IPO銘柄詳細

ビーウィズ

コード 市場 業種 売買単位 注目度
9216 東証1部 サービス業 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2022/02/09
ブックビルディング期間 2022/02/14 - 02/18
公開価格決定 2022/02/21
申込期間 2022/02/22 - 02/28
払込期日 2022/03/01
上場日 2022/03/02
価格情報
想定価格 1,920円
仮条件 1,400 - 1,700円
公開価格 1,400円
初値予想 1,350円
初値 1,320円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 森本 宏一(上場時56歳7カ月)/1965年生
本店所在地 東京都新宿区西新宿
設立年 2000年
従業員数 621人 (2021/11/30現在)(平均38.7歳、年収496.1万円)、連結628人
事業内容 自社開発のクラウド型PBX(構内交換機)「OmniaLINK」などのデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPO(業務外部委託)サービスの提供、および各種AI(人工知能)・DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションの開発・販売
URL https://www.bewith.net/
株主数 1人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2022/01/21現在)
上場時発行済株数 13,700,000株(別に潜在株式1,090,000株)
公開株数 6,095,000株(公募900,000株、売り出し4,400,000株、オーバーアロットメント795,000株)
調達資金使途 設備資金、運転資金
連結会社 1社
シンジケート
公開株数5,300,000株(別に795,000株)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 みずほ 4,505,000 85.00%
引受証券 大和 265,000 5.00%
引受証券 野村 212,000 4.00%
引受証券 SMBC日興 212,000 4.00%
引受証券 SBI 53,000 1.00%
引受証券 楽天 53,000 1.00%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
(株)パソナグループ 親会社 12,800,000 92.15%
森本宏一 代表取締役社長 200,000 1.44%
飯島健二 取締役副社長執行役員 160,000 1.15%
田部井健一 子会社の取締役 25,400 0.18%
野田いづみ 執行役員CHO 25,400 0.18%
伊東雅彦 執行役員D.COO 25,400 0.18%
北島洋美 執行役員CQO 25,400 0.18%
香川敏雄 執行役員CIO 25,400 0.18%
酒井匡 執行役員D.COO 25,400 0.18%
竹川信之 執行役員D.COO 25,400 0.18%
八木哲 執行役員CFO 25,400 0.18%
杉村元 執行役員CAO 25,400 0.18%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2022/05 連結中間実績 15,790 1,280 1,298 848
2022/05 連結予想 32,473 2,560 2,545 1,673
2021/05 連結実績 28,845 2,131 2,167 1,655
2020/05 連結実績 24,900 1,381 1,449 928
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2022/05 連結予想 128.49 472.78 42.76
参考類似企業
銘柄 今期予想PER(2/9)
パソナG
11.4倍 (連結予想)
エスプール
36.6倍 (連結予想)
テクマトリックス
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コラボス
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事業詳細
 パソナグループのコンタクトセンター子会社。主にコンタクトセンター・BPO(業務外部委託)サービスを提供しているほか、AI・DX(人工知能・デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを開発・販売している。クラウド型PBX(構内交換機)やAIを活用したクラウド型コンタクトセンターシステム「オムニアリンク」を自社開発しており、コンタクトセンターなどの業務委託契約のない企業にも販売している。

 2000年5月の設立当初は三菱商事と現ソフトバンクグループの合弁事業だった。その後06年12月にSBGが撤退。12年5月にパソナGが資本参加し、15年12月に完全子会社化した。16年12月にコールセンターシステム開発のアイブリット社を子会社化(20年11月完全子会社化)したことを機に、CTI(コンピューター電話統合)システムを内製化した。上場に伴いパソナGの持ち分は3分の2未満に低下するが、過半数以上は引き続き保有し、親子関係は維持される。

 2021年5月期の連結売上高構成比はコンタクトセンター・BPO事業100%。
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・9万2000株を上限に従業員持ち株会に親引け販売する。
・既存株主(親会社)には360日のロックアップが掛かる。
・新株予約権が行使できるのは早くても上場経過後からである。
・ベンチャーキャピタルの持ち株はなし。
・公募売り出し後の親会社の持ち分は61.3%になる見込み。

〈ファーストインプレッション〉
 人材派遣とコールセンターといった違いはあるものの、両事業は極めて近い。最近ではこの規模で海外募集をしないのは珍しいが、親子上場の理解は得られないと踏んでのことなのか。また、株安で競合のPERは10倍前後に下がっており、想定価格は割高感が出てしまっている。仮条件設定時にどれだけ値下げできるか次第だが、特に新味はなく普段から公開価格割れの多い業態ゆえ、見送るのが無難か。
仮条件分析 (BB参加妙味 :C)
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想定価格: 1,920円
 吸収資金レンジ: 101.8億円 - 117.0億円(今期予想連結PER: 14.9倍)
 時価総額レンジ: 263.0億円

仮条件: 1,400円 - 1,700円
 吸収資金レンジ: 74.2億円 - 103.6億円(今期予想連結PER: 10.9倍 - 13.2倍)
 時価総額レンジ: 191.8億円 - 232.9億円

 仮条件は想定価格を27.08~11.46%下回る300円幅に設定された。

〈強材料〉
1部直接上場、システム開発内製化、2桁成長、仮条件大幅下振れ

〈弱材料〉
不人気業態、親子上場、地合い悪化

〈結論〉
 Cとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は公開価格前後を想定する。
 システム開発を内製化していることを武器に成長するが、コンタクトセンター(CC)業態は人気付く業態ではない。今回は出口案件ではないが、親子上場の解消が相次ぐなかでの親子上場だ。公開規模100億円は一部直接上場としては決して重くはないが、手控えムードが広がる今の状況では消化不良が懸念される。

 2016年12月にコールセンターシステム開発のアイブリット社を子会社化(20年11月完全子会社化)したことを機に、システムを内製化していることが最大の特徴だ。国内の多くの業者は米アバイア社製のオンプレミス型システムを採用するが、同社では独自に「オムニアリンク」を開発。クラウド化により大きくコストを削減する一方、CCに必要な各種機能も標準で網羅する。場所を選ばないため在宅勤務にもいち早く対応した。
 クラウド型では国内にはコラボスがいるが、アバイア製ソフトを補完するものに過ぎず、機能もオムニアリンクには及ばない。外販価格はアバイア製に比べて3分の1ほどで供給できるという。

 CC・BPO市場は付加価値業務集中によるアウトソーシング需要の高まりに加え、非対面化などのニーズにより成長する。そうしたなか、同社の業績は2桁増収が継続しており、近年はオムニアリンクへの置き換えに合わせて利益率も改善する傾向だ。今期も13%増収が見込まれるなか、営業利益は前期比20%増の25.6億円を同社では予想している。オンプレミス型を望む顧客との関係上、完全な置き換えはできていないとのことだが、新規顧客は原則オムニアリンクを使う方針だ。
 また、オムニアリンクの外販は現在2億円程度にとどまるが、数年のうちに10倍にしたい考えだ。自社用に開発したものを外販するため利益率は高く、プロダクトミックスの改善にもつながろう。

 業界優位の成長率を誇る同社だが、仮条件は想定価格から下振れし、希薄化後PERが12~15倍となる価格帯で設定された。CC業界は大手3社が10倍付近で低迷する一方、中堅のプレステージとDmミックスは20倍台で推移する。大手と中堅で評価が割れているのは成長性の違いが反映されているためとみられる。つまり仮条件は下限は成熟した大手を意識するも、上限は成長性が一定程度織り込まれた形だ。2桁増収が続く同社なら、20倍程度で評価されてもおかしくはない。

 ただし、コンタクトセンター含むBPO業界のIPO人気は薄い。これまでの大型案件とは異なり、ファンドの出口案件でないことは救いだが、親子上場解消が相次ぐなかでの親子上場は理解を得にくいのではないか。親会社が出したリリースを読んでも上場の目的は今ひとつはっきりせず、将来的に親子関係を解消する気も見られない。派遣人材で事業を展開する業態である以上、今後もグループ会社からの人材調達を強要されるリスクは当然あろう。ビーウィズの社内取締役は全てパソナグループの出身だ。

 また、公開規模100億円強は一部直接上場の案件としては決して大きいわけではないが、今のように手出しづらくなった相場環境では消化不良が懸念される。増収率もDMミックスほどいいわけではないことを踏まえると、当面は公開価格前後の評価にとどまるのではないか。
公開価格分析
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公開価格: 1,400円
 吸収資金: 85.3億円(今期予想連結PER: 10.9倍)
 時価総額: 191.8億円

 公開価格は仮条件下限で決まった半面、追加売り出しと社員持ち株会への親引けは上限で決まった。引受価額は1316円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は(1)申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、(2)総需要件数は多数にわたっていた一方、(3)中長期的な見通しに基づき投資判断を行っている機関投資家から下限価格を指定する需要があったこと――が特徴だった。どの価格に需要が集中していたかの記述はない。

 価格が上限で決まらなかったことを踏まえ、想定初値は1316~1400円に引き下げる。下限価格の値決めにより時価総額は直接一部上場でありながら200億円を切ることになった。
 現在、直接一部に上場するには「時価総額250億円」を満たす必要がある。従来は公開価格で判定していたが、昨年から承認時の想定価格で判定するルールに変更された。つまり主幹事の言い値の段階で判定しているわけだが、実際に買い手がいることを確認して決定された公開価格でクリアできなかったのは今回が初めて。住信SBIは時価総額3000億円と余裕があるため、今の市場区分では最初で最後の事例となろう。
 とはいえ一部上場することにより、4月以降はプライムに区分されることも変わらない。4月以降にプライムに直接上場するには、流通株式だけで時価総額100億円をクリアする必要がある。同社にとっては公開規模とほぼ同義だが、それも85億円にとどまる。いくら言い値でいいといっても、上場延期となれば次の機会では想定価格の段階から下げる必要もあるだろうからプライムに上場できる可能性低くなる。このためせっかく得た直一の権利をみすみす手放す選択肢はないことになる。多少の無理をしてでも、上場を強行するのが得策ということになる。

 一方、下限決定なら希薄化後PERは成熟した大手並みの評価であり、成長速度やクラウド化によるコスト競争力の差は織り込まれていない状態となる。下げ相場のなかで市場は同社のアドバンテージを一切認めなかったということだが、ファンダメンタルズの面からさらに売り込む理由は今のところ乏しい。
 だが下限決定により、短期的な警戒感は強まることになる。直一の公開規模85億円も今の地合いでは決して軽くはないだろう。初動は売りが先行しやすくなった。一方、下限決定で短期筋は事前に振り落とされやすくなった。グロース株のように評価が変わりやすいということでもないため、引受価額までには付きやすくなったと考える。
初値予想
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初値予想: 1,350円(今期予想連結PER: 10.5倍)
初値買い妙味: B

 小安い初値を予想する。公開価格が仮条件下限で決まり買い意欲がわきにくいうえ、コンタクトセンター株は公開価格割れの多い人気薄の業態だ。半面、直接一部上場としては規模は小さく、PERは成熟した既存大手と同水準。大手を上回る成長力を見せるだけに、さらに売り込む必要性は乏しい。売り先行は避けられそうにないが、シンジケートカバーが入る前に値は付くものと考える。

 パソナグループのコンタクトセンター子会社。特徴はシステムを内製化していることで、従来のオンプレミス型に比べコストの安いクラウド化を選択していることでコスト競争力を高めている。クラウド化により在宅コンタクトセンターにもいち早く対応した。システムは自社で使うために開発したが、外販も行っている。広く普及する米国製のオンプレミス型に比べ、3分の1の価格で提供できるという。

 コスト競争力を武器に既存大手を上回るペースで成長しており、今期も前期比13%増収と20%の営業増益(25.6億円)を同社では予想している。だが、公開価格は仮条件の下限で決まり、PERは成熟した大手並みしか認められなかった。業界では成長ペースの速いDmミックスやプレステージのPERが20倍台で推移する一方、成熟感の強い大手は12倍前後にとどまる。ブックビルディングでは中長期的な見通しに基づき投資判断を行っている機関投資家から、この価格を指定する需要があったという。

 下限での値決めになったことで、短期的な値上がり期待はそぎ落とされた状態にある。さらには想定価格から大幅に下振れしたことにより、時価総額は直接一部上場の基準250億円を2割強も下回る。また、親子上場の同社は公開株式が流通株式とほぼ同義であり、プライム移行後の上場維持基準「流通株式時価総額100億円」も下回る。従来なら一部上場はかなわなかったはずだが、昨年より東証は直一の時価総額判定を公開価格から想定価格に変更しており、実際に買い手の付く価格で下回っても取り消されはしない。

 一方、バリュエーションの観点ではさらに売り込む理由は乏しい。また、ルールの抜け穴を利用した形になったとはいえ一部には違いない。4月以降もすぐにスタンダードに降格する恐れがあるわけでもなく、業績成長により猶予期間中に維持基準を満たせる期待もあろう。TOPIXは下に行って来いになったため公開価格の決定日とさほど水準は変わらないが、モメンタムが下に向いていた時とは雰囲気は正反対だ。ブックビルディングの倍率は報道機関に伝えられないほどひどかったようだが、実施期間中は株式相場が上場日までにどこまで下がるかが見通しづらかった。

 とはいえ、現実には最初から上場廃止リスクのある株式を積極的に買う機関投資家は限られるだろうし、下限決定により個人は公開価格を信頼していない。売り先行は避けられないだろう。だが、結果的には公開規模も縮小したことで、シンジケートカバーが入る前には値が付くものと考える。
初値分析
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初値: 1,320円(今期予想連結PER: 10.3倍) / 上昇率: -5.7% / 高値: 1,397円 / 安値: 1,298円 / 終値: 1,320円
出来高: 2,024,700株 / 対公開株数: 33.2% / 初値出来高: 450,100株 / 初値売買代金: 594,132,000円

 小安い初値が付いた。公開価格が下限決定したとあって買い手は少なかった。当初より期待薄だったため売り手も絞られたが、売り越しスタートは避けられなかった。ただ売りが絞られたことで、シンジケートカバーが入る前には自力で売り買いが一致した。

 寄り付き後もさえない展開は続いた。いったん引受価額を下回った後に自律反発したが、公開価格を目前に戻り売りを警戒して失速。行って来いとなりその後はもみ合いで推移した。

 しばらくは様子見姿勢が続きそうだ。引受価額以下ではシンジケートカバーが下値を支えたとみられるが、再びリスク回避の姿勢が強まるなかで積極的な買いは控えられている。水準訂正には上場後も大手を上回る成長性があることを実績で示す必要がありそうだ。一方、シンジケートカバー取引期間は3月30日まであり、終了と同時にTOPIX入りする日程だ。市場再編後もTOPIXは継続的に算出される。当面はテクニカル的な買いが下値を支えることになろう。
IPO更新情報
IPOニュース
マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.97 -0.46
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