーナル)では、「株価が持ちこたえるかどうかは、世界経済や燃料価格市場の状況を見守る必要がある」としながらも、「売り出し価格は最終的に比較的割安に設定され、日航がターゲットとしている個人投資家にとって購入する価値のある価格になる公算が大きい」と海外からの評価も高い様子がうかがえる。
 個人投資家対策についても、上場前から発表するなど安定株主作りに余念がない。残念ながら上場したばかりの9月末は優待券が付かないことになっているため、短期的な需給対策にはなっていないが、同社の株主に対する姿勢は好感できる。

 一方、再上場案件は厳しい評価が多くなることも確か。新奇性に欠けるうえ、かつて保有していた株主にはマイナスのイメージしかない。今回も拒否反応を示す個人投資家は多いようだ。
 ただ、厳しい評価となることが多い一番の要因は、上場後もファンドが筆頭株主として居続けることが多く、再放出が警戒されるためだと考えられる。また、ファンドが特に外資系だった場合に多いのは、公開価格が割高なこと。典型例はあおぞら銀行だろう。
 その点JALの場合、既存株主の企業再生機構は上場に伴う売り出しで全ての保有株を放出仕切ってしまう上、公的機関のためかファンドほど公開価格を高くする欲求がない。今回設定された仮条件に特に恣意(しい)的な部分はなく、価格よりも再上場自体が目標になっているためか、良心的な設定である。また、筆頭主幹事の大和証券は、昨年末にも同じ航空株としてスターフライヤーを手掛けた。上場後の株価はおおむね公開価格を上回っており、プライシングに成功している。

 その他の注意すべき点は、長期的にはLCC(格安航空会社)の台頭などによる競争激化や、野党を発端にした政治問題化など。後者は上場してしまえば、純民間企業になるため逃げ切りで直接的なリスクはないが、羽田路線の冷遇などの話が出ており油断はできない。また、お盆休みのLCCの国内線搭乗率は9割程度になるなどJALの74.4%、ANAの73.2%に比べ好調ぶりが際立った。JALの前年は82.4%だったため、明らかに食われている。国際線は9割を維持したため、まだ屋台骨を揺るがすほどではないが、航空業界は競争環境がますます厳しくなる傾向にある。また、LCCの台頭は優待券相場にも影響する。


<追加分析>
 弱めB継続。引き続き3750~4000円(PER:5.2~5.6倍)を想定初値とする。公開株売却に大方のメドがつき、海外投資家の評判も上々のようだ。初値は公開価格を上回る可能性が高まっている。

 ブックビル終盤に入りおおむねメドがついてきたもよう。5日付ブルームバーグは全株分の注文が入ったと報道した。WSJも同様のことを伝えている。もっともこうした報道は他の目的を持った意図的なリークである可能性も高く、実際には各証券によって温度差がある。実際に6日もセールスはかなりあったようだ。委託販売団には計100万株が用意されているが、返上される可能性が高いとも。ただ、弊社の聞き取りでは確かに既に満額に達したというところも多く、全体としては異例のロングラン営業が功を奏している感触だ。セールスは予備の分もあると考えられる。主幹事証券では需要の満額ではなく、8割程度の配分になるとの観測も出ている。

 ブルームバーグの記事では、海外の取得意欲の強さが伝えられていたが、こちらの断片的な情報でも似たような感触だ。ANAと比べたPERでの割安感に加え、航空株の世界平均(8~9倍)と、減税効果を差し引いたPERで比べても割安との判断が大方の根拠になっているもよう。

 もちろん公開株の大半を引き受けるのは個人に変わりないが、取得意欲は海外投資家>国内機関投資家>個人になっている。破綻のイメージが強いため、イメージ優先になりやすい個人の取得意欲が限られる。しかし、設定された株価が割安であるうえ、再建後のJALは破綻前と打って変わって収益力が飛躍的に向上しており、イナモリズム浸透への期待も高い。理論的に公開価格より下値で取引する理由はなく、初値は公開価格を上回るスタートになる可能性は高まっているといえよう。

 ただ、需給的には上場後は株価が安定せずに、上場直後の不安定な時期に公開価格を割り込むことはありえる。この点について非常に警戒する市場関係者は多く、ブックビルでは全力投球せずに割れて安くなったところを拾いにいく構えの機関投資家もあるようだ。いずれにしろ、今回のIPOは既に上場している株と同じように考える必要があり、公開株を買えば下値はないと断定することは避けたい。

 巨大で事実上取り放題のIPOに共通していえるが、JALの場合も初値は通過点に過ぎない。弊社では初値売却よりも中期的な投資対象としての魅力の方が大きく、具体的には売却の最もいいタイミングは、半年以上先だと考える。当面はTOPIX組み入れの10月末、羽田の新規発着枠が決まる11月が鍵となるが、業績予想の上方修正は第3四半期の業績発表時と想定されるためだ。また、新規国際線の効果が通期で寄与する来期業績にも期待したいところだ。
公開価格分析
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公開価格: 3,790円
 吸収資金: 6,632.5億円(今期予想連結PER: 5.3倍)
 時価総額: 6,873.2億円

 公開価格は仮条件上限で決まった。引受価額は3704.725円。訂正目論見書によれば、申告された総需要株式数は売り出し株式数を十分に上回り、件数が多数にわたっていたうえ、需要の相当数が仮条件の上限価格だった。なお、国内外の配分にも変更はなかった。なお、委託販売団への配分は15万8300株となった。新たな想定初値は3790~4000円とする。

 途中報道の影響から海外が当初予定よりも厚めに配分されるのではないかとも思われたが、当初の予定通り。報道通りでは海外は倍以上の需要があったことになるため、外国人買いが期待できそうだ。
 一方、委託販売団への配分は予定(最大100万株)を大きく下回った。国内個人投資家は需要を満たしており、既に買い余力を失っているといえそう。このため上値はやはり重いと言わざるをえず、4000円を超えるのは難しいだろう。
初値予想
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初値予想: 3,900円(今期予想連結PER: 5.4倍)
初値買い妙味: A

 小じっかりした初値を予想する。初値のコンセンサスは「3750~4100円」。世界で米フェイスブックに続く公開規模とあって上値は抑えられるものの、割安感を背景にしっかりした展開が想定される。
 
 国内航空大手。2010年2月の上場廃止以来、約2年7カ月ぶりに株式市場に復帰する。企業再生支援機構の持ち株で、再上場による売り出しで全て放出する。このため時価総額に対する公開比率は96%と高い。

 公開価格はPER5.3倍で、累積赤字による税金免除の分を差し引いても8.5倍。全日本空輸の15倍台や東証1部平均の12倍台に比べ割安だ。航空株の世界平均は8~9倍だが、法人税免除期間がこの先7年とも言われるほど長くなることもあり、海外からの評価も高い。
 また、今期営業利益は1500億円と前期から27%減少する会社見通しだが、4-6月期決算は震災反動もあって前年同期比83%増と好調。お盆の需要期を前に通期予想に対する進ちょく率は20%に上った。
 同社は前期も業績予想を出していたが、上方修正のうえに上振れ着地と慎重な姿勢だった。新規就航のボストン路線も好調な滑り出しを見せているほか、海外路線を充実させる計画になっていることから、今期も同様のパターンになる可能性がある。

 一方、優待制度による比較ではANAに劣る。15%としている配当性向から割り出す配当利回りもプラスすればそれほど見劣りするわけではないが、優待制度は来年3月期末からの開始となっており、今月の中間期末は優待が付かない。配当に関する扱いは不明だ。
 また、公開比率が高く流動性に富むうえ、公開株のうちおよそ7割は一般的に短期志向の個人が引き受けたと伝わる。大量保有が多いとみられるだけに、値上がりすれば薄利でも売却圧力は強まろう。上場前の海外グレーマーケット(業者間取引)では、後半に4100円近くまで値上がりしたと観測されるが、既に国内勢の買い余力は満たされている。4000円到達が精いっぱいだと考え、手前での初値形成を予想する。
初値分析
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初値: 3,810円(今期予想連結PER: 5.3倍) / 上昇率: 0.5% / 高値: 3,905円 / 安値: 3,805円 / 終値: 3,830円
出来高: 40,465,600株 / 対公開株数: 23.1% / 初値出来高: 6,460,800株 / 初値売買代金: 24,615,648,000円

 小じっかりした初値が付いた。寄り前気配がなかなか安定しなかったものの、注文が出そろう50分過ぎにようやく安定し、公開価格をやや上回る水準で売り買いが一致した。
 寄り付き後は直後に3900円に乗せたものの、すぐに失速し、その後は3830円付近でのもみ合いが続いた。出来高は公開株数の2割に過ぎないものの、売買代金は全市場で断トツの1555億9715万円に上った。割安感から海外投資家の取得意欲が強かったものの、公開株の大半を引き受けた個人投資家の売り圧力が上値を抑えたとみられる。
 当初から海外における評判が高く、海外グレーマーケットではロイターによれば上場前日には4150円での約定が観測された。今朝の外資系証券動向は大幅買い越しで、セクター別では普段は見られない空運業の買い注文が目立っていた。
 一方、個人投資家は公開株取得の段階で需要がほぼ満たされていた。今回の中間期末は株主優待も付かないため、大量に取得した個人は薄利でも利益確定売りの意欲が強かったとみられる。

 個人の利益確定売りにより、しばらくは上値の重い展開が続きそうだ。ただ、同社の業績予想を控え目とみる向きは多く、今後の業績発表や各証券会社によるカバレッジ開始、指数組み入れ、空港発着枠の割り振りなどのイベントをきっかけに徐々に見直されると考える。

 CLSAでは、投資判断「Buy」、目標株価5420円でカバレッジを新規に開始した。ANAと比べてユニットコスト(1座席を1キロ運ぶコスト)が11.6%低いと指摘し、世界でも高い収益性を評価。経営陣の少なさによる意思決定の速さにも期待した。今後の経常利益は13.3期が会社予想(1500億円)を上回る1701.70億円(EPS 578.4円)、14.3期1146.81億円(386.5円)、15.3期1032.97億円(343.3円)と予想した。
 そのほか、マッコーリーキャピタル証券でも、レーティング「Outperform」、目標株価5000円でカバレッジを開始した。
追加情報
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 東洋経済新報社による今後の業績予想は、2013年3月期は売上高が前期比3%増の1兆2400億円、経常利益が1%増の2000億円(EPS 1048円)、配当108~157円と減益の会社予想に対し上振れ。14年3月期は売上高1%増の1兆2500億円、経常利益が5%増の2100億円(EPS 1103円)、配当108~165円とした。

(9/11)JAL、グレーで4025円と報道=BBG
 香港のグレーマーケットで公開価格より6.2%高い4025円の値が付いたとブルムバーグが報じた。米証券会社BTIGの香港在勤マネジングディレクター、クリスチャン・キールランド氏が明らかにしたとしている。
 10日夕方から11日13時前までにBTIGのほか米ジェフリーズなどを通じ、合計123万6500株分の売買が確認されている。いずれも取引価格の報告はない。

(9/20)
 マッコーリーキャピタル証券ではレーティング「Outperform」、目標株価はEV/EVITDA倍率に基き5000円にてカバレッジを開始した。マッコーリーでは13.3期最終利益について会社予想よりも9%までの上振れを予想するも13.3期、14.3期については増益を期待しないと言及。しかしながら、公開価格では13.3期~14.3期のPERが4.8~5.1倍、ROEが23~30%となっており、世界の競合に比べて大幅に割安だと判断。バリュエーション面で特にANAよりも魅力的だと指摘した。今後の経常利益は13.3期1549億円(EPS 782円)、14.3期1450億円(741円)、15.3期1285億円(657円)と予想した。
IPO更新情報
02/29
エルエズビーの銘柄詳細/現場向けビジネスチャット「direct」など
マーケットデータ
日経平均 39,910.82 +744.63
TOPIX 2,709.42 +33.69
グロース250 763.60 -8.79
NYダウ 39,087.38 +90.99
ナスダック総合 16,274.94 +183.02
ドル/円 150.65 +0.67
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