IPO銘柄詳細

コード 市場 業種 売買単位 注目度
4891 東証グロース 医薬品 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2022/11/04
ブックビルディング期間 2022/11/07 - 11/11
公開価格決定 2022/11/14
申込期間 2022/11/15 - 11/18
払込期日 2022/11/21
上場日 2022/11/22
価格情報
想定価格 670円
仮条件 640 - 670円
公開価格 670円
初値予想 800円
初値 919円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 若林 拓朗(上場時55歳8カ月)/1967年生
本店所在地 東京都府中市府中町
設立年 2005年
従業員数 13人 (2022/09/30現在)(平均42.8歳、年収703.5万円)
事業内容 医薬品、医薬部外品、医薬品原材料、医療用機器や医療用消耗品の研究・開発
URL https://www.tms-japan.co.jp/
株主数 55人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2022/10/18現在)
上場時発行済株数 36,534,880株(別に潜在株式2,273,680株)
公開株数 4,290,900株(公募3,432,800株、売り出し298,500株、オーバーアロットメント559,600株)
調達資金使途 創薬研究およびパイプラインの開発にかかる研究開発直接費、研究開発人件費、諸経費などの研究開発経費
連結会社 0社
シンジケート
公開株数1,389,000株(別に559,600株)/国内分
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 SMBC日興 1,111,700 80.04%
引受証券 野村 41,600 2.99%
引受証券 みずほ 41,600 2.99%
引受証券 大和 41,600 2.99%
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 41,600 2.99%
引受証券 岡三 41,600 2.99%
引受証券 SBI 41,600 2.99%
引受証券 香川 20,800 1.50%
引受証券 楽天 6,900 0.50%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
大和日台バイオベンチャー投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 4,323,320 12.22%
三菱UFJキャピタル4号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 3,870,320 10.94%
THVP-1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,907,360 8.22%
ニッセイ・キャピタル9号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,711,080 7.66%
ニッセイ・キャピタル7号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,350,000 6.64%
Xseed High Growth投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 2,340,000 6.61%
MSIVC2016V投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,579,200 4.46%
蓮見恵司 取締役会長 1,548,000 4.38%
(株)新日本科学 特別利害関係者など 1,433,320 4.05%
ニッセイ・キャピタル10号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 1,333,360 3.77%
OCP1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 968,000 2.74%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 営業収益 営業利益 経常利益 純利益
2023/02 単独中間実績 0 -268 -469 -468
2023/02 単独会社予想 0 -896 -1,230 -1,230
2022/02 単独実績 1,946 1,135 1,079 1,076
2021/02 単独実績 0 -721 -720 -722
営業収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2023/02 単独会社予想 -36.16 80.77 -
参考類似企業
銘柄 時価総額(11/2)
米アサーシス
51億円
米ディアメディカ
47億円
台湾・順天医薬
262億円
台湾・長聖生技
599億円
サンバイオ
491億円
ヘリオス
171億円
ステムリム
486億円
事業詳細
 東京農工大学発の創薬型バイオベンチャー。ヒト体内にある酵素「可溶性エポキシドハイドロラーゼ(sEH)」を阻害することによる「抗炎症作用」に基づく医薬品開発に重心を置く。

 リードパイプラインは急性期脳梗塞を対象とする「TMS-007」であり、sEH阻害による抗炎症作用に加え、血中に多く含まれタンパク質「プラスミノーゲン」に作用することによる「血栓溶解作用」も有している。2021年8月に国内で前期第2相臨床試験を終了し、米バイオジェン社に導出した。今後は開発や販売の状況に応じて最大3億3500万ドルのマイルストーン一時金と、製品売上高に応じて一桁%台後半~10%台前半の段階的料率によるロイヤルティー(使用許諾料)を受領する可能性がある。
 一方、後続の「TMS-008」は現在、さまざまな炎症性疾患を適応として非臨床試験を実施中であり、24年2月期から国内にて急性腎障害を対象に第1相臨床試験を開始することを目指している。また、このバックアップ化合物として「TMS-009」を有している。

 同社は農工大発酵学研究室(蓮見恵司教授)の医薬シーズを実用化することを目的として、05年2月に設立された。同研究室は微生物由来の生理活性物質の探索研究を中心に、その作用解析、薬効評価などを行っており、血液凝固線溶系に作用する生理活性物質の探索の過程で、多数の新規化合物を発見している。TMS-007とTMS-008を含む「SMTP化合物群」はこの過程で見いだされた。SMTPは黒カビの一種が産生する低分子化合物であり、農工大において血栓溶解促進作用を持つ物質として単離された。

 2022年2月期の営業収益の構成比は医薬品開発事業100%。主な販売先はバイオジェン社100%。
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・直近(2020年12月)の第三者割当増資の発行単価は、転換や分割を遡及(そきゅう)修正すると150円。
・公開株式の半分は米国を含む海外市場で販売される。
・既存株主と下位2名を除いた新株予約権者には180日のロックアップが掛かる。

〈ファーストインプレッション〉
 米製薬大手とはマイルストーン総額500億円相当の大型契約を締結しており、いつものダウンラウンドでようやく上場が許されるような案件とは格が違う印象だ。世界2位の死亡原因である脳梗塞系のバイオベンチャーは高く評価される傾向にあり、時価総額はプライム直接上場の基準に迫る245億円に上るもステムリムやサンバイオと比べればまだまだ低い。特に前者は同じく急性期脳梗塞を対象とした第2相の結果が出たばかりだが、前提条件の違いはあるものの90日後の治療効果はこちらの方が優れた数字が出ている。
 ただステムリムやサンバイオは他にも患者数の多いパイプラインを抱えるうえ、後者が対象とするのは患者数の特に多い慢性期だ。急性期のみの実質一本しかないこちらが両社より低い評価は当然ともいえる。一方、時価総額の下回るヘリオスは米企業からの導入で急性期の国内治験を実施中だが、マイルストーンは払う側だ。もらう側であり将来的には世界展開も期待されるこちらがより高い時価総額であることには説明が付く。ヘリオスより高い位置からスタートさせ、落とし所を探らせる腹積もりなのか。今回のエグジットは各ファンドともほんの一部しか放出しない。
 また、今回は30億円足らずの公開規模にもかかわらず、異例の正式なグローバルオファリングであり、半分は米国を含む海外だ。同じく日興が主幹事だったステムリムの失敗を踏まえてのことなのだろうが、これなら買い手を連れて来られない事態にはなりにくい。国内吸収金額が15億円弱なら需給不安は乏しい。話題性的にも買い越しスタートは可能とみる。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 670円
 吸収資金レンジ: 25.0億円 - 28.7億円(今期予想単独PER: -)
 時価総額レンジ: 244.8億円

仮条件: 640円 - 670円
 吸収資金レンジ: 23.9億円 - 28.7億円(今期予想単独PER: -)
 時価総額レンジ: 233.8億円 - 244.8億円

 仮条件は想定価格を上限に30円幅に設定された。下限価格は想定を4.48%下回る。

〈強材料〉
大型導出実績あり、世界展開視野、海外配分多い、試験結果優秀

〈弱材料〉
実質一本足打法、競合の評価バラバラ、仮条件下振れ、競合数社あり

〈結論〉
 弱めBとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は700~750円(時価総額:256億~274億円)を想定する。
 国内ではベンチマークのステムリムを4割以上下回る仮条件だが、海外競合まで比較すると時価総額は見事にバラバラ。実質一本しかない主力パイプラインの優位性は認められるものの、成功確率はまだ半々に過ぎない段階だ。地合い改善と絞った公開規模により需給不安は乏しいとみるが、前のめりな買いは入りにくいとみる。

 同社が持つパイプラインで臨床試験に進むのは今の所、脳卒中(急性期脳梗塞)を対象とした「TMS-007」しかなく、市場での評価はこれにどこまで期待するかということになる。
 脳卒中には現在のところ2000年前後に承認された血栓溶解薬「組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)」があるが、使えるのは発症後4.5時間以内に限られる。そのうえ全身に作用するため他に出血しやすい場所があると、そこから出血する副作用の問題がある。投与しても死亡率を改善しないため、4.5時間内に病院に到着しても投与されないケースも多いという。安心して使える薬品は不在の状態だ。

 TMS-007の特徴は従来薬の持つ血栓溶解作用に加え、副作用を抑える抗炎症作用も有している点である。競合のパイプラインはどちらか片方といったケースが多い。ヘリオスやステムリムなど細胞治療のアプローチでは抗炎症作用を対象としており、t-PAとの併用が選択肢にある。
 TMS-007の他で両方の作用機序を対象とするのは、台湾の順天医薬生命科技(ルモサセラピューティクス)が開発する「LT3001」があり、ペプチドと低分子の2つの化合物を組み合わせている。現在は第2相の段階にあり、今年1月には米食品医薬品局(FDA)からファストトラック(優先審査制度)に指定された。ただし2つの化合物を対象とする分、難易度は上がり、1つですむTMS-007の方が優位とティムスでは考えている。

 TMS-007はまだ前期第2相が終わった段階だが、試験では生活自立度を評価する指標「mRS」では40%の被験者が1(症状はあっても明らかな障害はない)以下を記録した。これに対し、塩野義・ステムリムの進める「S-005151(PJ1-02)」は3(中等度の障害)以下が34%とされている。投与の対象が前者は12時間以内、後者は25時間内のため単純比較はできないが、プラセボ(偽薬)群の結果はどちらも18%と大差ない。現段階で1以下を達成しているのは世界でもTMS-007だけとのことだ。また、導出先のバイオジェン社は発症後24時間以内の投与可能性について言及している。
 一方、ヘリオスが米アサーシス社から導入した「HLCM051」は既に第2/3相に進むが、先日発表されたばかりの学会報告ではmRS1以下では90日後、365日後ともに統計的有意差が認められず。2(軽度の障害)以下では365日後で有意差ありとなったが、成功したとしても効能は大幅に劣る可能性が高まった。

 仮条件は想定価格から下振れする形で設定されたが、評価の分かれる創薬ベンチャーにしてはレンジは狭い。評価されていないわけではなく、慎重姿勢を取ったのだろう。競合の時価総額はバラバラだが、ティムス同様に複数の作用機序を目指す順天医薬に近い評価になった。順天医薬は手術後の痛み止めで上市実績を持つが、大した売り上げにはなっておらず基本的にはまだ営業赤字のベンチャーだ。他の臨床試験段階のパイプラインには透析患者の多くが感じるかゆみ(皮膚そうよう症)の候補薬があり、現在は第1相となっている。

 ステムリムについては株価の9割を唯一導出したPJ1-02の評価として計算する見方もあり、これを当てはめると1.5倍高も視野に入ることになる。だが、他のパイプラインには桁違いに患者数の多いパイプラインも抱えており、そこは慎重に見る必要があろう。
 競合の時価総額は見事にバラバラだが、開発段階やパイプライン数を踏まえ、当面のベンチマークは順天医薬になるとみる。HLCM051導出元のアサーシスの時価総額はここ1年で20分の1に下がり1桁少ないが、開発が先行していても脅威ではないため株価の足を引っ張る存在にはならないだろう。

 一方、株式相場ではグロース株反発基調のなかでもバイオベンチャーはまちまちとなっており、赤字株まで買い戻されているわけではない。今回のIPOでは公開株の50%が海外で販売されるため、国内の吸収金額は14億円強に過ぎず需給不安は乏しいが、買い手の積極姿勢はあてにしづらい。順天医薬の時価総額に心理的節目を踏まえて初値は700円台前半を想定する。
公開価格分析
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公開価格: 670円
 吸収資金: 28.7億円(今期予想単独PER: -)
 時価総額: 244.8億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は616.40円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。
 また、公募の国内外の配分を海外寄りに見直し、国内149万9100株→130万2200株、海外193万3700株→213万0600株と変更した。株数据え置きの売り出しと合わせた海外販売株数は計234万2300株となり、配分比率は全体の54.6%に上る。

 想定初値を750~800円に引き上げる。国内勢に比べると海外勢の投資意欲が強い様子がうかがえるが、これは国内勢の弱さの裏返しでもあろう。国内機関投資家は現在、リスクの高い案件にはかなりの慎重姿勢となっており、今回のように評価の難しい赤字案件には消極的だ。
 ただ赤字といっても創薬ベンチャーの赤字は事業会社とは全く意味合いが異なる。上市まではまだ長いため海外勢も積極的とはいかないが、米大手への大型導出の実績もあって国内勢よりは理解が進んではいるのだろう。また、海外の共同主幹事にはジェフリーズが入っているが、日本経済新聞によれば同証券は海外のバイオ企業のIPO(新規株式公開)を数多く手掛けるため起用されたとのことだ。これもステムリムの上場時に、正しい値付けはできても買い手を連れてこれなかった反省が生かされている。また、単純に国内個人の配分が減ることは株価にとってはプラスに働く。このため想定初値も合わせて引き上げ2割近い上昇までは視野に入れる。
初値予想
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初値予想: 800円(今期予想単独PER: -)
初値買い妙味: B

 初値しっかりを予想する。上市実績はまだない創薬ベンチャーだが、米製薬大手への巨額の導出実績で注目を浴びる。吸収金額は30億円弱だが公開株数の半分以上が海外に配分された。厳しい評価を受ける傾向にある赤字上場ではあるが、需給不安は乏しく買い越しでのスタートを想定する。

 同社は東京農工大学発の創薬型バイオベンチャーであり、ヒト体内にある酵素「可溶性エポキシドハイドロラーゼ(sEH)」を阻害することによる「抗炎症作用」に基づく医薬品開発に重心を置く。取締役会長を務める蓮見恵司教授の農工大発酵学研究室が見いだした黒カビの一種が産生する低分子化合物「SMTP化合物群」が各パイプラインの根幹だ。
 リードパイプラインは急性期脳こうそく(脳卒中)を対象とする「TMS-007」である。2021年8月に国内で前期第2相臨床試験を終了し、米バイオジェン社に導出した。最大3億3500万ドルのマイルストーン一時金と、製品売上高に応じて一桁%台後半~10%台前半の段階的料率によるロイヤルティー(使用許諾料)を得る契約とのことで異例の大型契約となった。2018年6月の契約締結時には400万ドル、導出契約となった2021年5月のオプション行使時にも1800万ドルを受け取っており、前期決算は11億円弱の黒字だった。

 脳卒中薬は2000年前後に先進各国で承認された血栓溶解薬「組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)」があるが、使えるのは発症後4.5時間以内に限られる。そのうえ副作用のリスクが高く、投与しても死亡率を改善しない。このため4.5時間内に病院に到着しても投与されないケースも多いという。

 次世代脳卒中薬の開発競争は世界的に繰り広げられているが、TMS-007は第2相治験で神経運動機能に異常を来す疾患の重症度を評価する指標「mRS」では40%の被験者が1(症状はあっても明らかな障害はない:0が異常なし)以下を記録した。現段階で1以下を達成しているのは世界でも例がないという。
 また、TMS-007が優れる点は血栓溶解作用に加え、抗炎症作用も有している点だ。競合のパイプラインはどちらか片方といったケースが多く、ヘリオス(米アサーシス)やステムリムなど細胞治療のアプローチでは抗炎症作用を対象とする。血栓溶解作用についてはt-PAとの併用が選択肢にある。台湾の順天医薬生命科技(ルモサセラピューティクス)が上海医薬に導出した「LT3001」が両方の効能を狙うが、ペプチドと低分子の2つの化合物を組み合わせることによるものであり、その分難易度は上がることになる。

 米企業への導出実績もあってか機関投資家の評価は特に海外で高かったもようで、最終的な国内外の配分は国内45:海外55と海外寄りに決められた。時価総額はステムリムの半分、順天医薬をやや下回る水準だ。ヘリオスやアサーシスを上回るが、両社は今月上旬に発表した学会報告によれば開発競争からは実質的に脱落した。
 ただティムスはステムリムと違い、開発の進むパイプラインを一本しか持っていない。順天医薬は手術後の痛み止めで上市実績を持つが、収益貢献はまだ少ない。当面は順天医薬の時価総額約260億円強が基準になるとみる。短期傾向の強い国内勢への配分が少なく、開発競争で優位に立つ現状も考慮し、初値は公開価格を2割弱上回る800円と予想する。
初値分析
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初値: 919円(今期予想単独PER: -) / 上昇率: 37.2% / 高値: 930円 / 安値: 769円 / 終値: 769円
出来高: 7,419,400株 / 対公開株数: 172.9% / 初値出来高: 2,003,500株 / 初値売買代金: 1,841,216,500円

 堅調な初値が付いた。正直900円台の初値はポジティブサプライズだが、米製薬大手への巨額導出で注目を浴びるなか、海外配分の多さにより見た目ほどの荷もたれ感もなかったことで需給が予想していたよりも引き締まった。有力な競合相手である台湾・順天医薬とステムリムの中間付近の時価総額でのスタートだった。

 寄り付き後は急反落した。9時前の寄り前気配でも800円だったのが900円乗せは買われすぎとの印象が強く、直後に高値を付けると急落した。800円台前半ではいったん足踏みしたが、再び売られ直し前引け時にはストップ安に張り付いた。10時56分の取引を最後に後場は大引けの比例配分まで取引はなかった。大引け後は94万5100株の売り板を残した。なお、大引け後の時間外では引値で3200株の取引があったほか、夜間取引のPTS(私設取引システム)は730円から始まった。

 当面は落ち着きどころを探る展開だろう。赤字企業にしては行きすぎた初値になった反動が激しいが、PTS取引の700円台前半まで来れば順天医薬の時価総額とそん色なくなる。調整は早期に一巡するとみる。
 一方、リードパイプラインは導出済みのため米バイオジェン社の手に委ねられることになるが、バイオジェン社では今後は国際共同治験の計画を含めて次のステップを検討している。既に導出から1年半が経過するため、そろそろ動きがあってもおかしくなく、そうなれば動意付くきっかけになるのではないかと考える。
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マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.44 -0.99
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