IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
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2931 | マザーズ | 100株 | A |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2012/12/04 |
ブックビルディング期間 | 2012/12/05 - 12/11 |
公開価格決定 | 2012/12/12 |
申込期間 | 2012/12/13 - 12/17 |
払込期日 | 2012/12/19 |
上場日 | 2012/12/20 |
価格情報 | |
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想定価格 | 1,580円 |
仮条件 | 1,580 - 1,700円 |
公開価格 | 1,700円 |
初値予想 | 3,400円 |
初値 | 3,900円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 出雲 充/1980年生 |
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本店所在地 | 東京都文京区 |
設立年 | 2005年 |
従業員数 | 38人 (2012/10/31現在) |
事業内容 | 微細藻ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を活用した機能性食品の製造・販売、バイオ燃料・環境技術の研究開発など |
URL | http://www.euglena.jp/ |
株主数 | 69人 (目論見書より、潜在株式のみの株主も含む) |
資本金 | 460,650,000円 (2012/09/30現在) |
上場時発行済株数 | 2,655,500株(別に潜在株式326,700株) |
公開株数 | 630,500株(公募500,000株、売り出し50,500株、オーバーアロットメント80,000株) |
調達資金使途 | 研究機器類などの増強、飲食店舗内装設備、顧客管理ソフトの購入、広告宣伝費、研究開発費 |
連結会社 | 関連会社1社 |
シンジケート
公開株数550,500株(別に80,000株)
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
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主幹事証券 | SMBC日興 | 462,400 | 84.00% |
引受証券 | SBI | 55,100 | 10.01% |
引受証券 | みずほインベスターズ | 11,000 | 2.00% |
引受証券 | 藍沢 | 11,000 | 2.00% |
引受証券 | 香川 | 5,500 | 1.00% |
引受証券 | マネックス | 5,500 | 1.00% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
出雲 充 | 代表取締役社長 | 640,200 | 25.79% |
ジャパン・スプレッド・パートナーズIII | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 405,000 | 16.32% |
アイビス環境第一号 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 240,000 | 9.67% |
インスパイア・テクノロジー・イノベーション・ファンド | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 210,000 | 8.46% |
インスパイア | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 165,000 | 6.65% |
東京センチュリーリース | 特別利害関係者等 | 90,000 | 3.63% |
鈴木 健吾 | 取締役 | 69,000 | 2.78% |
JX日鉱日石エネルギー | 特別利害関係者等 | 60,000 | 2.42% |
アイザワ・ベンチャー1号 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 45,000 | 1.81% |
アイビス新エネルギー | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 45,000 | 1.81% |
CVC1号 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 45,000 | 1.81% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2013/09 | 単独予想 | 2,291 | 352 | 409 | 254 |
2012/09 | 単独見込 | 1,585 | 307 | 325 | 197 |
2011/09 | 単独実績 | 1,166 | 294 | 314 | 204 |
2010/09 | 単独実績 | 734 | 152 | 183 | 182 |
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
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2013/09 | 単独予想 | 99.76 | 728.89 | - |
参考類似企業
銘柄 | 今期予想PER(11/26) |
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ファーマF
|
33.8倍 (単独予想) |
事業詳細
東京大学発ベンチャー。微細藻「ユーグレナ」(ミドリムシ)の大量培養技術をコア技術とし、機能性食品を製造販売している。バイオ燃料や環境技術の研究開発も手掛ける。
ミドリムシは生物学的には植物と動物の中間的存在で両方に分類され、近縁の属腫を含め120種余りが知られる。単細胞だが発達した細胞内小器官を持ち、特に光合成を行う葉緑体とエネルギー代謝に関与するミトコンドリアに大きな特徴がある。同社では創業メンバーによる東京大学農学部の研究成果を中心に、2005年12月、世界初の食品用途屋外大量培養に成功した。ミドリムシはどこにでもいるが、天敵が多いため大量培養は困難だった。
ミドリムシの特徴は主に、(1)植物性栄養素と動物性栄養素の両方を含む59種類の栄養素を持つこと、(2)細胞壁がなく消化しやすいこと、(3)独自成分である難消化性の食物繊維「パラミロン」を持つこと、(4)体内に油脂を生成すること、(5)強い二酸化炭素耐性を持ち、工場などの排出二酸化炭素を利用した培養が可能なこと、(6)水中の有機物、無機物を体内に取り込み活発に増殖すること――の6点が挙げられる。
1.ヘルスケア事業
ミドリムシ粉末を活用した食品と、粉末を加水分解したエキス「リジューナ(Rejuna)」を活用した化粧品を製造販売している。製造は外注し、主に取引先のブランドで相手先ブランドによる生産(OEM)製品を販売している。その他、自社製品、粉末も販売している。
2.エネルギー・環境事業
バイオ燃料の将来の事業化に向けて研究開発するとともに、汚染水の浄化などをテーマとする研究を受託している。具体的には、航空会社の要望を受けたJX日鉱日石エネルギーならびに日立プラントテクノロジーと、バイオジェット燃料製造に関する共同研究を行っている。
2012年9月期(見込み)の売上高構成比は、ヘルスケア事業99.7%、エネルギー・環境事業0.3%。主な販売先はミドリムシサプリメントのアンテナ(福岡市)30.4%、(有)ユーキ(新潟市)16.8%。
ミドリムシは生物学的には植物と動物の中間的存在で両方に分類され、近縁の属腫を含め120種余りが知られる。単細胞だが発達した細胞内小器官を持ち、特に光合成を行う葉緑体とエネルギー代謝に関与するミトコンドリアに大きな特徴がある。同社では創業メンバーによる東京大学農学部の研究成果を中心に、2005年12月、世界初の食品用途屋外大量培養に成功した。ミドリムシはどこにでもいるが、天敵が多いため大量培養は困難だった。
ミドリムシの特徴は主に、(1)植物性栄養素と動物性栄養素の両方を含む59種類の栄養素を持つこと、(2)細胞壁がなく消化しやすいこと、(3)独自成分である難消化性の食物繊維「パラミロン」を持つこと、(4)体内に油脂を生成すること、(5)強い二酸化炭素耐性を持ち、工場などの排出二酸化炭素を利用した培養が可能なこと、(6)水中の有機物、無機物を体内に取り込み活発に増殖すること――の6点が挙げられる。
1.ヘルスケア事業
ミドリムシ粉末を活用した食品と、粉末を加水分解したエキス「リジューナ(Rejuna)」を活用した化粧品を製造販売している。製造は外注し、主に取引先のブランドで相手先ブランドによる生産(OEM)製品を販売している。その他、自社製品、粉末も販売している。
2.エネルギー・環境事業
バイオ燃料の将来の事業化に向けて研究開発するとともに、汚染水の浄化などをテーマとする研究を受託している。具体的には、航空会社の要望を受けたJX日鉱日石エネルギーならびに日立プラントテクノロジーと、バイオジェット燃料製造に関する共同研究を行っている。
2012年9月期(見込み)の売上高構成比は、ヘルスケア事業99.7%、エネルギー・環境事業0.3%。主な販売先はミドリムシサプリメントのアンテナ(福岡市)30.4%、(有)ユーキ(新潟市)16.8%。
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・直近(2011年9月)の第三者割当増資の発行価格は、分割修正して1株当たり1333.33円。
・大株主14位までとベンチャーキャピタル、清水建設、全日本空輸、役員にはロックアップが掛かる。ただし、初値形成後、ベンチャーキャピタルなどは公開価格の1.5倍以上で解除される。
・EPS(1株当たり利益)は期中平均株式数による算出。上場時株数では95.65円。
<ファーストインプレッション>
黒字のヘルスケア事業よりも、現在は赤字のバイオ燃料の研究に注目が集まる。実現すれば食品用途よりもはるかに大きい収益化が見込まれ、国産燃料、炭素ガス削減の観点などからも関連業界の期待は大きい。株価は恐らくそうした期待を織り込み、期待先行で高い評価がつきそう。ただ、再生可能エネルギーは化石燃料に比べ採算が合いにくく実用化はまだまだ難しい。ベンチャーキャピタルの出資額は想定価格とそれほど違わず、利益貢献が少ないにもかかわらず、ロックアップ解除の項目が設けられているのは現実面からみた冷静な判断か。食品向けも健康食品はブームの波に翻弄(ほんろう)されやすい。
・大株主14位までとベンチャーキャピタル、清水建設、全日本空輸、役員にはロックアップが掛かる。ただし、初値形成後、ベンチャーキャピタルなどは公開価格の1.5倍以上で解除される。
・EPS(1株当たり利益)は期中平均株式数による算出。上場時株数では95.65円。
<ファーストインプレッション>
黒字のヘルスケア事業よりも、現在は赤字のバイオ燃料の研究に注目が集まる。実現すれば食品用途よりもはるかに大きい収益化が見込まれ、国産燃料、炭素ガス削減の観点などからも関連業界の期待は大きい。株価は恐らくそうした期待を織り込み、期待先行で高い評価がつきそう。ただ、再生可能エネルギーは化石燃料に比べ採算が合いにくく実用化はまだまだ難しい。ベンチャーキャピタルの出資額は想定価格とそれほど違わず、利益貢献が少ないにもかかわらず、ロックアップ解除の項目が設けられているのは現実面からみた冷静な判断か。食品向けも健康食品はブームの波に翻弄(ほんろう)されやすい。
仮条件分析
(BB参加妙味
:A)
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想定価格: 1,580円
吸収資金レンジ: 8.7億円 - 10.0億円(今期予想単独PER: 15.8倍)
時価総額レンジ: 42.0億円
仮条件: 1,580円 - 1,700円
吸収資金レンジ: 8.7億円 - 10.7億円(今期予想単独PER: 15.8倍 - 17.0倍)
時価総額レンジ: 42.0億円 - 45.1億円
<強気材料>
業績堅調、話題性大きい、吸収金額少ない、燃料向け成功すれば大きい、大手と提携
<弱気材料>
VC多い、ロックアップ解除あり、再生エネは実現困難、どこでも培養できるわけでない(日光や温度が必要)、電力会社投資余力なし
<結論>
Aとする。公開価格が1700円ならば3000~3500円(PER:30.1~35.1倍)を想定初値とする。
現在主力の食品向けも堅調であることは確かだが、それよりも注目されやすいのがバイオ燃料としての用途だ。燃料向けは食品向けと違って単価は下がるが、膨大な需要を掘り起こせる。既に同社のミドリムシはメディアでも何度か特集されており、市場の注目は高くなるだろう。現状の事業よりも研究開発段階にある事業が注目され、高い評価が付くと考える。
ミドリムシはムシとはいっても藻の仲間で、光合成するが動くことができる。動物と植物両方の性質を持つことで栄養価が高く、細胞壁がないため消化しやすいという特徴がある。このため機能性食品の原料として注目されており、伊藤忠商事との取引が決まって以降の業績は堅調に推移している。販売先ではプロスポーツ選手を前面に出した宣伝活動なども展開している。
一方、同社ではJX日鉱日石エネルギーや日立プラントテクノロジーと、バイオジェット燃料製造に関する共同研究を行っており、ミドリムシの用途としてはこちらが本命だ。ミドリムシの作る油は他の植物微細藻類に比べても軽質なためジェット燃料に向く。2018年の実用化を目指している。
油を搾り取った残りかすは高タンパクで栄養価も高いため、家畜や養殖魚の飼料として使用できるよう研究している。
また、ミドリムシは高濃度の二酸化炭素(CO2)に強いため、CO2固定化を目的に住友共同電力との共同研究を進めている。壬生川火力発電所(愛媛県西条市)に小規模培養槽を設置し、CO2固定化能力の評価を行っている。以前には2009年2月に、沖縄電力の強力の下で石炭火力の排出ガスを用いて培養する試験を行った。
環境浄化の分野では、清水建設との共同研究を開始。水中の成分を取り込むミドリムシの性質を活用し、水質浄化の技術確立を目指している。東京都下水道局との共同実験も開始し、赤潮の原因となる物質の低減に取り組んでいる。
そのほかでは、特有の成分である食物繊維「パラミロン」の特長を生かし、洗顔剤やフィルムなどへの応用も考えられ、将来的には現在供給している化粧品以外にも、さまざまな工業製品の利用可能性を模索する考えだ。
吸収金額は最大10億円弱。ベンチャーキャピタル保有株にはロックアップが掛かる。同日3社上場ではあるものの話題性では抜きんでており、資金分散の影響は少ないだろう。大手と複数の共同研究を進めていることは、例え企業を知らなくても技術力を推し量るうえで分かりやすい注目要因だ。大幅な買い越しからスタートするとみられ、期待先行から高い評価が付きそうだ。PER30倍、公開価格から倍値となる3000円付近がいったんメドになる可能性がある。
なお、初期に出資したとみられるVCには、初値形成後に公開価格の1.5倍で解除される項目が付いている。公開株数を上回る85万5000株が対象。これらのVCは買値も低いとみられ、確認できるところでは分割修正で1株当たり666.67円となる。最近になって出資したVCには解除要件は付いていない。観測どおりの人気ならば吸収は可能だが、一斉に売りに動けば一時的に上値を抑える要因になる。
また、将来的には実験が進んでいくなかで、研究開発費が増大する可能性もありそう。再生可能エネルギーは現在のところ補助金頼みというのが実情。政府の支援が得られるかどうかも影響してくる。実現しても当面はコスト削減は大きな課題であり道は険しい。どちらにしても実現はまだ先の話であり、ひと相場終えた後は食品原料メーカーとしての評価に戻ることになりそうだ。
<追加分析>
A継続。引き続き3000~3500円(PER:30.1~35.1倍)を想定初値とする。
第4週のIPOではモバイルクリエイトと並ぶ人気。店頭での需要申告は殺到しているもようだ。話題性の高さから非常に注目されている。バイオベンチャーでありながら、創薬系と違って既に黒字化している安心感もあるようだ。需給逼迫(ひっぱく)の可能性が高くなってきた。
ただ、同社の最大の材料であるバイオ燃料は、計画通りいっても実用化は2018年とまだ先の話。この期待を織り込んで株価が形成される可能性は高くなっているが、何年も期待を保ったまま株価が形成されるとは考えにくい。食品原料メーカーとしては既に十分な評価。プレミアムがどこまで付くかは市況によるところが大きい。
期待先行だけに理論値があってないに等しく、初値はドンブリ勘定とならざるをえない。それだけに初値付かずの可能性もあるが、引き続き30倍をメドにいったん売り買いが一致するとの見方を継続する。
吸収資金レンジ: 8.7億円 - 10.0億円(今期予想単独PER: 15.8倍)
時価総額レンジ: 42.0億円
仮条件: 1,580円 - 1,700円
吸収資金レンジ: 8.7億円 - 10.7億円(今期予想単独PER: 15.8倍 - 17.0倍)
時価総額レンジ: 42.0億円 - 45.1億円
<強気材料>
業績堅調、話題性大きい、吸収金額少ない、燃料向け成功すれば大きい、大手と提携
<弱気材料>
VC多い、ロックアップ解除あり、再生エネは実現困難、どこでも培養できるわけでない(日光や温度が必要)、電力会社投資余力なし
<結論>
Aとする。公開価格が1700円ならば3000~3500円(PER:30.1~35.1倍)を想定初値とする。
現在主力の食品向けも堅調であることは確かだが、それよりも注目されやすいのがバイオ燃料としての用途だ。燃料向けは食品向けと違って単価は下がるが、膨大な需要を掘り起こせる。既に同社のミドリムシはメディアでも何度か特集されており、市場の注目は高くなるだろう。現状の事業よりも研究開発段階にある事業が注目され、高い評価が付くと考える。
ミドリムシはムシとはいっても藻の仲間で、光合成するが動くことができる。動物と植物両方の性質を持つことで栄養価が高く、細胞壁がないため消化しやすいという特徴がある。このため機能性食品の原料として注目されており、伊藤忠商事との取引が決まって以降の業績は堅調に推移している。販売先ではプロスポーツ選手を前面に出した宣伝活動なども展開している。
一方、同社ではJX日鉱日石エネルギーや日立プラントテクノロジーと、バイオジェット燃料製造に関する共同研究を行っており、ミドリムシの用途としてはこちらが本命だ。ミドリムシの作る油は他の植物微細藻類に比べても軽質なためジェット燃料に向く。2018年の実用化を目指している。
油を搾り取った残りかすは高タンパクで栄養価も高いため、家畜や養殖魚の飼料として使用できるよう研究している。
また、ミドリムシは高濃度の二酸化炭素(CO2)に強いため、CO2固定化を目的に住友共同電力との共同研究を進めている。壬生川火力発電所(愛媛県西条市)に小規模培養槽を設置し、CO2固定化能力の評価を行っている。以前には2009年2月に、沖縄電力の強力の下で石炭火力の排出ガスを用いて培養する試験を行った。
環境浄化の分野では、清水建設との共同研究を開始。水中の成分を取り込むミドリムシの性質を活用し、水質浄化の技術確立を目指している。東京都下水道局との共同実験も開始し、赤潮の原因となる物質の低減に取り組んでいる。
そのほかでは、特有の成分である食物繊維「パラミロン」の特長を生かし、洗顔剤やフィルムなどへの応用も考えられ、将来的には現在供給している化粧品以外にも、さまざまな工業製品の利用可能性を模索する考えだ。
吸収金額は最大10億円弱。ベンチャーキャピタル保有株にはロックアップが掛かる。同日3社上場ではあるものの話題性では抜きんでており、資金分散の影響は少ないだろう。大手と複数の共同研究を進めていることは、例え企業を知らなくても技術力を推し量るうえで分かりやすい注目要因だ。大幅な買い越しからスタートするとみられ、期待先行から高い評価が付きそうだ。PER30倍、公開価格から倍値となる3000円付近がいったんメドになる可能性がある。
なお、初期に出資したとみられるVCには、初値形成後に公開価格の1.5倍で解除される項目が付いている。公開株数を上回る85万5000株が対象。これらのVCは買値も低いとみられ、確認できるところでは分割修正で1株当たり666.67円となる。最近になって出資したVCには解除要件は付いていない。観測どおりの人気ならば吸収は可能だが、一斉に売りに動けば一時的に上値を抑える要因になる。
また、将来的には実験が進んでいくなかで、研究開発費が増大する可能性もありそう。再生可能エネルギーは現在のところ補助金頼みというのが実情。政府の支援が得られるかどうかも影響してくる。実現しても当面はコスト削減は大きな課題であり道は険しい。どちらにしても実現はまだ先の話であり、ひと相場終えた後は食品原料メーカーとしての評価に戻ることになりそうだ。
<追加分析>
A継続。引き続き3000~3500円(PER:30.1~35.1倍)を想定初値とする。
第4週のIPOではモバイルクリエイトと並ぶ人気。店頭での需要申告は殺到しているもようだ。話題性の高さから非常に注目されている。バイオベンチャーでありながら、創薬系と違って既に黒字化している安心感もあるようだ。需給逼迫(ひっぱく)の可能性が高くなってきた。
ただ、同社の最大の材料であるバイオ燃料は、計画通りいっても実用化は2018年とまだ先の話。この期待を織り込んで株価が形成される可能性は高くなっているが、何年も期待を保ったまま株価が形成されるとは考えにくい。食品原料メーカーとしては既に十分な評価。プレミアムがどこまで付くかは市況によるところが大きい。
期待先行だけに理論値があってないに等しく、初値はドンブリ勘定とならざるをえない。それだけに初値付かずの可能性もあるが、引き続き30倍をメドにいったん売り買いが一致するとの見方を継続する。
公開価格分析
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公開価格: 1,700円
吸収資金: 10.7億円(今期予想単独PER: 17.0倍)
時価総額: 45.1億円
公開価格、追加売り出しともに上限で決まった。引受価額は1564円。訂正目論見書によれば、ブックビルディングでは、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していた。
話題性もあって観測通り強い需要があったもよう。足元の初値買い人気も続いている。同社が上場する週は衆議院選挙後でイベントリスクもあるが、注目を集める同社株への影響は少ないだろう。引き続き強い初値が付くと予想する。
吸収資金: 10.7億円(今期予想単独PER: 17.0倍)
時価総額: 45.1億円
公開価格、追加売り出しともに上限で決まった。引受価額は1564円。訂正目論見書によれば、ブックビルディングでは、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していた。
話題性もあって観測通り強い需要があったもよう。足元の初値買い人気も続いている。同社が上場する週は衆議院選挙後でイベントリスクもあるが、注目を集める同社株への影響は少ないだろう。引き続き強い初値が付くと予想する。
初値予想
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初値予想: 3,400円(今期予想単独PER: 34.1倍)
初値買い妙味: C
高い初値を予想する。初値コンセンサスは「3000~4000円」。まだ収益化できていない分野に注目が集まっており倍値も意識されるが、果たしてどこまで期待先行の株価が付くのか見当が付けにくい。
東京大学発のバイオベンチャーで、微細藻「ユーグレナ」(和名:ミドリムシ)の大量培養技術がコア技術。現在は機能性食品を中心に製造販売している。ミドリムシはどこにでもいるが天敵が多くこれまで大量培養が困難だった。同社は2005年12月に世界で初めて屋外での食品向けの大量培養に成功した。
ミドリムシは生物学的には植物と動物の中間的存在に位置付けられ、動植物双方の豊富な栄養素を持つほか、細胞壁がなく消化しやすいなどの特徴を持つ。機能性食品や化粧品の原材料として注目され、伊藤忠商事との取引が決まって以降の業績は順調に拡大している。
一方、市場が注目するのは食品用途ではなく、まだ研究段階にあるバイオ燃料だ。ミドリムシは体内に軽質な油脂を生成し、二酸化炭素(CO2)に強い耐性を持つ。灯油を使うジェット燃料としての用途が見込まれており、日本航空や全日本空輸からの開発要望を受けたJX日鉱日石エネルギーや日立プラントテクノロジーと共同研究を行っている。また、燃料を搾り取った残りかすは、栄養価が高い飼料としての用途が想定されている。
さらに、CO2固定化目的では住友共同電力、環境浄化の分野で清水建設、水質浄化で東京都下水道局とそれぞれ共同研究を進めている。特有の成分である食物繊維「パラミロン」の特長を生かし、洗顔剤やフィルムなどへの応用も考えられ、将来的にはさまざまな工業製品の利用可能性を模索する考えだ。
こうした大手との取り組みが実用化されれば、食品用途よりも膨大な需要が発生するため、株価は期待先行の評価が付くと考えられる。吸収金額は11億円にとどまるため、需給は逼迫(ひっぱく)が想定される。ベンチャーキャピタル(VC)の保有株にはロックアップが掛かる。ひとまずPER30倍の3000円が意識されると考え、オーバーシュートして結果的に公開価格からの倍値となる3400円での売り買い一致を予想する。
とはいえ、バイオ燃料の実用化は2018年がメド。まだ5年以上ある。また、再生可能エネルギーは一般的に高コストであり、他の分野でも補助金産業の域を抜け出せないのが実情だ。夢は大きいが投資案件としての過信は禁物である。高い評価は一過性のものに過ぎず、売買が落ち着けば、食品企業としての評価に戻ると考える。
さらに、VC保有株のうち85万5000株は初値形成後、公開価格の1.5倍(2550円)以上ならばロックアップは解除される。公開株数よりも多い売りが控えていることも注意する必要がある。
<板情報と追加分析>
上場初日は買い越しのまま初値が付かなかった。公開価格1700円の2.3倍となる3910円の最終気配値。差し引き21万3200株の買い越しだった。
2日目は約定代金の即日徴収、成り行き買い禁止、自己売買部門の初値買い禁止――の規制が入る。
「3910円買い気配値――差し引き万株の買い越し(食い合い4120円)」
売り/38万1400株(成り行き:21万3000株)
買い/59万4600株(成り行き:25万3000株)
朝方から公開株数を超える買いものが入り、需給は強烈に逼迫(ひっぱく)。食い合いは4000円程度で推移していたが、きょう付けられる株価は最高で3995円であったこともあり、売り買い一致はならなかった。
大手と共同開発中のバイオ燃料をはじめとした研究案件への期待が非常に高く、話題性も高かったことで幅広い買いを集めた。引受団に入っていない対面証券でも買いに動いたようだ。収益化はまだ先だが、赤字の創薬バイオベンチャーも活況だっただけに、足元黒字な分、気にする雰囲気もなかった。
あすは規制が入るため買い注文は減少するとみられるが、強気な相場展開を踏まえると減少は3割程度にとどまりそう。若干の買い越しが想定され、ドテン売り気配は免れるか。きょう意識されていた4000円程度での初値形成となりそうだ。どちらにしても早い段階で売り買いは一致するとみられる。
なお、公開価格の1.5倍以上となるため、初値形成後は公開株数を超えるベンチャーキャピタルの保有株(85万5000株)が売却可能になる。
初値買い妙味: C
高い初値を予想する。初値コンセンサスは「3000~4000円」。まだ収益化できていない分野に注目が集まっており倍値も意識されるが、果たしてどこまで期待先行の株価が付くのか見当が付けにくい。
東京大学発のバイオベンチャーで、微細藻「ユーグレナ」(和名:ミドリムシ)の大量培養技術がコア技術。現在は機能性食品を中心に製造販売している。ミドリムシはどこにでもいるが天敵が多くこれまで大量培養が困難だった。同社は2005年12月に世界で初めて屋外での食品向けの大量培養に成功した。
ミドリムシは生物学的には植物と動物の中間的存在に位置付けられ、動植物双方の豊富な栄養素を持つほか、細胞壁がなく消化しやすいなどの特徴を持つ。機能性食品や化粧品の原材料として注目され、伊藤忠商事との取引が決まって以降の業績は順調に拡大している。
一方、市場が注目するのは食品用途ではなく、まだ研究段階にあるバイオ燃料だ。ミドリムシは体内に軽質な油脂を生成し、二酸化炭素(CO2)に強い耐性を持つ。灯油を使うジェット燃料としての用途が見込まれており、日本航空や全日本空輸からの開発要望を受けたJX日鉱日石エネルギーや日立プラントテクノロジーと共同研究を行っている。また、燃料を搾り取った残りかすは、栄養価が高い飼料としての用途が想定されている。
さらに、CO2固定化目的では住友共同電力、環境浄化の分野で清水建設、水質浄化で東京都下水道局とそれぞれ共同研究を進めている。特有の成分である食物繊維「パラミロン」の特長を生かし、洗顔剤やフィルムなどへの応用も考えられ、将来的にはさまざまな工業製品の利用可能性を模索する考えだ。
こうした大手との取り組みが実用化されれば、食品用途よりも膨大な需要が発生するため、株価は期待先行の評価が付くと考えられる。吸収金額は11億円にとどまるため、需給は逼迫(ひっぱく)が想定される。ベンチャーキャピタル(VC)の保有株にはロックアップが掛かる。ひとまずPER30倍の3000円が意識されると考え、オーバーシュートして結果的に公開価格からの倍値となる3400円での売り買い一致を予想する。
とはいえ、バイオ燃料の実用化は2018年がメド。まだ5年以上ある。また、再生可能エネルギーは一般的に高コストであり、他の分野でも補助金産業の域を抜け出せないのが実情だ。夢は大きいが投資案件としての過信は禁物である。高い評価は一過性のものに過ぎず、売買が落ち着けば、食品企業としての評価に戻ると考える。
さらに、VC保有株のうち85万5000株は初値形成後、公開価格の1.5倍(2550円)以上ならばロックアップは解除される。公開株数よりも多い売りが控えていることも注意する必要がある。
<板情報と追加分析>
上場初日は買い越しのまま初値が付かなかった。公開価格1700円の2.3倍となる3910円の最終気配値。差し引き21万3200株の買い越しだった。
2日目は約定代金の即日徴収、成り行き買い禁止、自己売買部門の初値買い禁止――の規制が入る。
「3910円買い気配値――差し引き万株の買い越し(食い合い4120円)」
売り/38万1400株(成り行き:21万3000株)
買い/59万4600株(成り行き:25万3000株)
朝方から公開株数を超える買いものが入り、需給は強烈に逼迫(ひっぱく)。食い合いは4000円程度で推移していたが、きょう付けられる株価は最高で3995円であったこともあり、売り買い一致はならなかった。
大手と共同開発中のバイオ燃料をはじめとした研究案件への期待が非常に高く、話題性も高かったことで幅広い買いを集めた。引受団に入っていない対面証券でも買いに動いたようだ。収益化はまだ先だが、赤字の創薬バイオベンチャーも活況だっただけに、足元黒字な分、気にする雰囲気もなかった。
あすは規制が入るため買い注文は減少するとみられるが、強気な相場展開を踏まえると減少は3割程度にとどまりそう。若干の買い越しが想定され、ドテン売り気配は免れるか。きょう意識されていた4000円程度での初値形成となりそうだ。どちらにしても早い段階で売り買いは一致するとみられる。
なお、公開価格の1.5倍以上となるため、初値形成後は公開株数を超えるベンチャーキャピタルの保有株(85万5000株)が売却可能になる。
初値分析
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初値: 3,900円(今期予想単独PER: 39.1倍)
/ 上昇率: 129.4%
/ 高値: 4,230円
/ 安値: 3,690円
/ 終値: 4,130円
出来高: 1,215,200株 / 対公開株数: 192.7% / 初値出来高: 318,400株 / 初値売買代金: 1,241,760,000円
高い初値が付いた。上場初日は買い越しのまま初値付かず。2日目に買い付け規制が入った影響で買い物が半減し、すぐに売り買いが成立した。大手企業と共同研究にて開発中のバイオ燃料への期待が高く、話題性からも買いを集めた。
ただ、ソーシャルゲーム関連などは初日初値付かずとなった場合、2日目の買い物減少割合が3割程度なのに対し、同社株は半分近く減少。PERが既に40倍近い水準だったことや、直近上場株で高寄りした銘柄が振るわないことなどから警戒感が高まったか。もともと初日の最終気配値(3910円)に対し、最終の食い合いは4120円とそれほど離れていなかった。
寄り付き後は4000円を意識したもみ合い。ザラ場でも買いを集め規制が入っているにもかかわらず売買代金は新興2市場で断トツ。しかし、公開価格の1.5倍以上となったことでベンチャーキャピタルなどが持つ88万2500株が売却可能となり上値を抑えた。
出来高は公開株数+ロックアップ解除株数を超えていない。今後もしばらく上値を抑える要因となりそうだ。
一方、価格別出来高を見ると初値以外は4000円から上で活発な取引。VC側が4000円を意識して売っている可能性もある。ただ、VC社数は4社と分散していることを踏まえれば、価格コントロールは難しく出来高が減少した時には、下値でも売ってくる可能性がある。通常は値動きが悪くなれば出来高はすぐに減少するため、しばらくは軟調な展開を強いられると考える。
出来高: 1,215,200株 / 対公開株数: 192.7% / 初値出来高: 318,400株 / 初値売買代金: 1,241,760,000円
高い初値が付いた。上場初日は買い越しのまま初値付かず。2日目に買い付け規制が入った影響で買い物が半減し、すぐに売り買いが成立した。大手企業と共同研究にて開発中のバイオ燃料への期待が高く、話題性からも買いを集めた。
ただ、ソーシャルゲーム関連などは初日初値付かずとなった場合、2日目の買い物減少割合が3割程度なのに対し、同社株は半分近く減少。PERが既に40倍近い水準だったことや、直近上場株で高寄りした銘柄が振るわないことなどから警戒感が高まったか。もともと初日の最終気配値(3910円)に対し、最終の食い合いは4120円とそれほど離れていなかった。
寄り付き後は4000円を意識したもみ合い。ザラ場でも買いを集め規制が入っているにもかかわらず売買代金は新興2市場で断トツ。しかし、公開価格の1.5倍以上となったことでベンチャーキャピタルなどが持つ88万2500株が売却可能となり上値を抑えた。
出来高は公開株数+ロックアップ解除株数を超えていない。今後もしばらく上値を抑える要因となりそうだ。
一方、価格別出来高を見ると初値以外は4000円から上で活発な取引。VC側が4000円を意識して売っている可能性もある。ただ、VC社数は4社と分散していることを踏まえれば、価格コントロールは難しく出来高が減少した時には、下値でも売ってくる可能性がある。通常は値動きが悪くなれば出来高はすぐに減少するため、しばらくは軟調な展開を強いられると考える。
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東洋経済新報社による今後の業績予想は、2013年9月期の売上高が前期比44%増の22.9億円、経常利益が26%増の4.1億円、EPS 94.1円、配当なしと会社予想をほぼ踏襲している。