IPO銘柄詳細
コード | 市場 | 業種 | 売買単位 | 注目度 |
---|---|---|---|---|
7342 | マザーズ | 証券商品先物 | 100株 | A |
注目のIPO銘柄
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スケジュール
スケジュール | |
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仮条件決定 | 2020/12/03 |
ブックビルディング期間 | 2020/12/07 - 12/11 |
公開価格決定 | 2020/12/14 |
申込期間 | 2020/12/15 - 12/18 |
払込期日 | 2020/12/21 |
上場日 | 2020/12/22 |
価格情報 | |
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想定価格 | 1,100円 |
仮条件 | 1,100 - 1,150円 |
公開価格 | 1,150円 |
初値予想 | 2,300円 |
初値 | 1,725円 |
- スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 | 柴山 和久(上場時43歳0カ月)/1977年生 |
---|---|
本店所在地 | 東京都渋谷区渋谷 |
設立年 | 2015年 |
従業員数 | 83人 (2020/09/30現在)(平均37.7歳、年収727万円) |
事業内容 | 資産運用を全自動化したロボアドバイザーの開発・提供 |
URL | https://www.wealthnavi.com |
株主数 | 40人 (目論見書より) |
資本金 | 100,000,000円 (2020/11/18現在) |
上場時発行済株数 | 44,967,649株(別に潜在株式6,486,606株) |
公開株数 | 17,153,700株(公募2,500,000株、売り出し13,094,300株、オーバーアロットメント1,559,400株) |
調達資金使途 | 広告宣伝費、採用費・人件費、転換社債の償還 |
連結会社 | 0社 |
シンジケート
公開株数15,594,300株(別に1,559,400株)/海外分含む
種別 | 証券会社名 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
主幹事証券 | SBI | 9,668,600 | 62.00% |
主幹事証券 | 大和 | 4,288,400 | 27.50% |
引受証券 | みずほ | 701,700 | 4.50% |
引受証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー | 701,700 | 4.50% |
引受証券 | 野村 | 187,100 | 1.20% |
引受証券 | 岡三 | 46,800 | 0.30% |
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 | 摘要 | 株数 | 比率 |
---|---|---|---|
柴山和久 | 代表取締役CEO | 12,164,034 | 24.84% |
AT-I投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 4,496,400 | 9.18% |
SBIホールディングス(株) | 資本業務提携先 | 3,162,540 | 6.46% |
Infinity e.ventures Asia III | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 3,129,600 | 6.39% |
グローバル・ブレイン6号投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 2,921,412 | 5.96% |
FinTechビジネスイノベーション投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 2,635,896 | 5.38% |
(株)SMBC信託銀行(信託口) | 特別利害関係者など | 1,729,446 | 3.53% |
DBJキャピタル投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 1,372,623 | 2.80% |
協創プラットフォーム開発1号投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 1,175,088 | 2.40% |
(株)SBI証券 | 取引先 | 1,175,088 | 2.40% |
ジャパン・コインベスト2号投組 | ベンチャーキャピタル(ファンド) | 822,561 | 1.68% |
業績動向(単位:百万円)
決算期 | 種別 | 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
---|---|---|---|---|---|
2020/12 | 単独3Q累計実績 | 1,764 | -766 | -765 | -767 |
2020/12 | 単独予想 | 2,423 | -1,188 | -1,217 | -1,220 |
2019/12 | 単独実績 | 1,552 | -2,061 | -2,057 | -2,060 |
2018/12 | 単独実績 | 881 | -1,721 | -1,718 | -1,721 |
営業収益
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
決算期 | 種別 | EPS | BPS | 配当 |
---|---|---|---|---|
2020/12 | 単独予想 | -28.70 | 148.33 | 0.00 |
参考類似企業
事業詳細
ロボアドバイザー最大手。ロボットソフトウエアによる自動運用の「WealthNavi(ウェルスナビ)」は、目標設定からポートフォリオの構築、発注・積み立て・再投資、リバランス、税金最適化まですべてのプロセスを自動化している。金融工学に基づく資産運用アルゴリズムに従い運用しており、分散に関しては6~7銘柄のETF(上場投資信託)を通じ、世界約50カ国、1万1000銘柄以上に投資する。
収益は預かり資産の1%を手数料として受け取る。顧客と直接契約するダイレクト事業と、提携パートナーを通じて契約する提携パートナー事業でサービス展開しており、後者は1%の手数料を分け合っている。
2020年9月末時点の預かり資産は2892億円、運用者数は22.5万人超、提携パートナーはSBIグループはじめ17社。
2019年12月期の営業収益構成比は、手数料97.6%、トレーディング損益0.3%、金融収益0.1%、その他2.0%。主な販売先はSBIホールディングスグループ39.9%。
収益は預かり資産の1%を手数料として受け取る。顧客と直接契約するダイレクト事業と、提携パートナーを通じて契約する提携パートナー事業でサービス展開しており、後者は1%の手数料を分け合っている。
2020年9月末時点の預かり資産は2892億円、運用者数は22.5万人超、提携パートナーはSBIグループはじめ17社。
2019年12月期の営業収益構成比は、手数料97.6%、トレーディング損益0.3%、金融収益0.1%、その他2.0%。主な販売先はSBIホールディングスグループ39.9%。
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・直近(2019年11月)の第三者割当増資の発行単価は、分割や転換を遡及(そきゅう)修正すると851円。
・売り出し株の一部は欧州とアジアを中心とする海外市場(米国とカナダ除く)の投資家に販売される。
・既存株主は全員ロックアップが掛かる。ただし、制度ロックアップ対象を除くベンチャーキャピタル(計623万6931株以上)は初値形成後なら公開価格の1.5倍以上では解除される。
・新株予約権は上場後1年間は行使できない。
〈ファーストインプレッション〉
株式関連ニュースなどでも頻繁にTVCMを流しており、数ある12月の案件のなかで日経がやたらと同社に関してのみ上場観測を報じたのはスポンサーゆえの忖度(そんたく)か。SaaS関連ではないが、サブスクモデルであるうえ、積み立て型の顧客が多い性質上、収益は自動的に増える。ここ数年は矢継ぎ早に金融機関と提携しており、成長を加速させている。上場で信用度が向上すればさらに弾みが付きそうだ。
ただロボアドは効果を巡って異論も絶えない。ETFを使った形式一種のファンドオブファンズだが、手数料は安くても二重払いになる。自動化が税制面も対象にする点は便利そうだが、同社を育てたSBIが何から何まで仕切る初の大型IPOになるだけに不安は絶えない。
・売り出し株の一部は欧州とアジアを中心とする海外市場(米国とカナダ除く)の投資家に販売される。
・既存株主は全員ロックアップが掛かる。ただし、制度ロックアップ対象を除くベンチャーキャピタル(計623万6931株以上)は初値形成後なら公開価格の1.5倍以上では解除される。
・新株予約権は上場後1年間は行使できない。
〈ファーストインプレッション〉
株式関連ニュースなどでも頻繁にTVCMを流しており、数ある12月の案件のなかで日経がやたらと同社に関してのみ上場観測を報じたのはスポンサーゆえの忖度(そんたく)か。SaaS関連ではないが、サブスクモデルであるうえ、積み立て型の顧客が多い性質上、収益は自動的に増える。ここ数年は矢継ぎ早に金融機関と提携しており、成長を加速させている。上場で信用度が向上すればさらに弾みが付きそうだ。
ただロボアドは効果を巡って異論も絶えない。ETFを使った形式一種のファンドオブファンズだが、手数料は安くても二重払いになる。自動化が税制面も対象にする点は便利そうだが、同社を育てたSBIが何から何まで仕切る初の大型IPOになるだけに不安は絶えない。
仮条件分析
(BB参加妙味
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想定価格: 1,100円
吸収資金レンジ: 171.5億円 - 188.7億円(今期予想単独PER: -)
時価総額レンジ: 494.6億円
仮条件: 1,100円 - 1,150円
吸収資金レンジ: 171.5億円 - 197.3億円(今期予想単独PER: -)
時価総額レンジ: 494.6億円 - 517.1億円
仮条件は想定価格を下限に50円幅で設定された。上限価格は想定を4.55%上回る。
〈強材料〉
初モノ、仮条件上振れ、サブスクモデル、積み立て客多い、海外配分あり、業績急拡大、黎明期、海外でも上場例なし、海外買収例は資産運用額に近い、手数料高額
〈弱材料〉
ネット証券主幹事、公開規模大、赤字上場、評価難、VC保有株多い、海外勢の出方不明、将来的には手数料競争へ
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1300~1500円を想定する。
ロボアドバイザーの上場は海外でも例がなく、それだけに適正価格が算出しづらい。ただ買収例はいくつかあり、伝えられる買収額から導き出される企業価値でいけば仮条件は割安だ。公開規模が大きいうえ、ネット証券主幹事とあって需給は重いが、市場の急拡大するなかでのパイオニアとしての期待も高く堅調なスタートを想定する。
ロボアドバイザーとは、アルゴリズムなどを使い、低コストに資産ポートフォリオの提案や投資を自動的にしてくれるサービスである。英語ではデジタルアドバイスとも呼ばれる。2000年代初頭からプロの証券営業をサポートする目的程度のソフトはあったが、現在のような形はリーマンショックの頃の2008年に米国で始まったといわれる。それまで個別の資産管理サービスは富裕層だけのものだったが、ソフトウエア化によって大幅なコストダウンに成功。従来の人間のアドバイスと比べ、低コストで幅広い層がサービスを受けられるようになった。ウェルスマネジメント(資産管理)サービスのブレークスルーとみなされている。
近年、市場は急速に拡大しており、2015年末までに、世界中のほぼ100社のロボアドバイザーが600億ドルの顧客資産を管理しており、2020年末までに2兆ドルに達すると推定されている。国内では日本能率協会総合研究所(JMAR)が、口座数が2020年度には約110万件、2023年度には約260万件に達すると予測している。
米国で先行するロボアドバイザーだが、国内では上場例がまだない。海外でも少なくとも主要プレーヤーでは見当たらない。ほとんどが未上場か、もしくは金融大手が買収済みだ。このため適正価格の算出が極めて難しい。
代わりに買収時の価格が伝わっている例がいくつかあり、2015年夏にはブラックロックがフューチャーアドバイザー(FA)を約1.5億ドルで、2020年夏には退職金運用サービスのエンパワー・リタイアメントが、パーソナルキャピタル(PC)を計10億ドル(うち1.75億ドルは目標達成時の追加額)でそれぞれ買収したと報じられた。
これらの価格が具体的にどうやって算出されたのかは不明だが、2社の買収当時のAUM(預かり資産)はFAが9.7億ドル(07年3月)、PCが140億ドル(20年9月)。AUMの10分の1が目安の一つになったのではないかと考えられる。
ウェルスナビの最新の預かり資産は11月1日に、3100億円を突破したと発表された。対して仮条件の時価総額は500億円前後であり、AUMの10分の1より大きい。しかしながら、国内のロボアドバイザー市場は米国と違ってまだ競争が激化していない。ウェルスナビの手数料1%は自動投資型としては国内では一般的だが、米国では0.25%というのが相場である。つまりウェルスナビは米国の同業者と比べ、4倍もの収益力を持つことになる。これに従い適正時価総額も4倍すると、1240億円ということになる。実際には足元では営業収益のうち2割ほどがレベニューシェア費用として消えているため、提携パートナー経由の資産を4割ほどと推定でき、この部分を2倍換算にとどめると992億円だ。株価に引き直せば約2200円となる。買収時の価格にはプレミアムが載せられているとすると、2~3割ディスカウントで1500~1700円ほど。ちょうどロックアップ解除価格が視野に入る。
積み立て顧客が7割近くある同社のAUMは足元、およそ1カ月100億円のペースで増えている。株式相場の動向にもよるが、上場時には3200億円を超えているものと期待される。手数料引き下げ競争が始まるまでに、AUMはさらに積み上がっていくことだろう。山分けしても高い手数料を取れるとあって、提携先も運用難のなかで増えつつある。上場後は信用向上で金融機関の提携先がさらに増えそうだ。
なお、この1%の手数料がいかに高いかは、投資信託と比べても分かる。同じく積み立て顧客が多いとされるひふみ投信はコストのかかるアクティブ型でありながら、信託報酬は0.98%に過ぎない。また、ウェルスナビの投資するETF(上場投資信託)が高くても経費率は0.44%にとどまる。ロボアドは人手を介さないことでコストが低いわけで、米国のようにパッシブ型ETFより安くならなければブレークスルーの意味がない。これではウェルスナビの顧客になるよりも、株主になった方が資産形成の早道といえるだろう。
なお、国内でも投資の実行自体は投資家が行う提案型のロボアドでは手数料無料が出ているが、今のところ価格競争には至っていない。実際にはウェルナビも1口座3000万円超の部分は半額にしているわけだが、最大手の同社としては、価格競争は本格的に仕掛けられた時点で初めて対応すればいいだけだ。
ただ仮条件上限の上振れは想定価格の5%弱にとどまり、限定的だった。上場例が海外にもなく、しかも赤字。適正株価の算定が難しい条件がそろうわりに、評価が割れていないのか不思議だが、少なくともAUMを基に適正株価を求めるやり方は共有されているわけではないようである。
また、吸収額は最大200億円近くあり、SBI証券がトップレフトを務める案件としては過去最大だ。これまでクリーマの60億円クラスまでは手掛けてきたが、一挙にハードルは上がる。SBI証券の特性として、顧客が短期筋ばかりになるため、早売りされやすいといった特徴があり、クリーマでもそれが見られた。特にベンチャーキャピタル(VC)が多く、ロックアップ解除条項付きの時にそれは顕著になる。彼らはファンダメンタルズには疎くとも、VC絡みの需給には敏感だ。
ウェルスナビは大規模な広告宣伝費などにより多額の赤字を計上し続けているとあって、資金調達先となったVC保有株は多い。今期も営業収益は前期比56%増の24億円と急拡大するが、営業損益は12億円弱の赤字を予想しており、上場で調達する資金の半分は早速消えることになる。ロックアップの解除条件には「公開価格の1.5倍」のほか、「初値形成後」も付けられているためVCの売りが直接初値に関与するわけではないが、公開株の取得者の多くは余計にVCが来る前に売ろうするのではないかと推測される。
なお、読めないのが海外勢の反応である。米国での買収事例と日本の手数料の事情を知っていれば、かなり強気に出てくるのではないかと期待されるが、今のところ配分比率は開示されていない反応が分からない。強気なら仮条件にもっと現れてもいいと思うが、それも限定的だった。ファンドマネジャーなら手数料1%がどれだけ「ボロい商売」なのかは一目瞭然(りょうぜん)で、さらに手数料相場を知る海外勢なら余計にそうだろう。それは同業者としての嫉妬(しっと)と同時に、「一枚かませろ」ともなりそうなところでもあるが。
ただこれはSBIにとっては初の大型IPOとあって、慎重になっているだけの可能性も考えられる。ネット証券の彼らは万が一、公開価格が上限で決められなかった時のリスクが大きい。ただ前例がないだけに、こちらとしては出された数字をそのまま解釈するだけである。
最終的な判断は海外配分比率が決まってからにならざるを得ないが、価格設定だけを見れば、機関投資家にそれほど積極的な姿勢は感じられない。IPOラッシュで機関投資家も調査が追いついていない可能性、SBIゆえの機関投資家とのパイプが未成熟などの要因も考えられる。初のSBI大型案件であるうえ、世界的にも例がないロボアド大手の上場ということで、未知数なところが多く予想する方としては悩ましい案件ではあるが、最初から派手な展開にはなりにくそう。心理的な節目の1500円を上限に、想定初値レンジを設定する。
なお、上にはロックアップ解除も絡むため短期的な値動きはさらに難しいところだが、評価方法が不確かな初モノは過熱化することも多い。急成長する市場ということもあり、初値は売りより買い増しで対応すべきではないかとの印象を受ける。
吸収資金レンジ: 171.5億円 - 188.7億円(今期予想単独PER: -)
時価総額レンジ: 494.6億円
仮条件: 1,100円 - 1,150円
吸収資金レンジ: 171.5億円 - 197.3億円(今期予想単独PER: -)
時価総額レンジ: 494.6億円 - 517.1億円
仮条件は想定価格を下限に50円幅で設定された。上限価格は想定を4.55%上回る。
〈強材料〉
初モノ、仮条件上振れ、サブスクモデル、積み立て客多い、海外配分あり、業績急拡大、黎明期、海外でも上場例なし、海外買収例は資産運用額に近い、手数料高額
〈弱材料〉
ネット証券主幹事、公開規模大、赤字上場、評価難、VC保有株多い、海外勢の出方不明、将来的には手数料競争へ
〈結論〉
Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1300~1500円を想定する。
ロボアドバイザーの上場は海外でも例がなく、それだけに適正価格が算出しづらい。ただ買収例はいくつかあり、伝えられる買収額から導き出される企業価値でいけば仮条件は割安だ。公開規模が大きいうえ、ネット証券主幹事とあって需給は重いが、市場の急拡大するなかでのパイオニアとしての期待も高く堅調なスタートを想定する。
ロボアドバイザーとは、アルゴリズムなどを使い、低コストに資産ポートフォリオの提案や投資を自動的にしてくれるサービスである。英語ではデジタルアドバイスとも呼ばれる。2000年代初頭からプロの証券営業をサポートする目的程度のソフトはあったが、現在のような形はリーマンショックの頃の2008年に米国で始まったといわれる。それまで個別の資産管理サービスは富裕層だけのものだったが、ソフトウエア化によって大幅なコストダウンに成功。従来の人間のアドバイスと比べ、低コストで幅広い層がサービスを受けられるようになった。ウェルスマネジメント(資産管理)サービスのブレークスルーとみなされている。
近年、市場は急速に拡大しており、2015年末までに、世界中のほぼ100社のロボアドバイザーが600億ドルの顧客資産を管理しており、2020年末までに2兆ドルに達すると推定されている。国内では日本能率協会総合研究所(JMAR)が、口座数が2020年度には約110万件、2023年度には約260万件に達すると予測している。
米国で先行するロボアドバイザーだが、国内では上場例がまだない。海外でも少なくとも主要プレーヤーでは見当たらない。ほとんどが未上場か、もしくは金融大手が買収済みだ。このため適正価格の算出が極めて難しい。
代わりに買収時の価格が伝わっている例がいくつかあり、2015年夏にはブラックロックがフューチャーアドバイザー(FA)を約1.5億ドルで、2020年夏には退職金運用サービスのエンパワー・リタイアメントが、パーソナルキャピタル(PC)を計10億ドル(うち1.75億ドルは目標達成時の追加額)でそれぞれ買収したと報じられた。
これらの価格が具体的にどうやって算出されたのかは不明だが、2社の買収当時のAUM(預かり資産)はFAが9.7億ドル(07年3月)、PCが140億ドル(20年9月)。AUMの10分の1が目安の一つになったのではないかと考えられる。
ウェルスナビの最新の預かり資産は11月1日に、3100億円を突破したと発表された。対して仮条件の時価総額は500億円前後であり、AUMの10分の1より大きい。しかしながら、国内のロボアドバイザー市場は米国と違ってまだ競争が激化していない。ウェルスナビの手数料1%は自動投資型としては国内では一般的だが、米国では0.25%というのが相場である。つまりウェルスナビは米国の同業者と比べ、4倍もの収益力を持つことになる。これに従い適正時価総額も4倍すると、1240億円ということになる。実際には足元では営業収益のうち2割ほどがレベニューシェア費用として消えているため、提携パートナー経由の資産を4割ほどと推定でき、この部分を2倍換算にとどめると992億円だ。株価に引き直せば約2200円となる。買収時の価格にはプレミアムが載せられているとすると、2~3割ディスカウントで1500~1700円ほど。ちょうどロックアップ解除価格が視野に入る。
積み立て顧客が7割近くある同社のAUMは足元、およそ1カ月100億円のペースで増えている。株式相場の動向にもよるが、上場時には3200億円を超えているものと期待される。手数料引き下げ競争が始まるまでに、AUMはさらに積み上がっていくことだろう。山分けしても高い手数料を取れるとあって、提携先も運用難のなかで増えつつある。上場後は信用向上で金融機関の提携先がさらに増えそうだ。
なお、この1%の手数料がいかに高いかは、投資信託と比べても分かる。同じく積み立て顧客が多いとされるひふみ投信はコストのかかるアクティブ型でありながら、信託報酬は0.98%に過ぎない。また、ウェルスナビの投資するETF(上場投資信託)が高くても経費率は0.44%にとどまる。ロボアドは人手を介さないことでコストが低いわけで、米国のようにパッシブ型ETFより安くならなければブレークスルーの意味がない。これではウェルスナビの顧客になるよりも、株主になった方が資産形成の早道といえるだろう。
なお、国内でも投資の実行自体は投資家が行う提案型のロボアドでは手数料無料が出ているが、今のところ価格競争には至っていない。実際にはウェルナビも1口座3000万円超の部分は半額にしているわけだが、最大手の同社としては、価格競争は本格的に仕掛けられた時点で初めて対応すればいいだけだ。
ただ仮条件上限の上振れは想定価格の5%弱にとどまり、限定的だった。上場例が海外にもなく、しかも赤字。適正株価の算定が難しい条件がそろうわりに、評価が割れていないのか不思議だが、少なくともAUMを基に適正株価を求めるやり方は共有されているわけではないようである。
また、吸収額は最大200億円近くあり、SBI証券がトップレフトを務める案件としては過去最大だ。これまでクリーマの60億円クラスまでは手掛けてきたが、一挙にハードルは上がる。SBI証券の特性として、顧客が短期筋ばかりになるため、早売りされやすいといった特徴があり、クリーマでもそれが見られた。特にベンチャーキャピタル(VC)が多く、ロックアップ解除条項付きの時にそれは顕著になる。彼らはファンダメンタルズには疎くとも、VC絡みの需給には敏感だ。
ウェルスナビは大規模な広告宣伝費などにより多額の赤字を計上し続けているとあって、資金調達先となったVC保有株は多い。今期も営業収益は前期比56%増の24億円と急拡大するが、営業損益は12億円弱の赤字を予想しており、上場で調達する資金の半分は早速消えることになる。ロックアップの解除条件には「公開価格の1.5倍」のほか、「初値形成後」も付けられているためVCの売りが直接初値に関与するわけではないが、公開株の取得者の多くは余計にVCが来る前に売ろうするのではないかと推測される。
なお、読めないのが海外勢の反応である。米国での買収事例と日本の手数料の事情を知っていれば、かなり強気に出てくるのではないかと期待されるが、今のところ配分比率は開示されていない反応が分からない。強気なら仮条件にもっと現れてもいいと思うが、それも限定的だった。ファンドマネジャーなら手数料1%がどれだけ「ボロい商売」なのかは一目瞭然(りょうぜん)で、さらに手数料相場を知る海外勢なら余計にそうだろう。それは同業者としての嫉妬(しっと)と同時に、「一枚かませろ」ともなりそうなところでもあるが。
ただこれはSBIにとっては初の大型IPOとあって、慎重になっているだけの可能性も考えられる。ネット証券の彼らは万が一、公開価格が上限で決められなかった時のリスクが大きい。ただ前例がないだけに、こちらとしては出された数字をそのまま解釈するだけである。
最終的な判断は海外配分比率が決まってからにならざるを得ないが、価格設定だけを見れば、機関投資家にそれほど積極的な姿勢は感じられない。IPOラッシュで機関投資家も調査が追いついていない可能性、SBIゆえの機関投資家とのパイプが未成熟などの要因も考えられる。初のSBI大型案件であるうえ、世界的にも例がないロボアド大手の上場ということで、未知数なところが多く予想する方としては悩ましい案件ではあるが、最初から派手な展開にはなりにくそう。心理的な節目の1500円を上限に、想定初値レンジを設定する。
なお、上にはロックアップ解除も絡むため短期的な値動きはさらに難しいところだが、評価方法が不確かな初モノは過熱化することも多い。急成長する市場ということもあり、初値は売りより買い増しで対応すべきではないかとの印象を受ける。
公開価格分析
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公開価格: 1,150円
吸収資金: 197.3億円(今期予想単独PER: -)
時価総額: 517.1億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1063.75円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。一方、海外配分株数は857万6800株となり、公開株数全体に占める比率は50.0%となった。
想定初値を1500~1700円に引き上げる。ヤプリに続いての限界ギリギリの海外配分比率である。旧臨報方式とも呼ばれる簡易型のグローバルオファリングは、国内配分より海外配分を少なくするのが慣習だが、分母にオーバーアロットメントを含めるといった新解釈に早くも2例目が誕生した格好だ。ロボアドは海外の方が先行しているだけに海外勢の好反応は想定済みだが、そのなかでも最大限の反応を得た格好だ。これも公開価格比1.5倍超のスタートを視野に入れる必要が出てきたと考えたい。
ただこれでヤプリ、カイゼンPFとそろって海外配分比率の高い案件の一斉上場と、これまでに例のない状態となった。まさに未知の領域ともいえるが、需給的にはプラスになる要素はなく定石通りなら一番割を食うのは最も大きな案件、すなわちウェルスナビとなる。また、やはりネット証券が主幹事であることのハンディーはかなりあろう。一般的に早売りになりがちなゆえ、初値後に解除されるベンチャーキャピタルの売りに先回りしたい心理が働きやすい。このため1.5倍は意識しつつも到達はしないとみる。
吸収資金: 197.3億円(今期予想単独PER: -)
時価総額: 517.1億円
公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1063.75円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株式数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。一方、海外配分株数は857万6800株となり、公開株数全体に占める比率は50.0%となった。
想定初値を1500~1700円に引き上げる。ヤプリに続いての限界ギリギリの海外配分比率である。旧臨報方式とも呼ばれる簡易型のグローバルオファリングは、国内配分より海外配分を少なくするのが慣習だが、分母にオーバーアロットメントを含めるといった新解釈に早くも2例目が誕生した格好だ。ロボアドは海外の方が先行しているだけに海外勢の好反応は想定済みだが、そのなかでも最大限の反応を得た格好だ。これも公開価格比1.5倍超のスタートを視野に入れる必要が出てきたと考えたい。
ただこれでヤプリ、カイゼンPFとそろって海外配分比率の高い案件の一斉上場と、これまでに例のない状態となった。まさに未知の領域ともいえるが、需給的にはプラスになる要素はなく定石通りなら一番割を食うのは最も大きな案件、すなわちウェルスナビとなる。また、やはりネット証券が主幹事であることのハンディーはかなりあろう。一般的に早売りになりがちなゆえ、初値後に解除されるベンチャーキャピタルの売りに先回りしたい心理が働きやすい。このため1.5倍は意識しつつも到達はしないとみる。
初値予想
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初値予想: 2,300円(今期予想単独PER: -)
初値買い妙味: B
高い初値を予想する。同日のヤプリ、先週のプレイドと並んで今月注目の高い案件。世界的にも例のないロボアドバイザーのIPOかつ、米国に比べて非常に高い収益性があることから海外勢を中心に買いが殺到することになりそうだ。
ロボアドバイザーとは、アルゴリズムなどを使い、低コストに資産ポートフォリオの提案や投資を自動的にしてくれるサービスである。それまで欧米では個別の資産管理(ウェルスマネジメント)サービスは富裕層だけのものだったが、ソフトウエア化により大幅な低コスト化に成功したことで、幅広い層がサービスを受けられるようになった。ウェルス・マネジメント・サービスのブレークスルーとみなされている。
本場米国でも本格的に市場が立ち上がったのリーマンショック後といわれ、まだ市場は黎明(れいめい)期に当たり、急速に拡大している。2015年末までに、世界中のほぼ100社のロボアドバイザーが600億ドルの顧客資産を管理しており、2020年末までに2兆ドルに達すると推定されている。国内では日本能率協会総合研究所(JMAR)が、口座数が2020年度には約110万件、2023年度には約260万件に達すると予測している。
米国で先行するロボアドバイザーだが、海外でも少なくとも主要プレーヤーには上場例が見当たらない。ほとんどが未上場か、もしくは金融大手が買収済みだ。このため適正価格の算出が極めて難しい。
代わりに買収時の価格が伝わっている例がいくつかあり、2015年夏にはブラックロックがフューチャーアドバイザー(FA)を約1.5億ドルで、2020年夏には退職金運用サービスのエンパワー・リタイアメントが、パーソナルキャピタル(PC)を計10億ドル(うち1.75億ドルは目標達成時の追加額)でそれぞれ買収したと報じられた。これらの具体的な算定根拠は不明だが、2社の買収当時のAUM(預かり資産)はFAが9.7億ドル(07年3月)、PCが140億ドル(20年9月)だったことから、AUMの10分の1が目安の一つになったのではないかと考えられる。
ウェルスナビは8日、AUMが前日時点で3200億円を突破したと発表した。対して公開価格での時価総額は500億円前後であり、AUMの10分の1より大きい。しかしながら、国内のロボアドバイザー市場はまだ米国ほど競争が激化しておらず、米国の相場に比べると4倍の料率で手数料を取れている事情がある。これは国内ではブレークスルー相手のファンドラップの手数料がさらに高いといった事情も大きいわけだが、収益性から見ればとどのつまり企業価値も4倍していいことになる。営業収益のうち4割はレベニューシェアする販売会社経由であると推測されるため、この分を2倍換算で計算しても適正な時価総額は1024億円、株価にして2277円になる計算だ。
なお、実際のプライシング時にはマネーフォワードやフリーなどフィンテックの代表銘柄のPSRが指標に挙げられたもようだが、フリーのそれは現在50倍前後にも上っている。既に売り推奨の投資判断も出されており競合と比べても突出した評価になっているため、この株価が適正かどうかは注意する必要があるが、海外勢が主体となって買い上げているだけにフィンテックバブルの恩恵を受ける可能性は十分にあろう。
何よりウェルスナビの手数料1%がいかに高いかは、米国のロボアド事情を知らなくてもファンドマネジャーなら自分のところの信託報酬と比べるので一目瞭然(りょうぜん)である。アクティブ型ファンドと比べてもそん色ないにもかかわらず、ここには高い報酬を取るファンドマネジャーもアナリストもいない。代わりに高い報酬を取る技術者は必要だが、負担はずっと軽いし、規模のメリットが働きやすい。
先週に上場したプレイドは公開規模200億円を超える案件ながら、初日は買いが殺到し値が付かなかった。企業価値については単純に米国比4倍を基準に計算したが、コストも米国の4倍かかるわけではないため、さらに高い評価を受ける可能性もある。現状同社が赤字なのは大量のTVCMなど広告宣伝費を投入しているためだが、これはやめたからといって資産が流出するわけではない。積み立て顧客が多いということでは、たとえ新規口座が増えなくなっても、今後も自動的に増加していくと考えられるたぐいのものだ。
初値はプレイドに似た展開をたどる可能性が高いとみて公開価格から倍値で、上記で計算した適正株価にも近い2300円での売り買い一致を予想する。この価格は希薄化後のPSRでも50倍近く、過熱化気味のフリーを指標にする投資家はちゅうちょし始める水準になる。持ち越すかどうかは不明だが、ネット証券主幹事ということで早売り傾向の強い国内配分がプレイドより多い分、付きやすくなるだろう。
初値買い妙味: B
高い初値を予想する。同日のヤプリ、先週のプレイドと並んで今月注目の高い案件。世界的にも例のないロボアドバイザーのIPOかつ、米国に比べて非常に高い収益性があることから海外勢を中心に買いが殺到することになりそうだ。
ロボアドバイザーとは、アルゴリズムなどを使い、低コストに資産ポートフォリオの提案や投資を自動的にしてくれるサービスである。それまで欧米では個別の資産管理(ウェルスマネジメント)サービスは富裕層だけのものだったが、ソフトウエア化により大幅な低コスト化に成功したことで、幅広い層がサービスを受けられるようになった。ウェルス・マネジメント・サービスのブレークスルーとみなされている。
本場米国でも本格的に市場が立ち上がったのリーマンショック後といわれ、まだ市場は黎明(れいめい)期に当たり、急速に拡大している。2015年末までに、世界中のほぼ100社のロボアドバイザーが600億ドルの顧客資産を管理しており、2020年末までに2兆ドルに達すると推定されている。国内では日本能率協会総合研究所(JMAR)が、口座数が2020年度には約110万件、2023年度には約260万件に達すると予測している。
米国で先行するロボアドバイザーだが、海外でも少なくとも主要プレーヤーには上場例が見当たらない。ほとんどが未上場か、もしくは金融大手が買収済みだ。このため適正価格の算出が極めて難しい。
代わりに買収時の価格が伝わっている例がいくつかあり、2015年夏にはブラックロックがフューチャーアドバイザー(FA)を約1.5億ドルで、2020年夏には退職金運用サービスのエンパワー・リタイアメントが、パーソナルキャピタル(PC)を計10億ドル(うち1.75億ドルは目標達成時の追加額)でそれぞれ買収したと報じられた。これらの具体的な算定根拠は不明だが、2社の買収当時のAUM(預かり資産)はFAが9.7億ドル(07年3月)、PCが140億ドル(20年9月)だったことから、AUMの10分の1が目安の一つになったのではないかと考えられる。
ウェルスナビは8日、AUMが前日時点で3200億円を突破したと発表した。対して公開価格での時価総額は500億円前後であり、AUMの10分の1より大きい。しかしながら、国内のロボアドバイザー市場はまだ米国ほど競争が激化しておらず、米国の相場に比べると4倍の料率で手数料を取れている事情がある。これは国内ではブレークスルー相手のファンドラップの手数料がさらに高いといった事情も大きいわけだが、収益性から見ればとどのつまり企業価値も4倍していいことになる。営業収益のうち4割はレベニューシェアする販売会社経由であると推測されるため、この分を2倍換算で計算しても適正な時価総額は1024億円、株価にして2277円になる計算だ。
なお、実際のプライシング時にはマネーフォワードやフリーなどフィンテックの代表銘柄のPSRが指標に挙げられたもようだが、フリーのそれは現在50倍前後にも上っている。既に売り推奨の投資判断も出されており競合と比べても突出した評価になっているため、この株価が適正かどうかは注意する必要があるが、海外勢が主体となって買い上げているだけにフィンテックバブルの恩恵を受ける可能性は十分にあろう。
何よりウェルスナビの手数料1%がいかに高いかは、米国のロボアド事情を知らなくてもファンドマネジャーなら自分のところの信託報酬と比べるので一目瞭然(りょうぜん)である。アクティブ型ファンドと比べてもそん色ないにもかかわらず、ここには高い報酬を取るファンドマネジャーもアナリストもいない。代わりに高い報酬を取る技術者は必要だが、負担はずっと軽いし、規模のメリットが働きやすい。
先週に上場したプレイドは公開規模200億円を超える案件ながら、初日は買いが殺到し値が付かなかった。企業価値については単純に米国比4倍を基準に計算したが、コストも米国の4倍かかるわけではないため、さらに高い評価を受ける可能性もある。現状同社が赤字なのは大量のTVCMなど広告宣伝費を投入しているためだが、これはやめたからといって資産が流出するわけではない。積み立て顧客が多いということでは、たとえ新規口座が増えなくなっても、今後も自動的に増加していくと考えられるたぐいのものだ。
初値はプレイドに似た展開をたどる可能性が高いとみて公開価格から倍値で、上記で計算した適正株価にも近い2300円での売り買い一致を予想する。この価格は希薄化後のPSRでも50倍近く、過熱化気味のフリーを指標にする投資家はちゅうちょし始める水準になる。持ち越すかどうかは不明だが、ネット証券主幹事ということで早売り傾向の強い国内配分がプレイドより多い分、付きやすくなるだろう。
初値分析
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初値: 1,725円(今期予想単独PER: -)
/ 上昇率: 50.0%
/ 高値: 2,040円
/ 安値: 1,704円
/ 終値: 1,937円
出来高: 19,801,600株 / 対公開株数: 115.4% / 初値出来高: 4,163,500株 / 初値売買代金: 7,182,037,500円
初値はちょうど公開価格の1.5倍で付いた。この価格はロックアップ解除価格でもあるが、発動するのは初値形成後。短期筋の多いネット証券が主幹事ということで、初値後の需給を意識した公開株の取得者が多く動いた結果か。
なお、同社株も海外勢の取得意欲の高さがかいま見えた案件だったが、プレイドほどではなかった。これは今回のグローバルオファリングが、プレイドとは異なり北米を除いた形式で行われたためとみられる。米国系の資金が入らなかったことがこの格差になって表れたようだ。
ただ初値売買代金72億円弱は多いことに変わりない。初値売却率も24%とヤプリ同様に低く、彼らが抱え込んだまま買い増しで臨んできたことがうかがえる。
寄り付き後は一段高した。まずはロックアップを解除したことでベンチャーキャピタルからの売りとの攻防になった。解除価格を下回ると売りが止まったことが、その証左である。日本株全体が売られ直近上場株も軒並み安となるなか、利益確定売りにも押され一進一退となったが、終盤に荒れて大引け近くに急伸。一時2000円を超える場面を見せ高値圏で引けた。
目先は一服しやすい展開か。今のところ買い手の主体は海外勢と推測されるわけだが、彼らはもうすぐクリスマス休暇入りだ。2000円の節目を付けたことでは達成感も出やすい。初モノとしてのお祭り感はあるが、直近上場株が軒並み急落しており雰囲気が悪くなってきたほか、年末は個人の税制絡みの売りも出やすくなる。同社の預かり資産は足元では毎月100億円のペースで増加しており、それに伴い企業価値も拡大し続けることになる。来春には少額投資非課税制度(NISA)にも採用されるため、さらなる成長が期待されるわけだが、目先の需給には警戒が必要だ。乗り遅れた人にとっては押し目買いの機会が訪れるのではないかと考える。
(追加)
大和証券からリポートが出ている。預かり資産の拡大を背景に、今後3年間の営業収益は年平均57%で成長すると考察。22.12期の営業収益を19.12期比約4倍の60.2億円と予想した。経常収益は21.12期に黒字転換し、22.12期には15億円(EPS 28.9円)を突破すると予想した。
出来高: 19,801,600株 / 対公開株数: 115.4% / 初値出来高: 4,163,500株 / 初値売買代金: 7,182,037,500円
初値はちょうど公開価格の1.5倍で付いた。この価格はロックアップ解除価格でもあるが、発動するのは初値形成後。短期筋の多いネット証券が主幹事ということで、初値後の需給を意識した公開株の取得者が多く動いた結果か。
なお、同社株も海外勢の取得意欲の高さがかいま見えた案件だったが、プレイドほどではなかった。これは今回のグローバルオファリングが、プレイドとは異なり北米を除いた形式で行われたためとみられる。米国系の資金が入らなかったことがこの格差になって表れたようだ。
ただ初値売買代金72億円弱は多いことに変わりない。初値売却率も24%とヤプリ同様に低く、彼らが抱え込んだまま買い増しで臨んできたことがうかがえる。
寄り付き後は一段高した。まずはロックアップを解除したことでベンチャーキャピタルからの売りとの攻防になった。解除価格を下回ると売りが止まったことが、その証左である。日本株全体が売られ直近上場株も軒並み安となるなか、利益確定売りにも押され一進一退となったが、終盤に荒れて大引け近くに急伸。一時2000円を超える場面を見せ高値圏で引けた。
目先は一服しやすい展開か。今のところ買い手の主体は海外勢と推測されるわけだが、彼らはもうすぐクリスマス休暇入りだ。2000円の節目を付けたことでは達成感も出やすい。初モノとしてのお祭り感はあるが、直近上場株が軒並み急落しており雰囲気が悪くなってきたほか、年末は個人の税制絡みの売りも出やすくなる。同社の預かり資産は足元では毎月100億円のペースで増加しており、それに伴い企業価値も拡大し続けることになる。来春には少額投資非課税制度(NISA)にも採用されるため、さらなる成長が期待されるわけだが、目先の需給には警戒が必要だ。乗り遅れた人にとっては押し目買いの機会が訪れるのではないかと考える。
(追加)
大和証券からリポートが出ている。預かり資産の拡大を背景に、今後3年間の営業収益は年平均57%で成長すると考察。22.12期の営業収益を19.12期比約4倍の60.2億円と予想した。経常収益は21.12期に黒字転換し、22.12期には15億円(EPS 28.9円)を突破すると予想した。