IPO銘柄詳細

コード 市場 業種 売買単位 注目度
290A 東証グロース 情報・通信業 100株 A
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2024/12/03
ブックビルディング期間 2024/12/04 - 12/09
公開価格決定 2024/12/10
申込期間 2024/12/11 - 12/16
払込期日 2024/12/18
上場日 2024/12/19
価格情報
想定価格 460円
仮条件 460 - 480円
公開価格 480円
初値予想 720円
初値 736円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 新井 元行(上場時46歳1カ月)/1978年生
本店所在地 東京都江東区三好
設立年 2018年
従業員数 45人 (2024/09/30現在)(平均39.5歳、年収862.6万円)、連結186人
事業内容 小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用からSARデータの販売とソリューションの提供
URL https://synspective.com/jp/
株主数 45人 (目論見書より)
資本金 2,950,120,000円 (2024/11/14現在)
上場時発行済株数 108,249,150株(別に潜在株式9,372,750株)
公開株数 24,499,800株(公募21,304,200株、オーバーアロットメント3,195,600株)
調達資金使途 設備資金、運転資金
連結会社 2社
シンジケート
公開株数19,041,200株(別に3,195,600株)/国内分
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 野村 17,118,400 89.90%
引受証券 みずほ 571,200 3.00%
引受証券 SBI 380,800 2.00%
引受証券 東海東京 285,600 1.50%
引受証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 190,400 1.00%
引受証券 SMBC日興 190,400 1.00%
引受証券 大和 190,400 1.00%
引受証券 マネックス 38,000 0.20%
引受証券 楽天 38,000 0.20%
引受証券 アイザワ 38,000 0.20%
大株主
大株主名 摘要 株数 比率
新井元行 代表取締役CEO 9,015,000 9.36%
スペース・エースタート1号投組 投資業(ファンド) 8,611,200 8.94%
ジャフコSV5共有投組 投資業(ファンド) 7,339,800 7.62%
清水建設(株) 特別利害関係者など 6,944,400 7.21%
SPエースタート1号投組 投資業(ファンド) 6,469,050 6.72%
日本グロースキャピタル投資法人 投資業(ファンド) 5,053,650 5.25%
白坂成功 元取締役、顧問 4,500,000 4.67%
森トラスト(株) 特別利害関係者など 2,399,700 2.49%
協創プラットフォーム開発1号投組 投資業(ファンド) 2,280,450 2.37%
Tsunagu Investment Pte. LTD. 投資業(ファンド) 2,223,300 2.31%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2025/03 連結3Q累計実績 1,608 -1,969 -2,190 -2,189
2025/03 連結会社予想 2,283 -2,990 -3,465 -3,471
2024/03 連結実績 1,386 -1,795 -1,951 -1,520
2023/03 連結実績 492 -4,290 -4,340 -6,272
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2025/03 連結会社予想 -41.34 177.06 0.00
参考類似企業
銘柄 今期予想PER
QPS研究
- (連結予想)
事業詳細
 慶応義塾大学発宇宙ベンチャー。小型SAR(合成開口レーダー)衛星を開発・製造・運用し、衛星コンステレーション(複数の人工衛星を一体運用するシステム)とデータ解析技術を用いた衛星データ事業を展開している。2024年9月末現在、実証機3号機と商用機4、5号機の計3機を商用運用する(実証機1、2号機は運用終了)。
 内閣府所管の革新的研究開発推進プログラム「ImPACTプログラム」で、マネジャーとして小型SAR衛星を開発していた現顧問の白坂成功慶応大大学院教授(当時)が2018年2月、プログラムの技術成果を社会実装するため、新井元行代表取締役最高経営責任者(CEO)とともに起業した。社名には「Synthetic Data for Perspective on Sustainable Development (持続可能な未来のために合成データを活用する)」という意味が込められている。

1.画像データ販売
 グループの小型SAR衛星「StriX」シリーズによるによるコンステレーションから取得したデータを画像化し、販売している。
 画像データを分析することで、地形・対象物の形状や変化を把握することができるが、分析には高い専門性と知識が必要なため、この能力を持つ各国政府(特に防衛関連省庁)が直接の顧客となる。

2.ソリューション提供
 グループの衛星コンステレーションから取得したデータなどを、データサイエンスを用いて自動解析し、その結果を業務上すぐ利用できる情報として提供している。
 SARデータの分析能力を持たない民間に対しても提供することができ、顧客は各国の省庁のみならず、損害保険、インフラ開発・土木工事、資源エネルギー開発などを手掛ける企業にも広がる。災害リスク/被害状況評価、大型設備と施工の安全管理・保守、環境調査などの目的に使用される。

3.その他のソリューションサービス例
 (1)森林の状況(林相やバイオマス)を可視化することで、計画外伐採の特定やカーボンクレジット取得を目指した森林資源量の把握につながるサービスや、(2)洋上風力発電所付近の風速・風向を解析することで発電所設置の際の選定や保守運用の効率化に資する結果を提供するサービス、(3)土砂災害や家屋の倒壊などの災害時に被害箇所を迅速に特定するためのサービスなど――さまざまなソリューションサービスを開発し、提供している。

 2023年12月期の売上高構成比は、画像データ販売54.6%、ソリューション27.6%、その他17.8%。主な販売先は官公庁88.6%。
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・三菱電機に60億円分、ヒューリックに18億円分を上限に親引け販売する。
・直近(2024年6月)の第三者割当増資の発行単価は、転換や分割を遡及(そきゅう)修正すると494円。
・海外販売予定株数(米144A適用):公募226万3000株(配分比率9.2%)
・既存株主と新株予約権者16名には180日もしくは6カ月のロックアップが掛かる。
・上場時に行使可能な新株予約権は749万5050株分(役員2名46万4100株分以外はロックアップ状況不明)。

〈ファーストインプレッション〉
 QPS研究所の対抗馬ということになるが、政府所管の関連とあって、もともとはこちらの方が本命視されていた。株主にも旧財閥系の格上企業が並ぶ。QPSに後れて1年、商用機の打ち上げ開始を機に上場する形だ。
 ただQPSのPSRが18倍なのに対し、こちらは21.8倍と上回る。収益性については打ち上げが始まったことで悪化している状況なので、今は産みの苦しみといったところだが、赤字額の桁が違ううえ地方との差なのか平均年収も300万円以上開きがあるなど高コスト体質となっている。
 ただ公開株の7割近くを三菱電機とヒューリックで持っていく形にはなっており、三菱電は公募後に筆頭株主に躍り出る計算だ。取引先への親引けはそれほど材料視されないが、60億円分の引き受けはかなり腰の据わった印象を受ける。地方都市に拠点を置くQPSに比べ、こちらは中央のエリートらがカネに物言わせる物量作戦の様相なわけだが、QPS研への技術への信頼性が揺らぐなか、既存技術を持つ大手のパトロンが付くのは心強い。三菱電機は従来の大型SAR衛星を開発しているため、いざとなれば買収も視野に入れていそうだ。多少の割高感はプレミアムと容認され、バリュエーションは気にせず買い進まれると考える。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 460円
 吸収資金レンジ: 98.0億円 - 112.7億円(今期予想連結PER: -)
 時価総額レンジ: 497.9億円

仮条件: 460円 - 480円
 吸収資金レンジ: 98.0億円 - 117.6億円(今期予想連結PER: -)
 時価総額レンジ: 497.9億円 - 519.6億円

 仮条件は想定価格を下限に20円幅で設定された。上限価格は想定を4.35%上回る。親引けは従来予算を上限価格に合わせる形で、三菱電機向けが1250万株、ヒューリック向けが375万株を上限に置き換えた。また、後者への販売目的について、「不動産の防災と災害時の避難経路の分野での衛星の活用を研究・模索していくこと」を加えた。
 さらに、りそなアセットマネジメント系のファンドが、取得総額15億円に相当する株式数(持ち分最大2.93%)を購入することへの関心を表明した。関心表明に法的拘束力はない。

〈強材料〉
仮条件上振れ、大手に大量親引け、大手の出資、超人気業態、低位株、LU解除なし、海外実績豊富、民需開拓済み、6号機打ち上げ間近、分解能最小、関心表明あり

〈弱材料〉
赤字拡大上場、高コスト体質、競合の後じん、PSR割高、売り出しなし、利上げ懸念、二番せんじ

〈結論〉
 Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は620~720円(PSR:29.4~34.1倍)を想定する。
 親引け株数が上限価格に合わせて設定されており、ブックビルは上限価格決定ありきの前提で進められるもようだ。競合に比べて進ちょく具合は1年遅れだというのに、時価総額は上回る強気な設定ではあるが、実用衛星大手の後ろ盾も付け強い展開が期待される。

 小型SAR衛星群を運営する宇宙ベンチャー。QPS研の対抗馬というより、もともとはこちらが本命ともいうべき存在だったが、衛星運用の本格化については後じんを拝しており、合わせて上場も1年遅れとなる。

 相違点としてはQPS研に比べかなりの高コスト体質である代わりに、日本政府以外の開拓が進んでいることが挙げられる。世界25の国と地域に販売実績を持つうえ、まだ少ないながらも民需の開拓実績も積んでおり販路を確保している。官公庁への売り上げ依存度はQPSがほぼ100%なのに対し、シンスは90%程度となっている。
 また、素人でも扱えるよう社内で画像データを加工し、ソリューションとして販売していることも特徴だ。ただ現在は、陣容をそろえるコストが重いとみられ、わずかな民需を開拓する代わり粗利率は11.7%と低い。
 QPSは衛星トラブルにより足元では粗利益の段階から赤字に転落したが、営業黒字化した24.5期は57.5%あった。シンスの粗利率急低下は衛星が実証機から商用機に切り替わるにあたって、製造打ち上げコストを研究開発費から定額の減価償却に切り替わったことによるものだが、そうした事情は商用機への移行の段階で上場したQPSも同じだ。

 衛星のスペックについては、シンスの機はQPSのが170kgあるのに対し、100kg級と軽量ながらも分解能(最小計測値)は競合各社が50cm以下のところ、100cmと大幅に劣るといった問題があった。だが、今夏に国内最高となる25cmの画像取得に成功したと発表している。実用にはまだ検証が必要とのことだが、間もなく解消されるものとみる。

 QPSの倍以上もかかっている高コスト体質を、先行投資として容認できるかどうかで評価も分かれることにはなるが、想定価格のPSRはQPSを上回っていたにもかかわらず、仮条件は想定価格に対し小幅ながら上振れで設定され、上場前株価の494円に近づいた。

 また、QPSに関しては昨年に打ち上げた6、5号機が立て続けにトラブルに見舞われ下げ足を速めた経緯があり、技術的な信頼性に疑問符が付いた状態になっていることを考慮する必要がある。7月の特別損失計上前の時価総額を基準にすると、PSR比較からの妥当株価は610円が得られる計算だ。

 一方、親引けを差し引いても実質吸収金額は39.6億円※に上るが、QPS並みの人気化を前提にすると需給面からの計算では、700円台前半までの可能性が見えてくる。二番せんじなだけに初モノと比べての人気低下が警戒されるが、大株主には大手企業が並ぶうえ、親引け後は新たに三菱電機が筆頭株主となる。衛星業界重鎮の強力な後ろ盾を得ることからも可能性は十分とみる。
 三菱電機はSAR衛星についても従来型の大型のものを手掛けており、出資目的についても「事業シナジーの創出を目的とした関係構築」としている。出資額も60億円と大きく、単につばを付けとこうくらいの考えではないだろう。
 また、もう片方の親引け先のヒューリックと関心表明を出したりそなAMは、アストロスールでも10億円ずつ親引けしており、宇宙ビジネスへの投資を強化しているもようだ。

 両株価が市場の意識しやすい1.3倍と1.5倍に近いことも勘案し、初値は620円から720円のレンジで想定する。

※実質吸収金額について誤りがありました。訂正しておわびします。単純に金額の記載誤りなので分析結果への影響はありません。
公開価格分析
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公開価格: 480円
 吸収資金: 117.6億円(今期予想連結PER: -)
 時価総額: 519.6億円

 公開価格、追加売り出し株数、親引けは全て上限で決まった。引受価額は444円。海外販売株数は226万3000株のまま変更されなかった。
 訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、(1)申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回る状況であったこと、(2)総需要件数が多数にわたっていたこと、(3)価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたこと――の3点が特徴だった。

 ここのところ宇宙ベンチャーの株価がさえない。宇宙というより赤字ゆえの追加利上げ警戒とみられるが、市場環境はあまりよくないもようだ。まだ別格に高い宇宙人気により初値需給への影響は少ないとはみて想定初値は据え置くが、当日は日銀金融政策決定会合2日目でもあるだけに関連各社の株価動向には注意しておきたい。
初値予想
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初値予想: 720円(今期予想連結PER: -)
初値買い妙味: C

 初値好調を予想する。競合より業績は下回りながらも評価は上回る値付けだが、ブックビルディングの倍率は高かったもよう。まだまだ宇宙バブルは健在とみられるなか、初動は強い展開になるとみる。

 慶応義塾大学発宇宙ベンチャー。小型SAR(合成開口レーダー)衛星を開発・製造・運用し、レーダー撮影による画像やソリューションを販売している。光学撮影と違って自らレーダーを発射して撮影するため、天候や昼夜を問わないのが特徴だ。

 競合のなかでは既にQPS研究所が上場を果たしていることもあり、QPSとの対比が意識される。だが、実証から商用に移るタイミングはQPSの1年遅れで売上高も下回るにもかかわらず、時価総額が上回る強気な価格で値付けされた。QPSの株価は11月下旬以降一段安となっており、現在の時価総額は425億円とSynspectiveを約18%下回る。おまけにQPSと比べ赤字額も大きく、高コスト体質だ。

 だがりそなアセットマネジメントからの15億円相当の関心表明も出され、ブックビルディングは盛況に終わった。倍率もかなり高かったと伝わる。時価総額の逆転現象は既に仮条件を設定した時からだったが、QPSは夏以降、昨年に打ち上げた機体が立て続けにトラブルに見舞われ技術力に対する信頼が揺らぐ。そうしたなかで政府やJAXA(宇宙航空研究開発機構)との距離感が近いSynsへの期待が相対的に高いもようだ。民需の開拓も始めてはいるが、まだまだ政府頼みの事業だけにこの点は重要視される。
 技術力に関しては機体の分解能(最小計測値)が他社に劣るといった問題があったが、今夏に国内最高となる25cmの画像取得に成功したと発表した。もともと機体は100kg級とQPSの170kgに比べ軽量であり、現在は一歩秀でた状態とみられる。

 さらには今回の上場では大量の親引けが実施されており、三菱電機が1250万株を引き受け筆頭株主となった。商用衛星大手の三菱電は従来型の大型SAR衛星を手掛け、出資目的は「事業シナジーの創出を目的とした関係構築」としている。JAXAとの距離感が最も近く、実績も豊富な大手がバックに付いた安心感は大きい。

 それでも実際の実力に関しては、QPS同様打ち上げて本格運用に至ってみないと分からないというのが本音だろう。だが、結局のところ政府の後押しを背景に、宇宙バブルはまだまだ健在ということが大きいだろう。高い人気に支えられて初値は理屈に反した強い展開を想定し、7月の利上げ以降、初値上場率の限界水準となっている公開価格の1.5倍となる720円で予想する。ただし、理屈に合わない買い上げである以上、セカンダリーのリスクは高いとみる。
初値分析
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初値: 736円(今期予想連結PER: -) / 上昇率: 53.3% / 高値: 740円 / 安値: 597円 / 終値: 635円
出来高: 13,498,000株 / 対公開株数: 55.1% / 初値出来高: 2,901,600株 / 初値売買代金: 2,135,577,600円

 強い初値が付いた。競合を上回る値付けでありながらも宇宙バブルが健在のなか、買いが殺到した。寄り前気配では3割高辺りが意識されていたが、結局は7月利上げ後の初値倍率限界水準となっている1.5倍超での売り買い一致となった。

 寄り付き後は急反落した。寄り前気配から伸びた分はオーバーシュート扱いとなり昼過ぎには600円を割り込んだ。ただその後の値動きは底堅く、600円台前半でのもみ合いに移行した。この水準はQPS研究所が7月に特別損失を計上する前のPSRと同水準でもあり、まだ技術的信頼を失っていない分、相対的に高い評価を受ける格好となった。
 一方、出来高は公開株数の半分ほどだが、親引けを除いた実質ベースでは2.97回転に上った。

 だが、宇宙バブルに支えられるのは初日だけの傾向であり、目先の展開は厳しいとみる。
 一方、実証段階が終わり商用運用が本格化するタイミングで上場したのはQPSと同じであり、年内には6号機の打ち上げを計画している。打ち上げ予定期間は12月17日(協定世界時)から14日間としており、打ち上げ前後では株価も合わせて乱高下することだろう。ただ7号機については25年9月の計画となっており間隔が空く。
IPOスケジュール
マーケットデータ
日経平均 35,687.48 -1432.85
TOPIX 2,666.99 -90.26
グロース250 652.78 -16.11
NYダウ 41,583.90 -715.80
ナスダック総合 17,322.99 -481.04
ドル/円 148.90 -0.95
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