IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
9204 | 東証グロース | 空運業 | 100株 | A |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2022/11/28 |
ブックビルディング期間 | 2022/11/28 - 12/02 |
公開価格決定 | 2022/12/05 |
申込期間 | 2022/12/06 - 12/09 |
払込期日 | 2022/12/13 |
上場日 | 2022/12/14 |
価格情報 | |
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想定価格 | 1,150円 |
仮条件 | 1,150 - 1,170円 |
公開価格 | 1,170円 |
初値予想 | 1,230円 |
初値 | 1,272円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 洞 駿(上場時75歳1カ月)/1947年生 |
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本店所在地 | 東京都大田区羽田空港 |
設立年 | 1996年 |
従業員数 | 2365人 (2022/09/30現在)(平均37.14歳、年収544.7万円) |
事業内容 | 定期航空運送事業など |
URL | https://www.skymark.co.jp |
株主数 | 5人 (目論見書より) |
資本金 | 100,000,000円 (2022/11/10現在) |
上場時発行済株数 | 60,329,400株 |
公開株数 | 31,957,800株(公募13,043,400株、売り出し14,746,000株、オーバーアロットメント4,168,400株) |
調達資金使途 | 新機材導入関連投資、借入金返済 |
連結会社 | 0社 |
シンジケート
公開株数8,614,800株(別に4,168,400株)/国内分
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
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主幹事証券 | 大和 | 3,769,200 | 43.75% |
主幹事証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 3,769,200 | 43.75% |
主幹事証券 | BofA | 323,000 | 3.75% |
引受証券 | SMBC日興 | 128,100 | 1.49% |
引受証券 | みずほ | 128,100 | 1.49% |
引受証券 | 野村 | 128,100 | 1.49% |
引受証券 | SBI | 67,800 | 0.79% |
引受証券 | 松井 | 67,800 | 0.79% |
引受証券 | マネックス | 67,800 | 0.79% |
引受証券 | 楽天 | 67,800 | 0.79% |
引受証券 | 岡三 | 22,600 | 0.26% |
引受証券 | 東海東京 | 22,600 | 0.26% |
引受証券 | 丸三 | 22,600 | 0.26% |
引受証券 | 水戸 | 22,600 | 0.26% |
引受証券 | あかつき | 7,500 | 0.09% |
大株主(潜在株式なし)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
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インテグラル2号投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 20,300,700 | 42.93% |
UDSエアライン投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 15,793,524 | 33.40% |
ANAホールディングス(株) | 特別利害関係者など | 7,802,190 | 16.50% |
Integral Fund II (A) L.P. | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 2,244,300 | 4.75% |
インテグラル2号SS投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 1,145,286 | 2.42% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 事業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
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2023/03 | 単独中間実績 | 40,568 | 1,643 | 4,096 | 2,704 |
2023/03 | 単独会社予想 | 84,808 | 3,141 | 4,446 | 9,013 |
2022/03 | 単独実績 | 47,147 | -16,694 | -15,079 | -6,729 |
2021/03 | 単独実績 | 34,064 | -31,675 | -29,602 | -16,342 |
事業収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
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2023/03 | 単独会社予想 | 176.11 | 508.84 | 0.00 |
事業詳細
航空会社国内3位。全国12空港・23路線・1日当たり150便(2022年10月時点冬ダイヤ)の国内線を小型機「ボーイング737-800型機」のみの単一機材で運航する。東京国際空港(羽田空港)を主要拠点としており、2018年度の羽田路線の占める割合は旅客収入約64%、旅客数約57%、運航便数約54%だった。
同社は航空業界の規制緩和を機に1996年11月、沢田秀雄エイチ・アイ・エス社長(当時)らの出資により設立された。定期航空運送事業の免許取得活動を経て、98年9月に羽田=福岡線(3往復/日)により就航した。2000年5月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、13年11月には第一部に市場変更したが、業績悪化による経営破綻を受けて15年3月に上場廃止になった。その後は投資ファンド、インテグラル傘下にて経営再建を進め、ANAホールディングスからも出資を受けた。19年11月には成田-サイパン線に初の国際定期便を就航したが、コロナ禍を受けて20年3月に休止。現在の定期便は国内線のみとなっている。
2022年3月期の事業収益構成比は、旅客収入96.8%、貨物収入0.0%、付帯事業収入(航空運送に付帯関連する事業)3.2%。
同社は航空業界の規制緩和を機に1996年11月、沢田秀雄エイチ・アイ・エス社長(当時)らの出資により設立された。定期航空運送事業の免許取得活動を経て、98年9月に羽田=福岡線(3往復/日)により就航した。2000年5月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、13年11月には第一部に市場変更したが、業績悪化による経営破綻を受けて15年3月に上場廃止になった。その後は投資ファンド、インテグラル傘下にて経営再建を進め、ANAホールディングスからも出資を受けた。19年11月には成田-サイパン線に初の国際定期便を就航したが、コロナ禍を受けて20年3月に休止。現在の定期便は国内線のみとなっている。
2022年3月期の事業収益構成比は、旅客収入96.8%、貨物収入0.0%、付帯事業収入(航空運送に付帯関連する事業)3.2%。
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・直近(2021年9月)の第三者割当増資の発行単価は875円。
・公開株式数の45%は海外で販売する。
・外国人の議決権は3分の1未満に制限される。
・株主優待制度なし。
・既存株主には180日もしくは6カ月のロックアップが掛かる。
〈ファーストインプレッション〉
本来ならコロナ前に上場すると観測されていたが、コロナ禍で延期されていたインテグラルの出口案件。一部市場で上場廃止になった同社がグロース市場を選択するのは違和感ありまくりだが、これはコロナ禍で審査対象期が赤字になった苦肉の策だろう。プライムやスタンダードでは黒字の実績が求められ、赤字の場合は時価総額1000億円以上が必要になる。
コロナ収束で業績回復が期待される半面、競合各社の今期PERは異常値と評価の難しいタイミングだが、各社とも来期にはコロナ前の水準に回復するコンセンサスとなっている。スカイマークの今期実質PERは22倍だが、同様にみれば来期は12倍程度に下がることになる。ただ予想はあくまで今期しか出しておらず、市場参加者の来期回復のコンサンスがどの程度になるかは不透明でもある。また、インテグラルはこれまで市場で付く価格より高い売り出し価格でエグジットすることに成功し続けている優秀な投資会社だ。航空会社のIPOでは上場前から設けられていることの多い優待制度も設置されておらず、どのみち上値は重いのだろう。
・公開株式数の45%は海外で販売する。
・外国人の議決権は3分の1未満に制限される。
・株主優待制度なし。
・既存株主には180日もしくは6カ月のロックアップが掛かる。
〈ファーストインプレッション〉
本来ならコロナ前に上場すると観測されていたが、コロナ禍で延期されていたインテグラルの出口案件。一部市場で上場廃止になった同社がグロース市場を選択するのは違和感ありまくりだが、これはコロナ禍で審査対象期が赤字になった苦肉の策だろう。プライムやスタンダードでは黒字の実績が求められ、赤字の場合は時価総額1000億円以上が必要になる。
コロナ収束で業績回復が期待される半面、競合各社の今期PERは異常値と評価の難しいタイミングだが、各社とも来期にはコロナ前の水準に回復するコンセンサスとなっている。スカイマークの今期実質PERは22倍だが、同様にみれば来期は12倍程度に下がることになる。ただ予想はあくまで今期しか出しておらず、市場参加者の来期回復のコンサンスがどの程度になるかは不透明でもある。また、インテグラルはこれまで市場で付く価格より高い売り出し価格でエグジットすることに成功し続けている優秀な投資会社だ。航空会社のIPOでは上場前から設けられていることの多い優待制度も設置されておらず、どのみち上値は重いのだろう。
仮条件分析
(BB参加妙味
:B)
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想定価格: 1,150円
吸収資金レンジ: 319.6億円 - 367.5億円(今期予想単独PER: 6.5倍)
時価総額レンジ: 693.8億円
仮条件: 1,150円 - 1,170円
吸収資金レンジ: 319.6億円 - 373.9億円(今期予想単独PER: 6.5倍 - 6.6倍)
時価総額レンジ: 693.8億円 - 705.9億円
仮条件は想定価格を下限に20円幅で設定された。上限価格は想定を1.74%上回る。また、国内外の配分が海外寄りに変更され、オーバーアロットメントを加えた公開株数のちょうど半分を海外で販売することになった。
〈変更点〉
公 募 :国内7,173,900株、海外5,869,500株→国内6,521,700株、海外6,521,700株
売り出し:国内6,234,500株、海外8,511,500株→国内5,288,800株、海外9,457,200株
〈強材料〉
知名度高い、コロナ収束、海外勢強気、旅行支援策延長、燃料価格低下
〈弱材料〉
競争激しい、中国ロックダウン、ファンド出口案件、大型案件、新興市場、来期コンセンサス不明、優待なし、同日大型上場、LCCとの競争、重要事象付き
〈結論〉
弱めBとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1150~1250円(今期実質PER:22.3~24.2倍)を想定する。
来期の業績を視野に株価が形成される局面での上場とあって、今期だけでの予想では手探りとなるが、旅行支援策の延長もあって航空株はしっかりだ。定期便は国内線のみにもかかわらず、国内外の配分が海外寄りにシフトされたうえ、仮条件も小幅ながら上振れでのレンジになったことで買い優勢のスタートを想定する。
スカイマークの経営破綻の直接の要因は、景気後退による業績悪化と超大型機の複数台購入で、資金繰りが回らなかったことによるものだ。当時は無借金経営をしていたため銀行との付き合いがなかったことも裏目に出た。現体制は小型機への機材統一に加え、財務諸表には有利子負債も計上されており、破綻の原因とされた点が改善されている。LCC(格安航空会社)の登場で創業時に目指した価格破壊リーダーの座からは下りたが、スターフライヤー同様、大手とLCCの間の立ち位置を確保するには至っている。
業績はコロナ禍で2期連続の赤字に陥り、継続企業の前提に関する重要事象が付いたが、総額20億円の増資と日本政策投資銀行と商工組合中央金庫からの計30億円の資本性劣後ローンの借り入れでしのいだ。上場で調達する資金でこのうち20億円を返済する。このほかみずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行をアレンジャーとして20億円(1年更新)のコミットメントラインを契約している。
今期は上期の段階で赤字から脱却しており、通期でも経常利益44億円の黒字を確保する会社予想だ。コロナ前の19.3期と比べるとまだ約半分の利益額だが、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況も解消される見込みだ。
現在、航空株の株価は来期を見据えたバリュエーションとなっている。今期は各社とも回復は道半ばだが、大手2社は来期にはコロナ前の水準に戻ると市場からは期待されており、来期PERは15倍前後となっている。スカイマークも同様に経常利益80億円前後を想定すると、来期の実質PERは12.6倍となり、大手に比べると16%割安となる。
なお、今期の業績は黒字化を受けて繰り延べ税金資産の回収可能性があるものと判断し、戻し入れにより58億円弱もの法人税調整額をマイナス計上(会計上の利益)している。実質ベースのPERは22.3~22.7倍となる。
ただし、スカイマークの来期コンセンサスは確立されていない。経常益80億円は18.3期と19.3期の間を取ったものだが、売上高については既にかなりの部分を取り戻すなか、国際定期便を手掛けていない同社が、大手同様に回復するかは不透明ともいえる。コロナ前は手掛けていたので復活させる可能性はあるが、どちらにしろ寄与度は小さい。また、コンセンサスのないSFJは財務悪化も嫌気され、東洋経済社の来期予想を使っても実質5倍弱で低迷する。
SFJよりは企業規模は大きく財務も健全だが、北米を含む国際オファリングではカバレッジなしでも上場当日の主幹事リポートは出ない。このためコンセンサスの確立は上場後も進みにくいと推測する。仮条件が小幅ながらも上振れレンジとなったことや、海外寄りに配分がシフトすること、今期実質PERでも大手を下回ることから買い優勢のスタートを想定するが、かなり際どく公募割れの可能性を否定できない。
また、海外配分の引き上げ措置は、解消する見込みとはいえ重要事象の付いた異例のIPOに国内勢は手を出しにくい裏返しの面もあろう。プライムならともかく新興市場なら無理して手を出す必要もない。優待もないため買い手が想像しにくく、しばらく上値はかなり重い展開になるとみる。
吸収資金レンジ: 319.6億円 - 367.5億円(今期予想単独PER: 6.5倍)
時価総額レンジ: 693.8億円
仮条件: 1,150円 - 1,170円
吸収資金レンジ: 319.6億円 - 373.9億円(今期予想単独PER: 6.5倍 - 6.6倍)
時価総額レンジ: 693.8億円 - 705.9億円
仮条件は想定価格を下限に20円幅で設定された。上限価格は想定を1.74%上回る。また、国内外の配分が海外寄りに変更され、オーバーアロットメントを加えた公開株数のちょうど半分を海外で販売することになった。
〈変更点〉
公 募 :国内7,173,900株、海外5,869,500株→国内6,521,700株、海外6,521,700株
売り出し:国内6,234,500株、海外8,511,500株→国内5,288,800株、海外9,457,200株
〈強材料〉
知名度高い、コロナ収束、海外勢強気、旅行支援策延長、燃料価格低下
〈弱材料〉
競争激しい、中国ロックダウン、ファンド出口案件、大型案件、新興市場、来期コンセンサス不明、優待なし、同日大型上場、LCCとの競争、重要事象付き
〈結論〉
弱めBとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1150~1250円(今期実質PER:22.3~24.2倍)を想定する。
来期の業績を視野に株価が形成される局面での上場とあって、今期だけでの予想では手探りとなるが、旅行支援策の延長もあって航空株はしっかりだ。定期便は国内線のみにもかかわらず、国内外の配分が海外寄りにシフトされたうえ、仮条件も小幅ながら上振れでのレンジになったことで買い優勢のスタートを想定する。
スカイマークの経営破綻の直接の要因は、景気後退による業績悪化と超大型機の複数台購入で、資金繰りが回らなかったことによるものだ。当時は無借金経営をしていたため銀行との付き合いがなかったことも裏目に出た。現体制は小型機への機材統一に加え、財務諸表には有利子負債も計上されており、破綻の原因とされた点が改善されている。LCC(格安航空会社)の登場で創業時に目指した価格破壊リーダーの座からは下りたが、スターフライヤー同様、大手とLCCの間の立ち位置を確保するには至っている。
業績はコロナ禍で2期連続の赤字に陥り、継続企業の前提に関する重要事象が付いたが、総額20億円の増資と日本政策投資銀行と商工組合中央金庫からの計30億円の資本性劣後ローンの借り入れでしのいだ。上場で調達する資金でこのうち20億円を返済する。このほかみずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行をアレンジャーとして20億円(1年更新)のコミットメントラインを契約している。
今期は上期の段階で赤字から脱却しており、通期でも経常利益44億円の黒字を確保する会社予想だ。コロナ前の19.3期と比べるとまだ約半分の利益額だが、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況も解消される見込みだ。
現在、航空株の株価は来期を見据えたバリュエーションとなっている。今期は各社とも回復は道半ばだが、大手2社は来期にはコロナ前の水準に戻ると市場からは期待されており、来期PERは15倍前後となっている。スカイマークも同様に経常利益80億円前後を想定すると、来期の実質PERは12.6倍となり、大手に比べると16%割安となる。
なお、今期の業績は黒字化を受けて繰り延べ税金資産の回収可能性があるものと判断し、戻し入れにより58億円弱もの法人税調整額をマイナス計上(会計上の利益)している。実質ベースのPERは22.3~22.7倍となる。
ただし、スカイマークの来期コンセンサスは確立されていない。経常益80億円は18.3期と19.3期の間を取ったものだが、売上高については既にかなりの部分を取り戻すなか、国際定期便を手掛けていない同社が、大手同様に回復するかは不透明ともいえる。コロナ前は手掛けていたので復活させる可能性はあるが、どちらにしろ寄与度は小さい。また、コンセンサスのないSFJは財務悪化も嫌気され、東洋経済社の来期予想を使っても実質5倍弱で低迷する。
SFJよりは企業規模は大きく財務も健全だが、北米を含む国際オファリングではカバレッジなしでも上場当日の主幹事リポートは出ない。このためコンセンサスの確立は上場後も進みにくいと推測する。仮条件が小幅ながらも上振れレンジとなったことや、海外寄りに配分がシフトすること、今期実質PERでも大手を下回ることから買い優勢のスタートを想定するが、かなり際どく公募割れの可能性を否定できない。
また、海外配分の引き上げ措置は、解消する見込みとはいえ重要事象の付いた異例のIPOに国内勢は手を出しにくい裏返しの面もあろう。プライムならともかく新興市場なら無理して手を出す必要もない。優待もないため買い手が想像しにくく、しばらく上値はかなり重い展開になるとみる。
公開価格分析
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公開価格: 1,170円
吸収資金: 373.9億円(今期予想単独PER: 6.6倍)
時価総額: 705.9億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1093.95円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、需要の相当数が仮条件の上限だったことが特徴だった。
また、国内外の配分を再び見直し海外販売株数を合計1917万4600株に引き上げた。公開株数に占める海外配分割合は60%となった。上場時発行済み株式数に対しては31.8%であり、外国人の議決権割合を3分の1未満に抑える外資規制に接近する。
〈変更点〉
発行数:国内6,521,700株、海外6,521,700株→国内5,217,400株、海外 7,826,000株
売出数:国内5,288,800株、海外9,457,200株→国内3,397,400株、海外11,348,600株
想定初値は1170~1300円に引き上げる。海外勢の取得意欲が強いケースが続いており、ついに海外配分が6割となった。ただ最終的には4割だったソシオネクストのような株数上乗せなどの措置は取られてない。何かと規律に縛られる国内勢が行きにくい事情を抱えるだけに、そのまま素直に受け取るのは危険だろう。個人に関してもファンド出口案件への警戒感が強い。
ただ観光客数は着実に回復しているうえ、全国旅行支援も延長される。今月に入って全体的に調整色が強まるが、円安・原油高一服の恩恵も受ける航空株は比較的底堅い。インテグラルの出口案件とあって一般投資家の取り分は多くないだろうが、海外配分が増えたことを考慮し、公開価格割れの可能性は後退したとみる。
一方、6日に公表された東洋経済社による来期予想は経常利益が弊社が予想する半分の40億円にとどまった。来期PERは18倍だがこれは繰り越し損失の関係から税金が少ないゆえの現象だ。さらに下駄を履いているにもかかわらず、大手のバリュエーションを上回る。上場前の東洋経済の予想はそれほど信頼性が高いわけではなく、多数派となった海外勢に影響を及ぼすものでもないが、当面は公表される来期予想の唯一の存在になるだけに注意が必要だ。
吸収資金: 373.9億円(今期予想単独PER: 6.6倍)
時価総額: 705.9億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1093.95円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、需要の相当数が仮条件の上限だったことが特徴だった。
また、国内外の配分を再び見直し海外販売株数を合計1917万4600株に引き上げた。公開株数に占める海外配分割合は60%となった。上場時発行済み株式数に対しては31.8%であり、外国人の議決権割合を3分の1未満に抑える外資規制に接近する。
〈変更点〉
発行数:国内6,521,700株、海外6,521,700株→国内5,217,400株、海外 7,826,000株
売出数:国内5,288,800株、海外9,457,200株→国内3,397,400株、海外11,348,600株
想定初値は1170~1300円に引き上げる。海外勢の取得意欲が強いケースが続いており、ついに海外配分が6割となった。ただ最終的には4割だったソシオネクストのような株数上乗せなどの措置は取られてない。何かと規律に縛られる国内勢が行きにくい事情を抱えるだけに、そのまま素直に受け取るのは危険だろう。個人に関してもファンド出口案件への警戒感が強い。
ただ観光客数は着実に回復しているうえ、全国旅行支援も延長される。今月に入って全体的に調整色が強まるが、円安・原油高一服の恩恵も受ける航空株は比較的底堅い。インテグラルの出口案件とあって一般投資家の取り分は多くないだろうが、海外配分が増えたことを考慮し、公開価格割れの可能性は後退したとみる。
一方、6日に公表された東洋経済社による来期予想は経常利益が弊社が予想する半分の40億円にとどまった。来期PERは18倍だがこれは繰り越し損失の関係から税金が少ないゆえの現象だ。さらに下駄を履いているにもかかわらず、大手のバリュエーションを上回る。上場前の東洋経済の予想はそれほど信頼性が高いわけではなく、多数派となった海外勢に影響を及ぼすものでもないが、当面は公表される来期予想の唯一の存在になるだけに注意が必要だ。
初値予想
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初値予想: 1,230円(今期予想単独PER: 7.0倍)
初値買い妙味: B
初値小じっかりを予想する。ファンド出口の再上場案件に冷ややかな目もあるが、リオープン(経済再開)銘柄として期待が高い。重要事象付きの新興市場案件に国内勢は手控え姿勢のもようだが、海外勢の買いによりやや高く始まるとみる。
約7年9カ月ぶりの再上場となる。前回上場時には大型機の購入を背景とした資金繰りの悪化で経営破綻し、上場廃止後は投資ファンド、インテグラルの傘下で再建を進めた。コロナ禍前には国際定期便を就航させたが、現在は国内線のみを運航する。
前回上場時の経営破綻は当時の西久保慎一社長の暴走が原因と指摘されており、現在は破綻に至った要因がくまなく修正されている。無借金経営が裏目に出たのに対し、金融機関からの借り入れも使うようになり、コロナ禍の赤字は総額20億円の増資に加え、政府系金融機関から計30億円の資本性劣後ローンの借り入れでしのいだ。民間銀行とも関係を持ち、都市銀行からは計20億円(1年更新)のコミットメントラインも契約している。機材についても小型機への機材統一を図り、運用コストも抑えられるようにしている。また、西久保社長はIT企業からの転身であり門外漢であったが、現在の社長は国土交通省航空局長の経歴を持ち、専務や常務には全日空の出身者も就く。
現在、航空株の株価は来期を見据えたバリュエーションとなっている。今期は各社とも回復は道半ばだが、大手2社は来期にはコロナ前の水準に戻ると市場からは期待されており、それによるPERは15、6倍にそろう。スカイマークは今期は上期の段階で赤字から脱却しており、通期でも経常利益は44億円の黒字を確保する会社予想だ。来期はコロナ前の80億円前後に戻るとみると実質PERは12.6倍になり、大手に比べ2割ほど割安な計算になる。
なお、今期業績は繰り延べ税金資産の戻し入れにより、純利益は大幅に底上げされている。実質ベースの今期PERは23倍弱となる。
なお、2期連続の赤字を受けて目論見書のリスク項目には「重要事象」が付いた異例のIPOにもなった。会社側は形式的なものであり、今期末には解消する見込みとしているが、新興市場での再上場になったこともあり、何かと規律に縛られる国内勢にとっては手が出しにくい案件になった。このため公開株の配分は最終的に海外60%となったが、それでも海外勢の倍率の方が高かったもようだ。上場時発行済み株式数に対しては32%であり、航空法による議決権3分の1未満に制限される外資規制に近い配分になった。
このため初値でも海外勢の買いが入ると期待され、買い優勢の展開を想定する。議決権の制限を超えて買ってくれる事例は数多く、かつては日本航空の再上場後もしばらく超えた状態が続いた。
ただし、大手2社と違ってスカイマークの来期コンセンサスは確立されていない。国際オファリングゆえ、各社のリポートが出るのも来年に入ってからだ。また、インテグラルのこれまでの出口案件の初値は全て公開価格割れしており、彼らは市場価格より高く売り付けることにたけた交渉巧者であることがうかがえる。今回初めて例外になるとみるが、海外への配分シフトは国内勢手控えの裏返しでもある。初値は大栄環境よりも早く付くとみて、5%程度の上昇にとどまると予想する。
初値買い妙味: B
初値小じっかりを予想する。ファンド出口の再上場案件に冷ややかな目もあるが、リオープン(経済再開)銘柄として期待が高い。重要事象付きの新興市場案件に国内勢は手控え姿勢のもようだが、海外勢の買いによりやや高く始まるとみる。
約7年9カ月ぶりの再上場となる。前回上場時には大型機の購入を背景とした資金繰りの悪化で経営破綻し、上場廃止後は投資ファンド、インテグラルの傘下で再建を進めた。コロナ禍前には国際定期便を就航させたが、現在は国内線のみを運航する。
前回上場時の経営破綻は当時の西久保慎一社長の暴走が原因と指摘されており、現在は破綻に至った要因がくまなく修正されている。無借金経営が裏目に出たのに対し、金融機関からの借り入れも使うようになり、コロナ禍の赤字は総額20億円の増資に加え、政府系金融機関から計30億円の資本性劣後ローンの借り入れでしのいだ。民間銀行とも関係を持ち、都市銀行からは計20億円(1年更新)のコミットメントラインも契約している。機材についても小型機への機材統一を図り、運用コストも抑えられるようにしている。また、西久保社長はIT企業からの転身であり門外漢であったが、現在の社長は国土交通省航空局長の経歴を持ち、専務や常務には全日空の出身者も就く。
現在、航空株の株価は来期を見据えたバリュエーションとなっている。今期は各社とも回復は道半ばだが、大手2社は来期にはコロナ前の水準に戻ると市場からは期待されており、それによるPERは15、6倍にそろう。スカイマークは今期は上期の段階で赤字から脱却しており、通期でも経常利益は44億円の黒字を確保する会社予想だ。来期はコロナ前の80億円前後に戻るとみると実質PERは12.6倍になり、大手に比べ2割ほど割安な計算になる。
なお、今期業績は繰り延べ税金資産の戻し入れにより、純利益は大幅に底上げされている。実質ベースの今期PERは23倍弱となる。
なお、2期連続の赤字を受けて目論見書のリスク項目には「重要事象」が付いた異例のIPOにもなった。会社側は形式的なものであり、今期末には解消する見込みとしているが、新興市場での再上場になったこともあり、何かと規律に縛られる国内勢にとっては手が出しにくい案件になった。このため公開株の配分は最終的に海外60%となったが、それでも海外勢の倍率の方が高かったもようだ。上場時発行済み株式数に対しては32%であり、航空法による議決権3分の1未満に制限される外資規制に近い配分になった。
このため初値でも海外勢の買いが入ると期待され、買い優勢の展開を想定する。議決権の制限を超えて買ってくれる事例は数多く、かつては日本航空の再上場後もしばらく超えた状態が続いた。
ただし、大手2社と違ってスカイマークの来期コンセンサスは確立されていない。国際オファリングゆえ、各社のリポートが出るのも来年に入ってからだ。また、インテグラルのこれまでの出口案件の初値は全て公開価格割れしており、彼らは市場価格より高く売り付けることにたけた交渉巧者であることがうかがえる。今回初めて例外になるとみるが、海外への配分シフトは国内勢手控えの裏返しでもある。初値は大栄環境よりも早く付くとみて、5%程度の上昇にとどまると予想する。
初値分析
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初値: 1,272円(今期予想単独PER: 7.2倍)
/ 上昇率: 8.7%
/ 高値: 1,328円
/ 安値: 1,241円
/ 終値: 1,277円
出来高: 19,136,900株 / 対公開株数: 59.9% / 初値出来高: 3,260,500株 / 初値売買代金: 4,147,356,000円
小じっかりした初値になった。ファンド出口戦略による新興市場への再上場とあって国内勢は冷ややかだったが、リオープン(経済再開)関連としての期待から買い優勢でスタート。もともとは来期回復も織り込んだ値付けだったこともあり、早い時間帯で値は付いた。
寄り付き後も小じっかりした展開となった。直後は反動を受けるも下値は堅く、同日上場の大栄環境が強い展開になったことを受け買いが波及した。ただ1300円台に乗せると売られる繰り返しとなり、その後は1290円を挟んだ狭い値幅でのもみ合いで推移した。
しばらくはもみ合いが続くか。来期コンセンサスが手探りななか目先は買い手掛かりに乏しい。次々と出てくるIPO株に目移りもしやすい。
一方、きょう公表した「事業計画及び成長可能性に関する資料」では中長期目標を「事業収益1100億円以上、営業利益率10%台前半」とした。事業収益はコロナ禍前の水準と比べても25%上回り、営業利益率は今期の3倍程度に上る。発着枠の再配分時の拡大、燃費のいい機体の導入、座席数の多い機材導入による取りこぼし需要の獲得などが柱だ。具体的に何年後かは明らかにしていないが、来年に入ってまとまるであろうコンセンサスはそれなりに強いものになると期待できる数字だ。新年入りぐらいから次第に株価もそれを織り込むように動くのではないかと考える。
〈追加分析〉
19日終値:1,500円(今期実質PER:29.1倍)/上場来高値:1,545円/上場来安値:1,202円
上場前株主からの大量報告書がほぼ出そろった。インテグラル系ファンドのうち外国籍のIntegral Fund Ⅱ(A)L.P.はオーバーアロットメントの貸株分も差し引くと上場後の保有株は130万1000株になる。海外配分株数を合わせると外国人保有株は2047万5600株だ。わずかだが外資規制の3分の1(2010万9800株)を超えて配分されていたことになる。
一方、証券保管振替機構によれば上場初日の外国人直接保有総数は2057万0800株であり、9万5200株しか増えていない。全株初値で買い増していたとしても関与率は3%弱にとどまる。大幅高となった翌日は反対に100株減少した。
上場後はセカンダリー好調が続くが買い手は国内勢が中心なもようだ。それも恐らく個人短期筋だろう。上場前はやたらと海外勢の強気姿勢が観測されていたが、ブックビルディングの倍率は決して高くはなかった。確かに国内機関投資家に比べればよく、配分シフトも実施された。だが、上場後に買い増していないところを見ると、販売戦略のためのリークだったのではないかと推測される。
出来高: 19,136,900株 / 対公開株数: 59.9% / 初値出来高: 3,260,500株 / 初値売買代金: 4,147,356,000円
小じっかりした初値になった。ファンド出口戦略による新興市場への再上場とあって国内勢は冷ややかだったが、リオープン(経済再開)関連としての期待から買い優勢でスタート。もともとは来期回復も織り込んだ値付けだったこともあり、早い時間帯で値は付いた。
寄り付き後も小じっかりした展開となった。直後は反動を受けるも下値は堅く、同日上場の大栄環境が強い展開になったことを受け買いが波及した。ただ1300円台に乗せると売られる繰り返しとなり、その後は1290円を挟んだ狭い値幅でのもみ合いで推移した。
しばらくはもみ合いが続くか。来期コンセンサスが手探りななか目先は買い手掛かりに乏しい。次々と出てくるIPO株に目移りもしやすい。
一方、きょう公表した「事業計画及び成長可能性に関する資料」では中長期目標を「事業収益1100億円以上、営業利益率10%台前半」とした。事業収益はコロナ禍前の水準と比べても25%上回り、営業利益率は今期の3倍程度に上る。発着枠の再配分時の拡大、燃費のいい機体の導入、座席数の多い機材導入による取りこぼし需要の獲得などが柱だ。具体的に何年後かは明らかにしていないが、来年に入ってまとまるであろうコンセンサスはそれなりに強いものになると期待できる数字だ。新年入りぐらいから次第に株価もそれを織り込むように動くのではないかと考える。
〈追加分析〉
19日終値:1,500円(今期実質PER:29.1倍)/上場来高値:1,545円/上場来安値:1,202円
上場前株主からの大量報告書がほぼ出そろった。インテグラル系ファンドのうち外国籍のIntegral Fund Ⅱ(A)L.P.はオーバーアロットメントの貸株分も差し引くと上場後の保有株は130万1000株になる。海外配分株数を合わせると外国人保有株は2047万5600株だ。わずかだが外資規制の3分の1(2010万9800株)を超えて配分されていたことになる。
一方、証券保管振替機構によれば上場初日の外国人直接保有総数は2057万0800株であり、9万5200株しか増えていない。全株初値で買い増していたとしても関与率は3%弱にとどまる。大幅高となった翌日は反対に100株減少した。
上場後はセカンダリー好調が続くが買い手は国内勢が中心なもようだ。それも恐らく個人短期筋だろう。上場前はやたらと海外勢の強気姿勢が観測されていたが、ブックビルディングの倍率は決して高くはなかった。確かに国内機関投資家に比べればよく、配分シフトも実施された。だが、上場後に買い増していないところを見ると、販売戦略のためのリークだったのではないかと推測される。