IPO銘柄詳細

サイバーセキュリティクラウド

コード 市場 業種 売買単位 注目度
4493 マザーズ 情報・通信業 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2020/03/06
ブックビルディング期間 2020/03/10 - 03/16
公開価格決定 2020/03/17
申込期間 2020/03/18 - 03/24
払込期日 2020/03/25
上場日 2020/03/26
価格情報
想定価格 4,010円
仮条件 4,240 - 4,500円
公開価格 4,500円
初値予想 6,750円
初値 9,210円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 大野 暉 (上場時29歳9カ月)/1990年生
本店所在地 東京都渋谷区東
設立年 2010年
従業員数 31人 (2020/01/31現在)(平均33.3歳、年収615.2万円)
事業内容 AI(人工知能)技術を活用したサイバーセキュリティーサービスの開発・提供
URL https://www.cscloud.co.jp/
株主数 30人 (目論見書より)
資本金 174,250,000円 (2020/02/20現在)
上場時発行済株数 2,305,000株(別に潜在株式89,600株)
公開株数 70,000株(公募70,000株)
調達資金使途 人件費・採用費
連結会社 0社
シンジケート
公開株数70,000株
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 SBI 59,500 85.00%
引受証券 大和 4,200 6.00%
引受証券 みずほ 1,400 2.00%
引受証券 SMBC日興 700 1.00%
引受証券 あかつき 700 1.00%
引受証券 岩井コスモ 700 1.00%
引受証券 エース 700 1.00%
引受証券 岡三 700 1.00%
引受証券 香川 700 1.00%
引受証券 楽天 700 1.00%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
VectorGroupInternationalLTD. 特別利害関係者など 383,000 16.48%
(株)オークファン 特別利害関係者など 333,000 14.33%
GMCMVentureCapitalPartnersIInc ベンチャーキャピタル(ファンド) 307,000 13.21%
西江肇司 特別利害関係者など 218,000 9.38%
武永修一 特別利害関係者など 148,000 6.37%
大野暉 代表取締役社長 121,000 5.21%
海老根智仁 特別利害関係者など 97,000 4.17%
B Dash Fund3号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 87,000 3.74%
(株)AMBITION 特別利害関係者など 67,000 2.88%
S173(株) 特別利害関係者など 59,000 2.54%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2020/12 単独予想 1,126 179 166 140
2019/12 単独実績 816 143 141 153
2018/12 単独実績 488 -29 -27 -27
2017/12 単独実績 246 -42 -46 -52
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2020/12 単独予想 61.42 275.45 -
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事業詳細
 クラウド型WAF(Web Application Firewall)「攻撃遮断くん」が主力。AWS(Amazon Web Services) WAFのルール自動運用サービス「WafCharm」との2つを軸に、ウェブセキュリティー事業を展開している。攻撃パターンやユーザーの正規のアクセスなどを人工知能(AI)に学習させ、精度を向上させている。

a.クラウド型WAF「攻撃遮断くん」
 ウェブアプリケーションに対するサイバー攻撃を検知・遮断・可視化する、クラウド型のセキュリティー・サービス。日本国内のクラウド型WAF市場における累計導入社数・導入サイト数が国内トップの実績を持つ。ウェブサイトやウェブサービスを手掛ける法人に対し、製品の開発から運用・販売・サポートまで一貫して提供している。

b.AWS WAFのルール自動運用サービス「WafCharm」
 AWS WAFを利用する顧客向けに、AWS WAFのルールを自動運用するサービス。AWS WAFの持つ複数のルールから、顧客のサイトに最適なルールをAIが設定し、ルールの運用を自動化することができる。

c.AWS WAFのManaged Rules
 セキュリティー専門のベンダーが独自に作成する厳選されたAWS WAFのセキュリティールールセット。AWS WAFマネージドルールセラーに認定された米国子会社を通じ、2019年2月から提供を始めた。

 2018年12月期の売上高構成比は、攻撃遮断くん97.7%、WafCharm 2.3%、AWS WAFのManaged Rules-。
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・4000株を上限に社員持ち株会に親引け販売する。
・直近(2018年8月)の特別利害関係者らによる株式売買単価は分割を遡及(そきゅう)修正すると1300円。
・既存の現物株主は全員ロックアップ(社長180日、社長以外は90日)が掛かる。ただし、ベンチャーキャピタルのうちSBI系投資組合など5社50万2000株については、公開価格の1.5倍以上では解除される。
・新株予約権のうち上場日の時点で行使でき、かつロックアップ対象に入っていないのは、渡辺洋司取締役CTOと取引先の個人2名、従業員9名に配布されたうちの計6万5400株分。


〈ファーストインプレッション〉
 公開規模をやたら小さく設定し、公開価格割れを防ぎつつも1.5倍では大量の売りが待ち受けるSBIお得意のパターン。こうなると逆に先回りして売ろうとする投資家が多くなり、解除価格にさえ届かないことが多かったが、さすがに元の規模が3億円弱なら心配はないだろう。代わりにここから上は公開株数の7倍もの売りが控えており、非常に重そうだ。一社で多く握るGMCMベンチャーキャピタル・パートナーズ・ワンがわざと出さないケースもありそうだが、とりあえずはここで付くとみるべきだろう。
 なお、このGMCMはベクトル系の投資会社とみられる。ベクトルが絡んだIPO企業は多く、必ずSBI主幹事だが、共通して同社の指導を受けているとみられ、上場後はやたらと株価をあおるリリースを出す傾向にある。同社についても目論見書ではやたらと人工知能(AI)を使っていることを強調しており、既にコンサルティングを受けているようだ。今回もベクトルに少しでも高く売り抜けてもらうために色々と策を打ってくるのかもしれない。
仮条件分析 (BB参加妙味 :A)
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想定価格: 4,010円
 吸収資金レンジ: 2.8億円 - 2.8億円(今期予想単独PER: 65.3倍)
 時価総額レンジ: 92.4億円

仮条件: 4,240円 - 4,500円
 吸収資金レンジ: 3.0億円 - 3.2億円(今期予想単独PER: 69.0倍 - 73.3倍)
 時価総額レンジ: 97.7億円 - 103.7億円

 仮条件は想定価格を5.74~12.22%上回るレンジに設定された。

〈強材料〉
仮条件上振れ、人気業態、吸収金額少ない、業績拡大、成長性高い、解約率低い

〈弱材料〉
利益剰余金赤字、収益水準低い、ネット証券主幹事、大手が競合、一本足打法、IPOラッシュ、同日3社、開発費膨らみやすい分野

〈結論〉
 Aとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は6750~7000円を想定する。
 SBI証券主幹事で大量のVC保有株に1.5倍ロックアップ解除を設定すると、先回りしようとする自社の顧客によって阻まれるといった事態が頻発したためか、アディッシュとそろって公開規模を極限まで小さくしたIPOを登場させてきた。ただしこちらは解除後に売れるプレーヤーが5社に上っており統制が利かない。人気業態のためさすがに公開規模3億円クラスなら先回り売りに阻まれることはないだろうが、VC保有株は公開規模の7倍以上にも上っており、ここから上は限られると考える。

 クラウド型WAF(Web Application Firewall)の国内最大手。主力の「攻撃遮断くん」は、ウェブアプリケーションへのサイバー攻撃を検知・遮断・可視化する、クラウド型のセキュリティー・サービスであり、国内のクラウド型WAF市場にて累計導入社数・サイト数国内トップの実績を持つ。導入の手軽さ、自社開発・自社運用といった強みに加え、大企業への提供実績を持つ。

 大企業はともかく、中堅以下ではセキュリティー対策が不十分な一方、サイバー攻撃は増え続けており、ITセキュリティー市場は成長性が高く、IPOでも人気化しやいすい分野だ。同社は長年経常赤字が続いていたものの、増収効果によりようやく前期に黒字転換。20.12期の連結営業利益は前期比24%増の1.8億円になる見込みだ。解約率は1.1%と低く、今後はさらなる契約の積み上げによる収益拡大が狙えよう。

 ただし、セキュリティーソフト関連は年々巧妙化する手口に対抗し続ける必要があり、研究開発費が膨らむケースがしばしばみられる。継続的なケアが必要なため、パッケージ型だろうがクラウド型であろうが継続課金のサブスクリプションモデルになるわけだが、FFRIは増収が続く一方、利益面の伸びは売上高ほどではなく、利益率は上場時と比べると低下している。同社についても今期費用の内訳は公開されておらず詳しい事情は不明だが、営業利益率は19.12期17.6%→20.12期15.9%に低下する予想だ。


 仮条件上限の希薄化後PERは77倍に上るものの、希薄化後EV/売上高では9.3倍。ここのところの株安で割安ではなくなっているが、増収率は今期も38%と高い。業績に勢いがあることから人気化することになると考察する。

 一方、公開規模最大3億円強と少ないものの、公開価格の1.5倍以上で売却可能になる既存株主保有株が公開株数の7.2倍に上る50万2000株ある。売り出しはない代わりに、公開規模を最小限にして需給逼迫(ひっぱく)を起こし、VC御一行さまにはより高いところで売り抜けてもらう算段のもよう。同日上場のアディッシュと同じである。そのなかには主幹事系VCの保有する計7.8万株も入っておりマッチポンプ感は満載だ。

 SBIではよく見られる設定なものの、これまでは一般顧客の先回り売りによって解除価格に到達しない、といったことがしばしば起こってきた。だが、今回は解除価格に到達するまでの需給は非常にタイト。業態人気の高さからしてもさすがにそういった事態にはならないだろう。
 解除価格到達後はVC次第ということになるが、同日同主幹事のアディッシュと比べるとこちらは複数社おり、談合でもしない限りコントロールは極めて難しい。買い物が30億円近くにまで膨らめば違ってくるが、空前のIPOラッシュ、同日3社上場、相場乱高下のなかで、売上高がよくやく10億円に到達しようかとする案件には難しいだろう。解除後はそう引っ張らずに売り買いが一致するとみる。
公開価格分析
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公開価格: 4,500円
 吸収資金: 3.2億円(今期予想単独PER: 73.3倍)
 時価総額: 103.7億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は4140円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数は多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。

 想定初値を4500~6000円に引き下げる。アディッシュ同様にこれも悩ましいところだが、公開規模がさらに小さいことと、解除条項付きとはいえベンチャーキャピタルには一通りロックアップが掛かることから、ダウンサイドリスクとしてはこちらの方が断然に小さい。業態としてもアディッシュは単なる人海戦術的な業態で参入障壁は低いのに対し、こちらは技術の壁がある。そしてそれはアマゾン社にも認められたものだ。
 ただ公開価格割れラッシュが始まってからここまで、買いが入っても公開価格の時点ではせいぜい1億円程度。公開規模3億円の同社株にとってはこれでも十分の計算だが、ネット証券主幹事のためどの程度まで売りが膨らむかは検討が付けにくい。そもそもこうなると上昇するにしても、分母が小さ過ぎて的が絞り込みにくい。ただもはやこれについても、ロックアップ解除価格を超えるのはおろか到達も難しいか。これまで下駄をはいていたグロース株にとっても厳しい相場展開である。不確定要素が多いため幅広すぎるレンジなのを承知で、同値から3割超の上昇までを視野に入れる。
初値予想
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初値予想: 6,750円(今期予想単独PER: 109.9倍)
初値買い妙味: C

 初値は公開価格の1.5倍と予想する。年度末の上場ラッシュに急落が重なったことで公開価格割れラッシュとなってしまっているが、逆行高に成功した関通が予想以上の健闘だった。公開規模が関通よりさらに小さく、業態人気の高いITセキュリティー関連株ということから買い優勢のスタートを想定。ロックアップ解除価格での売り買い一致を予想する。

 クラウド型WAF(Web Application Firewall)の国内最大手。主力の「攻撃遮断くん」は、ウェブアプリケーションへのサイバー攻撃を検知・遮断・可視化する、クラウド型のセキュリティーサービスである。国内のクラウド型WAF市場にて累計導入社数・サイト数国内トップの実績を持つ。導入の手軽さ、自社開発・自社運用といった強みを持つ。大企業にも提供しており、解約率は1.1%と低い。

 サイバー攻撃は年々増加するも中堅以下の企業では対策がまだ不十分であり、ITセキュリティーの市場の成長期待は高い。IPOでも人気化しやすい分野だ。攻撃遮断くんはクラウド型のソフトウエアである性質上、長らく赤字が継続していたが、ようやく採算が合う程度の売上高になり前期に黒字化を達成。今20.12期は20.12期の連結営業利益は前期比24%増の1.8億円になる見込みだ。

 公開価格による希薄化後EV/売上高では9.3倍。SaaS関連として目安にされてきた10倍を下回る。ただここのところの株安で利益が出ていない株は大きく売られており、今の状況では割安感は乏しい。
 また、セキュリティーソフト関連は年々巧妙化するハッカーに対抗し続ける必要があり、研究開発費が膨らむケースは多い。例えばFFRIは増収が続く一方、利益率は上場時に比べると低下している。サイバセキュについても詳しい事情は開示されていないが、営業利益率は19.12期の17.6%から20.12期15.9%に低下する予想だ。一般的に固定費の割合の多いSaaS企業なら、損益分的点を通過した翌期は特に利益率が改善するものである。業績水準の低さから上場費用が重しになっていると推測するが、来期の劇的な改善見通しが不明ななかで、希薄化後PERが77倍に上るのもどうなのか。

 ただ公開価格割れラッシュのなかでも公開規模が小さくテーマ性を持っていた関通は倍値でのスタートになった。日経平均株価はいったん底打ちの動きを見せており、直近上場株にも売りが一巡したものから資金が流入し始めている。公開規模が関通の4.8億円をさらに下回る3.2億円と極小なことと業態人気などから、買い気配でのスタートは可能だろう。既存株主にはベンチャーキャピタルが多いものの、公開価格の1.5倍まではロックアップが掛かる。主幹事証券が短期筋ばかりの顧客のネット証券のため、早売りの傾向がさらに強まる可能性が高いことと、ロックアップ解除後はVCの保有する50万株超の売りが控えることから解除価格での売り買い一致を予想する。
初値分析
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初値: 9,210円(今期予想単独PER: 150.0倍) / 上昇率: 104.7% / 高値: 10,710円 / 安値: 9,150円 / 終値: 10,710円
出来高: 448,200株 / 対公開株数: 640.3% / 初値出来高: 116,800株 / 初値売買代金: 1,075,728,000円

 初値は倍値を超えた。公開規模が小さくかつ人気の業態だったことで買いが殺到。この日の日経平均株価は大幅反落したが、前日までの急反発で警戒感も緩み、一点突破狙いで軽いIPO株には資金も入りやすかったようで、公開価格割れラッシュのなか異例の10億円もの資金を集めた。
 ロックアップ解除価格を通過しても圧倒的な買い越しの前に、売りは絞られた。ただ倍値前後から急速に売りが増え始め、昼休み中の寄り前価格は1万4000円だったのにも関わらず、9000円台での売り買い一致になった。
 ロックアップ解除で売却可能なベンチャーキャピタル(VC)保有株は計50.2万株だが、うち30.7万株はリードVCのGMCMベンチャー・キャピタル・パートナーズが保有しており、ある程度の買い板が集まったなかでは価格つり上げの調整もしやすかった。

 寄り付き後は一段高した。大台乗せ時は多少の乱高下があったものの、ほぼ一本調子に買い進まれ、30分程度でストップ高に張り付いた。大引けの出来高が9000株にとどまった結果、成り行き合わせ11万9600株もの買い板を残した。

 目先は乱高下の展開か。人気業態にもかかわらず公開規模が3億円しかなく、事業内容も新型肺炎による影響は考えにくい。全面安のなかで行き場を失った資金を集めている。ただVC保有株が全て放出されれば、今の相場にとってはそれほど軽い案件ではなくなる。ストップ高したことで勢いが付いているが、これはVCがまだ売り渋っているがゆえに一時的に需給が逼迫しているだけだろう。
 GMCMの大量保有報告書で確認できる前回の出口実績は、RPAホールディングスだが、上場時に8.7%保有していた株式は一週間ほどで5%以下になるよう売却していた。セキュリティーソフト関連は研究開発費が重く、損益分岐点を超えても容易に利益率が高まらない傾向もある。彼らの売却が進めば需給は緩み、逆回転が始まることになろう。
IPO更新情報
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マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.44 -0.99
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