IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
215A | 東証グロース | サービス業 | 100株 | S |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2024/07/09 |
ブックビルディング期間 | 2024/07/09 - 07/17 |
公開価格決定 | 2024/07/18 |
申込期間 | 2024/07/19 - 07/24 |
払込期日 | - |
上場日 | 2024/07/26 |
価格情報 | |
---|---|
想定価格 | 1,230 - 1,430円 |
仮条件 | 1,350 - 1,450円 |
公開価格 | 1,450円 |
初値予想 | 1,750円 |
初値 | 1,850円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 小川 嶺 (上場時27歳3カ月)/1997年生 |
---|---|
本店所在地 | 東京都港区東新橋 |
設立年 | 2017年 |
従業員数 | 917人 (2024/05/31現在)(平均30.9歳、年収583.6万円) |
事業内容 | スキマバイトサービス「タイミー」の運営など |
URL | https://timee.co.jp/ |
株主数 | 60人 (目論見書より) |
資本金 | 107,254,000円 (2024/06/21現在) |
上場時発行済株数 | 95,139,000株 |
公開株数 | 37,082,200株(売り出し32,310,800株、オーバーアロットメント4,771,400株) |
調達資金使途 | - |
連結会社 | 0社 |
シンジケート
公開株数4,499,200株(別に4,771,400株)/国内分
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
主幹事証券 | 大和 | 2,030,300 | 45.13% |
主幹事証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 1,443,500 | 32.08% |
主幹事証券 | モルガン・スタンレーMUFG | 586,700 | 13.04% |
引受証券 | 野村 | 156,600 | 3.48% |
引受証券 | みずほ | 94,000 | 2.09% |
引受証券 | SBI | 94,000 | 2.09% |
引受証券 | SMBC日興 | 31,300 | 0.70% |
引受証券 | 岩井コスモ | 15,700 | 0.35% |
引受証券 | 水戸 | 15,700 | 0.35% |
引受証券 | 岡三 | 15,700 | 0.35% |
引受証券 | 楽天 | 15,700 | 0.35% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
小川嶺 | 代表取締役 | 24,030,000 | 21.96% |
(株)Recolle | 代表取締役の資産管理会社 | 9,045,000 | 8.27% |
KeyrockCapitalMasterFund,Ltd | 投資業(ファンド) | 7,950,000 | 7.27% |
(株)MIXI | 投資業(ファンド) | 6,117,000 | 5.59% |
ジャフコSV6投組 | 投資業(ファンド) | 4,704,000 | 4.30% |
月山特定目的会社 | 投資業(ファンド) | 3,999,000 | 3.66% |
エン・ジャパン(株) | 投資業(ファンド) | 3,867,000 | 3.53% |
(株)サイバーエージェント | 投資業(ファンド) | 3,840,000 | 3.51% |
JEC2 Limited | 特別利害関係者など | 3,615,000 | 3.30% |
Woodline Master Fund LP | 投資業(ファンド) | 3,180,000 | 2.91% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2024/10 | 単独中間実績 | 12,450 | 1,719 | 1,617 | 964 |
2024/10 | 単独会社予想 | 27,556 | 4,091 | 3,623 | 2,253 |
2023/10 | 単独実績 | 16,144 | 1,957 | 1,924 | 1,802 |
2022/10 | 単独実績 | 6,216 | 122 | 114 | 256 |
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
---|---|---|---|---|
2024/10 | 単独会社予想 | 23.69 | 88.82 | 0.00 |
参考類似企業
事業詳細
日々紹介アプリ最大手。有料職業紹介事業として1日単位の直接雇用をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」を展開している。働き手(ワーカー)に支払われる賃金報酬と交通費の合計額の30%程度を手数料として受領している。
2024年4月末現在、登録ワーカー数は770万人、登録クライアント事業所数は25.4万拠点ある。社名、サービス名は「時間(Time)」に由来する。
タイミーではワーカーは働きたい案件を選ぶだけで、履歴書なし・面接なしですぐ働くことができ、雇用主(クライアント)は初期費用、掲載料無料で最短1時間の業務時間から求人情報を掲載できる。また、ワーカーへの賃金報酬などは立替払いにより即日入金される一方、クライアントは月末締め翌月末払いの請求書で一括精算するのみとしている。
2023年10月の売上高構成比は、「タイミー」マッチングサービス99.9%、その他0.1%。
2024年4月末現在、登録ワーカー数は770万人、登録クライアント事業所数は25.4万拠点ある。社名、サービス名は「時間(Time)」に由来する。
タイミーではワーカーは働きたい案件を選ぶだけで、履歴書なし・面接なしですぐ働くことができ、雇用主(クライアント)は初期費用、掲載料無料で最短1時間の業務時間から求人情報を掲載できる。また、ワーカーへの賃金報酬などは立替払いにより即日入金される一方、クライアントは月末締め翌月末払いの請求書で一括精算するのみとしている。
2023年10月の売上高構成比は、「タイミー」マッチングサービス99.9%、その他0.1%。
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・75万株を上限に従業員持ち株会に親引け販売する。
・直近(2022年9月)の特別利害関係者らによる株式売買(持ち株会への譲渡)単価は、分割を遡及(そきゅう)修正すると255円。
・海外販売予定株数(米144A適用):売り出し2224万9300株(配分比率60.0%)
・上場日程は最短の場合をここでは記載している。ブックビルディング期間は最長23日まで延びる可能性があり、それに応じて公開価格は18~24日のいずれかの日に決定され、上場日は8月1日まで延びる可能性がある。
・売り出し後の既存株主のほとんど(細部の特定不可)と新株予約権者108名には180日から最長6年のロックアップが掛かる。
〈ファーストインプレッション〉
メディアなどの事前情報からはサービス業への紹介が多い印象でもあったが、実際には物流関連が主力となっており売掛金や立て替え金の相手先には陸運関連大手の社名が並ぶ。民主党政権の置き土産で原則禁止となった「日雇い派遣」の需要が「日々紹介」に置き換わり、その過程でアプリで使い勝手を向上させた同社がかつての日雇い派遣大手に代わって台頭した。自民党の政権復帰後、日雇い派遣の解禁は規制改革推進会議でも取り上げられたが、結局これまで政権が動くことはなかった。賃金はタイミーによる立替払いで即日入金される一方、企業側の支払いは翌月末と日雇い派遣の場合の使い勝手を意識していることもうかがえる。
最近は他分野のアプリ運営会社や人材会社による相次ぐ参入により競争激化も指摘されるが、今のところ高い成長率を維持しており値付けはかなり強気だ。日雇い派遣大手だったかつてのラディアHD(旧グッドウィル)やフルキャスト全盛期の業績を踏まえれば、まだまだ伸び代は大きいという見方なのか。ただ今回の売り出しで保有株を売り切ってしまう既存株主も多い。メディア露出も頻繁なことから知名度も高く、多少の割高感は無視されそうではあるが、公募がないという点からも足元を見られている案件ともいえそう。
・直近(2022年9月)の特別利害関係者らによる株式売買(持ち株会への譲渡)単価は、分割を遡及(そきゅう)修正すると255円。
・海外販売予定株数(米144A適用):売り出し2224万9300株(配分比率60.0%)
・上場日程は最短の場合をここでは記載している。ブックビルディング期間は最長23日まで延びる可能性があり、それに応じて公開価格は18~24日のいずれかの日に決定され、上場日は8月1日まで延びる可能性がある。
・売り出し後の既存株主のほとんど(細部の特定不可)と新株予約権者108名には180日から最長6年のロックアップが掛かる。
〈ファーストインプレッション〉
メディアなどの事前情報からはサービス業への紹介が多い印象でもあったが、実際には物流関連が主力となっており売掛金や立て替え金の相手先には陸運関連大手の社名が並ぶ。民主党政権の置き土産で原則禁止となった「日雇い派遣」の需要が「日々紹介」に置き換わり、その過程でアプリで使い勝手を向上させた同社がかつての日雇い派遣大手に代わって台頭した。自民党の政権復帰後、日雇い派遣の解禁は規制改革推進会議でも取り上げられたが、結局これまで政権が動くことはなかった。賃金はタイミーによる立替払いで即日入金される一方、企業側の支払いは翌月末と日雇い派遣の場合の使い勝手を意識していることもうかがえる。
最近は他分野のアプリ運営会社や人材会社による相次ぐ参入により競争激化も指摘されるが、今のところ高い成長率を維持しており値付けはかなり強気だ。日雇い派遣大手だったかつてのラディアHD(旧グッドウィル)やフルキャスト全盛期の業績を踏まえれば、まだまだ伸び代は大きいという見方なのか。ただ今回の売り出しで保有株を売り切ってしまう既存株主も多い。メディア露出も頻繁なことから知名度も高く、多少の割高感は無視されそうではあるが、公募がないという点からも足元を見られている案件ともいえそう。
仮条件分析
(BB参加妙味
:B)
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想定価格: 1,230円 - 1,430円
吸収資金レンジ: 396.6億円 - 530.3億円(今期予想単独PER: 51.9倍 - 60.4倍)
時価総額レンジ: 1170.2億円 - 1360.5億円
仮条件: 1,350円 - 1,450円
吸収資金レンジ: 436.2億円 - 537.7億円(今期予想単独PER: 57.0倍 - 61.2倍)
時価総額レンジ: 1284.4億円 - 1379.5億円
仮条件は想定仮条件より120円高い下限価格と20円高い上限価格との100円幅で設定された。想定に比べてそれぞれ9.76%、1.40%上回る。
また、海外配分株数を全体の7割に当たる2595万7500株に引き上げた。これに伴い売り出しとオーバーアロットメントの配分も変更したが、公開株数に変化はない。売り出しの増加分はオーバーアロットメントの貸主でもあるサイバーエージェントが負担する。
一方、従業員持ち株会への親引けは43万8100株に減らした。一人当たりでは818株から478株と単元株は半減する。
さらに国内投資家のブラックロック・ジャパンのファンドが売り出し価格が1450円以下となることを条件に、取得総額1億8371万5000円に相当する株式数を購入することへの関心を表明していると公表した。上限価格なら12万6700株となり、公開株数の0.3%分となる。なお、今回、仮条件範囲外の値付け制度は採用されていない。
〈変更点〉
売り出し:32,245,400株→32,310,800株
海外分:22,249,300株→25,957,500株(配分率:60%→70%)
国内分: 9,996,100株→ 6,353,300株
OA(国内): 4,836,800株→ 4,771,400株
※公開株数は変更なし。
持ち株会への親引け:75万株→43万8100株(一人当たり:817.9株→477.8株)
〈強材料〉
仮条件強含み、人手不足、海外勢強気、業績拡大、知名度高い、メディア露出多数、最大手、黒字化直後、関心表明あり、
〈弱材料〉
競争激化、高PER、新興市場低迷、弱者ビジネス、大型出口案件、少子化、人口減少、売り出しのみ
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1800~2000円(希薄化後PER:87.4~97.1倍)を想定する。
人材関連としてはかなりのハイグロースだが、機関投資家は内外で強気なもよう。海外配分7割はネットプロ以来の高さとなり、フリーに並ぶ。公開規模は今年最大と重くバリュエーションも高いが、黒字化したばかりで利益が拡大しやすい時期に当たることや個人への知名度も高いことから堅調なスタートを想定する。
日々紹介アプリの最大手。民主党政権下で「日雇い派遣」が禁止されるも、流動的な雇用に対する企業側のニーズは変わらず。そうしたなかで抜け道的に普及したのが1日単位の直接雇用(単発アルバイト)である「日々紹介」だ。かつての日雇い派遣も日々紹介に移行するなか、事業に失敗して単発バイトでしのいでいた小川嶺代表自身の経験を基に働き手の手軽さを重視してサービスを開発。2018年8月のリリース以降、急速に普及した。
今24.10期の営業利益は前期比2.1倍の41億円弱に上る会社予想だ。コロナ収束で経済正常化が進むなか、TVCMなどの大型マスプロモーションによる物流・飲食・小売業界の既存クライアントの横展開に加え、ホテル・宿泊業界、介護・保育業界などの新規業種・領域の開拓によりクライアントを獲得。広告効率も上がる。
最近は人材派遣大手や異業種からの参入も相次ぎ競争激化を懸念する声も多いものの、今のところ業績の勢いに陰りは見られない。需要(雇用側)も供給(働き手)も選択肢の多い市場(業者)を選ぶ方がメリットが高く、最大手であること自体が強みだと指摘される。複数の取引所に同じ銘柄が上場していても、東証に商いが集まるのと同じ理屈だ。東洋経済新報社などによると、今では日雇い労働者のことを「タイミーさん」と呼ぶ代名詞にもなっており、既に業界を代表する存在として広く認知されている。これを覆すには後発は技術革新か価格競争を仕掛ける必要があるが、前者については追随を許さず後者については今のところ「手数料率3割」の相場は崩れていない。
さらに正雇用と違い日々紹介は単発とはいえど継続的な使用が多く、ストック性の高いビジネスにもなっている。
高成長を続けるなかで仮条件は希薄化後PERが66~70倍になる価格帯で設定された。人材関連は市場平均程度が多いなかでかなり強気な印象を受けるが、想定からは少し上振れしたうえに、海外勢への配分は上積みされた。配分率7割はトライアルを超え、コロナバブル期以来となる。速い増収ペースに加え、黒字化からまだ間もないため利益は増収効果以上に拡大しやすい局面となっている。代名詞化による広告効率の向上もあり、来期以降も急激な利益拡大は続くとの見方なのだろう。増収ペースが来期1.5倍に減速しても、純利益は倍増できるとみる。それでもPERは36倍と高いため、さらに再来期までの成長期待が織り込まれていると推測する。
人材関連ではかつてコロナバブル期ではあるが、ビジョナルが400倍を超える値付けをされるも初値はさらに4割強上昇した。この時の海外配分率は9割弱に上っていた。その後の株価はボックス相場が続くが、営業利益自体は上場時予想の18倍に拡大している。
ただ人材関連はクライアント企業を開拓するには労働集約的な営業が必要であり、法規制にも対応するため変動費のかさむ業態でもある。コロナバブル期でも大型案件なら情報通信業に分類されたビジョナルでも1.5倍を超えるのは難しかった。
今回は1.5倍にロックアップ解除価格が設定されていないが、売り出しのみなうえに売り切ってしまう既存株主も多い。カリスマファンドマネジャーとして知られる藤野英人氏もそのうちの一人だ。積極的な広告宣伝費をまかなうためベンチャーキャピタルの出資も多く、出口色の強い案件にもなっている。海外勢の強気傾斜に機関投資家の関心表明、株価に強い影響力を持つ経済番組への出演歴、話題性の高さから買い越しスタートに問題はないとみるが、初値は堅調な展開にとどまるとみる。ビジョナルと心理的節目を参考に想定初値は2000円を上限に、2割台半ばの上昇となる1800円からのレンジで想定する。
吸収資金レンジ: 396.6億円 - 530.3億円(今期予想単独PER: 51.9倍 - 60.4倍)
時価総額レンジ: 1170.2億円 - 1360.5億円
仮条件: 1,350円 - 1,450円
吸収資金レンジ: 436.2億円 - 537.7億円(今期予想単独PER: 57.0倍 - 61.2倍)
時価総額レンジ: 1284.4億円 - 1379.5億円
仮条件は想定仮条件より120円高い下限価格と20円高い上限価格との100円幅で設定された。想定に比べてそれぞれ9.76%、1.40%上回る。
また、海外配分株数を全体の7割に当たる2595万7500株に引き上げた。これに伴い売り出しとオーバーアロットメントの配分も変更したが、公開株数に変化はない。売り出しの増加分はオーバーアロットメントの貸主でもあるサイバーエージェントが負担する。
一方、従業員持ち株会への親引けは43万8100株に減らした。一人当たりでは818株から478株と単元株は半減する。
さらに国内投資家のブラックロック・ジャパンのファンドが売り出し価格が1450円以下となることを条件に、取得総額1億8371万5000円に相当する株式数を購入することへの関心を表明していると公表した。上限価格なら12万6700株となり、公開株数の0.3%分となる。なお、今回、仮条件範囲外の値付け制度は採用されていない。
〈変更点〉
売り出し:32,245,400株→32,310,800株
海外分:22,249,300株→25,957,500株(配分率:60%→70%)
国内分: 9,996,100株→ 6,353,300株
OA(国内): 4,836,800株→ 4,771,400株
※公開株数は変更なし。
持ち株会への親引け:75万株→43万8100株(一人当たり:817.9株→477.8株)
〈強材料〉
仮条件強含み、人手不足、海外勢強気、業績拡大、知名度高い、メディア露出多数、最大手、黒字化直後、関心表明あり、
〈弱材料〉
競争激化、高PER、新興市場低迷、弱者ビジネス、大型出口案件、少子化、人口減少、売り出しのみ
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1800~2000円(希薄化後PER:87.4~97.1倍)を想定する。
人材関連としてはかなりのハイグロースだが、機関投資家は内外で強気なもよう。海外配分7割はネットプロ以来の高さとなり、フリーに並ぶ。公開規模は今年最大と重くバリュエーションも高いが、黒字化したばかりで利益が拡大しやすい時期に当たることや個人への知名度も高いことから堅調なスタートを想定する。
日々紹介アプリの最大手。民主党政権下で「日雇い派遣」が禁止されるも、流動的な雇用に対する企業側のニーズは変わらず。そうしたなかで抜け道的に普及したのが1日単位の直接雇用(単発アルバイト)である「日々紹介」だ。かつての日雇い派遣も日々紹介に移行するなか、事業に失敗して単発バイトでしのいでいた小川嶺代表自身の経験を基に働き手の手軽さを重視してサービスを開発。2018年8月のリリース以降、急速に普及した。
今24.10期の営業利益は前期比2.1倍の41億円弱に上る会社予想だ。コロナ収束で経済正常化が進むなか、TVCMなどの大型マスプロモーションによる物流・飲食・小売業界の既存クライアントの横展開に加え、ホテル・宿泊業界、介護・保育業界などの新規業種・領域の開拓によりクライアントを獲得。広告効率も上がる。
最近は人材派遣大手や異業種からの参入も相次ぎ競争激化を懸念する声も多いものの、今のところ業績の勢いに陰りは見られない。需要(雇用側)も供給(働き手)も選択肢の多い市場(業者)を選ぶ方がメリットが高く、最大手であること自体が強みだと指摘される。複数の取引所に同じ銘柄が上場していても、東証に商いが集まるのと同じ理屈だ。東洋経済新報社などによると、今では日雇い労働者のことを「タイミーさん」と呼ぶ代名詞にもなっており、既に業界を代表する存在として広く認知されている。これを覆すには後発は技術革新か価格競争を仕掛ける必要があるが、前者については追随を許さず後者については今のところ「手数料率3割」の相場は崩れていない。
さらに正雇用と違い日々紹介は単発とはいえど継続的な使用が多く、ストック性の高いビジネスにもなっている。
高成長を続けるなかで仮条件は希薄化後PERが66~70倍になる価格帯で設定された。人材関連は市場平均程度が多いなかでかなり強気な印象を受けるが、想定からは少し上振れしたうえに、海外勢への配分は上積みされた。配分率7割はトライアルを超え、コロナバブル期以来となる。速い増収ペースに加え、黒字化からまだ間もないため利益は増収効果以上に拡大しやすい局面となっている。代名詞化による広告効率の向上もあり、来期以降も急激な利益拡大は続くとの見方なのだろう。増収ペースが来期1.5倍に減速しても、純利益は倍増できるとみる。それでもPERは36倍と高いため、さらに再来期までの成長期待が織り込まれていると推測する。
人材関連ではかつてコロナバブル期ではあるが、ビジョナルが400倍を超える値付けをされるも初値はさらに4割強上昇した。この時の海外配分率は9割弱に上っていた。その後の株価はボックス相場が続くが、営業利益自体は上場時予想の18倍に拡大している。
ただ人材関連はクライアント企業を開拓するには労働集約的な営業が必要であり、法規制にも対応するため変動費のかさむ業態でもある。コロナバブル期でも大型案件なら情報通信業に分類されたビジョナルでも1.5倍を超えるのは難しかった。
今回は1.5倍にロックアップ解除価格が設定されていないが、売り出しのみなうえに売り切ってしまう既存株主も多い。カリスマファンドマネジャーとして知られる藤野英人氏もそのうちの一人だ。積極的な広告宣伝費をまかなうためベンチャーキャピタルの出資も多く、出口色の強い案件にもなっている。海外勢の強気傾斜に機関投資家の関心表明、株価に強い影響力を持つ経済番組への出演歴、話題性の高さから買い越しスタートに問題はないとみるが、初値は堅調な展開にとどまるとみる。ビジョナルと心理的節目を参考に想定初値は2000円を上限に、2割台半ばの上昇となる1800円からのレンジで想定する。
公開価格分析
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公開価格: 1,450円
吸収資金: 537.7億円(今期予想単独PER: 61.2倍)
時価総額: 1,379.5億円
公開価格は最短日程で仮条件の上限で決まり、引受価額は1363.96円となった。オーバーアロットメントも上限株数で決まった。ブックビルディングの状況は、(1)総需要株式数が売り出し株式数を十分に上回る状況であったこと、(2)総需要件数が多数にわたっていたこと、(3)需要の相当数が仮条件の上限価格であったこと――の3点が特徴だった。
一方、売り出し株の国内外の配分はさらに以下のように見直された。公開株数全体に占める海外の配分割合は75%となった。
国内: 6,353,300株→ 4,499,200株
海外:25,957,500株→27,811,600株(配分率:70%→75%)
海外配分率はビジョナルには及ばなかったが、トライアルをさらに上回る海外勢の強気を確認した。人材関連は今週に入って一服してはいるが、7月に入って強含む傾向にありタイミーにも波及が期待されるところだ。引き続き堅調なスタートを見込みたい。
吸収資金: 537.7億円(今期予想単独PER: 61.2倍)
時価総額: 1,379.5億円
公開価格は最短日程で仮条件の上限で決まり、引受価額は1363.96円となった。オーバーアロットメントも上限株数で決まった。ブックビルディングの状況は、(1)総需要株式数が売り出し株式数を十分に上回る状況であったこと、(2)総需要件数が多数にわたっていたこと、(3)需要の相当数が仮条件の上限価格であったこと――の3点が特徴だった。
一方、売り出し株の国内外の配分はさらに以下のように見直された。公開株数全体に占める海外の配分割合は75%となった。
国内: 6,353,300株→ 4,499,200株
海外:25,957,500株→27,811,600株(配分率:70%→75%)
海外配分率はビジョナルには及ばなかったが、トライアルをさらに上回る海外勢の強気を確認した。人材関連は今週に入って一服してはいるが、7月に入って強含む傾向にありタイミーにも波及が期待されるところだ。引き続き堅調なスタートを見込みたい。
初値予想
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初値予想: 1,750円(今期予想単独PER: 73.9倍)
初値買い妙味: B
堅調な初値を予想する。民主党政権によって禁止された日雇い派遣の穴を埋めるべく躍進した存在であり、人手不足が強まるなかさらに高い成長を遂げると期待されている。今年最大の公開規模のうえに超強気な値付けに既存株主からの売り出しのみとなっているが、海外勢の強気姿勢もかいま見えるなか順当に買われるとみる。
日々紹介アプリ最大手。有料職業紹介事業として単発アルバイトを紹介するサービス「Timee(タイミー)」をアプリやウェブで展開している。紹介という体をとりながらも派遣以上の使い勝手を実現しており、履歴書なし・面接なしですぐ働くことができるうえ、賃金はタイミーが立て替えることで即日入金される。気軽さに加えて大規模宣伝による高い認知度により支持されるようになった。
業績は2020年に営業黒字に転換したが、足元でも急拡大している。今24.10期の営業利益は前期比2.1倍の41億円弱に上る会社予想だ。コロナ収束で経済正常化が進むなか、物流・飲食・小売業界の既存クライアントの横展開に加え、ホテル・宿泊業界、介護・保育業界などの新規業種・領域の開拓によりクライアントを獲得。TVCMなどの大型マスプロモーションにより労働者の獲得も進み、4月末現在の登録ワーカー数は約770万人に上る。最近では日雇いバイトのことを「タイミーさん」と呼ぶほどに認知されるようになった。
最近は人材派遣大手や異業種からの参入も相次ぎ競争激化を懸念する声も聞かれるが、今のところ業績の勢いに陰りは見られない。需要(雇用側)も供給(働き手)も選択肢の多い市場(業者)を選ぶ方がメリットが高く、業界の代名詞にもなった今、最大手であること自体が強みとなっており、広告効率も向上している。
高成長を続けるなかで公開価格は想定から上振れ希薄化後PERが70倍にもなる価格で付けられた。人材関連は市場平均程度が多いなかでかなり強気な印象を受けるが、それでも機関投資家の取得意欲は高く、特に海外勢には公開株数の75%が配分された。配分率の高さはトライアルの62%を超えコロナバブル期並みだ。さらに国内でも外資系運用会社がブックビルディング開始時に総額1.8億円超の取得意欲を表明していた。
増収ペースの速さに加え、黒字化からまだ間もないため利益は拡大しやすい局面となっている。代名詞化による広告効率の向上もあり、来期以降も急激な利益拡大は続くとの見方なのだろう。東洋経済新報社の来期予想は今期予想比4割増の56億円とされるが、さらに再来期までの業績が織り込まれた状態だ。
ただ人材関連はクライアント企業の開拓や調整、法制面の対応など労働集約的な要素の強い業態でもある。アプリに運営の主体を置いたところでバックヤードの業務は変わらない。既にハイグロース株として値付けされているなか、さらなる評価の上積みはAI関連のように青天井とはいきにくいだろう。
また、今回は売り出しのみで公開株式が構成されており、出口色が強い。売り切ってしまう既存株主も多く、カリスマファンドマネジャーとして知られる藤野英人氏もそのうちの一人だ。エンゼルとしても活動する藤野氏だがこれまでは上場後も残すことが多かった。
さらにここに来て円高を背景に日経平均株価が大きく下落している。内需株への影響は小さいが、グロース市場も連れ安しておりリスク回避のタイミングとなることには注意が必要だろう。直近では2社続けて初値買いが失敗したことも気掛かりだ。初値は一時2000円も意識する声もあったが、ここは慎重にみる必要があると判断し、2割強の上昇にとどまる1750円と予想する。
初値買い妙味: B
堅調な初値を予想する。民主党政権によって禁止された日雇い派遣の穴を埋めるべく躍進した存在であり、人手不足が強まるなかさらに高い成長を遂げると期待されている。今年最大の公開規模のうえに超強気な値付けに既存株主からの売り出しのみとなっているが、海外勢の強気姿勢もかいま見えるなか順当に買われるとみる。
日々紹介アプリ最大手。有料職業紹介事業として単発アルバイトを紹介するサービス「Timee(タイミー)」をアプリやウェブで展開している。紹介という体をとりながらも派遣以上の使い勝手を実現しており、履歴書なし・面接なしですぐ働くことができるうえ、賃金はタイミーが立て替えることで即日入金される。気軽さに加えて大規模宣伝による高い認知度により支持されるようになった。
業績は2020年に営業黒字に転換したが、足元でも急拡大している。今24.10期の営業利益は前期比2.1倍の41億円弱に上る会社予想だ。コロナ収束で経済正常化が進むなか、物流・飲食・小売業界の既存クライアントの横展開に加え、ホテル・宿泊業界、介護・保育業界などの新規業種・領域の開拓によりクライアントを獲得。TVCMなどの大型マスプロモーションにより労働者の獲得も進み、4月末現在の登録ワーカー数は約770万人に上る。最近では日雇いバイトのことを「タイミーさん」と呼ぶほどに認知されるようになった。
最近は人材派遣大手や異業種からの参入も相次ぎ競争激化を懸念する声も聞かれるが、今のところ業績の勢いに陰りは見られない。需要(雇用側)も供給(働き手)も選択肢の多い市場(業者)を選ぶ方がメリットが高く、業界の代名詞にもなった今、最大手であること自体が強みとなっており、広告効率も向上している。
高成長を続けるなかで公開価格は想定から上振れ希薄化後PERが70倍にもなる価格で付けられた。人材関連は市場平均程度が多いなかでかなり強気な印象を受けるが、それでも機関投資家の取得意欲は高く、特に海外勢には公開株数の75%が配分された。配分率の高さはトライアルの62%を超えコロナバブル期並みだ。さらに国内でも外資系運用会社がブックビルディング開始時に総額1.8億円超の取得意欲を表明していた。
増収ペースの速さに加え、黒字化からまだ間もないため利益は拡大しやすい局面となっている。代名詞化による広告効率の向上もあり、来期以降も急激な利益拡大は続くとの見方なのだろう。東洋経済新報社の来期予想は今期予想比4割増の56億円とされるが、さらに再来期までの業績が織り込まれた状態だ。
ただ人材関連はクライアント企業の開拓や調整、法制面の対応など労働集約的な要素の強い業態でもある。アプリに運営の主体を置いたところでバックヤードの業務は変わらない。既にハイグロース株として値付けされているなか、さらなる評価の上積みはAI関連のように青天井とはいきにくいだろう。
また、今回は売り出しのみで公開株式が構成されており、出口色が強い。売り切ってしまう既存株主も多く、カリスマファンドマネジャーとして知られる藤野英人氏もそのうちの一人だ。エンゼルとしても活動する藤野氏だがこれまでは上場後も残すことが多かった。
さらにここに来て円高を背景に日経平均株価が大きく下落している。内需株への影響は小さいが、グロース市場も連れ安しておりリスク回避のタイミングとなることには注意が必要だろう。直近では2社続けて初値買いが失敗したことも気掛かりだ。初値は一時2000円も意識する声もあったが、ここは慎重にみる必要があると判断し、2割強の上昇にとどまる1750円と予想する。
初値分析
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初値: 1,850円(今期予想単独PER: 78.1倍)
/ 上昇率: 27.6%
/ 高値: 1,855円
/ 安値: 1,635円
/ 終値: 1,650円
出来高: 27,533,300株 / 対公開株数: 74.2% / 初値出来高: 6,194,600株 / 初値売買代金: 11,460,010,000円
堅調な初値が付いた。前日には株式相場全体が大幅安となったが、フタを開けてみれば影響は少なく寄り前気配1800円から50円ほど伸ばし、今年の初値中央値3割高が意識される展開となった。
ただ寄り付き後はすぐに反落した。1700円台前半ではいったん下げ止まったが、14時過ぎに再び見切り売りが加速。安値圏で引けることになった。注目の高さから初動に買いが集まり過ぎた反動があったうえ、金利上昇懸念が渦巻くなかでのハイグロース株とあって、後が続かなかった。ちょうど値付け直後からグロース市場の下落が始まったことから、全体の下げが織り込まれていない状態でもあり、冷静になると手は出にくい。
目先は様子見も日銀会合後には反撃の展開か。グロース株はきのうで下げ止まっており、利上げに関してはいったん織り込み済みとみられる。売り一巡で会合後に反発相場となるなかでハイグロース株への警戒が緩み、タイミーにも買いが入ることに期待する。
出来高: 27,533,300株 / 対公開株数: 74.2% / 初値出来高: 6,194,600株 / 初値売買代金: 11,460,010,000円
堅調な初値が付いた。前日には株式相場全体が大幅安となったが、フタを開けてみれば影響は少なく寄り前気配1800円から50円ほど伸ばし、今年の初値中央値3割高が意識される展開となった。
ただ寄り付き後はすぐに反落した。1700円台前半ではいったん下げ止まったが、14時過ぎに再び見切り売りが加速。安値圏で引けることになった。注目の高さから初動に買いが集まり過ぎた反動があったうえ、金利上昇懸念が渦巻くなかでのハイグロース株とあって、後が続かなかった。ちょうど値付け直後からグロース市場の下落が始まったことから、全体の下げが織り込まれていない状態でもあり、冷静になると手は出にくい。
目先は様子見も日銀会合後には反撃の展開か。グロース株はきのうで下げ止まっており、利上げに関してはいったん織り込み済みとみられる。売り一巡で会合後に反発相場となるなかでハイグロース株への警戒が緩み、タイミーにも買いが入ることに期待する。