IPO銘柄詳細

エクサウィザーズ

コード 市場 業種 売買単位 注目度
4259 マザーズ 情報・通信業 100株 S
スケジュール
スケジュール
仮条件決定 2021/12/07
ブックビルディング期間 2021/12/08 - 12/14
公開価格決定 2021/12/15
申込期間 2021/12/16 - 12/21
払込期日 2021/12/22
上場日 2021/12/23
価格情報
想定価格 1,050円
仮条件 1,050 - 1,150円
公開価格 1,150円
初値予想 1,150円
初値 1,030円
  • スケジュールは上場企業都合により変更になる場合があります。
基本情報
代表者名 石山 洸(上場時39歳10カ月)/1982年生
本店所在地 東京都港区東新橋
設立年 2016年
従業員数 233人 (2021/10/31現在)(平均35.4歳、年収814.5万円)、連結310人
事業内容 AI(人工知能)を利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL https://exawizards.com/
株主数 51人 (目論見書より)
資本金 100,000,000円 (2021/11/18現在)
上場時発行済株数 79,308,000株(別に潜在株式11,265,000株)
公開株数 32,407,200株(公募4,000,000株、売り出し25,607,200株、オーバーアロットメント2,800,000株)
調達資金使途 採用費・人件費、ソフトウエア開発投資、研究開発費、マーケティング投資、運転資金、借入金の返済
連結会社 3社
シンジケート
公開株数29,607,200株(別に2,800,000株)/(海外分含む)
種別 証券会社名 株数 比率
主幹事証券 SMBC日興 18,504,700 62.50%
主幹事証券 三菱UFJモルガン・スタンレー 9,622,300 32.50%
引受証券 大和 592,100 2.00%
引受証券 みずほ 592,100 2.00%
引受証券 SBI 207,200 0.70%
引受証券 楽天 88,800 0.30%
大株主(潜在株式を含む)
大株主名 摘要 株数 比率
春田真 取締役会長 9,212,000 10.64%
古屋俊和 創業者 8,750,000 10.11%
(株)ベータカタリスト 役員らが議決権の過半数を所有する会社 8,685,000 10.03%
(株)INCJ ベンチャーキャピタル(ファンド) 6,891,400 7.96%
アイエスジーエス1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 6,793,000 7.85%
D4V1号投組 ベンチャーキャピタル(ファンド) 4,966,500 5.74%
坂根裕 取締役 4,720,000 5.45%
石山洸 代表取締役社長 4,184,000 4.83%
竹林洋一 特別利害関係者など 3,925,000 4.53%
浅谷学嗣 従業員(AIエンジニアリングフェロー) 1,900,000 2.19%
SOMPOホールディングス(株) 資本業務提携先 1,618,000 1.87%
業績動向(単位:百万円)
は予想
決算期 種別 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2022/03 連結中間実績 1,971 -329 -336 -388
2022/03 連結予想 4,738 -180 -75 -95
2021/03 連結実績 2,612 -508 -451 -592
2020/03 単独実績 2,063 -467 -422 -469
売上高
営業利益
経常利益
純利益
1株あたりの数値(単位:円)
は予想
決算期 種別 EPS BPS 配当
2022/03 連結予想 -1.24 82.70 0.00
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事業詳細
 人工知能(AI)ソリューションの開発販売。独自開発のAIアルゴリズムとさまざまな業界や業務に関する知見を組み合わせたAIサービスを開発・提供している。
 エクサインテリジェンスが2017年10月、デジタルセンセーションを吸収合併して誕生した。現社名はウィザード(魔法使い)級の達人たちがたくさん(エクサ=10の18乗)集まる会社という意味に、合併した両社の名前を残してエクサ with DS(デジタルセンセーション)を掛け合わせた。
 合併時から代表取締役社長を務める石山洸氏はデジタルセンセーションの出身である。エクサインテリジェンスの創業者で、代表取締役だった筆頭株主の春田真氏は取締役会長に就いた。春田氏は合併当初は代表権を有していたが、翌年11月からは外している。

1.AIプラットフォーム事業
 個別企業を顧客とし、グループのAIプラットフォーム「exaBase」に蓄積されたデータ基盤を用いたコンサルティングやアルゴリズム・ソフトウエア開発、サービス設計、顧客業務プロセスへの実装まで一連のソリューションを提供している。

2.AIプロダクト事業
 多くの企業に共通した業務課題に向けて、顧客の業務プロセスに簡易に導入・活用可能なAIソフトウエア群を提供している。

 2021年3月期の売上高構成比は、AIプラットフォーム事業86.4%、AIプロダクト事業13.6%。主な販売先はアフラック生命保険11.5%。
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・米Capital World Investorsが投資助言を行うファンドに40億円相当、GIC Private Limited(シンガポール政府投資公社)に40億円相当、香港Janchor Partners Pan-Asian Master Fundに40億円相当を上限にそれぞれ親引け販売する。
・直近(2021年8月)の特別利害関係者らによる株式売買単価は、分割を遡及(そきゅう)修正すると880.82円。
・公開株の一部は欧州やアジアを中心とする海外市場(北米除く)で販売される。
・池永威彦氏を除く売り出し後の既存大株主上位30位までと、SMBCベンチャーキャピタル6号、52位までのグループ役職員のほか、株主2名、新株予約権者113名にはロックアップが掛かる。ただし、ベンチャーキャピタルやINCJ(推計944万2500~994万2500株)は公開価格の1.5倍以上ならば解除される。


〈ファーストインプレッション〉
 人気の高いAI関連。赤字上場だが徐々に縮小しており、黒字化が見えやすくなっている点は安心感を誘う。個別向けで蓄積した技術を汎用プロダクトに展開している事業モデルも興味深い。セーフィー同様、複数の外資ファンドに巨額割り当てが決まっている点も注目だ。想定価格の試算では合計で35%強が予約されていることになる。業績規模もあり、大した実績もないのに外枠だけ整えてて上場してくるAIベンチャーとは雲泥の差だ。ただ世界同時株安でグロース株の先行きは不透明感が強まっている。超過密日程も重なるなかで、どこまで値を伸ばせるものなのか。
仮条件分析 (BB参加妙味 :B)
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想定価格: 1,050円
 吸収資金レンジ: 310.9億円 - 340.3億円(今期予想連結PER: -)
 時価総額レンジ: 832.7億円

仮条件: 1,050円 - 1,150円
 吸収資金レンジ: 310.9億円 - 372.7億円(今期予想連結PER: -)
 時価総額レンジ: 832.7億円 - 912.0億円

 仮条件は想定価格を下限に100円幅で設定された。上限価格は想定を9.52%上回る。また、海外3ファンドへの親引けについて、当初予算を下限価格に合わせたそれぞれ380万9500株を上限に設定した。公募売り出し後のそれぞれの持ち分は4.21%で株主順位5位に並ぶ見込み。

〈強材料〉
仮条件上振れ、人気業態、業績規模大、海外ファンド大量予約、粗利率高い

〈弱材料〉
赤字、グロース株軟調、米金利上昇懸念、同日5社、公開規模大、業績予想や説明が大ざっぱで内訳開示なし、PSR20倍超

〈要点〉
・海外ファンドが計120億円分の大量予約(配分率35%)。
・売上高規模急拡大のうえ水準高く、赤字は縮小傾向。来期には黒字転換か。
・プロダクト事業は今上期に粗利黒字転換。
・190社を超える大企業(2021年9月末時点)にサービス提供の実績。
・過密日程でも海外勢の参戦で資金分散の影響は受けにくいだろう。

〈結論〉
 Bとする。公開価格が仮条件上限ならば、初値は1300~1500円(希薄化後PSR:24.9~28.7倍)を想定する。

 公開規模からしても前半がネットプロなら、後半はここが目玉案件になる可能性は高いわけだが、グロース株が大きく調整するなかでも複数の海外ファンドによる大量予約は予定通りに進行している。オミクロンショックも一巡するなか、海外勢の買いが期待できそう。
 赤字上場だが今期増収率は81%と高く、赤字額は順調に減少している。調達資金の使途は運転資金が中心だが、来期より再来期以降につぎ込む計画となっており、設備投資の計画もない。上場後に増収ペース以上のコスト増額は計画していないとみられることから、このペースなら来期には営業黒字に転換できよう。AIプラットフォーム事業で蓄積したデータ基盤を、AIプロダクト事業で汎用化させて拡販していく事業モデルはJDSCにかなり似ており同時期の上場とあって混乱するが、業績面では比べものにならないほどこちらが格上だ。

 半面、仮条件は希薄化後PSR20倍超でプライシングされており、既にかなり高い水準だ。業績が好調なうえ、粗利率が約6割と高く、黒字化も見えているため来期を織り込んでのことだろうが、グロース株のPSR相場はかなりコロナ前に戻りつつある。同じく海外ファンドが大量予約したセーフィーは最初の決算発表を契機に、公開価格近くにまで押し戻されている。

 また、海外資金の流入を見込むため同日上場や過密日程による資金分散の影響は受けにくいだろうが、彼らもクリスマス休暇目前にどれだけ積極的に動いてくれるのか。さらには需給的には公開価格の1.5倍から上は大量のロックアップ解除も控えるゆえ、売り手も買い手もその手前の心理的節目である1500円をめどにする可能性は高い。1600円に入ると希薄化後のPSRは30倍に乗せることにもなるため、ブレーキが働きやすいラインだ。

 ただし、今の時点では海外配分がどの程度になるのかが読めない。1500円のラインは親引けの大量予約からセーフィー並み(7割弱)の高配分を想定してのことだが、PSRの高さや国内グロース株売りの流れを踏まえると、他の海外勢がどれだけ追随してくるものなのか。特に年末は個人が税制対応で早売りになりがちなため、国内分が多くなると売り圧力はいつも以上に増すことになる。海外配分35%以上は確実なためそれなりの配分があるものと考えるが、3ファンドへの追随が少ないようなら早めの寄り付きも想定しておく必要がある。
公開価格分析
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公開価格: 1,150円
 吸収資金: 372.7億円(今期予想連結PER: -)
 時価総額: 912.0億円

 公開価格、追加売り出し株数ともに上限で決まった。引受価額は1082.45円。訂正目論見書によればブックビルディングの状況は、申告された総需要株式数が公開株数を十分に上回り、総件数が多数にわたっていたうえ、価格ごとの分布は仮条件の上限価格に集中していたことが特徴だった。
 一方、海外販売株数は公募300万1200株、売り出し1921万3100株の計2221万4300株となった。公開株数の68.5%に当たる。また、この内訳に含まれる海外ファンドへの親引けはそれぞれ347万8200株ずつの配分となり、合計では1043万4600株となった。それぞれ上限には達していないが、当初予算分を消化しており実質的には上限取得である。親引け以外でも海外勢の買い意欲は強かったとみられ、最終的には親引けの倍以上の配分になった。

 海外配分率は同じく海外ファンドの事前予約があったセーフィーをわずかながら上回る水準だ。北米募集のない旧臨時報告所方式としては過去最も高い。複数のファンドが大量の買いをオープンにしている点も追随買いを誘発しやすいと期待される。
 しかしながら、海外配分75%のネットプロテクションズは公開価格割れした。仮条件を想定段階から引き上げた経緯もあったためネガティブサプライズだった。中身を見ると買いが入らなかったわけではないため、結果論からすれば公開規模を誤ったプロデュースミスともいえるが、海外勢が軟調な株価に機敏に反応しなくなっている点は受け止めなければならない。

エクサウィザーズの親引けを除いた公開規模は253億円とネットプロと比べると4割弱、国内吸収額は117億円と7割ほどだ。ただ北米募集はしておらず、東証1部直接と新興市場といったハンディを負う。大型案件連敗中の大和証券は引き受けのみで幹事ではないが、赤字グロース株への売り圧力は日に日に増している。こうした中でも海外需要を積み上げたことから、買い越しスタートの見通しは維持するが、想定初値は1200~1400円(希薄化後PSR:22.9~26.8倍)に引き下げる。
初値予想
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初値予想: 1,150円(今期予想連結PER: -)
初値買い妙味: B

 初値同値を予想する。JDSCのストップ高効果でにわかに回復したかに見えたが、赤字グロース株に厳しい相場展開は変わらない。ブックビルディングでは成長性の高さが評価され需要を集めたが、下げ相場のなかでさらに高く評価する動きは限定されそうだ。

 人工知能(AI)ソリューションを開発販売するさまざまな領域で事業を展開しており、横断的な協業も手掛けるほか、画像解析や音声解析など複数のアルゴリズムに精通しており組み合わせによるソリューションも提供できる。また、2021年9月末時点では国内特許の出願数が124件、保有55件と多いほか、2020年には特許庁運営による知財コミュニティーポータルサイト「IP BASE」が開催した、スタートアップ×知財のベストプレーヤーを表彰する「IP BASE AWARD」スタートアップ部門でグランプリを受賞した。

 技術力の高さは業績にも現れており、22.3期の売上高は前期比81%増の47億円に上る見込みだ。営業損益はまだ赤字だが、年々縮小傾向にあり今期は1.8億円まで縮小する。AI関連企業というと、市場の評価が高くなるのを利用して、体裁だけ整えて大した実績もないのに上場に踏み切る企業ばかりだが、そうした企業とは一線を画す存在といえよう。
 そうした実績が評価されたのか、まだ値決め前から米香港シンガポール3社の海外ファンドが40億円ずつとなる計120億円規模の親引けを計画。公開価格は想定価格を1割弱上回ったが、3ファンドとも満額で引き受けた。他の海外投資家も需要は旺盛だったようで、海外配分比率は旧臨時報告書方式としては過去最高となる68.5%に達した。

 ただ足元の市況は悪化するばかりだ。週明けはJDSCのストップ高をきっかけに改善の兆しが見られたが、6社同日+持ち越し1社となった22日は4社が公開価格割れし、そのうち2社は引受価額をも割り込んだ。この2社はともに赤字上場だった。赤字グロース株への風当たりの強さがうかがえる。

 同社の場合は縮小傾向で、来期には黒字化するペース。同じ赤字でも景色は違って見えるわけだが、先週は海外配分比率が75%もあり黒字だったネットプロが公開価格割れした。公開価格の希薄化後PSRは22倍となっており、本日は19.4倍で黒字だったサインドが公開価格割れした。こちらは増収率が8割と高く来期をにらめば、この違いは許容できる差だろうが、来期予想は開示されているわけでない。不確かなものに対し、今は手出ししづらい地合いとなっており、公開価格以上の評価はなかなか難しそうだ。JDSCの初値がわずか1円高だったことも鑑み、初値は同値で予想する。
初値分析
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初値: 1,030円(今期予想連結PER: -) / 上昇率: -10.4% / 高値: 1,150円 / 安値: 1,012円 / 終値: 1,075円
出来高: 10,502,400株 / 対公開株数: 32.4% / 初値出来高: 3,942,800株 / 初値売買代金: 4,061,084,000円

 初値は苦戦し、引受価額の1082.45円や想定価格の1050円も割り込んだ。海外人気の高い案件だったが、赤字グロースへの見方が日に日に厳しくなるなか、9時直後の時点で入った買いは7億円強にとどまった。前日の赤字グロース株に比べれば入った方だが、公開規模が1.6倍以上あることもあり全く間に合わず。もともとオーバーアロットメント(OA)分を除いた公開株数の1割弱しかオーバーアロットメントが設定されていなかったのもあり、売りを吸収しきれなかった。前日のフィナテキストやザクーなど赤字グロース株のセカンダリーが公開価格割れの初値後も厳しかったことで、同じ赤字株を取得した投資家として恐怖感が増したものと思われる。
 なお、規定いっぱいの15%にOAを設定したとすると、444万1000株なので引受価額で吸収できていたことになる。OAが少なかったのは親引けが多かったためとみられる。親引けを除いて計算すると15%弱に収まるため、通常ならこれで売りは十分吸収できるはずだった。

 寄り付き後は方向感に欠ける展開となった。直後はリバウンドし、公開価格まで戻したが、そこから上に行くことはできず、後場に入ると押し戻された。ただフィナテキストやザクーと違って下押し圧力は弱く、日足チャートは陽線。赤字といえど実力を伴っていることに加え、2日目のフィナテキストやザクーが主幹事の大和証券から来期黒字化の見通しが出されたことに反応し、一転してストップ高を付けたことが影響したとみられる。同じAI企業のJDSCも大幅続伸し、この日の直近上場株は全般的に強かった。

 しばらくは公開価格を目安に上値の重い展開が続きそうだ。主幹事の日興と三菱はともにIPO株のリポートはすぐに出さない。業績推移を見ると上記2社以上に来期黒字化は容易と考えられるが、市場にその認識は広まっていない。公開価格割れすると戻り待ちの売り圧力が強いため、やがて見切り売りに押されて下押ししやすくもなる。会社側からの具体的な黒字化めどなどのアナウンスが求められるところだ。
IPO更新情報
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GVA TECHの東証グロース上場が承認
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マーケットデータ
日経平均 38,026.17 -326.17
TOPIX 2,682.81 -15.48
グロース250 635.64 +4.48
NYダウ 43,408.47 +139.53
ナスダック総合 18,966.14 -21.33
ドル/円 154.44 -0.99
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