IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
9023 | 東証プライム | 陸運業 | 100株 | S |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2024/10/07 |
ブックビルディング期間 | 2024/10/08 - 10/11 |
公開価格決定 | 2024/10/15 |
申込期間 | 2024/10/16 - 10/21 |
払込期日 | - |
上場日 | 2024/10/23 |
価格情報 | |
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想定価格 | 1,100円 |
仮条件 | 1,100 - 1,200円 |
公開価格 | 1,200円 |
初値予想 | 1,550円 |
初値 | 1,630円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 山村 明義(上場時66歳7カ月)/1958年生 |
---|---|
本店所在地 | 東京都台東区東上野 |
設立年 | 2004年 |
従業員数 | 9644人 (2024/07/31現在)(平均39.6歳、年収770.4万円)、連結1万1598人 |
事業内容 | 1.旅客鉄道事業の運営<br>2.都市・生活創造事業の運営<br> ・流通事業(駅構内店舗、商業施設の運営など)<br>・不動産事業(オフィスビルの賃貸など)<br>・情報通信事業(光ファイバーケーブルの賃貸など) |
URL | https://www.tokyometro.jp/ |
株主数 | 2人 (目論見書より) |
資本金 | 58,100,000,000円 (2024/09/20現在) |
上場時発行済株数 | 581,000,000株 |
公開株数 | 290,500,000株(売り出し290,500,000株) |
調達資金使途 | - |
連結会社 | 子会社14社、持ち分法適用関連会社4社 |
シンジケート
公開株数232,400,000株/国内分
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
主幹事証券 | 野村 | 75,008,200 | 32.28% |
主幹事証券 | みずほ | 75,008,200 | 32.28% |
主幹事証券 | ゴールドマン・サックス | 16,330,300 | 7.03% |
主幹事証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 20,608,100 | 8.87% |
幹事証券 | SMBC日興 | 14,966,700 | 6.44% |
幹事証券 | 大和 | 14,966,700 | 6.44% |
幹事証券 | SBI | 3,174,300 | 1.37% |
引受証券 | 岡三 | 1,840,100 | 0.79% |
引受証券 | 東海東京 | 1,840,100 | 0.79% |
引受証券 | 楽天 | 1,840,100 | 0.79% |
引受証券 | 岩井コスモ | 805,000 | 0.35% |
引受証券 | 松井 | 805,000 | 0.35% |
引受証券 | マネックス | 805,000 | 0.35% |
引受証券 | アイザワ | 345,000 | 0.15% |
引受証券 | あかつき | 345,000 | 0.15% |
引受証券 | 極東 | 345,000 | 0.15% |
引受証券 | 東洋 | 345,000 | 0.15% |
引受証券 | 丸三 | 345,000 | 0.15% |
引受証券 | 水戸 | 345,000 | 0.15% |
引受証券 | むさし | 276,000 | 0.12% |
引受証券 | FFG | 264,500 | 0.11% |
引受証券 | ちばぎん | 264,500 | 0.11% |
引受証券 | 内藤 | 264,500 | 0.11% |
引受証券 | 西日本シティTT | 264,500 | 0.11% |
引受証券 | Jトラストグローバル | 183,900 | 0.08% |
引受証券 | 立花 | 183,900 | 0.08% |
引受証券 | 八十二 | 183,900 | 0.08% |
引受証券 | 北洋 | 183,900 | 0.08% |
引受証券 | リテラ・クレア | 115,000 | 0.05% |
引受証券 | 光世 | 103,600 | 0.04% |
引受証券 | JPモルガン | 11,000 | 0.00% |
引受証券 | シティグループ | 11,000 | 0.00% |
引受証券 | BofA | 11,000 | 0.00% |
引受証券 | UBS | 11,000 | 0.00% |
大株主(潜在株式なし)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
財務大臣 | 特別利害関係者など | 310,343,185 | 53.42% |
東京都 | 特別利害関係者など | 270,656,815 | 46.58% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2025/03 | 連結1Q実績 | 101,950 | 29,097 | 26,290 | 18,064 |
2025/03 | 連結会社予想 | 407,500 | 88,000 | 76,700 | 52,300 |
2024/03 | 連結実績 | 389,267 | 76,359 | 65,866 | 46,262 |
2023/03 | 連結実績 | 345,370 | 27,777 | 19,694 | 27,771 |
営業収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
---|---|---|---|---|
2025/03 | 連結会社予想 | 90.02 | 1,207.80 | 40.00 |
参考類似企業
事業詳細
東京の地下鉄事業者。前身は1941年7月に特殊法人として設立された帝都高速度交通営団(営団地下鉄)であり、東洋初の地下鉄路線(銀座線の浅草~上野間)を開業した東京地下鉄道や東京高速鉄道(銀座線の新橋~渋谷間)などから地下鉄道の免許線を譲り受け、同年9月に営業を開始した。2000年代に入って小泉政権下で進められた特殊法人改革の一環として民営化されることになり、2004年4月に株式会社化された。政府の売却益は東日本大震災復興債の償還費用に充てられる。
1.運輸業
東京都区部を中心に計9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道を運行運営しているほか、鉄道施設などを保守管理している。2017年3月にはベトナム子会社を設立した。
2.不動産事業
路線沿線においてオフィスビルやホテルを中心とした不動産を開発・賃貸・管理している。
3.流通・広告事業
保有資産などを活用し、路線駅において「Echika」などの商業施設を運営する流通事業や、主に駅構内や車両内の広告を取り扱う広告事業、光ファイバー賃貸などの情報通信事業などを展開している。
4.その他
福利厚生施設の運営や人事・経理・システムサービスに関する事務、施設の清掃、施設の管理運営事業などのほか、上記報告セグメントに含まれない事業を指す。
2024年3月期の営業収益の内訳は、運輸91.0%{旅客運輸83.2%(定期運輸32.0%、定期外51.2%)、その他運輸7.7%、その他0.1%}、不動産3.5%(不動産事業0.6%、その他2.9%)、流通・広告5.4%(流通事業2.0%、広告事業0.9%、情報通信事業1.0%、その他1.5%)、その他0.1%。
1.運輸業
東京都区部を中心に計9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道を運行運営しているほか、鉄道施設などを保守管理している。2017年3月にはベトナム子会社を設立した。
2.不動産事業
路線沿線においてオフィスビルやホテルを中心とした不動産を開発・賃貸・管理している。
3.流通・広告事業
保有資産などを活用し、路線駅において「Echika」などの商業施設を運営する流通事業や、主に駅構内や車両内の広告を取り扱う広告事業、光ファイバー賃貸などの情報通信事業などを展開している。
4.その他
福利厚生施設の運営や人事・経理・システムサービスに関する事務、施設の清掃、施設の管理運営事業などのほか、上記報告セグメントに含まれない事業を指す。
2024年3月期の営業収益の内訳は、運輸91.0%{旅客運輸83.2%(定期運輸32.0%、定期外51.2%)、その他運輸7.7%、その他0.1%}、不動産3.5%(不動産事業0.6%、その他2.9%)、流通・広告5.4%(流通事業2.0%、広告事業0.9%、情報通信事業1.0%、その他1.5%)、その他0.1%。
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・1162万株を上限に従業員持ち株会に親引け販売する。
・海外販売予定株数(米144A適用):売り出し5810万株(配分比率20.0%)
・3、9月末の株主に対し、所有株式数に応じて全線きっぷ(片道1回限り)または全線定期乗車証を発行する。また、200株以上を所有する株主には関連施設やECサイトの各種優待券を発行する。
・既存株主には180日のロックアップが掛かる。
・連結配当性向は40%以上の分配を目指す。
〈ファーストインプレッション〉
かねてより上場が取りざたされていた案件がようやく承認にこぎ着けた。エグジット案件でも民営化の場合は売出人が政府ということもあり、売り出し価格をつり上げようとはしない信頼があるうえ、人口が流入し続ける都内を地盤とする安心感がある。労働者人口の減少やコロナ禍で進んだテレワークの普及による影響が懸念されるが、競合と比べ不動産事業の比率がまだ小さく成長余地を残すほか、増え続けるインバウンドの恩恵を受ける。今期の営業収益はコロナ前に比べ94%、経常利益は86%に回復する会社予想だ。上場前に優待制度も導入され、総選挙直前の上場にもなるだけに堅調なスタートが期待できよう。
・海外販売予定株数(米144A適用):売り出し5810万株(配分比率20.0%)
・3、9月末の株主に対し、所有株式数に応じて全線きっぷ(片道1回限り)または全線定期乗車証を発行する。また、200株以上を所有する株主には関連施設やECサイトの各種優待券を発行する。
・既存株主には180日のロックアップが掛かる。
・連結配当性向は40%以上の分配を目指す。
〈ファーストインプレッション〉
かねてより上場が取りざたされていた案件がようやく承認にこぎ着けた。エグジット案件でも民営化の場合は売出人が政府ということもあり、売り出し価格をつり上げようとはしない信頼があるうえ、人口が流入し続ける都内を地盤とする安心感がある。労働者人口の減少やコロナ禍で進んだテレワークの普及による影響が懸念されるが、競合と比べ不動産事業の比率がまだ小さく成長余地を残すほか、増え続けるインバウンドの恩恵を受ける。今期の営業収益はコロナ前に比べ94%、経常利益は86%に回復する会社予想だ。上場前に優待制度も導入され、総選挙直前の上場にもなるだけに堅調なスタートが期待できよう。
仮条件分析
(BB参加妙味
:B)
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想定価格: 1,100円
吸収資金レンジ: 3195.5億円 - 3195.5億円(今期予想連結PER: 12.2倍)
時価総額レンジ: 6391.0億円
仮条件: 1,100円 - 1,200円
吸収資金レンジ: 3195.5億円 - 3486.0億円(今期予想連結PER: 12.2倍 - 13.3倍)
時価総額レンジ: 6391.0億円 - 6972.0億円
仮条件は想定価格を下限に100円幅で設定された。上限価格は想定を9.09%上回る。
〈強材料〉
民営化案件、訪日客回復、業績堅調、優待あり、期末一括配当、総選挙前、人口流入地域
〈弱材料〉
超大型、労働人口減少、テレワーク普及、地方創生政権、遊休資産ほぼなし
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1300~1500円(実質PER:13.0~14.9倍、EV/EBITDA:11.3~12.0倍、修正PBR:0.99~1.14倍)を想定する。
割安感はさほどでもないが、配当利回りが高いうえに人口流入絶えない日本の中心部に特化した鉄道会社として安心感があり、民営化案件としての安心感もあって買いを集めるだろう。
特殊法人改革や東日本大震災の復興財源問題、都営との地下鉄一元化問題と政治に翻ろうされてきた民営化案件だが、小池都政が一元化取り下げの代わりに地下鉄延伸の毒まんじゅうを食べ、コロナも収束したことでついに日の目を見ることになった。
今期の業績はコロナ前にまだ届かないが、19.3期に比べると営業収益は94%、経常利益は86%をそれぞれ回復する会社予想だ。なお、純利益は最大約60億円の下押し圧力を受ける。労働基準監督署からの是正勧告に伴う清算金を特別損失として、最大86億円計上する。
地下鉄専業としては初の民営化上場となるが、特徴的なのは運輸収入9割と非鉄道事業の割合が圧倒的に少ないことだろう。これだけを見るとJR各社の前例を念頭に置いて「不動産開発に余地あり」と伸び代を期待したくなるところだが、そうは問屋が卸さない。BSに計上されている土地は1割を切る。
そもそも土地が買えない都市部に通すからこそ、膨大な工事費をかけてでも地下鉄なわけで、わずかに持つ土地は既に開発済みだ。構内の開発も一通り進んでいるといわれており、JR各社や日本郵政の民営化とは大きく異なる点だ。横穴を掘る手段もあろうが、都内の地下はむやみに掘るわけにはいかないうえに費用を回収するのは難しいだろう。
収益を増加させるに当たって多角化手段が取れない一方、日本の中心部に特化しているがゆえ乗降客は黙っていても業界トップであり、赤字ローカル線を抱えない。人口減少社会でも都市部は人口流入が続くうえ、訪日客増加の恩恵をダイレクトに受けるのも都市部だ。特に策がなくとも乗客は自然と増え続けている。
こうした状況下、仮条件は想定価格に上振れで設定された。特別損失の影響を除いた実質PERは11.0~12.0倍。予想PBRは0.91~0.99倍と1倍を切り、賃貸等不動産の含み益を足した修正値では0.84~0.92倍となる。配当利回りは3.64~3.33%、鉄道株の比較でよく用いられるEV/EBITDA倍率なら10.5~10.9倍だ。
関東私鉄株はPERなら10倍台前半で12倍台が多く、EV/EBITDAなら10~12倍程度、PBRは1倍前後のためメトロ株は若干割安なグループにとどまる一方、配当利回りは各社とも0.9~2.0%といったところで、かなりの優位性がある。
ただ私鉄各社の運輸収入はどこも3割以下と副業レベルにまで低下しており、収益構造は民営化つながりでもあるJR各社の方が近い。中でも新幹線頼みのJR東海が運輸収入8割と近いが、現状はリニア新幹線の費用負担が重しとなりバリュエーション指標はどれもディスカウント状態だ。メトロも南北線と有楽町線の延伸計画があるが、工事費の多くは公費でまかなわれる。
次に近いのは運輸7割のJR東日本だ。営業エリアもかぶるため最もベンチマークにふさわしいのではないか。ただPERは15倍前後と仮条件を上回る半面、EV/EBITDAは10倍とこちらの方が若干安い。PBRは1.11倍と高いが、賃貸等不動産の含み益を足した修正値では0.72倍と安い一方、配当利回りは業界標準的な1.8%弱とまちまちな状況だ。
バリュエーション比較はどっちつかずの仮条件だが、特に策がなくても乗客の増える構造に赤字路線のないポートフォリオを踏まえれば、セクター内では高めの評価が期待される。
個人に簡単には売らせない手だても万全だ。配当利回りが競合に比べ突出しているうえに優待制度も導入済みと、JR九州の時同様の措置が取られている。
バリュエーション面ではJR九州の時ほどの明確な割安感はないが、さまざまな策を打ったうえに政府に借金を帳消しにしてもらうことでようやく黒字化したローカル線と、大都会で余裕の黒字営業の優等生ではそもそも格が違う。
また、民営化案件のIPOは結局のところ一種のお祭りだ。同じ出口戦略でも政府が売り手ならファンドと違って無理に価格をつり上げようとしてくることはない合意があり、今回もその雰囲気だろう。
このため初動は問題なく買い越しで始まるとみる。成熟業態の超大型案件ゆえ上値追いの展開は想定しないが、初値は予想修正PBRが約1倍となる1300円からJR九州の初値を参考に、2割高程度かつ心理的節目となる1500円までで想定する。
吸収資金レンジ: 3195.5億円 - 3195.5億円(今期予想連結PER: 12.2倍)
時価総額レンジ: 6391.0億円
仮条件: 1,100円 - 1,200円
吸収資金レンジ: 3195.5億円 - 3486.0億円(今期予想連結PER: 12.2倍 - 13.3倍)
時価総額レンジ: 6391.0億円 - 6972.0億円
仮条件は想定価格を下限に100円幅で設定された。上限価格は想定を9.09%上回る。
〈強材料〉
民営化案件、訪日客回復、業績堅調、優待あり、期末一括配当、総選挙前、人口流入地域
〈弱材料〉
超大型、労働人口減少、テレワーク普及、地方創生政権、遊休資産ほぼなし
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1300~1500円(実質PER:13.0~14.9倍、EV/EBITDA:11.3~12.0倍、修正PBR:0.99~1.14倍)を想定する。
割安感はさほどでもないが、配当利回りが高いうえに人口流入絶えない日本の中心部に特化した鉄道会社として安心感があり、民営化案件としての安心感もあって買いを集めるだろう。
特殊法人改革や東日本大震災の復興財源問題、都営との地下鉄一元化問題と政治に翻ろうされてきた民営化案件だが、小池都政が一元化取り下げの代わりに地下鉄延伸の毒まんじゅうを食べ、コロナも収束したことでついに日の目を見ることになった。
今期の業績はコロナ前にまだ届かないが、19.3期に比べると営業収益は94%、経常利益は86%をそれぞれ回復する会社予想だ。なお、純利益は最大約60億円の下押し圧力を受ける。労働基準監督署からの是正勧告に伴う清算金を特別損失として、最大86億円計上する。
地下鉄専業としては初の民営化上場となるが、特徴的なのは運輸収入9割と非鉄道事業の割合が圧倒的に少ないことだろう。これだけを見るとJR各社の前例を念頭に置いて「不動産開発に余地あり」と伸び代を期待したくなるところだが、そうは問屋が卸さない。BSに計上されている土地は1割を切る。
そもそも土地が買えない都市部に通すからこそ、膨大な工事費をかけてでも地下鉄なわけで、わずかに持つ土地は既に開発済みだ。構内の開発も一通り進んでいるといわれており、JR各社や日本郵政の民営化とは大きく異なる点だ。横穴を掘る手段もあろうが、都内の地下はむやみに掘るわけにはいかないうえに費用を回収するのは難しいだろう。
収益を増加させるに当たって多角化手段が取れない一方、日本の中心部に特化しているがゆえ乗降客は黙っていても業界トップであり、赤字ローカル線を抱えない。人口減少社会でも都市部は人口流入が続くうえ、訪日客増加の恩恵をダイレクトに受けるのも都市部だ。特に策がなくとも乗客は自然と増え続けている。
こうした状況下、仮条件は想定価格に上振れで設定された。特別損失の影響を除いた実質PERは11.0~12.0倍。予想PBRは0.91~0.99倍と1倍を切り、賃貸等不動産の含み益を足した修正値では0.84~0.92倍となる。配当利回りは3.64~3.33%、鉄道株の比較でよく用いられるEV/EBITDA倍率なら10.5~10.9倍だ。
関東私鉄株はPERなら10倍台前半で12倍台が多く、EV/EBITDAなら10~12倍程度、PBRは1倍前後のためメトロ株は若干割安なグループにとどまる一方、配当利回りは各社とも0.9~2.0%といったところで、かなりの優位性がある。
ただ私鉄各社の運輸収入はどこも3割以下と副業レベルにまで低下しており、収益構造は民営化つながりでもあるJR各社の方が近い。中でも新幹線頼みのJR東海が運輸収入8割と近いが、現状はリニア新幹線の費用負担が重しとなりバリュエーション指標はどれもディスカウント状態だ。メトロも南北線と有楽町線の延伸計画があるが、工事費の多くは公費でまかなわれる。
次に近いのは運輸7割のJR東日本だ。営業エリアもかぶるため最もベンチマークにふさわしいのではないか。ただPERは15倍前後と仮条件を上回る半面、EV/EBITDAは10倍とこちらの方が若干安い。PBRは1.11倍と高いが、賃貸等不動産の含み益を足した修正値では0.72倍と安い一方、配当利回りは業界標準的な1.8%弱とまちまちな状況だ。
バリュエーション比較はどっちつかずの仮条件だが、特に策がなくても乗客の増える構造に赤字路線のないポートフォリオを踏まえれば、セクター内では高めの評価が期待される。
個人に簡単には売らせない手だても万全だ。配当利回りが競合に比べ突出しているうえに優待制度も導入済みと、JR九州の時同様の措置が取られている。
バリュエーション面ではJR九州の時ほどの明確な割安感はないが、さまざまな策を打ったうえに政府に借金を帳消しにしてもらうことでようやく黒字化したローカル線と、大都会で余裕の黒字営業の優等生ではそもそも格が違う。
また、民営化案件のIPOは結局のところ一種のお祭りだ。同じ出口戦略でも政府が売り手ならファンドと違って無理に価格をつり上げようとしてくることはない合意があり、今回もその雰囲気だろう。
このため初動は問題なく買い越しで始まるとみる。成熟業態の超大型案件ゆえ上値追いの展開は想定しないが、初値は予想修正PBRが約1倍となる1300円からJR九州の初値を参考に、2割高程度かつ心理的節目となる1500円までで想定する。
公開価格分析
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公開価格: 1,200円
吸収資金: 3,486.0億円(今期予想連結PER: 13.3倍)
時価総額: 6,972.0億円
公開価格は上限で決まった。引受手数料率は1.64%(国内1.68%)の観測。訂正目論見書によればブックビルディングは、(1)申告された総需要株式数は売り出し株式数を十分に上回る状況だったこと、(2)総需要件数が多数にわたっていたこと、(3)需要の相当数が仮条件の上限価格であったこと――の3点が特徴だった。
想定初値を1500円前後に引き上げる。初日から海外需要が埋まり、国内分も10日までにはカバーされたとの観測も飛び交う盛り上がりようで、ロイター報道によるとブックビルディングの倍率は全体で15倍超、国内機関投資家分が20倍以上、割り当てが2割の海外分は30倍を超えたという。企業としては東京ローカルだが、盛り上がりは世界的だ。バリュエーションの割安感はそれほど強いわけではないものの、鉄道株としては異例のメガバン株並みに高い配当利回りが好感されているもようだ。
ただ高い配当性向は他の鉄道会社と違い、不動産や流通事業への投資余地が少ないことの裏返しでもある。2030年代に向けての延伸計画はあるものの、そのほかで現在計画されている設備投資はホームドア設置や駅改良、渋谷駅移設などと安全や混雑緩和のためのものだ。増収に直接つながるものではなく、株主側から見ればむしろ負担増でしかない。
当日は定期乗車証目当てに1万株にしたい沿線個人の買い増しに加え、需給のより逼迫している海外勢の買いが期待されるが、早くも観測された需要倍率は決して他の大型案件に比べ高いわけでもなかった。また、訂正目論見書に記載されたブックビル特徴の3番目は大和証券が主幹事のときの定型句だが、今回大和は幹事には就いているものの、共同主幹事は野村をはじめとする「上限価格に集中」を定型句にする証券会社ばかりだ。野村らが「相当数が上限価格」と「上限価格に集中」を使い分けているとすると、後者の方が弱い状況もしくは含みを持たせた状況を指していると読み取れる。
さらに配当利回りについては1400円台後半になると、安定配当の目安としてベンチマークにできそうな信金中金を下回り始める。節目の1500円を目指しつつ結果的にいきおい余っても、大きく超える展開にはなりにくいだろう。
吸収資金: 3,486.0億円(今期予想連結PER: 13.3倍)
時価総額: 6,972.0億円
公開価格は上限で決まった。引受手数料率は1.64%(国内1.68%)の観測。訂正目論見書によればブックビルディングは、(1)申告された総需要株式数は売り出し株式数を十分に上回る状況だったこと、(2)総需要件数が多数にわたっていたこと、(3)需要の相当数が仮条件の上限価格であったこと――の3点が特徴だった。
想定初値を1500円前後に引き上げる。初日から海外需要が埋まり、国内分も10日までにはカバーされたとの観測も飛び交う盛り上がりようで、ロイター報道によるとブックビルディングの倍率は全体で15倍超、国内機関投資家分が20倍以上、割り当てが2割の海外分は30倍を超えたという。企業としては東京ローカルだが、盛り上がりは世界的だ。バリュエーションの割安感はそれほど強いわけではないものの、鉄道株としては異例のメガバン株並みに高い配当利回りが好感されているもようだ。
ただ高い配当性向は他の鉄道会社と違い、不動産や流通事業への投資余地が少ないことの裏返しでもある。2030年代に向けての延伸計画はあるものの、そのほかで現在計画されている設備投資はホームドア設置や駅改良、渋谷駅移設などと安全や混雑緩和のためのものだ。増収に直接つながるものではなく、株主側から見ればむしろ負担増でしかない。
当日は定期乗車証目当てに1万株にしたい沿線個人の買い増しに加え、需給のより逼迫している海外勢の買いが期待されるが、早くも観測された需要倍率は決して他の大型案件に比べ高いわけでもなかった。また、訂正目論見書に記載されたブックビル特徴の3番目は大和証券が主幹事のときの定型句だが、今回大和は幹事には就いているものの、共同主幹事は野村をはじめとする「上限価格に集中」を定型句にする証券会社ばかりだ。野村らが「相当数が上限価格」と「上限価格に集中」を使い分けているとすると、後者の方が弱い状況もしくは含みを持たせた状況を指していると読み取れる。
さらに配当利回りについては1400円台後半になると、安定配当の目安としてベンチマークにできそうな信金中金を下回り始める。節目の1500円を目指しつつ結果的にいきおい余っても、大きく超える展開にはなりにくいだろう。
初値予想
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初値予想: 1,550円(今期予想連結PER: 17.2倍)
初値買い妙味: B
初値堅調を予想する。東京ローカルの案件ながら、人口流入に加えインバウンドの恩恵も強く受ける首都中心部の事業者でもあることから、大物民営化案件として世界的に注目が集まる。鉄道業者としては断トツの配当利回りにも注目が集まっており、巨額案件ながらも順調に買い進まれるとみる。
東京都区部を中心に計9路線からなる地下鉄ネットワークを保有運営する。東日本大震災の復興財源として上場が決まっていたが、石原・都政下では都営地下鉄との一元化問題、小池都政下ではコロナ禍により長らく見合わせていた。このほどのコロナ収束により業績は回復。一元化問題についても南北線と有楽町線の延伸と引き換えに棚上げすることで、ようやく実現することになった。
特徴は主に地上を走る関東私鉄各社に比べ、運輸収入の比率が9割と抜群に高い点だ。鉄道業者は古くから不動産事業や流通事業など周辺事業の収益多角化が進み(西武は不動産から鉄道に逆進出)、今や運輸収入はどこも3割以下だが、そもそも地下鉄は土地を買収できない場所に多額の工事費と引き換えに通すからこその地下鉄であり、不動産をほとんど保有していない。
スペースがなければ流通事業も広げにくく、結果、本業頼みの収益構造となっている。わずかに持つ不動産に関しても既に開発済みであり、民営化案件にありがちな遊休不動産だらけということではない。新たに土地を購入するとしても競争条件は一般の不動産業者と変わらず、鉄道業者としてのアドバンテージはない。配当性向は40%以上を目標としており、他の鉄道業者に比べてかなり高いが、これは投資先が少ない裏返しでもある。
公開価格のバリュエーションは、特別損失の影響を除いた実質PERで12倍、鉄道株の比較でよく用いられるEV/EBITDA倍率なら10.9倍だ。PBRは予想ベースで1倍、賃貸等不動産の含み益を入れた修正値では0.92倍となる。
関東私鉄株はPERもEV/EBITDAも10倍台前半に多く集まっており、公開価格は妥当な一方、割安感がさほどあるわけではない。運輸収入への依存度が高いということでは同じく民営化つながりとなるJR各社の方が収益構造は近く、地域も重なるJR東日本との比較ではPERは割安だが、EV/EBITDA倍率ではやや割高というまちまちな状況だ。
一方、今回はバリュエーション以上に鉄道株としては3.33%と抜群に高い配当利回りがかなり好感されているもよう。鉄道株IPOの前例にならい、優待制度もあらかじめ導入されている。そもそも人口流入とインバウンドで自然と乗客は増える環境にあり、投資余地の少なさを補うには十分だ。赤字路線を抱える都営との統合も避けられた。
この点に着目し、仮に配当利回りがプライムの市場平均並みに下がる水準まで買われるとすると、1650円程度が浮上する。EV/EBITDA倍率は鉄道株としてはやや高めだが、PERはJR東日本並みと、バリュエーション的にも一応説明の付く範囲内には収まる。
ただ心理的節目としてめどにされやすいのは1500円か。1650円は巨大な公開規模と今の地合いを勘案すると需給的に厳しい。それでも倍率の高かった海外勢や定期乗車証狙いの沿線個人の買い増しに期待し、初値はこの節目を上振れさせた1550円で予想する。
初値買い妙味: B
初値堅調を予想する。東京ローカルの案件ながら、人口流入に加えインバウンドの恩恵も強く受ける首都中心部の事業者でもあることから、大物民営化案件として世界的に注目が集まる。鉄道業者としては断トツの配当利回りにも注目が集まっており、巨額案件ながらも順調に買い進まれるとみる。
東京都区部を中心に計9路線からなる地下鉄ネットワークを保有運営する。東日本大震災の復興財源として上場が決まっていたが、石原・都政下では都営地下鉄との一元化問題、小池都政下ではコロナ禍により長らく見合わせていた。このほどのコロナ収束により業績は回復。一元化問題についても南北線と有楽町線の延伸と引き換えに棚上げすることで、ようやく実現することになった。
特徴は主に地上を走る関東私鉄各社に比べ、運輸収入の比率が9割と抜群に高い点だ。鉄道業者は古くから不動産事業や流通事業など周辺事業の収益多角化が進み(西武は不動産から鉄道に逆進出)、今や運輸収入はどこも3割以下だが、そもそも地下鉄は土地を買収できない場所に多額の工事費と引き換えに通すからこその地下鉄であり、不動産をほとんど保有していない。
スペースがなければ流通事業も広げにくく、結果、本業頼みの収益構造となっている。わずかに持つ不動産に関しても既に開発済みであり、民営化案件にありがちな遊休不動産だらけということではない。新たに土地を購入するとしても競争条件は一般の不動産業者と変わらず、鉄道業者としてのアドバンテージはない。配当性向は40%以上を目標としており、他の鉄道業者に比べてかなり高いが、これは投資先が少ない裏返しでもある。
公開価格のバリュエーションは、特別損失の影響を除いた実質PERで12倍、鉄道株の比較でよく用いられるEV/EBITDA倍率なら10.9倍だ。PBRは予想ベースで1倍、賃貸等不動産の含み益を入れた修正値では0.92倍となる。
関東私鉄株はPERもEV/EBITDAも10倍台前半に多く集まっており、公開価格は妥当な一方、割安感がさほどあるわけではない。運輸収入への依存度が高いということでは同じく民営化つながりとなるJR各社の方が収益構造は近く、地域も重なるJR東日本との比較ではPERは割安だが、EV/EBITDA倍率ではやや割高というまちまちな状況だ。
一方、今回はバリュエーション以上に鉄道株としては3.33%と抜群に高い配当利回りがかなり好感されているもよう。鉄道株IPOの前例にならい、優待制度もあらかじめ導入されている。そもそも人口流入とインバウンドで自然と乗客は増える環境にあり、投資余地の少なさを補うには十分だ。赤字路線を抱える都営との統合も避けられた。
この点に着目し、仮に配当利回りがプライムの市場平均並みに下がる水準まで買われるとすると、1650円程度が浮上する。EV/EBITDA倍率は鉄道株としてはやや高めだが、PERはJR東日本並みと、バリュエーション的にも一応説明の付く範囲内には収まる。
ただ心理的節目としてめどにされやすいのは1500円か。1650円は巨大な公開規模と今の地合いを勘案すると需給的に厳しい。それでも倍率の高かった海外勢や定期乗車証狙いの沿線個人の買い増しに期待し、初値はこの節目を上振れさせた1550円で予想する。
初値分析
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初値: 1,630円(今期予想連結PER: 18.1倍)
/ 上昇率: 35.8%
/ 高値: 1,768円
/ 安値: 1,621円
/ 終値: 1,739円
出来高: 173,716,800株 / 対公開株数: 59.8% / 初値出来高: 48,834,200株 / 初値売買代金: 79,599,746,000円
堅調な初値が付いた。昨夜に22日のグレーマーケットの気配が1400~1500円だったとの観測があったが、寄り前気配はさらに強い1600円前後で推移。初値はそこから少し上振れし、22日のプライム市場の平均配当利回り(2.45%)にちょうど当たる価格となった。特別損失の影響を除いた実質PERはJR東日本(16.2倍)に並んだ。
寄り付き後も一段高となったが、1700円台に入ってからは一服した。配当利回りがプライム市場の加重平均利回り(2.34%)に並ぶ価格が1709円であり、ザラ場ではこちらの平均が優先して意識されたもようだ。時価総額は1兆円の大台に乗せた。相場全体が軟調に推移したこともあり、売買代金ランキングはトップだった。
コロナ禍では鉄道会社の例に漏れず赤字に陥ったが、平時なら赤字路線のない安定した収益が見込めることを背景に、予想以上にバリュエーションよりも配当利回りを意識する展開だった。
しばらくはもみ合いの展開か。利回り面に着目した水準訂正は終了。バリュエーション面では既に買えない水準となっており、当面の上値余地は乏しい。いったんだれる展開に備えたいところだが、終値が公開価格を上回ったことでFTSEグローバル株式指数への早期採用※が確実となった。パッシブ運用の実需は少ないマイナー指数だが、当面はこの材料が下支えになろう。
その後は来月7日には中間決算発表、来月末にはTOPIX採用が控える。また、1カ月経過後からは証券各社のカバレッジ開始が発生しやすい。既に株価はバリュエーションでは買えない水準になっており、さらに強気な目標株価は期待しづらいが、中間決算を踏まえ業績予想が会社予想より上振れするかどうかには注目しておきたい。
※FTSEグローバル株式指数シリーズへのファストエントリー(早期採用)は見送られました。今回は海外配分のみを対象とした流通時価総額が基準に満たなかったとのことです。詳しくは下記の追加情報をご覧下さい。
出来高: 173,716,800株 / 対公開株数: 59.8% / 初値出来高: 48,834,200株 / 初値売買代金: 79,599,746,000円
堅調な初値が付いた。昨夜に22日のグレーマーケットの気配が1400~1500円だったとの観測があったが、寄り前気配はさらに強い1600円前後で推移。初値はそこから少し上振れし、22日のプライム市場の平均配当利回り(2.45%)にちょうど当たる価格となった。特別損失の影響を除いた実質PERはJR東日本(16.2倍)に並んだ。
寄り付き後も一段高となったが、1700円台に入ってからは一服した。配当利回りがプライム市場の加重平均利回り(2.34%)に並ぶ価格が1709円であり、ザラ場ではこちらの平均が優先して意識されたもようだ。時価総額は1兆円の大台に乗せた。相場全体が軟調に推移したこともあり、売買代金ランキングはトップだった。
コロナ禍では鉄道会社の例に漏れず赤字に陥ったが、平時なら赤字路線のない安定した収益が見込めることを背景に、予想以上にバリュエーションよりも配当利回りを意識する展開だった。
しばらくはもみ合いの展開か。利回り面に着目した水準訂正は終了。バリュエーション面では既に買えない水準となっており、当面の上値余地は乏しい。いったんだれる展開に備えたいところだが、終値が公開価格を上回ったことでFTSEグローバル株式指数への早期採用※が確実となった。パッシブ運用の実需は少ないマイナー指数だが、当面はこの材料が下支えになろう。
その後は来月7日には中間決算発表、来月末にはTOPIX採用が控える。また、1カ月経過後からは証券各社のカバレッジ開始が発生しやすい。既に株価はバリュエーションでは買えない水準になっており、さらに強気な目標株価は期待しづらいが、中間決算を踏まえ業績予想が会社予想より上振れするかどうかには注目しておきたい。
※FTSEグローバル株式指数シリーズへのファストエントリー(早期採用)は見送られました。今回は海外配分のみを対象とした流通時価総額が基準に満たなかったとのことです。詳しくは下記の追加情報をご覧下さい。
追加情報
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10/17 FTSE世界株指数早期組み入れについて初日に確認
FTSEラッセルは東京地下鉄のIPOに関連し、上場初日の終値に基づきFTSEグローバル株式指数シリーズへのファストエントリー(早期組み入れ)基準が満たされているかどうかを確認する。基準が満たされた場合、5営業日目となる29日の大引け後に組み入れる。
FTSEジャパンのファストエントリー基準は現在、36億1255万米ドル(完全時価総額)および12億0418万米ドル(流通時価総額)とされる。東京メトロが基準を満たした場合、FTSEラッセルは23日に指数組み入れを確認するための追加通知を出す。
10/24 東京メトロ、FTSE世界株指数の早期差採用は基準満たず
英FTSEインターナショナル(FTSE Russell)は23日、東京地下鉄がFTSEグローバル株式指数シリーズへのファストエントリー(早期採用)の流通時価総額基準を満たさなかったと発表した。指数への組み入れは見送られ、次の四半期レビューで再評価する。
10日に発表していた事前通知では、流通時価総額の早期採用基準は現在12億0418万米ドルだとしていた。今回の場合、流通株式は公開株数とほぼ同義となるため終値では1ドル152円換算なら33億2354.9万ドルとなる。
ただし、ここでの同時価総額の定義は国内個人投資家のみが利用できる株式は除外されるとのことだ。国内個人と国内機関投資家に割り当てられた売り出し株数の内訳は(公式には)確認されていないため、今回は海外投資家に割り当てられた売り出し株のみに基づくとしている。この定義では2割分しか認識されず、6億6470.9万ドルとなり基準を大幅に下回る。
FTSEラッセルは東京地下鉄のIPOに関連し、上場初日の終値に基づきFTSEグローバル株式指数シリーズへのファストエントリー(早期組み入れ)基準が満たされているかどうかを確認する。基準が満たされた場合、5営業日目となる29日の大引け後に組み入れる。
FTSEジャパンのファストエントリー基準は現在、36億1255万米ドル(完全時価総額)および12億0418万米ドル(流通時価総額)とされる。東京メトロが基準を満たした場合、FTSEラッセルは23日に指数組み入れを確認するための追加通知を出す。
10/24 東京メトロ、FTSE世界株指数の早期差採用は基準満たず
英FTSEインターナショナル(FTSE Russell)は23日、東京地下鉄がFTSEグローバル株式指数シリーズへのファストエントリー(早期採用)の流通時価総額基準を満たさなかったと発表した。指数への組み入れは見送られ、次の四半期レビューで再評価する。
10日に発表していた事前通知では、流通時価総額の早期採用基準は現在12億0418万米ドルだとしていた。今回の場合、流通株式は公開株数とほぼ同義となるため終値では1ドル152円換算なら33億2354.9万ドルとなる。
ただし、ここでの同時価総額の定義は国内個人投資家のみが利用できる株式は除外されるとのことだ。国内個人と国内機関投資家に割り当てられた売り出し株数の内訳は(公式には)確認されていないため、今回は海外投資家に割り当てられた売り出し株のみに基づくとしている。この定義では2割分しか認識されず、6億6470.9万ドルとなり基準を大幅に下回る。